5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ15【友人・知人】

1 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/12(火) 18:43:42 ID:iaWe/FUZ0
シリーズ物、霊感の強い人にまつわる話を集めるスレです。
考察や、好きな話について語り合いましょう。(荒れる原因なのでなるべく「乙」だけですましましょう)

・投下歓迎。実話、創作不問。新作も歓迎
・作品投稿者はトリップ(名前欄に#任意の文字列)推奨。
・話を投下する際はなるべくまとめてから投下しましょう
・sage進行、荒らし煽りはスルーでお願いします。
・他スレへの迷惑が掛かるような過度の勧誘やはご遠慮下さい。
・このスレでは作品への批判は荒らしと認定していますので、批判はご遠慮ください
・このスレには『このスレと住人を許さない』という荒らしがしつこく荒らしています
 どうかこいつには徹底無視をお願いします。
・「荒らしに反応する奴も荒らし」というネットのルールを忘れずに。
 反応するとその人を荒らしと 認 定 いたします

シリーズ物総合まとめサイト
http://us.eek.jp/occult/

↓更新停止中?
2chオカ板シリーズ物総合倉庫        まとめサイトその2
http://occult.nobody.jp/         http://www35.tok2.com/home/ganbanbee/index.html

洒落コワ投稿掲示板(煽りは嫌、洒落コワまとめに載りたい!と言う人はこちらへ)
http://jbbs.livedoor.jp/study/9405/

前スレ
【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ14【友人・知人】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1282317593/

2 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/12(火) 19:38:49 ID:WSI5oJ/Q0
                ,
                  /
               /
                 /
  ̄``ヽ、       /
      ``‐、     i
        `ヽィ'⌒ヽ.,_
             ト_,__,..>'``ーァ‐''´了 2ゲット!うんこに勝利!!
          ノ:;,.,r-‐'´ ̄_r'´ /i
     ー、r‐ァ‐'-‐'´__,..、‐_,.、-‐イ/ !
       そ‐、二_、-‐'´    .! ト、
          >、 ヽ、     |  i. i_
          ,.r'/!ヽ  `ヽ、   !  〉.トミ
       iィ´  /、ヽ、  ヽ、 j-<  ! i!
       !i   /∧ ヽ`ー'´!`‐' `ヽ.ノ. !i
      _.」> !.i  ヽ、  ./ 〈ヽヽ.ー.i! !i
     r'´   i.!   `ヽィ.く ヽヾ、`ノ !i
           !i     `‐-、.,_/.  tゝ
          !i
          i !
          〉!
           t/

3 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/12(火) 20:55:22 ID:T7BKhQfm0
>師匠シリーズのパクリだという意見もあるけど、「ユリ・ゲラーの番組を見てスプーン曲げを試した」という描写が出てきたら、
それはユリ・ゲラーのパクリだろうか?

読み物と超能力を同列に語るなよ低能ww
じゃあお前小説を完全にパクって出版社に掛け合ってみろよw
ほんと此処の住人ってバカばかりで楽しませてくれるわ

4 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/12(火) 21:56:05 ID:WSI5oJ/Q0
カメムシ4ゲット!たひ阻止成功!!

5 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 00:51:02 ID:7r+ChAQz0
>>1

トンガラシ作品をまとめてるサイトを探してるんだけど、
誰か知らないですか?(´・ω・`)


6 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 07:55:03 ID:dwEg0m+nO
>>1
今日は誰か来ないかな

7 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 09:36:23 ID:ABn92imn0
ウニさん、稲男さんまってまーす

8 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 18:35:16 ID:xxbEtjjmO
枯野の出現率の低さはオカルトだな
何故長編化して尺を稼がないのか…

9 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 18:35:56 ID:+pe4z8eCO
ウニパクリは消えろ

10 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 19:57:31 ID:RKXYO67w0
忍の人のお姉さんは見つかったのかな…

11 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/13(水) 20:22:24 ID:99i3wtg50
どうもこんばんわ、稲男です。
今日は朝から脱穀、昼から稲刈り二日目という微妙にハードなスケジュールをこなして来ました。
もう米は見飽きた感じです。
前スレで相談した投下間隔の話ですが、不快に思う方がいるのを承知で書きあがったら即投下にしたいと思います。
その内自然と間隔が広がっていくと思いますので、ある程度の基盤が出来るまでということでご容赦ください。
と、言うわけで今日も一つ。

「手首ですか」
「そう、手首だ」
その話を聞いたのは、出会った年の夏だった。
「で、手首がどうしたんですか」
「うん、手首がな、こう、歩くんだ。知ってるか。昔の映画」
てれれれん、と主題歌を歌う。
「あの、化け物一家のヤツですよね。で、どこを歩くんですか」
「俺の部屋の中」
「やっぱり帰ります」
先輩の部屋には空調が無い。
その日は猛暑日だったが、先輩がどうしても部屋で無ければ話せないことだと言うからこうやって耐えているのに。
その結果がこの場に幽霊が出ますだった。
「まあ待て。何も難しい事を頼もうっていうんじゃない。そいつを一緒に見ようって言いたいだけだ」
正直、気乗りしない。
そういうものを見たいって気持ちより、この暑苦しい空間にいたくないという気持ちが強いからだ。
いい加減いらいらしてきた俺に、先輩は尚語る。
「なあ、そんな顔しないで頼むよ。困ってるんだ、俺」
ひく、と眉が動く。
なんと。予想していなかった。
先輩が困っている。
それを俺が助ける。
「わかりました。そこまで言うなら」
俺は単純だった。

12 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/13(水) 20:26:15 ID:99i3wtg50
その夜。先輩のアパートにて。
「と、いうわけで。第一回、ドキドキお泊り会〜」
いぇーいと楽しそうな先輩と、暑さのイライラと、華の無い空間にがっくり来ている俺。
「あの、楽しいですか。男二人でお泊り会して」
先輩は一瞬で冷静になった。
というより悲しそうになった。
「誘ったけど誰もノってくれなかった」
先輩には人望がない。
・・・・・・いや、本当に人望がない。
友達もいなければ、もちろん恋人もいないし、仲間と呼べる人もほとんど皆無だった。
「先輩・・・・・・今度から俺に人集めさせてください。なんかある時は」
おう、と答えた先輩はもういつものテンションだった。
「じゃあ、詳しく説明するぞ。起きる現象は一つ。手首から先が両手揃ってうろうろする。それだけ」
「それは昼に聞きました。で、それをどうしたいんですか」
結局はそこなのだ。
先輩がどう困っていて、それで俺がどうしたらいいのか。
そこが重要だ。
「まあ、気味のいいもんじゃないから、追い払いたい。だけどあいつ、俺につかず離れず、逃げ回るんだ」
俺は想像する。
必死に逃げる両手首と、部屋を駆け回って追いかける先輩。
想像の中の手首が思ったよりコミック調だったので、深刻に思えなかった。
「で、具体的には何を?」
先輩は少し考えたが、すぐひらめいたように手を打った。
「よし、こういう時はあれだろう。挟み撃ち。俺が追いかける先にお前が待ってれば、流石の手首も止まるんじゃないかな」
先輩は何のつもりかシャドーボクシングをしている。
この人の考えることはやっぱりわからない。
「わかりました。じゃあ、えっと、いつ出るんですか。待ちますか」
うん、と先輩は言った。が、急に布団を敷き始めた。
「え、ちょっと。どうするんですか」
「寝るんだよ。寝てる時に出るんだから」
俺は畳に直らしい。
やっぱり、なんだか釈然としなかった。

13 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/13(水) 20:30:20 ID:99i3wtg50
どのくらい経ったかわからない。
頭の中を掻き回される感覚があって飛び起きた。
吐き気がする。
部屋を飛び出して、共同トイレに駆け込む。
和式便器にしこたま吐いて、ふらつきながら部屋に戻る。
畳の跡が腕についている。
何となくその跡をなぞっていると、明らかに違う痕跡に気付く。
ぼんやりしていた頭に冷水を流し込まれる。
わざわざこんな寝苦しい部屋で寝ていた理由を思い出す。
爪の痕。
ちょっとした食い込み痕だが、不思議とそれが爪痕だと理解できた。
暗い部屋の中を見渡す。
見渡すほど広くないのだが、窓から入る月明かりだけでは見えない部分もある。
が、おかしな物は何も見えない。
安心は出来ない。先輩を起こそうかと迷っている内、不意にあるイメージが浮かんだ。
寝る前に考えたような、コミカルな手首ではなく、リアルな、まるで今見たような。
女の手だ、と直感的に思った。
白魚のような、という例えがあるが、本当に白く、魚鱗のような光沢を持った手だった。
それが、俺に向って這って来るイメージ。
歩くと聞いていたのだが、それは手のひらを畳に擦りながら、指を交互に進め這い寄って来ていた。
はっと気付くともちろん足元には何もいない。
直後、額に殴られたような衝撃。
がくっと後ろに仰け反ってしまう。
必然的に喉がさらけ出されて、その喉に指の感覚が纏わりついた。
「げあ」
声を出して先輩に気付いてもらおうとしたが、喉仏に親指が食い込んで呻き声にしかならない。
喉仏の骨が気管を圧迫していくのがわかる。
息が出来ない。

14 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/13(水) 20:36:00 ID:99i3wtg50
見えもしなければ触れもしないその手を探り手を喉にやる。
くふー、と空気の漏れる音がしている。
それが自分の呼吸音だということもわからない。
意識が白い手のイメージに埋め尽くされる。
力が抜ける。
積もる雪のように、真っ白に埋め尽くされ、埋め尽くされ、
うめつくされ。
手。
遠くで声が聞こえる。
この声は誰のものだったか。
「うごくなよ」
言葉は入ってくるが、意味が理解できない。
どん、と肩を突かれた。
そのまま床に押し倒される。
首元に風を感じた。
直後、気管が元通り広がる。
「はぁっ!はっ、せんぱ」
当たり前と言えば当たり前だが、声の主は先輩だった。
金属バットで肩をぽんぽんと叩いている。
「危なかったな、おい」
状況が飲み込めない。
「え、と、どういう」
先輩は笑った。

15 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/13(水) 20:40:58 ID:99i3wtg50
「まあ全部説明するとな。あいつは俺やお前みたいな『見える』奴に憑くタイプでな。たまたま通りがかった俺に喜び勇んで憑いたはいいんだが・・・・・・」
恐らく、だが。
たまたまでなく、自分の意志であの手のいる場所を侵しに行ったのだろう。
「あいつにとって俺は、文字通り手に負えない相手だった。だが諦めるのも嫌だ。それで俺の周りをぐるぐる回ってたんだ」
ああ、わかってきた。
つまり、俺は・・・・・・
「ルアーですか」
先輩は楽しそうにくっくっと笑う。
「その通り。俺ほどじゃないけどそれなりの奴ってことで、お前に白羽の矢が立った。そして俺の予想通り、あいつはターゲットをお前に定め」
「襲い掛かった。で、夢中になってる間に、こいつで吹っ飛ばしてやった。いいスイングだったろ」
はぁああああ。
深い深い溜息が出た。
先輩の安眠の為に、俺はその命を危険に曝したわけだ。
「先輩、その金属バット借りていいですか」
「だめ。殴るだろ、お前」
さ、寝ろ寝ろ、と言って、先輩はまた布団に寝転がった。
「詫びとか無いんですか」
先輩の背中に話しかけてみる。
「死なせるつもりは無かった。それは本当だ。なにせお前は俺の」
その先は良く聞こえなかった。
聞き返してみるが、先輩はもう寝息をたてていた。

その夜はもう何も出なかったが、エアコンの無い部屋はとても蒸し暑く。
先輩の言った事が気になったのもあって。
結局、とても寝苦しかった。

先輩と手首 終

16 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 21:07:48 ID:4ThkerbX0
ジェリド乙
次回も期待してますよー

17 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 22:04:35 ID:mqzlAnvsO
>>8
実話だからだろ。文も淡白だし…

18 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 22:30:50 ID:KIPDG3Qk0
超絶劣化ウニ作家気取りキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!

自己マンで済むかもしれんが、取り巻きだけだぞ崇めてるのは

19 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/13(水) 22:54:48 ID:d6ERuHNt0
今日も乙
そりゃあ崇めるのは取り巻きとか信者だろうな。


20 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 00:00:50 ID:A9qX9q7e0
稲尾で確定なのかw
おつ

21 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 02:49:42 ID:KeySAAQRO
稲男の投稿したシリーズを2ちゃん以外のどっかのサイトで読んだことがあるんだが、本人か?

22 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 06:46:04 ID:wOQepQK50
取り巻きも糞も「良い」と思ったらまた読みたいと思うのが普通だろが。
>>18も見たくないなら来るなよ。
少なくとも楽しみにしているやつがいるんだから。

23 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/14(木) 08:26:19 ID:8xbYUin3O
携帯からおはようございます。
半角#が見つかりました。
>>21
一応、このシリーズの雛型というか、そういうのは公開しています。
テキストを固めてろだに上げてるんですが、アップ先URLとパスはmixiの日記で書いているので、かなり身内向けの公開になっています。
なのでそれ以外のサイトで見た場合、空から発信された電波を複数の人間が受信して作品にするという現象が起こっていると考えてください。

それから褒めて下さる皆さんと同じくらいアンチの皆さんにも感謝しています。
見る度になんというか向上心が湧いてきます。
まだまだ他の作者様には遠く及びませんが、全力で精進しますので、良ければ読んでもらえたらな、と思います。

24 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 08:53:25 ID:PiJgibYQ0
>>23
細かいコトは気にせず投下よろろ

25 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 09:58:12 ID:GvhiL6Kj0
前スレからウニ気取りと叩いてるバカはウニの盲目信者でしょ。
あの人は信者が痛くてかなわん。

26 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 12:00:00 ID:/FoCfgqR0
nihongo de ok

27 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 13:08:03 ID:mLksmCaC0
イタリア語でおk

28 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 13:19:29 ID:/Z+laoerO
作者側からの馴れ合いとかマジいらね。
変な前置きも後書きもいらね。


29 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 15:08:42 ID:Ab1uYk1a0
信者のふりしたアンチ

30 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 16:49:49 ID:dOvQBIwqO
>>28
おれ、天パーの弟がいるんだけど
親父の誕生日祝いに、弟と合同で金出し合ってズワイとタラバ蟹食べ放題に
親父とお袋を連れて行ったんだ。
席に着くなり親父が
「タラバもズワイも蟹と付くけど、ズワイはヤドカリの一種だからタラバをたらふく食え」
とマジ顔で言うもんだから、家族の総力を挙げてタラバを食いまくったんだ。

後で調べたらヤドカリはタラバなのな。

お袋なんて、やっぱりズワイよりずっと上品な味ね
なんて悦び勇んでタラバ食ってたのによ。

俺はヤドカリの件は黙ってようかと思っているんだ
お前なら家族になんて言う?


31 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 17:28:11 ID:a7SxKvNnO
ウニを真似したいなら口数の少なさも見習わないとな

32 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 17:50:34 ID:0KuaJu80P
余計な自分語りや馴れ合いをしたがらない奴の方が息が長いのは事実だな

33 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/14(木) 18:08:14 ID:awVTwrbQ0
挨拶不要との意見が多いので以後そうします。

二年に上がった年の、梅雨のことだった。
俺の地元では、梅雨とは言うものの雨はほとんど降らない。
期間中に三日降ればいい方だ。
しかし空気は相応に湿っていて、特有の息苦しさを感じるのだった。
そんなある日。
じめじめと鬱陶しい空気の中、じめじめとした表情をしながら自転車をこぐ。
雨は好きじゃない。
雨が降りそうな日も好きじゃない。
必然的に梅雨時期は俺の気分も曇る場合が多い。
学校が終わり、家に帰る道のりで、ビルの前を通る。
都会にあるような高層ビルと比べれば、ビルを名乗るのもおこがましいような慎ましい建物だが、一応、5階まであるビルである。
そこを通った時、不意に上から声が聞こえた・・・・・・気がした。
ブレーキをかけて上を仰ぐ。
口を大きく開いて、「あ」という声が聞こえてきそうな表情をした女性が、
ビルの上から、降ってきた。

34 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/14(木) 18:12:37 ID:awVTwrbQ0
「で、落ちたはずの女はどこにも居なかったと」
先輩は楽しそうに俺の話を聞いてくれた。
「はい。まあ、波長があったって奴だと思います。何か知りませんか」
昨日、空から降ってきた女性は最初からいなかった。
俺程度では滅多にないことだが、そういう感覚の強い人はたまに『残留思念』を目撃するらしい。
あれは多分過去にあった飛び降りの映像なんだろう。
「お前はあれだな。ちょっと地元のニュースに目をやるべきだな。ちょっと待ってろ」
押入れに頭を突っ込んで奥を探る。
先輩のアパートの押入れは魔境だ。
よくわからないお札や、まず何なのかがわからない塊なんかが多数入っている。
先輩はその中から、ごく普通のファイルを取り出した。
「何ですか、それ」
先輩はファイルのページを適当に開き、ぱらぱらめくっていく。
「スクラップぶーっく。確か二週間くらい前の記事だ。・・・・・・あった」
小さい記事だ。
28歳の女性が自殺。場所は・・・・・・あのビルだ。
「俺は死亡事故だとか自殺だとかの記事は基本的にまとめてる。たまに役立つこともあるんだ」
一般人に話したら確実に引かれるだろう。
こんなアパートに住んで、食費も徹底的にケチる先輩が、新聞を取っている意味がわかった。
「で、多分この女で間違いないだろう。年齢とか、服装とか、そういう所に矛盾もないだろ」
確かにそうだった。
年齢も多分そのくらいだろうし、俺の見た女性は制服を着ていた。
記事には残業中に・・・・・・と書いてあったので、恐らくその時制服を着ていたのだろう。
「あ、でも」
表情は。
あの表情は、思いつめての自殺では無いように思えた。
どちらかと言うと、驚いているような。
「そうだな。お前の見た女は自殺する時の表情では無かっただろう。まあ、ここでぐだぐだ言っても仕方ない」
先輩は立ち上がる。
「行くぞ、現場」
楽しそうな先輩に続いて、俺も立ち上がった。

35 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/14(木) 18:17:26 ID:awVTwrbQ0
「すみません。お聞きしたいんですけど」
滅多に見ない他所行きの笑顔で先輩はビルの受付に話す。
「私、雑誌の記者をやっている者なんですけども、二週間前の事件の取材をさせて頂きたくて伺ったのですが」
出鱈目だ。
普通ならこれは信用されないだろう。
先輩は何事かこそこそと喋っているが、恐らく門前払いだろうと思った。
しばらく話した後、先輩が一礼した。
「では、失礼します」
おい、行くぞと言うと先輩はずんずん階段を登っていく。
俺は慌てて追いかけた。
「先輩、どうしたんですか、今の。まさか本当に信用してくれたんですか」
「いや、幽霊が出るって噂があるって言っただけだ。あのおっさん、そういう話が大好きらしくてな。ろくすっぽ話も聞かずに通してくれたよ」
呆れる話だ。
まあこのあたりは田舎特有の無警戒感があるから、警備もそのくらいなのかもしれない。
「で、何を話してたんですか」
うん、と頷いて先輩は笑う。
さっきの他所行きの笑顔とは違う、いつものにやけ面。
「まず、屋上以外には立ち入らないことを言われた。それから、詳しい話を教えてくれた。彼女、最上階の事務所に勤めてたらしい。明るい子だったからまさか自殺するなんて、だとさ」
なるほど。
「受付のおっさんのお気に入りらしくてね。帰り際なんかにいろいろ話してたみたいだ。例えば、誰もいない屋上から話し声がする」
そうか。
いくら安普請のビルでも屋上で話している声が下階に聞こえるわけがない。
要するに、それが彼女の自殺・・・・・・いや、もしかしたら他殺の犯人かもしれない。
「おい、あのドアが彼女の事務所だ。もちろん天井はそんなに薄くない」
そして、もう一階あがると。
「で、これが屋上へのドア。開けるぞ」
がちゃり。

36 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/14(木) 18:23:52 ID:awVTwrbQ0
テンプレートな屋上。
コンクリートの床に、申し訳程度の転落防止用鉄柵。
柵に途切れている部分は無かったが、乗り越えようと思えば子供でも可能だろう。
「思ったより普通ですね。やっぱり自殺だったんでしょうか」
先輩は無言だ。
つかつかと歩き、屋上の真ん中あたりに立ち、手招きをする。
俺は従って隣に立った。
「お前、何とも無いか」
はぁ、と気の抜けた返事をする。
何も見えないし何も聞こえない。
「なるほど、彼女は波長が合ったのか、それともかなり強い人だったのか。とにかくそれなりの才能はあったらしい。そりゃ飛ぶ」
先輩は無表情に言う。
心なしか口調が緊張していた。
「おい、帰るぞ。全部わかった」
先輩は早口に言うと、早足に屋上を去った。
俺はまた慌てて追った。

37 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/14(木) 18:28:15 ID:awVTwrbQ0
「で、この話にどうオチをつけるんです」
アパートまで戻って先輩に言う。
「お前には見えなかったみたいだしな。じゃあ説明しようか。あの屋上、どういう因果か信じられない量の・・・・・・色んなモノがいる」
あの、殺風景な屋上に。
俺に見えないような物達がひしめいていたと。
「それこそ立っているスペースが無いくらいだ。彼女は多分、屋上の声を辿って行った結果、そいつを見てしまった」
あ、もしかして。
「逃げたんですか。咄嗟に」
先輩がその通り、と右手で顎をなぞる。
「俺があそこに立った時な。そいつらが急にふくらみ始めた。風船みたいに。俺が帰る頃には、あの屋上からはみ出すほどだった」
俺は想像する。
屋上から聞こえる奇妙な話し声。
暗くなってからの残業で事務所に一人。
気味が悪くなって彼女は奮起する。
『あの声の主を突き止めよう』。
彼女は屋上に上がり、隠れられそうな場所を探す。
もちろんそんな場所は無いが、その間にあそこにいるモノが膨張を始める。
ふと気付くと、得体の知れない何かが自分のすぐ近くに迫っている。
彼女は慌てた。慌てていると、ビルの前の道を車が通る音がした。
それに気付いてもらおうと、鉄柵を乗り越え、身を乗り出した時。
「事故、だったわけですね。それで、驚いた顔を」
「そう、事故だ。ただ、彼女が普通の人間なら起こらなかった事故でもある」
俺は疑問に思った。
何故そんな事を言うのだろう。
先輩だって見える側だし、俺だって多少は見える。
その能力がまるで悪いみたいに。

38 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/14(木) 18:33:34 ID:awVTwrbQ0
「お前は多分わかってない。本来見えないモノが見えるっていうのは確かに才能だ。だけどそれは決してプラスに働かない。普通に生きるには、邪魔なんだ。むしろ」
頭の中がフラッシュする。
なんとなく、先輩は自分の才能を誇っているのだと思っていた。
なぜならそれは俺にとって憧れであり、その頃欲しかった物だから。
憧憬があった。
見える人達に、無条件の。
でも、当人達はそれを足枷に思っている。
天地が逆転するような感覚に襲われる。
「お前は俺の後輩だけど、出来るなら俺を追うな。俺の見てる世界は、普通じゃない」
「でも、それでも俺は」
先輩は人差し指を立てて制止する。
「それでも、とお前が言うなら、いつかそれを選択する時がくる。必ず来る。その時お前が、それでも、と言うなら」
続く先輩の言葉を、俺は忘れない。
これから起こる出来事を、先輩は多分予測していたのだろう。
それを知るのはもっとずっと後だけど、その言葉は俺の芯にじくりと染込んだ。
外は薄暗く曇っていて、滅多に降らない雨がぽつぽつと降り始めていた。

俺はお前に、心ばかりのおくりものをしようと思う・・・・・・。

先輩と飛び降り 終

39 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 18:49:41 ID:5qEV8XZ40
GJ

40 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:18:15 ID:Ab1uYk1a0


41 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:40:14 ID:4v3RnWNx0
十年ぐらい前の話。
俺はまだ五歳ぐらいで、東京に住んでいた。
その時の俺は人形に夢中だった。
おもちゃ屋に行けばぬいぐるみコーナーに走って行って目をキラキラ輝かせながらすべてのぬいぐるみに抱きついていた。
俺の当時のお気に入りは俺の親父が誕生日の時に買ってくれたフランス人形だった。
顔はものすごく整っていて、黒いフリル付きのドレスを着ていて。
十代前半の女の子みたいに華奢で。
すぐ壊れてしまいそうだった。
俺はその人形をメリーと呼んで可愛がっていた。


42 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:41:54 ID:4v3RnWNx0
買ってもらってから一カ月ぐらい過ぎたころ、俺はメリーを連れてゴミ捨て場に行った。
ゴミ捨て場は当時の俺にとって秘密基地のようなところだった。
そこで見つけたプラスティックの板とかで実際に小さいシェルターを作ったこともあった。
その日も俺はその小さな小屋でメリーとままごとをして遊ぼうとした。
がしかし。俺はすぐに後悔した。


43 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:43:54 ID:4v3RnWNx0
ゴミ捨て場には俺の幼稚園のいじめっ子共がいたのだ。
いじめっ子共は俺を見るなり笑い出した。
「見ろよ、人形なんか持ってるぞー!」だとか、「赤ちゃん!」みたいなことを言いながら。
怒った俺は泣きながらいじめっ子の一人に向かっていったが、返り討ちにあった。
顔面に一発くらって俺は人形を落として地面に寝転がって泣いた。


44 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:45:42 ID:4v3RnWNx0
そして俺を殴ったいじめっ子はメリーを掴んで投げた。ガラクタの山に向かって。
俺はメリーが放物線を描いてゴミとゴミの間に落ちるのを泣きながら眺めていた。
いじめっ子共はそれを見るなり笑いながら自分の家に帰って行った。
俺はメリーが落ちたあたりを必死に探した。


45 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:48:22 ID:4v3RnWNx0
皮が切れても、爪が剥がれそうになっても。
夕方になってもメリーは見つからなかった。
辺りが暗くなったころ、親が俺を探しに来て俺を連れて帰った。
次の日も俺はゴミ捨て場に行ってメリーを探した。
その日は前の日よりもう少し広い範囲を探したが見つからなかった。
その次の日も俺はメリーを探した。その日はもう少し深くを探した。


46 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:49:32 ID:4v3RnWNx0
けど、見つからなかった。
その次の日も探したが、見つからなかった。
その次の日も探した。その次も探した。その次も、その次も。
けど、見つからなかった。
当時の俺は気付かなかった。毎日ゴミの山が変わっていることを。
そして毎日ゴミが、処理されていることを。


47 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:52:16 ID:4v3RnWNx0
メリーを探し始めてから半年が経った頃、俺は鎌倉に引っ越すことになった。
結局メリーは見つからなかった。
そして今。
大学生になった俺は寮に住んで学校に通っている。
成績は中の上、運動神経は並。彼女はできたことはないが、別に顔は悪くはない。
友達も普通にいて、いじめにも遭っていない。将来の夢は特にない。
俺はそんな普通の人生を過ごしている。


48 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:54:19 ID:4v3RnWNx0
「はぁ…何で今頃人形のことを思い出すかなぁ…」
窓から夕焼けを見ていた俺は深くため息をついた。
特に理由はないと思うが、なぜか冬になると無くした人形のことを思い出す。
毎年のことなので特に深く考えずに終わるのだが。
(しゃあねぇ、今日は早めに晩飯食って寝るとすっかな)
そして俺は夕暮れに染まる街に出た。


49 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:56:48 ID:4v3RnWNx0
自転車を漕いで十分ぐらいのところに行きつけのラーメン屋があるので週一ぐらいのペースで俺はそこで食べることにしていた。
ガラッとガラス戸をあけてカウンターに座る。
「チャーシューメン大盛りお願いしまーす」
「あいよ!」
一時期毎日のように通っていたことがあるのでほとんどの店員は俺の顔を覚えていた。


50 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 19:58:24 ID:4v3RnWNx0
「チャーシューメン大盛り、お待ち!」
「どーもっす」
俺は渡されたラーメンを両手で持ち上げて目の前に置いた。
そして同時に俺の携帯が鳴り始めた。


51 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:00:22 ID:4v3RnWNx0
ちょうど割り箸を割ろうとしていた最中だったため、割りばしが妙な形に割れてしまった。
(誰だよ、こんな時に…)
ポケットから携帯を取り出して電話に出た。
「ぁいもしもし?」
向こう側は静かだった。
「もしもーし?誰ですか?」


52 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:03:21 ID:4v3RnWNx0
『私…メリーさん…ひさ…ぶりだね………くん』
俺の名前を言っているようだが声が聞き取れない。
「メリーさん?そんな人俺知りませんが…」
『今日…会いに…くよ…』
そういうなり電話が切れた。
(なんだ、いた電か…)
俺は妙な形に折れた割り箸を捨ててもう一本折った。


53 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:13:37 ID:4v3RnWNx0
自転車を漕いで俺は寮に戻った。
そして戻るなり俺の携帯が鳴った。
すぐポケットから出して電話に出た。
「はいもしもし?」
『私メ…ーさん。今坂道…上…てる…ころよ』
またあのいた電だった。
「またお前か。いたずら電話はやめてください」
しばらく誰も何も言わなかった。


54 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:15:53 ID:4v3RnWNx0
『……も…かして…村く…私の…と忘れ…ゃっ…の?』
声が途切れ途切れに聞こえてくる。
「俺はあなたのことなんか知りませんが?」
正直に言ってやった。
また静かになる。
『…っ……っ』
向こうからすすり泣くような音が聞こえた後、電話が切れた。
(何なんだよ、たく…)
俺は携帯を顔の横に置いてベッドに寝転がって読みかけの本を読み始めた。


55 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:22:46 ID:4v3RnWNx0
十一時を過ぎたころ、また電話が鳴り始めた。
携帯を取る前からわかる。これはまたあのメリーさんだ。
呆れながら電話を取る。
「またメリーさんですか?」
『…ん…植村君、まだ思…出し…くれな…?』
途切れ途切れだが何となく言いたいことは分かった。


56 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:25:39 ID:4v3RnWNx0
「知りませんよメリーさんなんか。そういう名前の人形は持ってたけど」
しばしの沈黙。そして電話が切れた。
(意味がわからない。まったく、意味が分からない)
そして俺はまた本を読み始めた。


57 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:33:15 ID:4v3RnWNx0
十一時を過ぎたころ、また電話が鳴り始めた。
携帯を取る前からわかる。これはまたあのメリーさんだ。
呆れながら電話を取る。
「またメリーさんですか?」
『…ん…植村君、まだ思…出し…くれな…?』


58 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:40:26 ID:4v3RnWNx0
途切れ途切れだが何となく言いたいことは分かった。
「知りませんよメリーさんなんか。そういう名前の人形は持ってたけど」
しばしの沈黙。そして電話が切れた。
(意味がわからない。まったく、意味が分からない)
そして俺はまた本を読み始めた。


59 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 20:55:12 ID:4v3RnWNx0
本を読み終えた俺は友達の清水と電話で話し始めた。
『だからさ、担任の前原がよ…』
「マジ!?そんなことしたんあいつ!?」
俺は部屋で腹を抱えながら笑い出した。
いつもこの友達は俺のことを笑わせてくれる。
落ち込んでるときも、怒っている時も。
『ハァー…あ、そうだ』
「ん?どうした?」
清水がいきなり声色を変えた。


60 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 21:10:26 ID:4v3RnWNx0
『さっきな、俺んちに十五、六の女の子が来たんだよ』
「へぇー…で、どれがどうしたん?」
『いや、な?その女の子が俺に聞くんだよ。植村はどこですかー?って』
なんだか嫌な予感がする。
『俺は植村はこの道を真っすぐ行った寮にいますよ、って親切に教えてあげたんよ。そしたらありがとうってお辞儀して
その子そっち行ったんだわ』
「…で、それがどうしたん?」
『いや、な?俺、見ちまったんだよ。あの子の背中の帯のところに包丁が』


61 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 21:12:35 ID:GvhiL6Kj0
スクリプトじゃなくて手動なのが泣ける
よっぽどこのスレに恨みがあるんだね(´;ω;`)ブワッ

62 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 22:26:27 ID:37BxYA5d0
さすがとしか言いようがない
前スレ埋めてくれるならまだいいが、人が投下した直後にとか
これからは毎日メリーになるかもなw

あと、稲おつ

63 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 22:29:51 ID:4v3RnWNx0
ブツっと言って電話が切れた。
「もしもし?おい清水?もしもし?もしもし!?」
『私…メ…ー…ん…植村君…』
メリーが、電話に、でた。
「う、ああ、あああ…」
『私、今君の寮の外にいるよ…今からそっちに行くよ…』
そして電話がまた切れた。



64 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/14(木) 22:34:19 ID:5qEV8XZ40
今日のあぼーんさんは最初にNGワード入れてくれたから助かる。
コテつけてくれと言っても付けてくれないからな。
コテつけてくれれば、一回のNG指定で済むのに。

65 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 05:06:19 ID:jOy3J9yC0
さる食らわないのかねぇ

66 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/15(金) 18:35:18 ID:6lnrYDLf0
「どこだ、ここ」
どこかで見た場所に俺は立っている。
芒がさらさらと音を立てる。
時間は夜だ。
場所は、空き地?
駐車場代わりに使われているのか、轍が走る一角がある。
そこは黄土が見えているが、他は雑草と銀色の芒に覆われている。
向こうに廃墟が見える。
ここは・・・・・・
「よう、来たか」
草の生えていない一角に、ドラム缶が置いてある。
その中の何かに火が点いて、そばに座っている人の顔を照らす。
「先輩」
火を点けたのは先輩のようだった。
手には百円ライターを握っている。
「座れよ、お前も」
先輩が腰掛けているのはベンチだった。
こんな場所になんで?とは思ったが、素直に隣に座る。
「なあ、ここに幽霊が出たら怖くないか」
唐突に言う。
それは場所を選ばず怖いと思うのだが、この人の場合普通に出てきても怖くないのだろう。
「なんでです。何か曰くがあるとか?」
風も無いのに炎が揺れる。
先輩は喋らない。
「何でですか?」
重ねて聞くと、先輩がゆっくり口を開く。
「例えば」

67 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/15(金) 18:38:47 ID:6lnrYDLf0
例えば。
頭の中で復唱する。
「幽霊だとかお化けだとか、そういうモノが怖いって奴がいたとする。そいつは見たことが無いから怖いのか、それとも見た上で恐れているのか」
先輩は、見た上で怖くないと判じているのだろうか。
「大半の人間はそれを恐れる。それは何故か。見たことも無いのに。それは何故か。答えは簡単だ。干渉できないからだ」
「相手から干渉される事を恐れている。こちらからはどうやっても干渉できないのに、相手が害意を持っていたら。それは怖い」
なるほどそうだ。
対応できない敵意ほど恐ろしい物も無いように思える。
「じゃあ、見えるし干渉も出来る上、その正体が人間と変わらないと知っている人間がソレを怖がるってことは、どういうことだ?」
今度は俺が黙る。
どういうことだ、とはどういうことだろう。
恐らく先輩の事なのだろうが、先輩の世界は皆目検討もつかない。
「人間と変わらない物が怖いってことは、即ち人間が怖いって事に他ならない。そいつは人間を恐れている。自分も人間なのに」
炎が勢いを増した。
「その中でも特に怖いのは、そいつが好意を持っている人間だ。嫌いな人間に何をされようがかまわない。それなりの対処をすることが出来るからだ」
では。
「好きな人間に殺されかけた時、その相手を殺して自らの命を守る事が出来るだろうか。そういう選択を迫られる。それは、嫌いな人間より遥かにやっかいだと言える」
急に鼻につく匂いが漂ってくる。
ドラム缶の中身が気になり始める。
「けど、そんな事を思う人間はそいつ以外いなかった。そいつは探した。同じモノを見える人間を。理解してくれる人間を。見つかりそうになった時、それが起こった」
それとはなんだろう。
わからない。
隣にいるのは本当に先輩だろうか。
「それを解決する方法は一つしかないし、それが出来るのはそいつしかいなかった。そして、その被害者が、友達に成り得る存在だった」
ドラム缶の中でじゅうじゅうと音がした。
肉を焼く時の、油が爆ぜる音。
「そう、友達だ。ずっと欲しかった友達。そいつは決心する。自己犠牲。そして、二度と会う事は無い」
先輩は一旦話すのをやめた。
芒が揺れて囁き声に似た音を立てた。

68 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/15(金) 18:42:43 ID:6lnrYDLf0
「それが、俺の人生だった。運悪く、生きている世界がずれていた為に、最後まで友達は出来なかった」
先輩はにやけていたが、何故かひどく悲しそうだった。
俺は言葉を探す。
先輩を慰めるような、先輩を肯定するような言葉を。
何も見つからないでいると、先輩の顔がいつもの楽しそうな笑みに変わる。
「さっきの話な。好意を持っている人間に命を脅かされそうになった時、っていう話」
もうわかっている。
ドラム缶の中身も、この人が望んでいる事も。
「もしそれが自分じゃなく、自分の愛している人間を脅かしていたとしたら、お前はどうする。俺が、お前の恋人を殺そうとしていた場合」
ドラム缶の中身はわかっている。
肉だ。それも、俺のよく知っている人の。
先輩はポケットからペンダントを取り出した。
それは俺が恋人に送った物で、彼女の誕生石が付いてる。
同じ物も売っているが、多分彼女の物なんだろうなと思った。
ドラム缶はじゅうじゅうと音をたてている。
肉のこげる匂いがする。
俺は笑って・・・・・・

携帯のバイブ音。
体を起こして、枕元の携帯を見る。
彼女からのメールだった。
『遅いです』
液晶の端の時計は10:26と表示されている。
待ち合わせは十時。完全な遅刻だった。

69 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/15(金) 18:45:27 ID:6lnrYDLf0
「・・・・・・夢の中でまで語りに来ないでくれないかな」
その年、俺は大学に入学していた。
先輩がいなくなってから、三ヶ月が経っている。
「心配しなくても、あんたより今の彼女の方が大事なんで。もしそんなことになったら・・・・・・」
先輩でも殺せますよ、という言葉は飲み込んで、彼女への言い訳を考える。
上手く言えそうになかったので、とにかく電話してみる事にした。
発信履歴の一番上を選択、コールする。
一回目のコールで彼女は電話を取った。
「あ、すみません。・・・・・・はい。以後気をつけます」
語り口は静かだがかなり怒っているようだった。
俺は少し萎縮しながら出かける準備をする。
話している内に、彼女の口調から棘が抜けていく。
どうやら許してもらえるらしい。
「はい、はい。ええ、変な夢見ちゃって。あ、ヨーコさんも出てきましたよ。え?あ、いや、覚えてないです」
うっかりした事を言わないよう気を付けていたら、電話の向こうから信じられない言葉が飛んできた。

『遅刻もそうだけど、夢だからって殺すのもやめてください。あと、あの人と比べるのも』

背中に寒気が走った。
苦笑しか出ない。
俺は靴をつっかけて、玄関を開ける。
やっぱあの人たちには敵わないな、と思いながら、俺は待ち合わせ場所に急いだ。
街には今日も、人と幽霊が溢れていた。

悪夢 終

70 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 18:58:01 ID:igSIp9gtO

いつもよりウニ色が濃いな
普通のオカルト活劇が読みたい

71 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 19:43:30 ID:7zjEnT1a0
稲男乙

72 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 19:53:08 ID:6pmUHuto0
俺は必死に考えていた。
メリーは何者なのか。
彼女は俺のことを知っている。
(知り合いか?)
違う。俺の知り合いにメリーなんてふざけた名前のやつはいない。
だとしたら可能性は一つだけだった。
…だけど俺はそれが信じられなかった。


73 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 19:56:03 ID:6pmUHuto0
信じたら何かいろいろ終わっちゃいそうな気がしたから。
そしてまた電話が鳴った。またメリーだろう。
恐る恐る電話を取る。
「も、もしもし…」
声が震える。怖い。
『今、私寮の階段を上がってるんだ…聞こえる?この音…』
外でカン、カンと何かが昇ってくる音がする。
『もう少し…もう少しでまた会えるよ、植村君…』
そしてまた電話が切れた。


74 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 19:57:42 ID:6pmUHuto0
それから十秒ぐらいしたらまた電話が鳴った。
受話ボタンを押して電話を取る。
『もう、ついたよ…ドア、開けて…?』
「ひぃあ、ああぁぁあ!?」
ブツ、と電話を切った。



75 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 19:57:48 ID:h9Bei4wK0
また始まった

76 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 19:58:43 ID:6pmUHuto0
十分ぐらいずっと電話が鳴り続けている。
俺は部屋の隅で足を抱えながらそれを見ていた。
さらに十分が過ぎる。まだ電話が鳴りやまない。
…もしもの話。メリーが俺の好きだった人形だった場合。俺はどうすればいいのか。
俺は殺されるのか。それとも生きるのか。
あの時人形を無くしたのは今でも少し後悔している。


77 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 20:00:50 ID:6pmUHuto0
親父に悪いことしたな〜とか、値張ったんだろうな〜、とか。
けど一番後悔したことは、もう二度と見つからないだろう、ということだった。
(俺、本当にあの人形が好きだったんだな…)
覚悟を決めて俺は玄関に向かった。



78 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 20:06:58 ID:OeEkoxq60
面白く無いとは言わないが、ウニ臭が強すぎる。

79 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 20:30:01 ID:6pmUHuto0
俺はドアの前でとまった。
「…なぁ、メリーさん」
ドアのすぐ外に人の気配がある。
「…うん。なに?植村君」
「お前、俺の人形だったメリーか?それとも別の何かか?」
沈黙。
「……暗かった。あのゴミ捨て場」
「……」
この子は俺の人形だったメリーだ。


80 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 20:37:47 ID:6pmUHuto0
「夜は寒くて…苦しくて…狭くて…寂しかった」
胸が苦しい。
「やっと出れたと思ったらね?私、壊されちゃったんだ…他の物と一緒に」
涙が出そうになる。
「ずっと捨てられたんだ、て思ってたの。だからもし君に会えたら同じ目にあわせてやろうって誓ったの」
下唇を力一杯噛んだ。


81 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 20:49:00 ID:6pmUHuto0
「それで気づいたら、人間になってた。嬉しかった。やっと復讐できる。やっと同じ目にあわせてやれるって」
怖い。怖い。とても怖い。
だから必死に腹の奥から声を絞り出した。
「…俺を、殺すのか?」



82 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 20:56:39 ID:jOy3J9yC0
今週はウニさん来てくれるかねぇ

83 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 21:06:41 ID:6pmUHuto0
また沈黙。
「…わかんない。殺したいのかどうかもわからない」
「……」
「変でしょ?さっきまで殺したかったのに今じゃ会ったってだけですごいうれしいの…」
「……」
「なんか妙なの…なんだか言葉にできないの、今の感情…」
「なぁ、メリー」
「…なぁに?植村君…」
俺は部屋の扉を開けた。



84 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 21:13:08 ID:6pmUHuto0
そこにいたのは黒いフリルのついたドレスを着た金髪藍眼の十五、六の女の子だった。
思わず息をのむ。
「……とりあえず部屋に入ってきてくれ。話がしたい」
「…うん」
メリーは小さくうなずき部屋に入った。



85 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 21:14:57 ID:jeaAzJO20
一日張り付いてるけどやっぱりニートだったか

86 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 21:20:12 ID:6pmUHuto0
メリーを床に座らせ、俺もメリーの前に座る。
ちょっと気恥ずかしい。
「…なぁメリー」
「ん…?」
「ゴミ捨て場のこと…本当にごめんな…」
メリーの顔が陰る。
「言い訳するわけじゃないけどさ…俺も必死に探してたんだ…お前のこと」
メリーはうつむいたまま何も言わない。


87 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 21:22:26 ID:6pmUHuto0
「半年ぐらい探したんだ…でも見つけられなかった。それにすぐ俺達引っ越しちゃったし…」
どう説明しても言い訳にしか聞こえない。
「だから、その、なんだ…」
言葉が詰まる。
メリーもうつむいたまま何も言わない。
どうする…?どうする、俺!?
「…好きだったよ、お前のこと」
メリーがこっちを向く。
驚いているように見えた。


88 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 21:32:05 ID:6pmUHuto0
俺の顔が燃えるように熱い。真っ赤なんだと思う。
「今もすごいかわいいと思うし…何を言ってんだ俺…」
声がかすれる。
「わ、私も!」
メリーの不意打ちに心臓が飛び出しそうになる。
「私も、別にゴミ捨て場のことは全部植村君のせいだとは思わないし…その…」
沈黙。静寂。誰も何も言わない。


89 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 22:13:01 ID:6pmUHuto0
「うん…やっとわかった。この気持ち」
メリーが立ち上がって俺のほうに近づいて抱きついた。
「これが「大好き」って、感情なんだね…」
意味が、わからない。
心臓が不整脈を打っているような気がしてならない。
けど俺の中でもやっと物事が落ち着いた。
そしてわかった。
俺もこのメリーが好きだってことに。
「俺も、好きだよ…メリー」



90 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 22:17:15 ID:Oyy8gHIT0
頼むからトリつけてくんねぇかなぁ…
NG処理めんどくせんだよ

91 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 22:41:03 ID:6pmUHuto0
「なぁメリー」
「?どうしたの植村君」
「陸久でいいよ。それよりさ。俺と一緒に暮さない?」
俺の中でももう整理できている。
そして何より、もしもここで彼女と別れたら…
もう二度と会えない気がした。
「…いいの?」
「うん。いいよ」
「陸久が困るだけなのに?」
「俺はメリーが居てくれるだけでいいんだ」
「本当に?」



92 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/15(金) 22:48:07 ID:6pmUHuto0
「本当に」
メリーが俺に抱きついてくる。
「…大好き」
「俺も好きだよ…」
これからは忙しくなりそうだが、なんとかできると思う。
俺の愛しのメリーがいてくれるから…



93 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/16(土) 02:23:15 ID:Sx9cLBWG0
赤紫乙

94 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/16(土) 14:15:43 ID:l/+yyqTZO
メリーうぜえぇえぇ〜〜〜

二日酔いの具合の悪さ倍増。

95 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/16(土) 17:47:34 ID:XMi8CRxW0
稲男

フッ… l!
  |l| i|li ,      __ _  ニ_,,..,,,,_
 l|!・ω・ :l. __ ̄ ̄ ̄    / ・ω・≡
  !i   ;li    ̄ ̄ ̄    キ     三
  i!| |i      ̄ ̄  ̄  =`'ー-三‐ ―

              /  ;  / ;  ;
          ;  _,/.,,,//  / ヒュンッ
            /・ω・ /
            |  /  i/             
           //ー--/´
         : /
         /  /;
    ニ_,,..,,,,,_
    / ・ω・`ヽ  ニ≡            ; .: ダッ
    キ    三    三          人/!  ,  ;
   =`'ー-三‐     ―_____从ノ  レ,  、


96 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/16(土) 22:08:35 ID:wDqwl0uA0
稲男乙
って、ちょっと気になったけど、稲男の読み方って 「いねお」 なのか?

97 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:10:44 ID:lZM9Igr50
>>96
いねお・・・でいいと思います。多分、きっと。

「ベッドの下の男を退治するぞ」
一年の冬、エアコンの無い自分の部屋を嫌がって、ファミレスに逃げ込んでいた先輩が言った。
「それって、都市伝説のアレですか」
ベッドの下の男。
ある晩、友達と部屋で遊んでいると、急に友達が外に出ようと言い出す。
どうしても外に行きたいという友達に、しぶしぶついていくと、友達の様子がおかしい。
問いただすと、「さっき偶然見えたんだけど、ベッドの下に刃物を持った男がいた」……。
それなりに有名な都市伝説である。
何度かテレビで語られているのも見たことがある。
「そう、そのアレだ。アレを退治する」
先輩の目が爛々と輝いている。
いつになくやる気満々なようだ。
「でも、先輩は布団でしたよね。誰の所に出たんですか」
おかわり自由のコーヒーを一気飲みして先輩が立ち上がる。
「これから現場に行く。ついてくるだろ」
時刻は夜の九時。
帰って寝るにはちょっとだけ早かった。
「わかりました、お供します」
先輩は笑った。
ちなみに、先輩の食事代も俺が出した。

98 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:12:45 ID:lZM9Igr50
現場に近付いていくと、先輩のやる気の源がわかってきた。
見覚えのある道だ。
そして見覚えのあるマンション。
この辺りではそれなりに高級な部類に入る。
ずかずか入りこんで三階に上がる。
多分、ここの角部屋だ。
……予想通りだった。
「ヨーコさんですか」
先輩がいつもより三割増しくらい楽しそうな理由がこれだ。
恐らく相談を持ちかけられた時、内心とても喜んだだろう。
「お前、来たことあったっけか」
先輩はヨーコさんが大のお気に入りだ。
理想の女性だと言って憚らない。
だから黙っていたのだが、今年の夏、先輩に紹介されてから、恐らく先輩よりずっと多く訪問している。
何を言われるかわからないから、絶対に言わないけれど。
「いや、住所は聞いてたんで、それで」
ああ、そう、と納得しつつインターホンを押す。
俺は内心ヒヤヒヤした。
なんだか高級な音がして(家のチャイムはジーッという音がなる。最近はそれもどこかの接触が悪くなって鳴らない)ヨーコさんの声がする。
『はい』
「あ、俺だけど」
しばしの沈黙があった後、玄関が開いた。
「ごめんなさい。なるべく頼りたく無かったんだけど」
若干浮かない顔をして、ヨーコさんが顔を出す。
どういう意味か悩んだが、先輩に迷惑をかけたく無かったんだと思うことにした。
「いや、手間のかかる事にはならないと思う。まあ、任せてくれ」
先輩は笑顔だった。

99 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:14:59 ID:lZM9Igr50
ヨーコさんはあがって、と手で奥を示す。
俺は慣れた手付きでスリッパを出して、それからあ、と思った。
先輩の顔色を伺ったが、浮かれすぎて気付いてないようだった。
「……ここが寝室」
ヨーコさんはとても嫌そうだった。
なんだろう、先輩に申し訳ない気持ちと、なんだか可哀想な気持ちが同時に湧いてきた。
そんな俺の気持ちを知らずに、先輩は非常にそわそわしている。
全体に淡いピンク基調の小綺麗な部屋。
勿論エアコンもついている。
そこはなんだか、いつもより片付いていた。
「あ、片付けました?」
先輩が俺の方を見る。ヨーコさんも鬼のような形相で俺を見る。
またしてもあ、と思った。
「お前、来たこと無いって言って無かったか」
俺は先輩を無視することにした。
「で、ヨーコさんは何で先輩を呼んだんですか」
ヨーコさんはちょっと考えて、それから言う。
「昨日寝ていたら、急に金縛りにあったんです。それから、見える景色が変わっていった。暗い所にいるのがわかって、隙間からは私の部屋が見えていました。低い所から見た、私の部屋。直感的に、あ、ここベッドの下だなって思いました」
「視界が混線したんだな、多分」
先輩はさっきの事を忘れたように楽しそうな笑顔をしている。
これはいつもの、怪奇現象に挑む時の表情だ。
……ヨーコさんは、見えるって事に関してはすごい。
霊的な能力では段違いに強い先輩を、さらに水をあけて引き離すほどよく見える。
例えば、幽霊が見えたり、未来が見えたり、過去が見えたり。
今回のように、他の誰かの視界が見えたり。ただ、それは偶発的に起こることで、コントロール出来るような物じゃないらしい。
だから、『見る』じゃなく『見える』なのだ。
そういう不安定な所も魅力の一つだと先輩は言っていた。
「でも、それって変質者じゃないですか。警察の領分のような気がしますけど」

100 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:16:59 ID:lZM9Igr50
ヨーコさんは首を振った。
「おいおい。一見すればわかるだろう。ほら、ベッドの下に人が入れる隙間なんて見えるか」
先輩に言われてベッドの下を覗いて見る。
確かに、10cmにも満たないような隙間しかない。
「そんな所に入っていけるようなヤツは、警察になんとか出来る相手じゃない」
ヨーコさんが溜め息をついた。
「だから、この人に相談したわけ」
先輩がくすぐったそうに体を揺する。
頼られて嬉しいのだろう。
そしてやっぱりヨーコさんは頼りたく無かったのだろう。
寝室に入れるのも嫌だったのかもしれない。
「さて問題はこれからだ。ヤツはいつ出るかもわからないし、どんな物かもわからない。だからとりあえず、昨日の状況を再現してみようか」
要するに?
「つまり、ヨーコさんに寝てもらうって事ですか」
ヨーコさんの頬がひくりと動いたのを俺は見逃さなかった。
楽しそうな先輩を見ながら、俺はヨーコさんに耳打ちする。
「……あの、一応俺もいますし。先輩、多分ヨーコさんよりお化けに興味あると思うんで」
安心してください。心配はわかりますが。
ヨーコさんは頷いてくれた。
「着替えるから、一回出て」
俺は名残惜しそうな先輩を連れて寝室を出た。
「先輩、実際の所どうなんですか。見当付いてたりしないんですか」
先輩は少し難しい顔をしていた。
「実際の所、皆目だ。何も見えないし感じない。かなり変わり種なのか、それとも、相当上等なヤツかどっちかだろうな」
驚いた。
先輩の感覚に引っかからない相手なんて、この時が初めてだった。
嫌な想像が膨らんでいく。
しかし俺の妄想は、ヨーコさんの声でかき消された。
「着替え終わったよ」
部屋と同じ、淡いピンクのシンプルなパジャマだった。
うん、可愛らしい。
先輩がまた少し興奮したのがわかった。

101 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:18:51 ID:lZM9Igr50
「じゃ、寝ます。見ててね」
仰向けにベッドに入ったが、暫くして壁に顔を向けて横向きになった。
まあ、視線が気になるのだろう。
さらに暫くして、小さく規則正しい呼吸音をたてはじめた。
どうやら眠ったらしい。
寝付きはいいようだ。
「……お前、いつここに来た」
寝付いたのを確認して、先輩が小声で言う。
「あの、以前、たまたま近くで会って……お茶でもどうだって言うので、その」
気まずい。
嘘はついてないし、何か特別なイベントがあったわけではないが。
「一回か」
「……いえ、それからも何度か」
「お前、なんで」
不意に、破裂音がした。
大きな音が一つ、続けて小さな音が二つ。
かなりの音量だったにも関わらず、ヨーコさんは眠り続けている。
「先輩、今のは」
先輩は既に立ち上がり、拳を握り締めている。
「起こせ」
「は?」
「ヨーコ起こせ!早くしろ!」
突然大声を出され、反射的に立ち上がる。
「う、あ、ヨーコさん!起きてください!」
肩を掴んで激しく揺さぶる。
反応は無い。
「起きません!」
先輩はさっきまでの真剣な表情から一変、黒い笑いを浮かべていた。
「ならいい。かつぐなりなんなり、とにかくこの部屋から連れ出しておけ。俺は片付けておくから」

102 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:20:04 ID:lZM9Igr50
ヨーコさんの膝の下と腋に手を差し込んで抱えあげる。
俺は笑う先輩と、ベッドの下の隙間から見える手を残して寝室を出た。
そのまま玄関を出て、ヨーコさんを廊下に座らせる。
さっき、ベッドの下に見えたのはなんだったのか。
泥のような色をした手。
細い隙間から見えた片方の目。
先輩はアレの正体がわかったのだろうか。
「ヨーコさん、起きてください。ヨーコさん」
抱えて走った時もかなり揺れたはずだが、ヨーコさんは全く反応をしない。
顔色は青白く、まるで死んでいるようだ。
辛うじて呼吸音が生存を教えてくれた。
俺はヨーコさんの正面に座って待った。
ただ待った。
先輩か、ヨーコさんのどちらかがアレに勝ってくれる事を。
そのまま十分ほど経った時。
玄関のドアががしゃんと鳴った。
急いで立ち上がり、玄関を開ける。
内側に拠りかかっていた先輩が倒れこんできた。
「ちょ、先輩!どうしたんですか」
両腕を垂らして俺に体重を預けている。
「追っ払った・・・・・・けど、もう限界だ。病院近くにあったっけ」
よく見ると両腕に痣がたくさんある。
右手の中指・小指がおかしな方向に捩れていた。
「だ、大丈夫なんですか。どうしよう、救急車とか呼んだ方がいいですか」
先輩が思った以上に重症に見えて、焦りが噴出してくる。
俺がおたおたしている間、先輩はヨーコさんを眺めていた。
「・・・・・・起きなかったのか。そういうこともあるか。あ、痛、た。まあ、痛いのは腕だけだから、歩いて病院行くよ。今・・・・・・10時か。閉まってるだろうなあ・・・・・・」
ふらふらしながら歩いていく。
追いかけようとしたら、先輩に止められた。
「お前までいなくなったら、ヨーコが驚くだろ。起きるまで付き添うか、もう大丈夫だからベッドにでも戻してやれ」
去っていく先輩は、いつになく男らしく正統派のかっこよさだった。

103 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:22:15 ID:lZM9Igr50
翌日、病院の待合で先輩と会った。
先輩は両腕に包帯をぐるぐる巻いていた。
「なんか、右手の人差し指と中指、あと小指が折れてるって。人差し指は綺麗にイってたけど、中指と小指は細かくちくちく折れてて治るのもちょっとかかるかもってさ」
笑って右手を振る。
「あの、先輩。昨夜、何があったんですか。アレは結局なんなんですか」
先輩がにやりと笑う。
「解説しようか。まず、アレの正体だが・・・・・・簡単に言うと、ヨーコだ」
比較的無事な左腕でズボンのポケットを探る。
と、中から紙に包まれた丸い物を取り出した。
直径1cmくらいの玉だ。
「まあ、ビー玉なんだけど。これがあの化け物になった。おい、そうバカ面するな。本当だ。例えば、だが」
先輩は包み紙をぺりぺりと剥がす。
中身は水色の透明なビー玉。
包み紙には、どこかでみた模様が入っていた。
「これがベッドの下に転がっていくだろ。ふとした瞬間に、それがきらりと光っているのを目撃するんだ。脳みそは連想する。光る玉、眼、顔、人」
手のひらの上でビー玉を弄びながら続ける。
「そして、その想像にはっきりした形が出来る。それはベッドの下に人間ということから連想された都市伝説だ。その想像をした人間が、少し変わった奴だったら」
「そう、人より少しだけ、そういうモノに近い奴だったら。その想像は、何かにキャッチされ、実現される。そういうもんだ」
頭の中で整理する。
つまり、ビー玉を見たヨーコさんが、ベッドの下の男を想像し、それが現実になった?
「あるんですか。そんなこと。大体、それならどうやって追い払ったんです」
先輩は口の端をさらに歪める。
「実現したってことは、俺と同じ土俵にいるってことだ。想像相手じゃ勝ち目もないが、そこにいるならどうとでもなる。言っただろ、これは眼だ。あいつの。引っこ抜いてやった」
この怪我は、抵抗されたからだ。と。
ベッドの下に手を突っ込んで、得体の知れない物に指を捩じ折られながら、それでも相手の眼を抉って引っこ抜いた。
・・・・・・やっぱり、この人は尋常じゃない。
「最初はな。ヨーコの世界の中にしかいないのかと思った。あいつは、なんていうか、上位の世界を持ってる。だから、その中にいれば勝てなかった」
何のことだかよくわからないが、なんにせよ、この二人は段違いだと思った。

104 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:25:15 ID:lZM9Igr50
ここまでなら、やっぱり先輩達はすごい、で終わるのだが。
その後、非常にイメージの悪い話がある。
「あのな、頼みたい事があるんだ」
一通り解説を終えた先輩は、神妙な面持ちで言った。
「え、まあ出来ることなら」
今回は人の為に働いたし、まあ怪我しているから困ることもあるのだろう。
「あのな。先に言うぞ。別にいやらしい気持ちがあったわけじゃない。ただ、ちょっと、その、見えちゃったから、つい、だな」
先輩はまたポケットを探る。
まさか。
冗談だろう。
「これ、返してきてくれないか。間違って持って帰っちゃったとか言ってさ。お前ならそんなに怒られることもないだろ」
先輩が出したのは、あの部屋と同じ薄ピンクのシンプルな、それでいてかわいらしさのある・・・・・・。
女性下着(下)だった。
俺は悩んで悩んだ挙句、ここまでの怪我をして稼いだ好感度を、出来心で全部失くしてしまうのはあんまりだなあと思ってしまい、しかめっ面をしながらそれを受け取った。
返しに行った俺と受け取ったヨーコさんはお互い赤面し、それからしばらく気まずい日々を送った。

先輩と下男 終・・・じゃない。
先輩が病院に行き、ヨーコさんをベッドに戻した時の話。

105 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:28:13 ID:lZM9Igr50
「・・・・・・行った?」
背後から急に声を掛けられて驚いた。
ヨーコさんがぼんやりした顔で俺を見ていた。
「あ、起きてたんですか。なんか、もう大丈夫みたいなんで部屋戻ってください。俺、先輩を」
「連れてってください。力が入らなくて」
ヨーコさんはひどくぐったりしている。
俺は再びヨーコさんを抱え上げる。
「あの、嫌だったら言ってくださいね」
ヨーコさんはゆるゆると首を振る。
「本当はあの人にこうやって頼ってあげたいんだけど、あの人に近づくと、見えちゃうから。いろいろ、嫌な物が」
あ、もしかして。
「今考えてたこと、見えたりしました?」
俺は『先輩にこそこういう役得があるべきなのに』と考えていた。
今回一番頑張ったのは彼だ。
「別に。なんとなくそんなこと考えてそうだなって。実は、そんなに嫌じゃないです。ああいう風にストレートに当たられるの」
良かった。先輩は嫌われているわけではなかったのだ。
いつもそれが気にかかっていた。
そう、俺がどう思っていても、最初に好きになったのは先輩だ。
「じゃあ、嫌な物が見えなければ、先輩と付き合ってもいい・・・・・・とか」
なんとなく口にし辛かった。
それは、多分俺の中の感情に原因があるんだろう。
「まあ、前まではそうだったんですけど。今は、他に好きな人がいるんで」
ずくり、と。
心臓に突き刺さる言葉だった。
鼓動の乱れを悟られないように気をつけなければならない。
これは先輩に対する憐憫だ。
そう思い込むことにした。

106 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/16(土) 22:31:38 ID:lZM9Igr50
「そうですか。まあ、そういうこともありますよね。よ、と。じゃあ俺はこれで。先輩の所に行ってきます」
ヨーコさんをベッドに下ろしても、心臓がバクバクと鳴る。
俺はヨーコさんに対して特別な感情を持っていない。
彼女は先輩の思い人で、ずっと思ってきた人で、ヨーコさんも先輩が嫌いじゃなくて。
でも、他に誰か好きな人がいて。
「勘違いしてる気がします。私が好きなのは・・・・・・」
誰だろうと聞いてはいけない。
俺は慌てて寝室の扉を閉めた。
が、扉の閉まる音と同時に聞こえてしまった。

わたしがすきなのは、あなたです。

先輩と下男と俺とヨーコさん 終

107 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/16(土) 22:46:11 ID:/mlcA7Fj0
いなおとこ乙

108 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/16(土) 22:47:54 ID:BAI0qhMf0
先輩wと思ったら先輩…ってなってしまった

109 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/16(土) 22:54:43 ID:kiEiGs760
おーひ、レベルが落ちるのが早過ぎるぞ。

先輩に愛されながらヨーコを愛する3P乙。

110 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/16(土) 23:08:13 ID:wDqwl0uA0
いねおで良いのね 稲男乙
なるほどなぁ この三角関係が後々響いて来るんだろうな
ウニっぽいとは言いつつも、ウニ程伏線を放置するタイプでも無いよね

111 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 02:53:58 ID:94SXlE7nO
勧められたのでこっちに移動。やっと仮眠時間だ
 
定時制の高校というのはいろんな人が通う。
夫と子供の面倒を見ながら、薬剤師免許を取るため学歴を得ようと頑張る人の良いおばさんもいれば、
傷害でパクられたことを武勇伝のように話すDQNもいるし、
授業が終わる度に「今何々の授業が終わったよ。もう帰りたいよママ」と母親に電話する大の男もいる。
まあ、とにかく濃い面子が揃ってたなあと思う。
俺自身働きながら学校に通う二十歳過ぎの高校生なんてものをやっていたわけだが。

高一の春だった。
新入生の初々しさとは全くもって無縁な俺は、参っていた。
俺は自分が憑かれていたり、近くに居ると解る性質の人間で、そう言った人間の大半がそうであるように
そういうものに対する自衛手段を持っていた。
しかしその時は状況が少々特殊で、俺は心底から参っていた。

左耳はかりかりという音を聞き続け、頭の中では説明しがたい音響が鳴りっぱなしだ。
体は常に鳥肌が立ち掛け、視界は不意に靄がかかったり何かが過ったりする。
こういった症状は近くに居るか、もしくは自分が憑かれている時に出る。
実際に憑かれてるという実感が有った俺は、当然のように原因を探し、身構える。
どこだ。いつ来る。どこから来る。初めは雑多なもの寄せ集めだったはずなのに。
起きている間は常にびくびくと周りを警戒し、また、眠りに落ちてからも悪夢を見る。
見つけさえすれば何とかできるのに。俺の精神状態はどん底だった。

112 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 02:55:59 ID:94SXlE7nO
それでも俺は学校と仕事は休まなかった。
学校では担任から心配され、職場では何かヤバいことに首を突っ込んだのではないかと疑われた。
(それでも心配してくれる人は居たが)
結果として、それが功を奏したのだろう。
良い加減お祓いでも受けなければ気が狂うと思い始めた頃、俺は教室でうとうとしていた。
授業が終わった夕暮れの教室。仕事に出るまでのちょっとした空き時間。
バン、と音がした。驚いた俺は眼を醒まして音の発生源にありったけの気迫を込めて眼を剥いた。
ついに来た。
上等だ。やってやる。取り殺せるならやってみろ。
しかし、そこに居たのは人間だった。

他人の視線なんか知らないとでも言うような(と言うか後に言う)ガチガチのパンクファッションに
身を包んだ、隣のクラスで浮きまくりの女。
俺と同じく二十歳前後だという話を聞いていたので覚えていたが、パンクやらゴスロリやらが苦手な俺は
二十歳にもなってそんな格好して、と余計に苦手意識を持っていた。
しかも、やたらと目付きが悪いことで有名で、クラスの何人か(人の良いおばさんですらも)が、
「なんだか怖いよね」
と言っていた女。
その女が大股で近付いて来る。
なにがなんだか訳が解らなくなった俺を尻目に、女は俺の机の前までやって来て、
 
ぎ、と俺を睨んだ。
 
人を殺した事があるような眼だ。混乱してたことも有ってか、俺は本当に殺されると感じた。
そうしてヤバいと瞬間、ふわりと体が浮いたように感じた。
頭から体を吊るしていた糸がぷっつりと切れたような感覚。妙な心地良さを感じて俺の意識は遠退く。
けれど、一秒も経たずに俺は眼を醒ました。あの目付きの悪い女が、俺の肩を揺さぶったからだ。
「おい、大丈夫か」
とそいつは言った。
中途半端に覚醒した頭では何もかも訳が解らず、俺はただ、は? は? と繰り返したのを覚えている。
これがAとの出会いだった。

113 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 02:58:13 ID:94SXlE7nO
後に聞いた所によると、俺は自分霊とでも言うようなものに憑かれていたらしい。
呪いが自分にかけられたと知って自己暗示に掛かるのと似たようなもので、
謂わば自分の生き霊が自分に憑いているような状態らしい。
Aは俺がそんな状態に陥っていたのに気付いて、しょうがなく助けてくれたそうだ。

因みにあれから数年経つが、Aは多少マシになったものの未だにパンクファッションを続けている。
勿論Aはそんな格好で、主な客層が中年から初老のおじさんおばさんな俺行き付けの大衆食堂に行くわけだ。
今ではもう、すっかりと馴染んでしまっている。

114 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 05:37:01 ID:H9rZCj4J0
ちょwwwAって女だったのかよ
わざと男友達と思わせるような描き方をしてただろw


115 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 05:39:03 ID:H9rZCj4J0
あぁ後コテ付けたほうがよくね
洒落怖から読ませてもらってるんで楽しみにしてるよん


116 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 08:03:14 ID:mtxDRcORO
新しい人か
乙です
次も楽しみにしてます

117 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 08:39:42 ID:LuMUpgjg0
移動してたのか
洒落怖に書き込んでた分は、こっちに貼らなくてえーの?

118 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:08:42 ID:94SXlE7nO
仕事終わった。読んでくれた人ありがとう

>>114
バレたか
コテはその内つける

>>117
めんどいからいいよ

119 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:11:21 ID:Fg/65n9FO
こっちの分は読んでないけどまた「実は女だった設定」なの?
はっぽうさいくさくて一気に読む気失せた
キモすぎー…

120 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:48:43 ID:GqyoHBDM0
糞!間違って洒落怖にレスしちまったじゃねえか

糞住人が
また洒落怖から書き手を奪ったな。普段あんなに洒落怖馬鹿にしておきながら勧誘するための監視は怠らないとか、悪質すぎ

>>118
おい,お前。お前はもうどこにも投下するな。投下したらその度に叩きまくってやるからそのつもりでいろよ



121 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:49:20 ID:GqyoHBDM0

542 自治スレでローカルルール他を議論中 sage New! 2010/10/16(土) 04:42:02 ID:E/FI+Z5n0
>>539
このスレ、バカが住みついててうっとおしいから
シリーズ物スレに移動したらどうだろう。
あっちも変なヤツいるけど、ここほどは
酷くない。




122 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:50:22 ID:GqyoHBDM0


545 自治スレでローカルルール他を議論中 sage New! 2010/10/16(土) 05:51:12 ID:To6kVFkG0
>>542
俺もそう思う。
ガイキチが湧いてるから、あっちの方が気持ちよく投稿できるかもね。



気持よく投稿できると思うなよ、あ?

123 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:53:21 ID:GqyoHBDM0
糞どもが徒党組んで必死に誘導しやがって
洒落怖なんだからまとめ掲示板に誘導するのが筋だろ
少なくても選択肢のひとつに挙げるべき
シリーズ物(笑)一択はありえん

てめえらはもう洒落怖覗くなや。誘導レス見るたび吐き気するわ

124 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:55:17 ID:GqyoHBDM0
糞!また間違って洒落怖にレスしちまったじゃねーか

バカ晒しあげ

558 自治スレでローカルルール他を議論中 sage New! 2010/10/16(土) 13:39:09 ID:3ht8rFwd0
>>557
つーかさ、あんた、自分で検索ぐらい出来ないのかよ・・・
ゆとり?



【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ15【友人・知人】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1286876622
じゃないかと思うんだが、まだ書き込まれていない




125 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:55:36 ID:GqyoHBDM0


559 自治スレでローカルルール他を議論中 sage New! 2010/10/16(土) 13:50:52 ID:qOMJIAXM0
>>554
まだまだ読みたいから、よろしくー



126 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:56:11 ID:GqyoHBDM0


570 自治スレでローカルルール他を議論中 sage New! 2010/10/16(土) 17:38:23 ID:+005aHie0
シリーズスレ見てきたけど…、フロントマンが
淡々と書き込んでくれればいいが…



127 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 10:58:15 ID:GqyoHBDM0
こんなクソスレ、メリーに潰されてしまえ

128 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 11:09:37 ID:94SXlE7nO
俺の話大して怖くないから確かにスレチだよなあと思って移動したんだが俺
まあ、寝る

129 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 11:15:56 ID:GqyoHBDM0
そもそもシリーズ物でもない、ただの長文なのにここに誘導するのはおかしいだろ
自分らがルール無視して誘導とかはするのにメリーとかはスレ違い扱いするんだな
自分に甘くて他人に厳しいって一番最低な人間だぞ




130 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 11:19:42 ID:GqyoHBDM0
>>128
だったら洒落怖まとめに行けよ
あっちだったらまとめにも乗るし叩きもされないし一石二鳥だろ
こんな普段誰も投下しない隔離スレに投下してもほんの一部の狂信者に崇められるだけだぞ
ウニ以外の投下者には「乙」しか言えない馬鹿共だ

つーかもう二度と来るな。うっとおしい

131 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 11:21:49 ID:T23lYbYOO
もともと洒落怖の隔離スレだからな。
誘導するのは当然としても洒落怖住人が怒る事じゃないだろ。
ここに投下してる書き手が洒落怖に戻ったら、困るのは洒落怖住人だろうに。


132 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 12:12:28 ID:NiABwQfkO
乙!>>113
待ってたよ
なんか投下される度に文章力が上がって行くな
今回はAがオニャノコだったというドッキリ付きだな

133 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 12:50:59 ID:mtxDRcORO
『来い。早く来い。面白いから来い』
三年の春。
先輩から電話があった。
「なんなんですか。来いってどこに」
『工場。潰れた方の。すぐ来いよ』
それだけ言って切れた。
その頃、俺と先輩の距離は少し開いていた。
別に仲が悪くなったわけではないが、その頃先輩は、俺の理解の遥か外側にいたし、前年度の終わり頃、ヨーコさんとの一悶着があり、俺からすればなんとなく気まずかったのだ。
まあ、呼び出しを断る程でも無かったし、先輩の様子がおかしかったのもあって、俺は港近くの廃工場まで自転車を飛ばした。
夕暮れが街を染め、影が長く伸びる時間だった。
工場に着くと、奥から先輩の声がする。
「来たか。こっちだ。奥の資材積んである所」
建物に反響した声は、別人のモノのようにも思える。
埃の舞う工場の奥、資材置き場だった所に先輩はいた。
ピラミッドのように積まれた鉄材のてっぺんに腰かけている。
抜けた天井から夕日が差し込み、逆光になっている。
先輩の顔は良く見えない。
「先輩。面白いって何がですか」
油の匂いと海の匂い。
それから埃の匂いの中に俺達はいる。

134 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 12:53:04 ID:mtxDRcORO
「見えないか。あるだろ、そこに」
すぐそば、床に何か黒い塊がある。
じっと見ていると、塊の表面が動いた。
どこかで聞いた音がする。
ぶ、ぶぶ。
ぶぶぶぶ。
びびっ。ぶわぁん。
塊の表面をびっしり覆っていたのは、黒い羽虫だった。
蝿だ。
飛び立った数匹に釣られるように、そのまわりから次々と飛び出し始める。
嫌な予感がした。
「死体だ」
黒い塊はもう黒くない。
わーんわーんと蝿の羽音が耳につく。
目のあるべき場所は窪んだ穴があるだけ。
恐らく生前は薄く桃色だったろう皮膚は、白く、所々に青や緑の斑点が。
腐りかけた体のラインから、辛うじて、女性とわかった。
「見えただろ。どうだ」
俺は吐き気を堪えるのに精一杯だ。
「どう思う。どう見る。お前は」
吐き気を飲み込んで、先輩を睨む。
「これは冗談じゃ済みませんよ。警察に……連絡しなきゃ」
先輩は笑う。声をあげて。
「警察。警察ねぇ。これを。お前、悪戯だと思われるぜ」
悪戯?
何を言うんだ。
現にここに死体があるじゃないか。
俺はもう一度死体に目をやる。
さっきと変わらず、窪んだ穴がこちらを見ていた。

135 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 12:55:07 ID:mtxDRcORO
「警察が動くのは人間の事件だ。死んでいるのは、猫じゃないか」
はっとして先輩を見る。
相変わらず逆光でシルエットしか見えない。
再び、視線を下におろすと、そこに転がっているのは女の死体……ではなく、黒い猫の死体だった。
「お前にはどう見えた。男か、女か、大人か、子供か、綺麗な死体か、腐りかけた死体か」
また、吐き気がした。
「ここは別に霊場じゃない。だが、正気の境界線だ。お前にはどう見える。まだ人か。それとも猫か」
不思議な感覚だった。
猫を見ていると同時に、女の死体も見ている。
二つの存在が重なって、そこにあるような。
「一度でも人に見えただけで、お前は有望だ。さて、どう見えるのが正気で、どう見えるのが狂っているのか」
わからない。
目眩がする。
シルエットの先輩が高笑いをする。
「面白いだろう。お前は知らず知らずそこに立っている。選ぶなら今のうちだ。どちらに倒れるか」
先輩の声を背後に聞きながら走る。
工場を出て、自転車に跨がり、全力で走る。
先輩の狂ったような笑い声は、工場に反響して、まるで別人のモノに聞こえた。
夕暮れ、影は長く伸びて、夜がくれば闇に溶ける。
先輩に、夜が訪れ始めていた。

先輩と死体 終
最初の、下げ忘

136 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 12:56:40 ID:mtxDRcORO
また変な所で切れた…申し訳ない。
最初のレス、sage忘れてました。失礼しました。

137 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 13:28:13 ID:W+q6KscB0
俺「いなお」かと思ってたわ

しかしキチガイ多いなあ……。書き手が一人他所で書く事に何をそこまで必死になる要素があるんだ

138 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 13:33:32 ID:QzASic/l0
いなおとこ乙

139 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 13:34:20 ID:GqyoHBDM0
>>131
派生スレだとしてもシリーズ物に限るだろ
ただ一回透過されたものを即ここに誘導するのはおかしいだろハゲ


140 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 13:35:43 ID:GqyoHBDM0
>ここに投下してる書き手が洒落怖に戻ったら、困るのは洒落怖住人だろうに。


困る?何が困ることあるんだ。貴重な書き手だろ
困るのは賑わうのを嫌がるアンチだろ。俺のようなw あ、お前がそうか

141 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 13:38:45 ID:GqyoHBDM0
>>137
必死なのは大嫌いな洒落怖を常時監視していてスキあらばここに引きこもうと考えてるここの信者だろ
単発ものでも構わず勧誘するんだからな
板違い?スレ違いなんてどうでもいいだろ。ルール無視のならず者がホザくな
そういう輩が他人には厳しくルールを押し付けて排除しようとするんだよな


142 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 13:54:37 ID:mtxDRcORO
好きな所で好きなように書かせてあげればいいじゃないと思うんですが違うんでしょうかね。

143 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 14:03:31 ID:cCApXZN10
とうなん乙

144 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 14:29:23 ID:dA/WRT3j0
ID:GqyoHBDM0

最近居ないと思ったらまだ居たのか。
こいつ、何スレも前から張り付いてる病気の人だから触らない方がいいよ。

ひょっとするとメリーと同一人物かもね。

145 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 15:43:45 ID:GqyoHBDM0
ま〜〜〜たいつもの同一人物認定厨が出てきたよ
都合の悪い展開になるといっつも同じ事言ってはぐらかすよなw


146 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 15:47:34 ID:GqyoHBDM0
>>142

はあああ?
洒落怖に投下してたのを強引に勧誘しておいてよくそんなセリフ吐けるよなあ
そのセリフは勧誘してきた馬鹿に言えよ
言えねえだろ?身内に甘いもんなあ。自分を崇めてる信者にそんな事言えないわなあ

やっぱりウニの劣化パクリ作家様は違うねえ
普段からてめえの頭で考えるってことをしてないんだろう。頭悪すぎる
いちいちコテ外して名無しのふりしてるのが笑えるww

147 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 15:49:49 ID:GqyoHBDM0
スレ違いを弾圧しておいてスレ違いを誘導、自演認定、おまえが言うなよ発言

信者も作家も底辺すぎ

148 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 15:51:33 ID:GqyoHBDM0
>>142
なあ、偽ウニさんよ。弁明してみろよ
誘導された作家に「好きなところで書けば良い」ってどういう事だよ?ああ?

149 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 15:58:41 ID:dA/WRT3j0
837 名前:本当にあった怖い名無し:2009/09/08(火) 22:35:24 ID:/ejiCi330
また新規作家のように振る舞ってる馬鹿がいるのか
洒落コワに投下→すぐ誘導厨発生→あっさり移る

行動が同じw
その作家も語り口調も同じ作風だけは一生懸命変えようと努力してるのが笑える
「猛者」とやら、ここで投下し続けると叩きまくる人がたくさんいるから気をつけろよ
洒落コワにいた方がまだましだよ。



文体・特徴まるで同じ。
一年以上、いやそれ以上か?前から張り付き、新たに投下する人を貶しまくって迫害するマジキチ。
お手を触れないように。

150 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 16:01:38 ID:naxIQ4ovO
前スレにあった、枯野だっけ、
あの人の投下した話ってどこかでまとめられてる?
探したけどなくて

あと稲男乙

151 :本当にあった怖い名無し:2010/10/17(日) 16:05:36 ID:UQMmeZ4wO
>>148
メリーよ残念ながらばればれだ
いい加減反省しろ

152 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 16:30:57 ID:tGGCxS2QO
>>150
全部あるか分からんがまとめで読める。
ttp://us.eek.jp/occult/

153 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 16:52:04 ID:GqyoHBDM0
>>149
ああ、それ俺だがそれが何か?
いつそのレスが俺のじゃない、と言ったんだ?
そんな事言うために必死にそのレス探してたのか?お前がマジキチだろww

154 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 16:53:03 ID:GqyoHBDM0
>お手を触れないように。

お前が言われるセリフだろばーかww
ほんとお前ら楽しませてくれるわw

155 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 16:54:50 ID:GqyoHBDM0
>>151
もういいよお前。いつまでもそうやって粘着してろw

156 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 16:58:12 ID:GqyoHBDM0
それより早く>>142、とっとと出てきて>>148に答えろよ

お前らは何度こういう事繰り返すつもりなんだ?
調子乗って相手をねじ伏せたつもりの発言して、それに反論されたら途端にだんまりしたり話をすり替えたり、いつも同じ逃げパターンじゃねーか

さんざん相手しておきながら最後は
>お手を触れないように。

こういう台詞はいて逃亡ww
学習能力ゼロか

157 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 17:00:09 ID:GqyoHBDM0


142 自治スレでローカルルール他を議論中 sage 2010/10/17(日) 13:54:37 ID:mtxDRcORO
好きな所で好きなように書かせてあげればいいじゃないと思うんですが違うんでしょうかね。


違わないね。最初から洒落怖に投下してるんだからそっとしておくべきだったねえ
だから、誘導してたお前の信者に同じ台詞吐いてね

158 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 17:02:11 ID:GqyoHBDM0
>一年以上、いやそれ以上か?前から張り付き、新たに投下する人を貶しまくって迫害するマジキチ。
お手を触れないように。


これも何回も繰り返してるな
ほんと学習能力ないんだなあ・・・・テンプレにもあるんだろ?


159 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 17:04:09 ID:tGGCxS2QO
>>157
煽りとかじゃなく素朴な疑問なんだけどさ
相当このスレを嫌ってるように見受けられるけど、何のためにここに居続けてるの?
自分に合わないと感じたら、無理して見なきゃ良いのにと思うよ。

160 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 17:08:17 ID:GqyoHBDM0
これまでの流れ読んで理解出来ないなら、俺が1から10まで事細かく説明しても理解出来ないだろうから黙ってろ
とことんバカしかいないんだなこのスレ



161 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 17:33:42 ID:xJI/x7Xf0
NG処理したらすっきり( ´∀`)

162 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 19:37:24 ID:T23lYbYOO
勧誘してるように見えるのはこのスレ住人じゃなくて洒落怖の自治厨だっつうの。
洒落怖が過疎ったのも自治厨の過度な追い出しだろうが。ほんのり行け、シリーズ行けって何回見た事か。
つか正直糞みたいな書き手を全員ノシつけて返品したいぜ。今書いてるウニ擬きみたいなの全部な。

そんなの戻されても伝統ある(笑)洒落怖さんも要らないだろ?
そういう返品もきかないゴミを隔離するスレがココなんだよ。


163 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 19:46:22 ID:sL/OkN/L0
洒落怖住人だけど、この人基準でレベルをはからんでもらいたいな

164 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 20:16:16 ID:naxIQ4ovO
>>152
おお、ありがとう
そういえばそのサイトだけ探し忘れてたかも
わざわざすまんね。ありがとう
後で読んでみる

165 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 20:46:44 ID:NiABwQfkO
>>163
禿同
独りで騒いでる糞基地外は
洒落怖スレでも相当ふじこってるが
誰にも相手にされとらん

連れて帰りたいが無理そうなので
そのへんの山にでも捨てといてくれ
後、誘導された投下者は責めないでやってな
自治厨に振り回されちゃった被害者なんだよ

166 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 21:16:18 ID:LYc842xf0
こんなに荒れてるんじゃ、投稿しにくいよね
きっと

167 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 21:27:22 ID:Q4yt4uWZ0
2ちゃんはレスしてる誰のものでもないのにね
気に入る気に入らないの感情だけもんね

168 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 21:57:02 ID:mtxDRcORO
俺の住む県は雨が降らない。
日本一、とかではないが、地方の天気を見ても、周り全部雨なのにここだけ降っていないという事が多々ある。
それは隣県の晴れの国パワーが流れて来ているからか、山脈に雲が塞き止められるからか、はたまたなにやら専門的な要素が働いているのかはわからない。
降ってもほんの少しだったりするから、毎年水不足に悩むのも仕方ないのである。
そんな滅多に降らない雨の日、俺は初めてそれを見た。
先輩と出会った年の秋、肌寒くなってきた頃。
珍しく大雨で、俺はカッパを着て自転車をこいでいた。
雨でも風でも学校はある。
どこかの大王のように、雨が降ったらお休みにすべきでは無いのか、などと、たわけた事を半ば本気で考えていた所、雨に煙る道の先に人影が見えた。
視界は悪く、人影は文字通り影に見える。
少し遅刻気味の今の時間、もしかするとお仲間かもしれないと思った俺は、自転車を加速させた。
知り合いかどうか見てやろうと思ったのだが、雨が酷く未だに影のままだ。

169 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 21:59:43 ID:mtxDRcORO
さらに近付いて、ようやく違和感に気付いた。
この人影はまさしく影であり、ただ漠然と黒いままに存在していたのだ。
驚いてぽかんとしている間にも自転車は進み、影の横をすれ違う。
厚みのある影、という表現が一番しっくりくる。
確かな厚みと存在感はあるが、間違いなく影なのだ。
すれ違いざま、その影が弾けた。
ばしゃんと音を立て、降り注ぐ雨に溶けて流れてしまった。

「それは、人の形をしてたのか」
先輩はコンビニのおにぎりをかじりながら聞いた。
「はい、それは間違い無いです」
昼休み、俺は先輩の教室を訪ねた。
登校中に見た物が気になったからだ。
「雨の日の、黒い人影、ね」
海苔をバリバリ噛みながら、先輩は窓の外を見た。
見るまでもなく、雨はまだ降り続けている。
「雨に限らないんだが」
先輩の語りが始まる。
先輩の話し方は、不思議と心惹かれるというか、掴むのが上手いというか。
俺は、先輩が語り始めるとわくわくするのだ。

170 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 22:01:34 ID:mtxDRcORO
「水っていうのは、何かを溶かす物だ。砂糖とか、塩とか。電気も溶け出すと言える。そして、溶けた物は水の中に残るんだ。消費されるまで」
おにぎりをかじりながら淡々と語る。
「そう、何でも溶かす。死体も溶けて崩れるし、雨に流れる幽霊も見たことがある。極めつけは、意思だ。人の思いも、水は溶かす」
想像してみろ、と先輩は窓の外を指差す。
「あの雨の一粒一粒に、お前の意思が溶け込んでいる。何かを食べたい、何かが欲しい、誰が好き、誰が嫌い」
俺の脳みそから、液体のように意思が漏れだし、雨に混ざるイメージが浮かんだ。
「だけど、水の量は世界中で一定だ。水分は蒸発して雲に、雲は凝結して雨に、雨は蒸発してまた雲に。つまり、有限なんだ。水は」
それはわかる。
が、だからどうなのだろう。
「水が無限なら、問題ない。しかし、水が有限なら、溶けることの出来る量も有限だ」

171 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 22:03:47 ID:mtxDRcORO
昔、飽和、というのを習った。
水の量に対して、一定の量の物質が溶けると飽和して、それ以上は物質が溶ける事が出来なくなる。
なるほど、水の量が有限なら、節操無く溶かし込んでいけばいつかは飽和するわけか。
「で、本題である、お前が見た物についてだ。恐らく、俺も同じ物を見る。俺には不定形に見えるが、黒くて、不可思議な存在感をしたモノ」
今朝見た物が思い出される。
確かにあるように見えるのに、どこか希薄な、平面のような存在感。
影という他喩えようもないモノ。
「あれは、上手く近付いて触ればわかる。水に溶けて、飽和した後。溢れた分の意思だ。雨は、そういう物も地上に運んでくる」
雨の音が聞こえる。
喋り終えて黙った先輩は、俺の弁当の唐揚げを物欲しそうに眺めている。
箸でつまんで鼻先に持っていくと、一口に頬張られてしまった。
「その、意思っていうのは、どんな物なんですか」
先輩は唐揚げを咀嚼しながらにやりと笑った。

172 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 22:03:59 ID:tPblFww10
支援!!

173 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 22:04:31 ID:dA/WRT3j0
C

174 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/17(日) 22:07:05 ID:mtxDRcORO
「ん、うん。簡単なことだ。溶け残るってことは、つまりそれだけ濃く、多くを締める意思なわけだ。そんなもんはいつだって誰だって決まってる」
少し、間があいた。
「憎しみ、嫌悪、憎悪。決して幸せや愛なんかじゃない。あの黒い物は、人の汚濁だ」
先輩は今度はウインナーを見ている。
俺はあーんと言って先輩に口を開けさせて、その中に放り込んでやった。
満足そうな先輩から視線を外し、窓の外、校庭を眺める。
その真ん中に、真っ黒な人影が立っていた。
その黒い顔は、こっちを見ているような気がした。

先輩と雨 終

175 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 22:34:23 ID:wLwv+PVn0

ウニ臭を漂わせながらここまで読ませるのもすごい才能だな。

176 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 23:51:44 ID:1KznBTfT0
先輩と雨 面白いなぁと感じるだけに師匠シリーズにたぶるのが悔やまれる。
ほんとうに

177 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/17(日) 23:59:20 ID:GDgAB6srP
往生際の悪い二次創作

178 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 01:26:35 ID:y9dKIzSm0
二次だろうが実話だろうがおもしろければそれでいい

179 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 02:02:52 ID:pRlIHu5OO
いなおとこ乙

180 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 03:20:30 ID:sSaupG2OO
仮眠時間だ。稲男氏の話おもしろいなあ
稲男氏見習って今回からタイトルつける
 
 
 睥睨
 
霊感を持つ人間なら、祓ったりとまではいかなくても何らかの対抗手段を持っていることが多いと思う。
宗教やら信仰に由来するものや、呪術・魔術的な儀式めいたもの、または自分の経験によるもの。
お経や祝詞を読む、お守りを持ち歩く、人形代に吸わせる、その他。人によって様々だ。
勿論、俺にもある。自分でも少々変わり種だと思う対抗手段が。
だが、Aの対抗手段は俺のを鼻で笑えるくらい(事実鼻で笑われた)もっと変わり種だ。

181 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 03:22:32 ID:sSaupG2OO
高二の夏休み、二十歳になったということで、Aが酒と煙草を始めた頃の話だ。
あいつはずぐに酒にも煙草にも慣れ、メンソってシャキーンてなるんだなあとか言ってた気がする。
当時付き合っていた彼女が煙草嫌いだったため、喫煙者でありながら自分の家の中では煙草を吸わない事にしていた俺は、
何の気兼ねもなく煙草が吸えるAの家に入り浸り、買い貯めた煙草のストックもA宅に置いているような有り様だった。
その日も煙たいAの家でだらだらとしていて、どんな流れだったかは忘れたが、とにかくAの対抗手段の話になった。
洒落怖から見てくれてる人はもう分かってるかもしれないが、そういう存在に対するAの対抗手段は、相手を睨むことだ。
 
「昔さ、パラノイアだったんだよ。中学校に上がった辺りからなんかキモいのが見え始めた。
 妄想ってか幻覚ってか、まあ、そんな感じのが。それで不登校になったわけ」
中学校時代のAの話を聞いていた俺は、頷きながら煙草の封を開けた。
定時制の高校に通うやつには、当然普通の高校に行かない理由がある。
なんでこの高校に入ったのか? という定時制高校ではよくある身の上話として聞いていた。
「人っぽいのとか、なんか悪魔っぽいのとかゾンビとか。今思うと霊も見てたんだろうなあ、区別つかなかったけどさ。
 あ、妖精も見たぞ。ティンカーベルとか。つまり昔の私は妖精と戯れる無垢な少女だったわけだな」
「今は煙草食らって酒を飲む汚れ女だけどな」
「うるせえよ」

182 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 03:24:12 ID:sSaupG2OO
「で、どうしてそれがあの睨みになるんだ?」
「あー、先ずは聞いとけ。とりあえず、そいつらは夢の中にも出てくるんだよ。まあ、悪夢だな。
 妄想、幻覚の化け物が昼夜問わずで襲って来るんだ。あの時は頭が狂いそうだった」
あ、つうか頭がおかしくなったからあんなのが見えたのか? なんて言いながら、Aはビールを飲む。
この後彼女と会う予定が有った俺は羨ましく思いながらそれを眺め、煙草に火を点けた。
「それで、ある時夢の中でこう思った。夢なら何でも出来る訳だから、こいつらを消すこともできんじゃないかって。
 明晰夢ってやつだな。で、夢の中で必死こいて念じるんだ。死ね死ね死ねって。でも死んでくれない」
俺は夢の中で生々しい化け物に囲まれるAを想像する。夢の中も現実も、中学生時代のAからすると大差なかったのだろう。
そう考えて俺はゾッとした。たまに見る悪夢が現実で、こうしてだらだらしてるのが夢だと思うと、堪らない。
「毎日毎日死ね死ねって念じて呟いてる内に、イメージもそれにくっつくようになった訳よ。
 包丁刺されて死ぬとか、車に轢かれて死ぬとか思うと、その化け物が包丁で刺されて死ぬイメージが勝手に浮かぶんだ。
 何回もそんなことをしてる内にそのイメージが固まってきた。化け物は私の妄想だろ。それを妄想の中で殺すんだ。
 そうなると本当に死に始めたんだよ、化け物が。本当って言っても実際は私の妄想だか幻覚に過ぎないんだけどな。
 その内夢だけじゃなく現実でもを殺せるようになってさ。まあ、妄想は妄想から逃げられないんだろうなあ」
染々とAは語った。
俺たち現実で生きている人間は、夢の中で死んでも実際には生きている。現実では死んでないのだから。
だが、昔のAが見ていたという化け物は妄想の存在だ。妄想の中で殺されれば、生きてはいけないんだろう。

183 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 03:25:09 ID:sSaupG2OO
「その内、いつの間にか手当たり次第片っ端から化け物を殺すようになってさ。そしたら、だんだんと数が少なくなってきた」
「それって」
「うん。最終的には皆殺しにしたのかもしんないなあ。妄想を。でもさ、まだ変なのが見えるわけ。
 いかにも化け物、ってのは居なくなったけど、まだ変なのがいるわけだ。まあ……お前にも見えるやつだな」
妄想を皆殺しにしたら、残ったのは霊だったとAは言う。
「霊だって気付いたのはそっからすぐ。いつの間にかそっちも見えるようになってたんだな。
 で、やっぱりそいつらは殺せないんだ」
「それはそうだろ。霊は妄想じゃないんだから、妄想の中で生きてるのを妄想の中で殺すのとは訳が違う」
「うん。私もそう思った。だからオカルトに傾倒したわけよ。なんとかする手段は無いかってな。
 熱中したね、あの時は。一通り勉強したあと、私がこれだと思ったのは、魔術だった」
「魔術って、悪魔呼び出したりとか?」
「いや、そういう儀式的なのじゃない。まあそんなんも出来るけど。成功したこと無いが。
 まあ、魔術って言っても初歩の技術的なやつだ。私がやったのは幻視法と呼吸法」
やっと話があの睨みに近くなってきた。そう感じた俺は煙を吐いて煙草を揉み消した。

184 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 03:27:27 ID:sSaupG2OO
ぼう、っとした焦点の合わない瞳でAは話を続ける。
「幻視はイメージを視角化するってやつでな、それを使うんだよ。で、イメージを視角化するってことはつまりさ、」
話の途中でAはビールの冠を傾ける。中身を全部飲みきったAは、っあー、なんて声を出した。
「まあ、あれだよ。私が睨む時はさ、相手を見ながら頭ん中で相手を殺すんだ。死ね、死ね、死ねって本気で思いながら。
 居なくなれ。消えろ。お前が存在してる意味はない。お前は無価値だ。死ね、死ね、死ね、死ね、死ねってさ」
一人言のように言ったAは、いつものように焦点が合わないどこかぼうっとした目で俺を見た。
淡々と語るAに怖気を覚え、俺は煙草に火を点けるふりをしてAから視線を外す。
どこを見ているか解らないような目は、けれど、確実にこちら向いていた。
……Aのそれは、きっと呪いみたいなものなんだろう。
相手を睨み付け、死ね、死ねと本気で思いながら相手が死ぬ姿を丁寧に丁寧に想像して行く。
丑の刻参りと同じように、相手に思念を飛ばして殺すという、呪い。
「ゆっくり、ゆっくりイメージするんだ。相手を見ながら。ゆっくりゆっくり、注意して、丁寧に、丁寧に」
淡々と話を再開したAは、まだこちらを見ていた。俺はAを見ることができない。
「……なあ、ちょっと待ってくれ」
見ることができないまま、俺はAに質問しようと口を挟む。
「あの時のお前の自分霊のことか? 大丈夫だよ。軽く睨んだだけだから」
俺が質問の内容を言う前にAはそう言って笑う。
けれど、俺が知りたいのはそういうことじゃなかった。
 
お前は俺を呪ったのか? お前は俺の死を願ったのか?
お前の頭の中で、俺はお前に殺されたのか?
 
俺は、何も言えなかった。

185 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 03:28:30 ID:sSaupG2OO
生まれた会話の空白に気づかないふりをして、Aは声を挙げた。
「よし! お前帰れ!」
ふざけるように笑ったAに胸を撫で下ろし、俺は意識して普段通りの顔と声を作る。
「何でだよ」
「うるせえなあ。彼女に会うんだろ? 風呂入って服洗って、煙草の匂い落とさなきゃなんないだろ?
 おら、帰れ帰れ」
俺は意識して苦笑しながら舌打ちをする。
「しょうがねえなあ。んじゃ、またな」
そうして、その場はお開きとなった。
 
 
……恐らくAは気付いていたんだと思う。
俺が煙草に火を点けるふりをしてAから目を逸らしたことも、俺が本当に聞きたかったことも、俺がAに怯えていたことも。
Aの睨みに関する話は、あれから数年経った今でも、話題に登ることは殆ど無い。

186 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 08:13:30 ID:DEJSCcaNO

定時制って本当に色んな人いますよね
確実に教師より歳上なオッサンとかザラ

187 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 17:56:41 ID:32JtGWr/0


>>185
過去投稿分もコピペして良いかね?
まとめて読みたいわ。

188 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 19:25:52 ID:DW2cGsUtO
>>187
洒落怖スレ常駐者です
特にネタ第1は素晴らしい
是非ともお願いする
投下するにつれネタ臭くなってるが
文章力は光ってる
自分は好きなので応援している

189 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/18(月) 20:14:22 ID:NqCrBzBm0
あれはいつのことだったか。
俺は先輩に聞いた事がある。
「先輩って怖い物とかあるんですか」
俺が真っ先に思いつくのは幽霊だとか、お化けの類だ。
あれこそ万人に怖がられている物ではないだろうか。
しかし、この人はきっと違う。
何故ならその類の物でも、ぶん殴ることが出来るからだ。
倒せるのなら、怖くは無いんじゃないか。
そう思って、聞いてみたのだった。
「あるよ」
先輩と俺は歩きながら話した。
「俺は、そうだな。ヨーコが怖い」
まじめな顔をして答えてくれたので、まじめな答えが聞けると思ったら、そんなもんだった。
「いやいや、そういうのいいです。もっと、こう、真剣に」
えー、とぶー垂れて、先輩は顎に手をやって少し考える。
「・・・・・・向日葵が怖い」
返ってきた答えは意外な物だった。
「え、向日葵って、あの、花ですか。夏の」
頷く先輩。
「どっちかというと、怖いとかじゃなくて、元気な感じしますけどね。綺麗っていうか、可愛いっていうか」
先輩がにやりと笑う。
いつもの笑顔だ。
「あの花、漢字で何て書くか知ってるか」
俺は考える。
いや、考えるまでも無く知っているのだが、一応。
「向うに、太陽の日に、葵ですよね。どうかしたんですか」
「由来は知ってるか」
今度も考える。
わざわざ聞くってことは、一般的な意味じゃないのかもしれない。
俺は恐る恐る答えてみた。

190 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/18(月) 20:17:37 ID:NqCrBzBm0
「え、と。向日葵は、太陽の方に花を向けるんじゃなかったですか。太陽を追いかけて、こう、ぐぐっと」
少し間があったので、どきどきしていたのだが。
「そう、その通りだ」
拍子抜けだった。
「・・・・・・で、それが、どうかしたんですか」
「そうだな、向日葵は太陽を追う。光を追う。光を追うのは、何だ」
今度はちょっとわからない。
俺はイメージしてみる。
大きな光に、集まってくるものといえば・・・・・・。
「あ、虫、とかでしょうか。夜、電灯とか自販機とかに群がってますよね」
先輩はまた頷く。
「うん、それはそうだ。他は?」
他、他・・・・・・。
あまりイメージ出来ない。
「光を追う、と言ったからわからないのかも。言い方を変えよう。光を求める物は何だ」
あ、これならわかる。
先輩が俺に何を言わせたいのか。
「人間、ですか」
「そうだ」
人間は、その大小に関わらず光を求める。
それは物理的な光に限らず、精神的な、所謂希望という物でもある。
「向日葵の花は、その性質を持っている。何故だ」
また、イメージする。
人間と向日葵の共通点。
光を追うこと、光に向うこと。
「あの花には、一本残らず幽霊が憑いているんだ。一度向日葵畑に行ってみろ。お前の感覚が尖っていたら、見えるかも知れん」

191 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/18(月) 20:20:07 ID:NqCrBzBm0
背筋に寒気が走った。
背の高い向日葵の下で、うつむいてしゃがみこむ幽霊。
それが一本じゃなく、一面を覆う程たくさんある。
向日葵と、それと同じ数の、老若男女様々な幽霊が。
「太陽は最大級の光だ。そして向日葵は、太陽に似ている。あいつらのぼけた目には、同じに見えるんだ。近付いていって、ようやくわかる。この太陽が偽者だと」
救いを求めた先が紛い物だった時の落胆。
「そして、あいつらは今度こそ本物を見つけるんだ。そっちに顔を向けると、憑いている向日葵もそっちを向く。だから、日に向う葵なんだ」
考えた事も無かった。
生命体として、そういう仕組みだと思っていた。
そこにそんな秘密があったなんて。
「まあ、実際どちらが先かわからないんだけどな。向日葵が太陽を追っていたから憑いたのかもしれない。ただ、今はそうなってるんだ」
俺は納得した。
そんな花だったなんて。
怖い花だ。
その下に、救いを求める青い霊魂を座らせて、まるで太陽に近付こうとするように、高く伸びる。
綺麗で活気に溢れているように思えた向日葵畑が、薄暗く妄執の溜まる鬼門のように思えた。
「先輩は、それで向日葵が怖いんですね」

192 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/18(月) 20:22:32 ID:NqCrBzBm0
先輩はなんだか照れているようだった。
「いや、違うんだ。実は」
「昔見た、トリフィドの日・・・・・・人類SOSって映画がトラウマでな。見る度なんとなく思い出して怖いんだ。大きいからかな。わからんのだけど」
先輩は決まり悪そうに言った。
俺は笑った。
先輩にも可愛い所があるじゃないか。
「なんだよ、気分悪いな。俺だって怖いもんくらいあるさ」
「す、すいません。でも、なんか意外で」
ちぇ、と一つ舌打ちをして、先輩は足元の小石を蹴飛ばした。
「まあ、本当に怖いのはそんなもんじゃない。本当に怖いのは」

俺の中の、怪物だ。

俺は、もう笑えなかった。

先輩と向日葵 終

193 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 21:17:14 ID:pRlIHu5OO
いなおとこ乙

194 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 21:46:37 ID:A4nRRonB0
いなさく乙

195 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/18(月) 22:14:34 ID:9bKoiCT40
>>180
Aが中島美嘉で再生されてしまった
石原さとみでもいい

196 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:06:30 ID:JqwxdyoK0
315 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:06:06 ID:OT0QzzvRO [1/9]
昔あった事を簡単に話してみる。
前置きが長いがちょっと聞いてくれると嬉しい。
始めに言っておくが俺は正気だし、脳の病気を抱えてたりはしない。

丁度今頃の時期。
何か連絡しなきゃいけない事が有って、出先から電話をかけようとしたら、携帯が無かったんだ
仕方無いから電話ボックス探して、十円玉を入れ、電話。
電話が終わって電話ボックスから出ようとしたら、黒いパーカー着て、フード被った人が出入口の前に立ってた。
電話待ちかと思って
「あ、すいません」
って小さく言って電話ボックスから出て、さっさと行こうとしたら、掴まれた。
腕を掴まれた。
え? って感じで振り返ると、俺(179.9cm。惜しいw)の胸くらいの身長の人がいた。
黒いパーカーを着てて、小柄というかげっそりと痩せてる感じの人。
顔は俯いてて良く解らない。時間はもう夜中だし、当たりは暗い。
危ない人かと思ってちょっと怖くなった。
「なんですか?」
って言っても、その人はただ俯いてるだけで何も言わない。
フードの下、何とか見える顔の下半分。
口許が引き吊っている。
気味が悪くなった俺は、手を払ってその場から逃げ出した。

197 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:06:46 ID:JqwxdyoK0
316 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:07:17 ID:OT0QzzvRO [2/9]
それで、ここからが本番。
 
それから暫くしてから、仕事が休みだって事で友達と二人で飯を食いに行った。
予想出来ると思うけれど、その友達が霊感が強い人。
とりあえず行き着けの食堂でラーメンとカツ丼セット食べて、
店を出てさあ何処に行く、って話をしながら車に戻ろうとしたら
別の友達とばったり会った。
(次から霊感強い友達をA、こいつをBと書く)
「おお、久しぶり」
って感じで、Aを放ってBと話して、話に花を咲かせた。
暫く話して、AをBに、BをAに紹介しようとAの方を見た。
Aが、Bを睨んでる。
放置してキレたか? 悪いとは思うが睨むことはないだろう。
むっとした俺はその事を言おうと口を開こうとして、出鼻を挫かれた。
Aの方が先に口を開いた。Bを睨んだまま。
「誰だよコイツ」
今から紹介しようとしてんじゃねえか!
そう思って、
「こいつは、」
 
言葉が出ない。
始めにあれ、って思った。次に誰だっけ、って考えた。そして、鳥肌が立った。

誰だこいつ。

198 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:06:56 ID:JqwxdyoK0
317 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:08:36 ID:OT0QzzvRO [3/9]
怖くなった俺は反射的にBを振り返った。
さっきまで笑顔で話してたBは、俯いた。俯いた顔の口許が引き吊る。
愕然とした。
「行くぞ」
Aが俺の腕を引く。はっとした俺は運転席に急いで入って、食堂の駐車場を出た。

「お前、アレはよくねーよ」
暫く走って、落ち着いて来た頃に煙草をくわえたAが言った。
「アレはよくねー。変なもんに気に入られたな」
なんとかしてくれよ、と言うと
「無理。取り憑かれてるわけじゃないし」
取り憑かれてればなんとか出来るのか? と聞くと、
「なんとかするために取り憑かれてみるか?」
と返された。

それ以降、俺は度々Bに遭遇し、場合によってはAの家に逃げ込む羽目になった。
つい昨日、会社帰りに遭遇したので書き込みたくなった。
読んでくれた人、ありがとう。
見てる分には怖くないかもしれないが、本人からするとほんとに怖いんだよ

199 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:09:56 ID:JqwxdyoK0
319 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:13:39 ID:5T9h62f20 [1/3]
Bに会った時って何話すの?

321 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:19:25 ID:OT0QzzvRO [4/9]
>>319
話した内容は解らない。あの後すぐにAに聞いたんだが
「睨み付けてて聞いてない」
とのこと。怪しいが。
それに話したのはあれっきりだw

320 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:18:44 ID:1ZpErngaO [4/7]
乙!>>315-317
やべぇ…トリハダたった
電話BOXで魅入られたのか

322 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:21:22 ID:5T9h62f20 [2/3]
A以外には見えてないの?
何回か会ってるみたいだけど、
見かけたら逃げてるの?

323 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:22:08 ID:1ZpErngaO [5/7]
>>319
そうだった!
これが大前提だよな
何故Bを友達だと思ったのか
そして何の話をしたのか

200 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:10:02 ID:JqwxdyoK0
325 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[] 投稿日:2010/10/12(火) 22:30:33 ID:OT0QzzvRO [5/9]
>>320
ありがとう。
多分そうだとは思うんだけど、よく解らないんだよ
何か怪談がある電話ボックスってわけじゃないしさ。
人気のないとこにあるだけで、後はふつーの電話ボックスだし

>>322
すまん、わかんない
遭遇したことがあるのは俺の知る限り俺とAだけだ
もしかしたら俺と同じ目に逢ったやつもいるかもしれないし、
下手したらそれでも気付いてないかもしれないし。
わからん。
見掛けたら逃げてるよ。昨日は道端だったから家に帰れたが
家の玄関ドアの前に張られたりすると最悪だよ

>>323
それが気になる。でも俺は覚えてないし、
Aも教えてくれない。Aは聞いてると思うんだが

201 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:10:54 ID:JqwxdyoK0
327 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:39:56 ID:5T9h62f20 [3/3]
>>325
何だか凄い気になるなー
家の前に張られてる事が有るなら家族に見てもらえるよな?
話し掛けてみたらどうだろうか

328 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:44:28 ID:OT0QzzvRO [6/9]
>>327
生憎一人暮しの独男だよ
ていうか話し掛けてみろとか無理w
構うと録な目に逢わないってのは今までの経験から学習してるw

202 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:10:58 ID:JqwxdyoK0
329 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 22:55:21 ID:PfZbjQ8G0 [1/2]
>家の前に張られてる事が有るなら家族に見てもらえるよな?
>話し掛けてみたらどうだろうか

315さんの書いた話の流れだと、Bというヒト?は、おそらく家族には見えない?存在なのかも
ただし友人のA氏には、そいつを認識できて、追い払うこともできる。
Bはおそらくヒトではなさそう。
A氏ならBの正体について予想はついてるのだろうが、何らかの事情で言えないとか?

とりあえず文面からは、そういう印象を受けた。

331 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 23:09:13 ID:OT0QzzvRO [7/9]
>>329
人だったら警察に電話するw
初めの二回は気付かなかったが、Aに言われてからは人じゃないな、
っていう感覚が有るんだよ。

Aから聞いた話を総合すると
・取り憑かれてるなら何とかできるけど、俺は取り憑かれたわけじゃない
(ただ俺を追ってくるだけとのこと。
 憑かれた状態とどう違うのか解らないが、俺自身も憑かれてる感覚はない)
・なんなのかは解らないが、遭遇しても追い払えるタイプじゃない
(つまり逃げるしか出来ない)

203 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:11:30 ID:JqwxdyoK0
332 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 23:18:37 ID:1ZpErngaO [6/7]
>>325
成程な‥Aが鍵握ってるぽいな
もし、他にAと関わった話があったら
又投下してくれよな!
楽しみにしてるよ

333 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 23:19:35 ID:PfZbjQ8G0 [2/2]
>>331
>・取り憑かれてるなら何とかできるけど、俺は取り憑かれたわけじゃない

でも一度、Bという存在を、自分の友人のように誤認識してしまってるでしょ?
これは、怖いよ。
Bに魅入られてるのだかわからないけど、
Bが人の精神や思考に影響を与えている?、それもまともな方法じゃない。
こういう現象が起こるのは、心霊とかではなく、もっと厄介なモノなんじゃないかと。


335 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 23:29:58 ID:OT0QzzvRO [8/9]
>>332
ありがとう。
じゃ、その内また投下するよ。
聞いたネタも含めれば結構ストック有るし

>>333
まず初めに言った通り、俺は正気だし脳の病気でもないよ
怖いことは確かに怖いし、見た瞬間は正直吐きそうになるが、
めちゃくちゃ厄介! って程じゃないと思う。
実害は誤認以外に無いしね


204 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:11:54 ID:JqwxdyoK0
338 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 23:51:35 ID:a4BY/vQ80
>>335
腕をつかまれたんだよね・・・
実体があるってことでは
まじ、こわい
ニュータイプの宇宙人?

339 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/12(火) 23:55:59 ID:OT0QzzvRO [9/9]
>>338
掴まれたと思う。
けど、実際掴まれたかは解らないんだ
Bを友達だと勘違いしたのと同じように、勘違いかもしれないし
宇宙人だったら……もっと怖いなあ


205 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:13:40 ID:JqwxdyoK0
340 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 00:06:55 ID:P/wGwq460
>>339
Bと話したのはAといたときの一回だけ?

もしそうなら二度目はやばいかもね

霊か生霊か呪いか知らんが
認識狂わせるってどんだけよ

あぁ久々にここ見に来てよかったわ
面白い話をありがとう

342 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 00:22:29 ID:GmHE6Y0k0 [1/4]
>>339
仲間だと思ったのかな
電話ボックスと言えば、マトリックス、スーパマンの
転送、着替えが思い浮かぶ
もし可能なら、見かけたとき遠くから写メを
あ、写んないかな

Aを放置して話し込む、睨むA
ドラマ化してほしい。スマソ

ひさしぶりと話に花を咲かせたのは
記憶を植え付けたか、催眠術か、ホントに知り合いか
ひさしぶりと言いつつ、500年ぶりぐらいだったりして

続きもここに書くの?

206 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:13:44 ID:JqwxdyoK0
343 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 00:23:11 ID:+DwZyniQO [1/16]
>>340
だと思う。自信無いが。
もしかしたらAに言われるまでBを友達と思ったまま話したことが有ったかもしれないし

345 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 00:33:32 ID:+DwZyniQO [2/16]
>>342
いや、わかんない。前世とかで何かあったら困るなあ……
B関係の話で続きって程の続きは無いよ。
あれ以降はBを見て逃げ、家の前とかならA宅に逃げ込むって感じだし
話せるようなのも有るには有るけど、微妙

207 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:14:30 ID:JqwxdyoK0
400 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 17:01:37 ID:+DwZyniQO [11/16]
仕事行く前に投下。
 
これはBと遭遇する前の話だ。
俺の知ってる話としては珍しく後味が良いと言うか、綺麗に収まっている話なので、書いてみる。
初めに言ってしまうが、俺はホテルで働いている。
人手が足りない時なんかは15時間労働したりするが、楽しくて仕方がない。
 
Aとはよく行き着けの食堂で飯を食う。何が有った。最近どうだ。良く会う割には話題は多い。
俺はカツ丼ラーメンを頼み、Aは餃子にビールを頼み、だらだらと様々な事を話す。
なかでも怖い話というか、そういう話は毎回出る。
Aは霊感が凄いヤツで、色々助けて貰ったり、巻き込まれたりもした。
その時の話や、今現在やってることなんかも良く話す。
ただ、その時は珍しく俺が話のネタを提供したんだ

208 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:14:40 ID:JqwxdyoK0
401 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 17:02:30 ID:+DwZyniQO [12/16]
うちの支配人が若い頃、実際に体験したという話だ。
当時、支配人はフロントとして外資系のホテルでバリバリ働いていた。
そんなある日、支配人はナイト業務と言って、専門のナイト担当者が居ないホテルでの謂わば宿直として
夜十一時から朝八時まで働くことになった。
深夜二時、ベルが鳴ったそうだ。ナイトは初めてではない。慣れている。
フロントバックで休んでいた支配人は何時ものように返事をしてフロントに向かった。
フロントに出てみると、いかにも暗そうな女性が立っている。
(危なそうだ)
そう思ったが、その時は閑散期。お客様は一人でも欲しい。
少し迷ったそうだが、結局料金を先に貰って、私製領収書を切って鍵を渡したそうだ。
そのお客様を見送った後、支配人はフロントに引っ込み、仮眠を取る。

四時過ぎに電話がなった。仮眠から起きた支配人はそれを取る。内線だ。
ナンバーディスプレイに表示された内線番号は、さっきの女性の入った部屋だ。
「はい、フロントでございます」
無言。
「もしもし、いかがされましたか?」
耳をすますと、妙な音が聞こえる。
まさか、何か有ったんじゃないか。
そう思った瞬間、女性の息遣いが聞こえた。
「ああ、すいません。何でもないです」
支配人は胸を撫で下ろした。
「ありがとうございます」
「ありがとうございます。どうぞ、ごゆっくりお休み下さい」
そんなやり取りをして、受話器を置いた。

209 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:14:50 ID:JqwxdyoK0
402 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 17:05:38 ID:+DwZyniQO [13/16]
チェックアウトというのはラッシュが来ると中々終わらない。
ビジネスマンが多い平日は朝早くに集中し、早番と応対するか、最悪ナイト担当が一人で応対する。
休日は逆だ。チェックアウトのラッシュは遅く来る。
上手く行けばナイト担当が帰った後にラッシュが来るが、そうじゃないとナイト担当がそろそろ帰るか?
という時間にラッシュが始まる。そうなると中々帰れない。
その時は後者だったと支配人は言う。
「ラッシュが八時頃から始まって、閑散期なのにリミットまで続いた」
リミットというのは過ぎるとチェックアウト延長料を頂く時間だ。
「十時までな。それで、ラッシュが切れた頃にふとキーボックスを見たんだよ」
あの客は、チェックアウトしていない。
不安になった支配人は電話を掛けた。勿論その部屋に。
出ない。
不安を煽られた支配人はその時の上司に頼んで、一緒に客室に向かった。

マスターキーで部屋を開ける。女性は鼾をかいて眠っていた。

白いドレス姿で。

「きっと、婚約者にフられたんだろうな」
支配人はそう呟いた。
さて、当時の支配人と、その上司の目は、自然とベッドの横に行った。
そのスタンド付きの小さな机には沢山の錠剤の殻が散乱していた。睡眠薬を使った自殺だとすぐに判る。
そして、電話側のメモ帳にはぐにゃぐにゃと曲がった文字が書いてあった。
「あの文章が忘れられないんだよ」
支配人は言った。

210 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:15:05 ID:JqwxdyoK0
 4時××分
 さようなら。
 


403 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 17:07:38 ID:+DwZyniQO [14/16]
支配人が電話を受けて、すぐの事だったらしい。
支配人と当時の支配人の上司は救急車を呼んだ。鼾をかきつづける女性が入れられた救急車を見送った後、
支配人の上司は、
「あれはもう、ダメだな」
そう言ったそうだ。
ここまで言い終えて支配人は溜め息をついた。
「あの息遣いは、薬を飲み下した後の息だったんだな」
話はまだ続く。
それから数ヶ月して、支配人がまたナイトを担当した時に、暗い顔をした中年夫婦が来た。
「○○○号室は開いてますか」
夫婦のその言葉を聞いて、支配人は理解してしまった。
あの女性は結局、死んだのだと。

「けどさあ、おかしいよな」
話し終えた支配人は続けて言った。
「なんで、ルームナンバー知ってんだよ」


211 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:15:23 ID:JqwxdyoK0
404 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/13(水) 17:12:20 ID:+DwZyniQO [15/16]
「そりゃあ、聞いたんだろうよ」
支配人の話を俺の口から聞き終えたAは何杯目だったかのビールを飲み干して言った。
「誰に」
「わかってんだろ」
嫌な笑顔で言い返された。そんな気はしてた。
救急隊員から聞いたのかもと思ったが、支配人が疑問に感じるという時点で、
その推理は間違ってるという事になる。
「でもよ、泣ける話だよな」
は? 俺は間抜けな言葉を返した。こいつの頭の中では両親の枕元に立つのが親孝行なのか?
そんな事を一瞬考えた俺に、Aは嫌な笑いを見せた。
「そのさようなら、ってのは、誰に向けた言葉だ?」
「誰って」
家族とか、その彼氏とかだろう。ウェディングドレスを着て結婚式を挙げる予定だった。
その事を告げるとAは
「彼氏は含めない。家族だけだ。だってドレスを着てるんだ。
 自分を捨てた相手に、ウェディングドレスを着てさようなら、なんて言わないだろ」
そう言われるとそんな気がしてきた。けど、彼氏は含めない理由が解らない。
それに、自分を捨てた彼氏に対する当て付けとも考えられる。
「ああ、前提が違うんだよ、お前は」
俺の反論を聞いてAは笑みを深くした。
「彼氏は死んでるんだ。だから、彼氏は含めない。だから、メモは残した家族に向けたさようならだ。
 だから、ウェディングドレスを着た。これから彼氏に会うんだ。さようならなんて言わない」
だから、を連呼してAは締めくくった。
「な、感動できる話だろ?」
どっちが本当のことかは分からない。
個人的には、きっとAは間違っていて、正しいというか正解に近いのは俺の方だと思う。
けれど、あの時、自分には判るとでも言うように断言したAを見ていると、どちらなのか、解らなくなってくる。

以上。見てくれた人、ありがとう


212 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:18:24 ID:JqwxdyoK0
428 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 02:29:08 ID:EIADgkMtO [4/11]
三時までの暇潰しに投下。

AもBも関係が無い、けれど俺に深く関わる話だ。
俺はホテルで働いている。
元々は普通のフロントとして働いていたのだが、ナイトフロントをやっていたバイト君が辞めたために
俺がナイトフロントをやるようになった。
フロント経験がある社員をナイトフロント専門にするという決定に現場から文句が出たが、
昼の業務を理解している社員がナイトを専門にやることで、以前よりもスムーズに仕事が回る。
いつの間にか文句は無くなり、仮決定は本決定になり、俺は本格的にナイトを専門にやることになった。

213 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:18:50 ID:JqwxdyoK0
429 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 02:42:34 ID:EIADgkMtO [5/11]
仮眠の時間になる。フロントバックで休む。女の声がする。呼ばれてるみたいだ。
フロントに出る。
……誰も居ない。

そんな事が昔から有った。仮眠をしていると女の声が聞こえ、デリヘルか? お客様か? と起き上がる。
フロントに出ると誰も居ない。女の声も消えている。
ナイト専門になってからもそれは続いたが、『そういうもの』の気配を探ろうとしてもよく解らない。
Aならば何か見えるかもしれないが、俺には見えない。確信も無い。
その内、俺は声を無視するようになった。


この間の話だ。
フロントバック、マネージャーが遅くまで残って仕事をしていた。
眠れないと言って支配人が客室から降りてくる。
(支配人は空室で寝泊まりしていた)
「絶対あの部屋なんか居るよ」
と俺に渡してきたのはバリアフリー和洋。所謂身障者用の部屋だ。
「支配人、おいくつですか?」
「うるせえよ」
オバケが怖い、というのは笑い話だ。マネージャーが支配人をからかう。
俺も思わず笑いかけたが、フロントにお客様が来た。そういえば未着のお客様が居たと俺は椅子から立ち上がり、
「「はい」」
声が重なった。マネージャーだ。
マネージャーはジェスチャーで
「俺が行くよ」
と俺に伝える。

マネージャーは一秒も経たずに戻ってきた。
「なあ、お前も聞いたよな」


214 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:19:04 ID:JqwxdyoK0

ああ、と思った。
俺の勘違いじゃなかったのか、と。

430 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 02:44:50 ID:EIADgkMtO [6/11]
その後、何だ何だと半ギレしながら騒ぐ支配人を俺が宥め、寝れないから一緒に寝てくれという言葉を
マネージャーが全力で拒否り、なら俺はお前の家に泊まると支配人はマネージャーと出て行った。
 
結論を言うと、うちのフロントロビーには何かが居る。
俺が聞いた。マネージャーが聞いた。二人が同時に聞いた。
俺はそういうものが居れば解る性質だ。
だが、その声の主の姿は見えない。気配も無い。
けど、居る。
声だけの存在というのは、一体どんなものなんだろうかと時折考える。

今日はまだ、女の声は聞こえない。
 
聞こえて来たのは男の声。
泥酔したお客様だった。

431 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 02:47:24 ID:EIADgkMtO [7/11]
以上。見てくれた人が居たら、ありがとう


215 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:19:40 ID:JqwxdyoK0
475 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 20:19:41 ID:EIADgkMtO [9/11]
今日は休みだ。
なのでBについて語ろうと思う。
予め言っておくけど、俺は正気だ。

一年と少し前にある人が死んだ。その人の一周忌法要は俺の働くホテルで行った。
法要の打ち合わせ伝票を書いたのは俺だった。
その人の親族からはクレームを承った。
さっさと料理を出して欲しかったとのこと。
なるほど、一周忌では話は弾まない。懐石風に、料理が少しずつ出てくる形式にしたのが駄目だったか。
 
その席にはAも居た。
今は居ないその人の事を仮にCさんとする。
AはCさんの事を心底から尊敬していた。俺もそうだった。
だからこそ安堵し、死んで良かったと思う。
Cさんはやっと、Cさんの本来の場所に戻れたんだ。
Cさんが死んだ時、俺はそう思って泣いた。Aも泣いた。
いつもの食堂で、本当に良かったと二人で泣いたんだ。
普段は飲まない日本酒を頼んで、良かった良かったと泣き続けた。


216 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:19:52 ID:JqwxdyoK0
477 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 20:21:24 ID:EIADgkMtO [10/11]
さて、Bの話だ。
俺はBに対してあまり危機感を持っていない。何故なら前例があるからだ。
Cさんは、
「今のBと全く同一のものかは解らないけどね」
と前置きして、
「昔は私について来てたんだよ」
と言った。
Cさんはそれを代替わりと言った。
 
話を纏めるとこうなる。
・以前CさんはBに似たものに付きまとわれたことがある。
・ただし、全く同一のものであるかはわからない。
(同じ種類の別の霊か、Cさんに付きまとったBが変化したもののどちらか、という事)
・何とかする事は基本的に無理。お払いやらなんやらが通じる相手ではない。
・ただし、Aなら何とかできるかもしれない。その時一緒に話を聞いていたAもこれに頷いた。
・Cさんにつきまとう前には、Cさんの知人につきまとっていた。
(ただし、Cさんにつきまとっていたものと完全に同一のものかは解らない)

そして最後に

・時間が経てば自然と姿を現さなくなる

ということ。

結局今のBを知るのは俺とAだけだ。
けれど、Bというものの根本に触れた気がして、俺とAはその時凄く興奮していたのを覚えている。
そして、同時に安堵した。
待てば消える。耐え続ければいつかはあの恐怖から逃れられる。

217 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:20:02 ID:JqwxdyoK0
479 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/14(木) 20:29:37 ID:EIADgkMtO [11/11]
そして今、俺はある事を考えている。
Bを消す。

CさんはAなら何とか出来るかもと言ったが、条件が揃えば俺でも何とか出来ると思う。
問題は、日時が合わない事だ。
今ならやれる、今なら出来るという日にBが現れたことはない。
Bが現れる日と、その日が重なるのを俺は待っている。
それまで俺はBを刺激せず、ひたすら逃げ続ける。

重ねて言うけれど、俺は正気だ。

218 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:20:38 ID:JqwxdyoK0
531 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 03:36:25 ID:8Rm6kYGVO [1/8]
>>530
俺も怖い

俺は呪いをかけられた事がある。
忌々しいBに遭遇するかなり前の事だ。
呪いと言っても不発に終わった(というか失敗した)のだが、Aも出てくる話なので、書いてみる。

諸々の事情により、働きながら学校に通う二十歳過ぎの高校生なんてものをやっていた頃の話。
学校が夏休みになり、俺は職場、自宅、Aの家、心霊スポット、行き着けの食堂を巡る生活をしていた。
俺には霊感の強い知り合いが何人かおり、Aというのはその内の一人で、今でもよく遊ぶ友人だ。
 
その日仕事を終えた俺は、Aの家に向かった。
Aの家は元は下宿寮だったとかいう古いアパートで、妙な怪談も有る曰く付きの物件だった。
(実際には何も存在しないが)
Aはベースで何かの曲を弾いていた。確かプリティ・ウーマンだったと思う。
「お前、呪われてるぞ」
その言葉は確りと覚えている。唐突にベースを弾くのを止めていきなり言われたんだ。
ニヤニヤ笑いのAに、俺はむっとして言った。
「呪われてねえよ」
俺は憑かれたりすると自分でわかる性質で、その特は特にそんな感じがしなかった。
「いいや呪われている」
Aがからかっていると思って、俺尚更ムカついてきた。
「見えんのかよ」
「いや、」
Aは携帯を開く。待ち受けを開いて、俺に言った。
「証拠が有る」
俺の名前が書いてあった。人の形に切り抜かれた紙に。その真ん中には、釘。
「な、呪われてるだろ」
ぐうの音も出ない。

219 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:20:51 ID:JqwxdyoK0
532 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 03:37:15 ID:8Rm6kYGVO [2/8]
経緯はこうだ。
日課にしている散歩(というかなんというか)をしていたAは、明け方近くに近所の神社に立ち寄った。
そこは本当に神社なのかと疑問に思うような小さなところで、御神体だか何だかを収めた小さな社と、
腕に抱えられるくらいの小さな賽銭箱と、古い鳥居しかないようなところだった。
もしかしたら、神社じゃないのかもしれない。
その日は特に何も無かったため、Aは何か無いかと普段は行かないそこに向かったらしい。
松の木に囲まれたそこに入ったAは落胆した。何も無い。
もう帰ろうかとも思ったが、近くのコンビニから買ったビールを飲むことにしたそうだ。
家で飲むよりはマシかと思って飲んでる内にに夜が明けてきた。ビールも無くなり、さあ帰ろうかという所で
「見付けた」
とのこと。
その粗末な紙人形を写メに収め、映りが良いものを待ち受けにしてAは上機嫌で帰宅。
そして俺がやってきた朝に至る。

Aが写した紙人形は、正直に言って不出来だった。
人の形に切り抜かれた人形にはうっすらと青の罫線が引いてあり、
大学ノートから切り抜いた物であることが分かる。
その罫線に添って、つまりノートに書くのと同じような感覚で俺の名前が書いてある。
シャーペンで書かれた弱々しい字。ふざけた子供が呪いの人形を作ろうとして失敗したような出来だ。
「こんなので丑の刻参りが成功すると思うか」
「しないだろうな」
人形はあまりにも簡単に作られている。呪われたという実感は無い。憑かれたという感覚は無い。
儀式は失敗している。
「で、どうする」
「付き合えよ」
だが、自分が誰かから呪われるというのは気分が悪い。俺たちは丑の刻参りの犯人を見つけることにした。

220 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:21:01 ID:JqwxdyoK0
534 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 03:38:34 ID:8Rm6kYGVO [3/8]
次の日の深夜、仕事を休みにして貰った俺はAと一緒にその小さな神社に向かった。
自分の目で人形を確認する。釘は中途半端に打たれ、俺の名前が書かれたそれはぴらぴらと風に揺れる。
犯人はこんなので儀式が成功すると思ったのだろうか。
Aはその人形と自分が撮った写メを見比べ、
「よし、まだ来てない」
と判断し、俺達は人形がある方向とは逆側の松林に身を潜めた。
Aが持って来ていたらしいビールを開ける。何口か飲んだ後飲むか? と聞いてきたのでありがたく頂く。
俺達は一本のビールをちびちびと回し飲みしながら、犯人が来るのを待った。
その内三時になって、来た。
 
「あれ、ママ電話じゃないか」
現れたそいつを見てAはそう言った。
ママ電話というのはあだ名で、俺達と同じく定時制の高校に通うクラスメイトだ。
ママ電話というのは、授業が終わる度に携帯で自分の母親に電話し、
「ママ、今○○の授業が終わった。もう帰りたいよ」
なんて言うことから付いたあだ名だ。
歳は大体当時の俺達と同じくらい(二十歳前後)。
「いや、なんでママ電話が」
A程目が良いわけじゃない俺には判別がつかない。
ママ電話らしき人影は、辺りをくるくると見回しながら俺達の隠れている松林とは反対側の松林に消えた。
「あれは絶対ママ電話だって」
「まさか」
俺達は確かめることにした。
松林から出て、小さい社の裏を回って反対側の松林に入る。
物音を立てないように息を殺して行くと、音がしてきた。

こんこんこんこんこんこんこんこんこんこんこんこんこんこんこんこんこんこん。
規則正しい小さな音がして来る。気持ち悪く思いながら、俺達は進む。
そして見付けた。ママ電話だ。
危うく、うわ、と声を挙げるところだった。


221 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:21:12 ID:JqwxdyoK0
535 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 03:40:11 ID:8Rm6kYGVO [4/8]
子供みたいなパジャマ姿のママ電話は、松の木にべったりと張り付いて小刻みに釘の頭を叩いていた。
俺がイメージしていた丑の刻参りとは違う。
ママ電話はがん、がん、がんと怨念を込めて釘を打つのではなく、こんこんこんこん、こここここ……と、
力を込めずにちょっとずつ釘を打ち、ぶつぶつぶつぶつと小声で何かを喋っている。
その声が、異様だ。怨念やら怒りがこもるような声音ではない。
何かをおねだりするような、甘ったるい声音。
成人した男であるママ電話がそんな声音で
「ね? だよね? そうだよね?」
などと呟き続けている。
怖さより、気持ち悪さを感じた。
頭がイってると思った。

222 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:21:24 ID:JqwxdyoK0
536 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 03:41:08 ID:8Rm6kYGVO [5/8]
「何やってんだてめえ!」
その気色悪さに堪えかねたAが飛び出してママ電話に掴み掛かったが、
あああ! と声を挙げて暴れたママ電話に振り払われて転んだ。
ヤバいと感じて俺も飛び出した。ママ電話は金槌を持っている。殴られたら洒落にならない。
しかしママ電話は金槌を捨てて逃げ出した。襲い掛かってくるものだと身構えていた俺は呆気に取られた。
「待てコラ、ボケエ!」
叫んで走り出したAにつられて俺も走り出す。
貧弱な割に足が早いAと、運動神経は悪いが体力に自信があった俺は、簡単にママ電話に追い付いた。
ママ電話は暴れたが、やがて観念したのか大人しくなった。
「何でこんなことしたんだ」
俺としてはそこが知りたかった。恨まれるような覚えはない。
陰口を叩いた事が全く無かったとは言わないが、いじめなんかはした事が無い。
「……」
ママ電話は言動があれだったが、知的障害の気は無い。おどおどとするが受け答え自体は確りしていた。
だが、そのママ電話は何も答えない。苛ついたAが彼の胸ぐらを掴む。
「おい、何とか言えよ」
それでも何も言わない。じ、と黙り込むその姿には、学校でのおどおどとした様子は欠片も見当たらない。
俯いたまま上目遣いで俺を睨む彼に、Aは舌を鳴らす。
俺の口からバカ、やめろ、という言葉が出る前にAはママ電話を睨み付けたが、すぐに彼のパジャマから手を離した。
「もういいや、行こう」
俺としては何でこんなことをしたのか聞きたかった。なぜ俺が呪われなければいけないんだ、と。
それにパジャマ姿でこんこんと釘を打っていたママ電話は明らかにおかしいというか、変質者丸出しだったし、
このまま放置するのは色々と躊躇われた。
けれどAは、
「良いから」
と言って俺の腕を引っ張る。釈然としない俺はその手を振り払ったが、強くAに言われ、渋々その場を離れた。
その間ママ電話は、ずっと上目遣いに俺を睨んでいた。
Aと一緒に松林を抜ける際に、後ろを振り返る。
ママ電話の姿はもう見えなかったが、俺の脳裏には俺を睨み続けるママ電話の姿が浮かんだ。


223 :AとBの話コピペ:2010/10/19(火) 02:21:34 ID:JqwxdyoK0
539 名前:自治スレでローカルルール他を議論中[sage] 投稿日:2010/10/16(土) 03:43:58 ID:8Rm6kYGVO [6/8]
帰ってすぐに眠いと言って寝始めたAから、ママ電話を放置することに決めた理由を聞いたのはいつもの食堂だった。
話の内容に対して余りに軽い口調だった事を良く覚えてる。
「返しの風に掛かってたからな」
食事中以外は全く解らないが、あいつの口はちょっとびっくりする位に大きい。
Aは餃子をひょいひょいと口に放り込み、まとめてもぐもぐしながら俺に言った。
「呪いが失敗した時に自分に反ってくるってやつだっけ」
そうそう、と軽い口調で言ったAは餃子を飲み込み、ジョッキを空けてげふっとゲップをした。
毎度の事なので特に何も言わない。
「大丈夫なのか」
「死んだり大怪我するほどじゃない。自業自得だろ」
しかし俺としては釈然としない。呪われた理由を知りたかったし、俺を睨みつける表情も異様だった。
「丑の刻参りなんてしたこと無いから解らないが、多分自分の念が返って来たんだろ。
 お前に対しても何か起こるってことは無いだろうし。現に、何とも無いだろう」
その一言の後、食事を終えたAはゴルゴを開いた。釈然としないまま俺も食事を終え、鬼平を開いた。


夏休みが終わった後、ママ電話が自主退学した事を担任に聞いた。何が有ったかは解らない。
不発に終わったママ電話の呪いは虫刺されという形に変わり、ついつい掻いてしまう質の俺は、皮膚科を受診する羽目になった。

224 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 02:27:35 ID:E5SGirxrO
A宅から。休みなのに最悪の気分だ

>>223

225 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 02:30:43 ID:G21yGc4RO
>>223
自分のレスが結構あって
チト恥ずかしい
>>224
煙草吸いすぎ注意だぞ

226 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 03:28:36 ID:9vxw5wh+O
>>189
これは色々と酷い
投下ペースを落としてアイデアを絞るべき
向日葵の件は丸々不要だろう

227 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 11:43:36 ID:t5DjGlEj0
たしかにムチャクチャな文章だけど小説投稿スレじゃないから中学生にはいいんじゃない?


228 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 14:35:55 ID:niZFV6vb0
ABの人にはコテつけて欲しいな
そのうち偽物荒らしとか出てくるぞ

229 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 16:02:35 ID:cPyU5fyDP
なんだよ。洒落怖から迷惑を押し付けられたのか

230 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/19(火) 18:00:25 ID:jDCroxPj0
中学の頃からの同級生に、ハナヤマというヤツがいる。
あれは先輩と会ってすぐのことだ。
高校に入っても同じクラスになったハナヤマが、ある日急に話しかけてきた。
「なあ、お前最近三年に仲いい先輩いるよな。アレ、なんだよ」
その頃俺はその先輩の魅力に、いや魔力に惹かれていて、ことあるごとにくっついて動いていたのだが、それをこいつに見られていたらしい。
「ああ、あの人ね。オカルトにすげえ強い人。俺の師匠みたいなもん」
ハナヤマは中学の時の俺を知っている。
というか、ハナヤマも当時の俺と同じくオカルトマニアだった。
競うように知識を掻き集め、二人でいろんなところに行った。
ハナヤマはへぇーと驚いた顔をして言った。
「お前よりオカルト詳しい人とかいるんだな。ちょっと話してみたいんだけどいいかな」

「と、いうようなことが昼間ありまして」
先輩はどこから持ってきたのか錆びた釘を眺めていた。
「何の話だろうな」
先輩は休み時間や放課後を図書室で過ごす。
俺はそれを知っていたから、ハナヤマに放課後図書室に来いと言っておいた。
何やら用事があるらしいハナヤマはしばらくしてから来るということだった。
「その、ハナヤマは何部なんだ。部活じゃないのか」
「帰宅部です。俺と同じ」
へぇ、と言ってまた釘を眺める。
図書室の利用者は少ない。
俺と先輩、二年の人が一人、それから図書委員が一人。
図書室で騒ぐことになるとまずいのだが、先輩がここを動こうとしないので場所の移動は不可能だった。
黙って釘を見つめたまま何も喋らない先輩。
曰く付きの品なのかな、と思って目を閉じてみる。
以前知った方法で、普通に見ても見えない物を見るときは瞼に残る残像を見ればいいのだ。
この方法なら、感覚の鈍い俺でもある程度は見えるのだった。
瞼の裏にぼんやりと先輩の指と釘のシルエットが映ったが、特におかしな物は見えなかった。
また、無言。
微妙に気まずい時間が流れていく。

231 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/19(火) 18:02:54 ID:jDCroxPj0
不意に、扉が開いた音がして、背後を振り返ると入り口にハナヤマがいた。
「あ・・・・・・」
と言って先輩を見たハナヤマの、目と口が大きく開かれる。
俺より遅れて気付いた師匠がハナヤマに目線をやった時、そのリアクションを見て動いた。
ガタッと音をさせながら立ち上がり、ハナヤマを見つめている。
その目は、初めて会った時俺に向けたのと同じ、喜びに溢れた目をしていた。
「おい、あいつか。あれがハナヤマか」
先輩がうずうずした様子で聞いてくる。
ハナヤマは未だ固まっている。
俺は状況に戸惑いながら、はい。とだけ言った。
「場所を移そう。ハナヤマを案内してくれ。俺のアパートだ」
そういって、固まったままのハナヤマの横を通って図書室を出て行った。
俺がぽかんとしていると、金縛りから解放されたハナヤマが俺の所に歩いてきた。
「なんだあの人。お前あんなのと会っててなんともないのか」
第一声が『なんだあの人』だった。
あの人がどういう人なのか、実際は俺にもわかっていない。
「まあ、とにかく話がしたいらしいから、ちょっと先輩のアパート行こう。一人暮らししてんだあの人」
あ、おう。と頷いたのを確認して連れ立って図書室を出る。
自転車置き場に向かい、自転車に乗り、先輩のアパートに着くまで、ハナヤマはずっと無言だった。

232 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/19(火) 18:05:17 ID:jDCroxPj0
これから先の事はわからない。
というのも、俺はアパートに着くなり待ち構えてた先輩に
「お前、もういいから。帰れ。二人で話がしたい」
と追い返されたのだ。
初対面の男と二人にするのも不安だったし、なにより話が聞きたかったから食い下がったのだが、ハナヤマにまで帰れと言われたので半分ふてくされてそのまま家に帰ってしまったわけだ。
「あの後何の話したんですか」
翌日、登校するなり三年の教室に行って、先輩に詰め寄った。
先輩はにやけながら
「別に。あの釘に憑いてた物が見えるのかどうか確認しただけ。あいつすごいぞ。多分お前より才能がある」
などと言った。
全く理解できずにいる俺に追い討ちをかけるように先輩は言う。
「うちにあった物の大半も理解できたみたいだった。彼女、いつかぶっ壊れるかもな。出来すぎだ。見ててやれよ」
先輩の部屋には、俺なんかには理解の及ばないアイテムが多数ある。
どれも曰く付き、呪物とも言うべきモノなのだが、俺程度の霊感では何も感じることが出来ないほど高等な物なのだ。
「え、じゃあ、え?」
戸惑う俺を見て、先輩は笑った。
「お前が知識とハッタリを詰め込んでた頃、あいつは本物を見てたんだよ」
なんてこった。
中学の頃からの同級生、高校でも同じクラスになったハナヤマ。
言葉遣いも、オカルトマニアなのも、妙なことがかっこいいと思えて仕方ない病気の一部だと思っていたのに。
少なくともオカルトに関して、ハナヤマは、本物だった。
「マジかよ・・・・・・」
俺の呟きに、先輩はまた笑った。
「まあ、面白さはお前が上だ。あいつは俺に似てるから」
俺はなんだか、すごく悔しかった。

先輩とハナヤマ 終

233 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 18:50:40 ID:t9BVKduC0
私メリーさん。今戦場にいるの。

「メリーさんだ! メリーさんが出やがった! ちくしょう、ちくしょう!!」
「殺してやる! 殺してやる!! こ……うわああああ!?」



234 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 18:53:25 ID:t9BVKduC0
罵声が耳に心地よい。
悲鳴が耳に心地よい。
ここでは鋼鉄の玉が戦場を飛び交う。
臓腑を震わすような轟音が上がる度に、誰かが金切り声で叫ぶ。
土と血煙を巻き上げ、死の臭いが空を焦がす。


235 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 18:57:59 ID:s+WRDDMG0
情報を小出しにすれば、ウニに近づけると思ってるようじゃなぁ。
一個一個のレベルが高いから許されるやり方だよ。
二番煎じがやって受け入れられると思うなら、甘すぎる。

236 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 18:58:46 ID:Ay1wHNj10
メリーさん・・・w

237 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 19:09:02 ID:eGnSc+fm0
稲男乙
もう少し投下ペース落とした方がいいかも

238 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 19:47:50 ID:t9BVKduC0
鉛色の空には慈悲の欠片も見えない。
もだえ苦しむ肉の塊を、私は容赦なく踏み砕き蹂躙する。
私は戦場の死神。
今日も泥の中を一人歩く。

私メリーさん。今──戦場にいるの。



239 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 19:50:31 ID:t9BVKduC0
メリーさん「私メリーさんッ!! ずっとずっと貴方の後ろに居たッ」

男「これが俺のスタンド……『メリーさん』かッ!!」

メリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリメリぃぃいぃいい



240 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 19:50:59 ID:zI2kfZkNO
なんつーか、本当にスカスカだよな……

ウニに近づこうとしてるから書き方も人物の見せ方も全てがとってつけたよう
もっとオリジナリティを押し出せば良いのに

後、どや顔臭が漂い過ぎててうざい
向日葵の話とか特に

241 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 19:52:43 ID:t9BVKduC0
この惑星の住人は、都市伝説と言う俄かには信じがたい噂を実しやかに囁いている。


メリーさん「私メリーさん。今あなたのうしろにいるの」

「!?」
「………………」

ただ―――――

メリーさん「私メリーさん。最近は全然驚かれないから自信がないの……」

この惑星の都市伝説にも……色々ある



242 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 19:55:44 ID:t9BVKduC0
「もしもしぃですぅ、私メリーさんですよぉ、
あぁ、あのう、まきますか? まきませんか?
今ならとぉってもかわいい妹が後ろについてくるかもしれませんですよぉ? 
あっ・・・切られたでーすぅ・・・。」



243 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 19:57:23 ID:t9BVKduC0
はぁぁぁ、やっぱり、なかなかマスターなんて見つけられっこねぇですぅ。

「オーッホッホッホ! お久しぶりかしらぁ、翠メリー!!」
「あっ、何しにきやがったですか!! ・・・って神奈川!?」
「か! な! め! り! かしらっ!!」
「その金メリがなにしてやがるです!?」


244 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 19:58:53 ID:t9BVKduC0
「ン〜フッフー! マスターも見つけられないあなたのメリーミステカ(mrmstk)をいただきにきたのかしらっ!」
「はぁん? お前みたいなおバカにやられる翠メリーじゃないですぅ! おとといきやがれですぅ!!」
「いったわねぇ〜、これを食らうのかしらぁ!! 第一楽章・・・攻撃のワルツっ!!」
    ぎょろろろろろぉん!!


245 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 20:21:08 ID:t9BVKduC0
「攻撃の♪ わるつっ! わるつ! わるつ! わるつ!! 攻撃の わるつ! わるつ! Orz!!」
「きゃあああああああっ! やめるですぅ!!」
「まだまだよぉ♪ つづいてぇ〜、追撃のカノンっ!!」
「お・の・れ・金メリィッ!!もう怒ったですっ!!下でにでてりゃあつけあがりやがってぇ!! 焼き鳥にしてやるです!!」



246 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 20:22:54 ID:t9BVKduC0
・・・ンッフッフッフッフ・・・  イァーアッハッハハッハッハッハッハッハッハーっ!!
「もう許さんです・・・
  スィ・・・!  スィ・・・!  スィ・・・・ド! ッリィィィィィィムゥゥッ!!!!!!!」

「かーじゅーきーぃぃぃぃっ!!」



247 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 20:26:18 ID:t9BVKduC0
・・・核融合に匹敵するエネルギーを持つ、
翠メリーのスィスィスィドリームの直撃を受けておじじは死亡した・・・。




248 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 20:49:04 ID:t9BVKduC0
最近、巷ではメリーさんの怪談が流行ってるらしい。
もちろん、オレもメリーさんくらいは知っている。都市伝説級の口裂け女にゃちと及ばないものの、かなり有名な怪談だ。
説明するまでもないと思うが、大ざっぱに言うとメリーさんは以下の特徴を持つ。
知らない番号、あるいは非通知で携帯に電話がかかってくる。出ると幼い少女の声で、
『私メリーさん。今○○にいるの』
という言葉が聞こえるそうだ。その○○は最初、近所のどこかから始まるらしい。例えば学校であったり公園であったり。


249 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 20:51:34 ID:t9BVKduC0
そう、そこからが恐怖の幕開けである。電話は毎日鳴るようになり、出ると少女のいる場所はどんどん家に近くなっていく。
家の前、玄関、二階、部屋の前……。
とうとう逃げ場のなくなったターゲットは恐怖に怯えながら部屋の中にこもる。そして着信が鳴り…最後の電話に出るのだ。
『私メリーさん。今──あなたの後ろにいるの』
ぎゃー!
……というのがオレの知ってる感じのメリーさんである。


250 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 20:52:45 ID:t9BVKduC0
まあそもそも嫌なら着信拒否するか出なきゃいいんだし、わざわざ律儀に出て襲われるってとこが作り話くさいんだけどな。
しかし……メリーさんが流行ったのは携帯もなかったような一昔前のことだ。
それが何故今になって再び流行っているのかは分からない。が、オレの学校やネット掲示板等では今ホットなブームらしい。
もしかすると、最初のうちは引っかかっていた犠牲者たちも段々賢くなり、一時期は獲物がいなくなってしまったが、
昨今のオレオレ詐欺とかのグループみたいに、メリーさん業界も知恵を振り絞って新たな手口を開発したのかもしれない。
なーんて、あるわけないか!


251 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 21:01:43 ID:t9BVKduC0
オレは携帯に打ち込んだバカバカしい長文を消して、連れとのメリーさん話から話題を変えるべく、Y談的な文章を打っていく。
とそのとき、丁度今メールを返そうと思ってた連れの番号が画面に表示され、お気に入りの着うたが流れ始めた。
「おう、びっくりした……。ったくなんだよ、電話すんならハナからメール送るなっつうの」
メリーさんのことを考えていたのもあって、急な着信に驚いたオレは文句を言いながらも通話ボタンを押して電話に出た。
「もっす。んだよ、電話してくんなら『私メリーさん』んなよ」
…………。


252 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 21:05:03 ID:t9BVKduC0
ひやりと背筋が寒くなった気がした。オレの言葉にかぶせて少女の声が聞こえたからだ。もちろん連れは間違えようのない男声。
沈黙。向こうは何も言わない。それが余計に不安を煽り、動悸を激しくさせる。
必死に頭を回転させ、そしてオレは一つの答えにたどり着いた。そうだ。連れが女友達か妹を使ってイタズラをしたに違いない。
丁度メリーさんの話をしてたとこだったし、野郎、オレを一杯食わせようとしてるらしい。そうと分かりゃ怖くなんてない。
オレは逆にうまいことからかってやろうとニヤリと笑い、お得意のドエロトークのスペシャルエヂションをかましてやるため口を開く。
「そっ『今あなたの後ろにいるのぉおおぉおおおぉぉぉ』」
息がかかった。耳に。


253 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 21:06:52 ID:t9BVKduC0
よくテレビでやってるような機会音声のようなスロー再生した男声のようなモノが、電話の向こうと耳元のステレオで聞こえてきた。
そうか。やっぱメリーさん業界も不況で新たな手口を考えついたらしい。でも振り向かなきゃいいんだよな?
なんて思っていると(恐怖で体が硬直しているだけだが)突如として頭がグワシとつかまれ、そのままオレの首は凄い力で振り向かさ




254 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/19(火) 22:06:14 ID:tu3cKi94O
メリーがいるって事は、何か投稿があったな

255 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 00:16:48 ID:5NAbm7Hq0
>254 確かに。メリー → 投稿有り 目印だね

ウニの語り調で読めるのは、1、2話くらい
師匠シリーズのパラレルにしたって、人マネじゃ限界来るぞ



256 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 01:42:29 ID:B8wtwh9+0
プロじゃないんだし模倣から始めるのは悪いことじゃない
書いてるうちに自分のスタイルが出来てくるだろうから今はウニのマネでも良いから
気にせずどんどん書けばいいよ

257 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 02:27:52 ID:4uSvSxxz0
でもさすがにこのペースで書かれると読むのがめんどゲフンゲフン

258 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 03:17:31 ID:L8pZFa84O
やたらパクリを擁護してるやついるがウニファンとしては、例えそれがリスペクトだろうがオマージュだろうが気分良くないんだよ
今まで『ウニ』が積み重ねて来た『師匠シリーズ』を簡単にマネされるのは嫌なんだよ

だからもう止めてくれよ

259 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 03:44:51 ID:FvIqLguQO
今日も眠れない仮眠時間。
 
 マンション
 
雨が降り頻る深夜に俺はAから呼び出された。メールには面白い物が見れると書いてあった。
安いビニール傘を開いて、部屋から外に出る。ざあざあと降り頻る雨に濡れたアスファルトを歩く。
暫く歩いて、目的地についた。入居者が殆ど居ない古いマンション。度々霊の目撃証言が出る、幽霊マンションだ。
深夜だからということもあるのだろう。部屋の明かりは皆一様に落とされていた。
誰も暮らしていないように思える団地の駐車場には、車は一台も停まっていない。そんな寂れた駐車場に、人影を見つける。
「よう」
Aが居た。
家着である黒いスウェットの上に、鋲をアホみたいに打ち込んだ革ジャンという、彼女なりの『深夜にコンビニへ行く時の格好』で。

260 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 03:46:15 ID:FvIqLguQO
「あのアホみたいにフリルが付いた黒い傘はどうしたよ」
「ありゃ日傘だ」
俺と同じく透明なビニールの傘を差したAは、こっちだと言って歩き出した。
Aを追いながら、俺はAが言う面白い物をあれこれと考える。
ここは確かに心霊スポットではあるのだが、滅多に恐怖体験目当ての人間が入ることは無い。
なにせ、数は少なくても確りと人が暮らしている場所で、怖い思いをしたいなら、もっと有名な場所がある。
このマンションは、心霊スポットとしてはかなりマイナーだった。
「ここだ」
Aが足を止めたのは、錆の浮いた外灯の下。外から各部屋の玄関が見える位置。
「ここの怪談を知ってるか」
「階段を降りてくる子供の足音だろ。まさかそれじゃないよな。それだったら前にも見た、というか聞いたぞ」
俺がまだ足も無い中学生だった頃、友人達とここに来た事がある。そこで俺は、異様な勢いで階段を駆け降りる音を聞いている。
……子供の足音かどうかは、解らなかったが。
「それを聞いて安心した。面白いぞ」
Aはどこを見ているかはっきりしない目で俺を見て、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる。
「雨の日限定。おら、そろそろだ」
そう言ってAは、傘越しにどこかを指差した。

261 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 03:47:44 ID:FvIqLguQO
指差したのはマンションの六階。
Aが指差した先を俺は凝視する。かり、と左耳から音がした。
見たから鳥肌が立ったのか、それとも鳥肌が立ってからそれを見たのかは解らない。
 
居る。
 
……女だ。
Aが指差していた場所、六階の部屋の玄関前に女が立っている。
女はぼうっと立ち続けていたが、やがてふらりと身を乗り出す。
あ、と思った。
女は六階から転落した。
ぞ、と背筋が凍える。自殺だ。それも、幽霊の自殺。
落ちた女は動かない。

「それで、」
Aが呟く。俺はAの横顔を見る。Aは何も言わず、また指を差した。
促されるように視線を引き戻すと、音がする。たんたんたんたんたんという、大急ぎで階段を駆け降りる音が。
たんたん、たんたんたん、……たん。
音が止んだ。
いつの間にか、落ちた女は消えていた。

262 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 03:48:59 ID:FvIqLguQO
「な、面白かっただろ? あの女、毎回毎回ああやって落ちるんだ」
帰り道、今まで何度かあれを見た事が有るらしいA言った。
「……まあ、自殺する幽霊なんて見たのは初めてだ。けど、いまいち訳が解らない」
雨は止みそうになかった。俺達は透明なビニール傘を差し、歩き続ける。
「まんまだよ。子供の足音。落ちた母親に驚き、階段を駆け降りる子供」
「……何となく想像はついてた。でもよ、何で姿が見えないんだ」
そこが解らなかった。俺に見えないならまだしも、Aにも子供の姿が見えないらしい。
Aは暫くの間黙っていた。ざあざあと降り頻る雨の音が続き、ようやくAは口を開く。
「あれは多分、あの母親が聞いた音だ。落ちてから意識が切れ、死ぬまでの間に聞いた最後の音。
 我が子が自分を案じて階段を駆け降りる音。……あの女は、それが聞きたくて何度も自殺してるのかもな」
「……成程」
 やけにしんみりとしたAの口調に、俺は妙に納得してしまった。
そんなことがあるのかという疑問は、そんなこともあるのだろうという諦めに似た納得に変わる。
「或いは」
唐突に立ち止まったAが言う。そのまま数歩進んでしまった俺は、Aを振り返った。
「あの女の願いなのかもな。死ぬ瞬間くらいは、我が子に自分の身を案じて欲しい。自分の子に、側に来て欲しい。
 実際には来なかった自分の子を、実際には孤独だった自分の死を、ああやって補完しているのかもしれない」
どっちだろうなあ。
Aは呟き、それきり、別れるまで口を開かなくなった。

 
 マンション、了

263 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 06:26:29 ID:NBa9klCp0
面白かった!おつ!

264 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 06:53:51 ID:5/K/WYCl0
>>259
コテ酉つけちゃいなよ乙

265 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 10:06:11 ID:3KeHDINk0
「よぉ。」
 十数年ぶりに会った友人は、すっかりくたびれていたが、昔と変わらないどこかやんちゃな様子で挨拶した。
 しわだらけのロングコートに片手を突っ込み、ボサボサの髪をさらに苛めるように頭を掻いている。
 目の下にはクマが出来ていた。
 私は簡単な挨拶を返し、テーブルを挟んだ向かいの席を勧めた。


266 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 10:09:46 ID:3KeHDINk0
 駅前の平日の喫茶店には、打ち合わせに来ている会社員や、ノートパソコンをいじくる学生がそこかしこに見える。
 その中で学生にはとても見えず、またスーツも着ていない私たち2人は少し異質なものに端からは見えただろう。
 私の心に妙な不安がよぎった。
「うーさみさみ。もうすっかり冬だな。」
「ああ。これでますます帰りにタクシー代がかさむ。」


267 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 10:17:54 ID:3KeHDINk0
 疲れた笑いを浮かべながら友人は座る。
 それから彼はメニューも見ずにカプチーノを頼んだ。
「今は何を?」
 私が訊くと、友人は首をふる。


268 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 10:19:56 ID:3KeHDINk0
「普通に会社員やってたけど、昨日辞めたよ。ありゃあ駄目だ。」
「何かあったのか?」
「全然家に帰れないんだ。」
 ノルマが厳しいのだろうか。
 そんなことを思いながら残り少ないコーヒーをすする。


269 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 10:22:48 ID:3KeHDINk0
 彼と最後に会ったの小学校の頃だったか。
 当時はかなり仲が良かったはずだが、それから多くの出来事を経験する内に、それらの記憶は押し潰されて、断片的な思い出しか残っていなかった。
 だがこうして向き合ってみると、たしかにこの男と過ごした記憶がこの体に染み付いているのが、実感として感じられる。
 しばらくの間私たちは、それらの思い出について、また、他の友人の消息について語り合った。
 語り合いながら、お互いにタイミングをはかっていた。


270 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 10:33:53 ID:3KeHDINk0
「それで――」
 私はハッとした。
 いつの間にかカップは空になっている。
 友人がいぶかしがる風に私の顔を見た。
「おい、大丈夫か?」
「ああすまない。少し疲れているのかな。」



271 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 10:36:58 ID:3KeHDINk0
「で、話聞いてたか?」
「いや……すまん。何の話だったっけ。」
 眉間を押さえる私に対して、友人は呆れたようにため息をついた。
「だから、小学校の時よく読んだ怪談だよ。」
「怪談……?」
「ほら、“私、メリーさん。今あなたの後ろに居るの”ってやつ。」
「ああ。あったな、そんなの。」
 懐かしい怪談だ。


272 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 10:39:22 ID:3KeHDINk0
 何かの本で見つけて、よく彼が私の後ろで彼女の真似をしてふざけたっけ。
「話は覚えてるか?」
「大体はな。」
「よし、じゃあコレだ。」


273 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 12:08:24 ID:3KeHDINk0
そう言って友人はポケットから携帯電話を取り出し、私に寄越した。電源は入っていない。
 意図がわからないので友人に問うと、彼は悪戯っぽい笑みを浮かべながら「電源入れてみな。」と言った。
 不審に思いながらも私はその携帯電話を開き、電源ボタンに親指を伸ばす。
 てっきり金を貸してくれとでも言うのかと思っていたのに。
 電源が入る。


274 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 12:10:56 ID:3KeHDINk0
 途端に、けたたましい着信音が店内に鳴り響いた。
 他の客が不快そうな眼差しを向けてくる。
 私は驚き、思わず通話ボタンを押してしまった。
 友人に電話を返そうとするが、彼はどこか悪意のこもった笑顔を浮かべたまま、私にそのまま電話に出るよう促す。
 その彼の態度を恐ろしく感じた私は唾を飲み込み、恐る恐る電話を耳にやる。


275 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 12:23:23 ID:3KeHDINk0
 震える声で言った。
「も、もしもし……?」
「……私……」
 スピーカーからは、妙にかすれた、少女のような声が聞こえてきた。
「あ、すいません、私は……」
「……メリーさん。」
「……は?」


276 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 13:12:55 ID:3KeHDINk0
「私、メリーさん。今、あなたの家の前に居るの……」
「えっとあの、失礼ですが――」
 ブツッ!!
 電話は唐突に切れた。


277 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 13:21:40 ID:3KeHDINk0
わけがわからないまま黒い画面を眺めていると、突然延びてきた友人の手に、携帯電話を奪われた。
「ああ、ありがとう。本当にありがとう。これでようやく家に帰れるよ。」
 そそくさと携帯電話をしまい、席を立つ友人に私は説明を求める。
 彼はテーブルのそばで伝票と自分の財布の中身を見比べながら言った。
「いやあさ、一週間前にメリーさんから電話がかかってきてさ。


278 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 13:49:51 ID:3KeHDINk0
俺の家はマンションなんだけど、悪戯かと思って相手してたら、俺の住んでる下の階まで来ちまってさ。」
 何の話かわからない。
「家の電話は線を抜いても鳴りっぱなしだし、会社に寝泊まりしてたんだけど、これじゃあ気が狂いそうだったからさ。
悪いけど頼んだわ。お礼にここはおごるよ。」


279 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 14:01:22 ID:3KeHDINk0
「おい、なんだよコレは!」
 彼は横目で私を見た。
「なあに、別の人間に電話に出てもらえばいいだけさ。
その内お前の携帯にも彼女から電話がくるはずだ。見覚えの無い番号には気をつけろよ。」
「だからこれは何なんだ!説明しろ!!」
「わからない奴だな。」
 私たちは外へ出た。


280 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 14:38:58 ID:3KeHDINk0
「……メリーさんだよ。小学生の時、俺たちが好きだった怪談……」
「あんなもの、ただのフィクションだ。」
「本当にそう思うのか?」
「当然だろ!」
「そうかい。」
 その時、私の携帯電話が鳴った。


281 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 14:42:40 ID:3KeHDINk0
 戦慄した。
 震える手で液晶表示を見る。
 見覚えの無い番号だった。
 友人は笑う。


282 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 16:23:29 ID:QVvTVjgf0
並ぶ『あぼーん』が話と話のしおり的存在になってきてるよ

283 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 16:32:24 ID:3KeHDINk0
「出てみろよ。フィクションなら、お前は助かる。」
 携帯電話を片手に立ち尽くす私を尻目に、彼はゆったりとした仕草でこちらに背を向け、そして歩きだした。
 冬空の下で汗だくになりながら、私は鳴り続ける電話を握りしめていた。




284 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 16:35:56 ID:3KeHDINk0
深夜の道を歩く。
 人通りは少なく、街灯も無い道。
 そこで俺の携帯電話は鳴った。
 驚きつつ液晶を見ると、番号は昼間会ったあの友人のものだった。
 思わず込み上げる笑いをこらえつつ、通話ボタンを押す。


285 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 17:01:38 ID:OI8Ez39e0
Aシリーズの人乙
コテつけて!

286 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/20(水) 17:41:39 ID:B2uEJaB00
稲男乙
おもしろいから、ジャンジャンやっとくれ

その語り口だって、ウニの専売ってわけじゃねぇしw

287 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 01:55:08 ID:CUNHXRU60
はじめまして。親戚との話です。

約十年前のお盆のことだ。
当時高校二年生だった俺はアパート経営をしている親戚のおっさんからアルバイトを頼まれた。
日給五千円。どころか実質一時間程度で済むので時給五千円。
アルバイトの内容もなんとも俺好み。
いわく付物件を見てくるだけのちょろいバイトだ。
勿論受けないわけがなかった。

お盆明け。
俺の遠い親戚且つ同じ高校の後輩と一緒にそのいわく付物件を訪れた。
後輩を連れてきた理由はいたって単純だ。
親戚の中でも特に見えるやつだったのでいわば保険だ。
一階の右から二番目のドアの前に立つ。
「おると思うか?」
「入ってみなわからん」
後輩は肩を竦める。
何が出てくるか期待に胸躍らせながら玄関の鍵を開けた。
入ってすぐに短く狭い廊下。左手に二つドアがありトイレと浴室のようだった。
「奥やな。トイレも風呂も無視していい」
もう見えてるんかいと内心後輩にツッコミを入れながら靴を脱ぎ廊下を抜けて正面のドアを開けた。
8畳ほどのダイニング。
奥の左手に和室、右手に洋室があった。
ドアが開けっぱなしにされていたので、ダイニングから和室洋室両方の部屋の奥までが見通せた。

288 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 01:56:14 ID:CUNHXRU60
特に何も見えない。
が、あちらからの視線は痛いほどに感じた。
「見えてるか?」
「バッチリ。もう帰ってええ?」
帰ろうとする後輩を待たせて俺はダイニング、洋室を見てまわる。
洋室の中を携帯電話のカメラで撮影していたら後輩から声がかかる。
「おるんは和室や」
見えない自分の目を呪いつつ和室に足を踏み入れる。
見える限りは何もない。
携帯電話のカメラで和室の中を撮影しまくった。
十分くらいして後輩が帰ろう帰ろうと言うので俺が「お前怖いん?」と尋ねると
「怖くはないけど気色悪い」
そう言い、後輩も和室に入ってくる。
おもむろにその場にしゃがむと畳に手を滑らせる。
すくい上げると無数の長い黒髪が後輩の手に絡みついていた。

その後は駅前の喫茶店まで後ろも振り返らずに逃げた。
コーヒーを二杯注文して席についたところでやっと落ち着いて話ができた。
「お前、何が見えてた?」
「説明するのは簡単やで?でもまず携帯の画像確認してみ?」
後輩は面倒くさいのかあまり話したくなさそうだった。
言われた通りにひとまず携帯の画像を確認した。
撮影したはずの和室の画像すべてに黒くて大きい影が映りこんでいた。
後輩にも確認させると「そうやろうと思ってた」と彼は苦笑してコーヒーを口にした。
「俺、何で見えへんかったんやろう」
一応俺も小さい頃から幽霊というものが見えていた。
だから後輩には見えて、自分には見えないことが当時としてはたいへんショックだった。

289 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 01:57:10 ID:CUNHXRU60
「気ぃ落とさんでええよ。兄ちゃんはちょっと近すぎただけや。
 兄ちゃんは普通の幽霊と思い込んでたんやろうしな。
 俺もダイニングに入るまではそう思うてたし」
つまりは普通の幽霊ではなかったということだ。
「兄ちゃんは二足歩行の幽霊を思い浮かべとったんやないんか?」
「確かに。もしかして四つ足で歩いてたん?」
「そこが間違うてる。幽霊が足あるとは限らない。
 俺らの常識にあてはめたらあかん。
 今回の幽霊さんはな、上におったんよ。上にな」
後輩は人差し指を天井に向けた。天井を見上げる。
もちろんそこには何もない。白い天井が広がっていた。
「上からぶら下がってたっちゅうことか」
「それも違うなー。髪の毛だけや。
 天井から畳の上につくまで長い髪の毛が垂れ下がってとぐろ巻いてたんや。
 兄ちゃんは運悪くその髪の毛の中におったから、そんな画像しか撮れんかったんやろうな」
後輩は涼しい顔をしていたが、こっちはたまったもんじゃない。
見えてるなら止めてほしかった。
体中に髪の毛が絡みついている気がして一生懸命服を叩いていたら笑われた。
「ちゃんと見たいんやったらもう一回行ってもええよ?
 たぶんダイニングの方から集中して見れば見えると思うで」
後輩からのありがたい申し出を俺は丁重にお断りした。

終わりです

290 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 02:24:11 ID:1JJMTc0H0
>289
ここはシリーズ物スレなわけだが、
それシリーズ化するんか?

おもしろいから是非してほしい。


291 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 03:20:15 ID:R8iBwIcs0
前に読んだ気がするんや

292 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 05:47:01 ID:74jWgPsjO
ABシリーズ乙!
良かったよ

293 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:09:35 ID:NFNSjXpW0
「よぉ。」
「私だ。」
 電話の向こうに居るのは、やはり彼のようだった。
「電話、どうにかなったか?」
「いいや。……これから、どうにかするつもりだ。」
 彼の声からは生気は感じられない。


294 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:11:13 ID:NFNSjXpW0
 急に俺は彼に申し訳なく感じた。
「おい、お前今どこに居るんだ?」
「……」
「おい。」
「お前の後ろに居る。」


295 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:13:18 ID:NFNSjXpW0
 その瞬間、軽い衝撃と共に、俺の背中に激痛が走った。
 くたびれたコートのポケットから、ボイスレコーダーと、それにテープで繋がったもうひとつの携帯電話がこぼれ落ち、血溜まりに転がった。




296 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:15:25 ID:NFNSjXpW0
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・係長の後ろにいるの・・・



297 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:18:31 ID:NFNSjXpW0
「さぁ、メリー君、君も今日から係長だ!
部下もできるわけだからね、がんばってくれたまえ!」
「はい・・・ありがとうございます。」



298 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:31:31 ID:NFNSjXpW0
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・課長さんの後ろにいるの・・・



299 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:35:06 ID:NFNSjXpW0
「・・・昨日、課長が亡くなった・・・、
どうか混乱しないで、みんなは自分の仕事に専念してほしい、
今日から・・・メリー君が課長だ、力を合わせて仕事してくれ・・・!」



300 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:40:44 ID:NFNSjXpW0
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・ウフフ、部長の後ろにいるのよ・・・



301 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 10:47:50 ID:NFNSjXpW0
「・・・皆さん、昨夜部長が倒れました。
緊急入院して意識不明の状態です。
今後、この部署は私が取りしきるよう、専務から申し付かりました。
今後、よろしくお願いいたします・・・。」



302 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 11:02:45 ID:NFNSjXpW0
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・取締役の後ろにいます・・・



303 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 11:25:22 ID:NFNSjXpW0
「私、メリーさん。 ちょっ待って! 切らないで! やっと公衆電話見つけて電話できたの。
 もう小銭もほとんどないしテレホンカードも度数切れ。ここで切られたらもう電話できないの!
 だからここで言うわ。
 私、メリーさん。十分後にあなたの後ろに出現するn」


304 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 11:44:54 ID:NFNSjXpW0
電話は途中で切れてしまった。どうやら小銭が切れたようだ。
俺は十分後に背後に現れたメリーさんをつれて携帯ショップへ行った。
今では当たり前のようになってしまった携帯電話を前にはしゃぎまくるメリーさん。
買って上げるというと目を輝かせて喜んでくれた。

携帯代分働くと言ってうちに住み込み始めてから三年。今日は婚姻届をプレゼントする予定だ。



305 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 22:05:25 ID:Mm3mCT4d0
>>304
なんか知らんが ・・・    萌えた

306 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 23:40:55 ID:NFNSjXpW0
「メリーさんの電話、ってのを知ってるか?」
 開口一番──というわけでもないが、しばらくぶりに会った奴は挨拶を交わすのもそこそこにそう切り出した。
 手に持ったビールのグラスを見つめ、割りと茶化した風もなく。
 となればそれなりに真面目な話なのだろう。しかしいかんせん場所が渋いおでんの屋台ときてる。
 思い出話や愚痴に花咲かせるものだと思い込んでいた俺はまったく予期していなかった台詞に面食らっていた。


307 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/21(木) 23:41:17 ID:NFNSjXpW0
「……えと、メリーさんって、あの電話がかかってくるメリーさん……だよな?」
「ああ」
 俺の認識が正しければ、それは都市伝説の一つである。特にオカルト好きな奴ではなかった気がするが。
「で、そのメリーさんがどーしたんだ? まさか……電話がかかってきたって言うんじゃねーだろーな……?」
 恐る恐るといった感じの口調を意識しながら言う。


308 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 00:06:47 ID:XhPjhEc+0
 もしかすると、こういうノリから始めて驚かせ、その後の会話を盛り上げるネタを覚えたのかもしれない。
 となれば乗ってやらないわけにはいかないだろう。
 そんなことを考えていると、奴はふっと笑った。
 俺はその笑いに違和感を覚える。引っかかったという感じではなく、演技を見透かしたような含みがあったからだ。
「私のとこにはかかってきてないよ。ただ、気になってね」
「気になるって、なにが?」


309 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 00:09:39 ID:XhPjhEc+0
 話が見えない上に酒の席で意味不明な話題をふられていることもあり、少しだけもどかしさを感じ始めていた。
「メリーさんの話にはいくつか説がある。一番基本なのが、女の子が捨てたメリーって人形が電話をかけてきて、最後には『あなたの後ろにいるの』で終わるってパターンだな」
「ほお」
「そっから派生して、振り向いたら殺されるだとか、ひき逃げした運転手に被害者の少女から電話がかかってくるなんていくつかの話がある」
「ふぅん」
「あとは、メリーさんが相手にしてもらえずに泣いたり、少女が超高層マンションに住んでて、たどり着く前にメリーさんがギブアップしたり、なんていう話もあったな」
「ぶっ、それは初耳だな」


310 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 00:11:42 ID:XhPjhEc+0
 想像したらメリーさんがちょっと可愛く思えてきた。まあ都市伝説というか誰かが考えたギャグなんだろうけど。
「まあそんな具合に色々派生があるが……お前の知ってるメリーさんの話は、どういう感じだった?」
「は? いや、どういう感じって言われても……お前が言ってるのと同じだけど。詳しいことなんて知らないし」
「いいから、詳しく知らないでもいいからお前がイメージしてたメリーさんの話を大ざっぱでいいから聞かせてくれ」
 一体なんだってんだろうか。最初は冷静だったのに話しているうちに興奮してきたのか、奴は少し強引に話を迫る。


311 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 00:13:28 ID:XhPjhEc+0
「あー……だから、女の子から電話がかかってきて、今どこどこにいるから、ってのが続いて最後は後ろにいる……って感じだよ」
「女の子については? 元の話が人形だとか知ってたか?」
「いや、知らなかったけど」
「後ろにいる、ってなった後の展開は?」
「さあ……ただ、なんとなく殺されるイメージがあるけど」
「そっか……」


312 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 00:16:29 ID:XhPjhEc+0
 奴は今度こそ神妙な顔をして黙り込んでしまった。そして俺は今度こそわけの分からん話にもどかしさが怒りに変わった。
「なあ、お前一体何が言いたいのさ? ……こっちは久しぶりに会って楽しく酒が飲めるって思ってたの」
「妹が蒸発した」
「…………は?」
「妹が行方不明になっちまったんだよ……。消える前に家族とか友達にメリーさんが来る、って言ってたんだ。だから……な」
 おでん屋の店主のグラスを磨く手が止まる。背中に当たる秋風が嫌に冷たくなってきた。まるでそこに冷気を帯びた何者かがいるかのように。




313 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 03:27:22 ID:XZJ6vbSOO
何でメモ帳とかに纏めてから投稿出来ないんだろうか

314 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 04:44:52 ID:V+eeRrJI0
スクロールするとあぼ〜んだらけなのが笑えるw

315 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 11:41:15 ID:zWLg20Cr0
>>313
普段から書き溜めてる訳じゃなく、他の人の投稿の直後から、顔真っ赤にして書きながら投稿してるからだろ。

316 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 13:29:19 ID:Hz89C4KgO
話がツマンナイのにご苦労なこったなw

317 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 16:32:37 ID:t5dcqYvs0
[計画]

1/10
全てが思い通りに動いている――。

神尾美加との対談を終えた私は、応接室で1人、最終的な計画の確認をする。
何か抜かりはないか?問題はないか?不安要素は?

長いこと考え、出た結論は――

全て、問題なし。

先ほど、神尾美加と明日の夕方に会う約束をした。
それで最後の準備が整った訳だ。

時刻は19時過ぎ。
私は部屋の内線で、待機しているように言っておいた藤木を呼ぶ。

…これから、一気にカタをつける。

たった今から明日の夜――いや、明後日の朝までに、全てを排除する。
私にとって邪魔なもの、不要になったものを全て。
そして、望むものを手に入れる。


318 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 16:36:32 ID:t5dcqYvs0
2/10
藤木「神尾の美加ちゃんは、帰ったのですねぇ」

部屋に来た藤木が、椅子に腰掛けながら残念そうに言う。
私「今日のところはな。明日、また会うことになる」
藤木「また、ここに?」
そう言って足元を指す藤木。

私「いや。外で会って、私の別荘に連れて行くつもりだ」
藤木「へぇ…」
ニヤニヤしながら藤木が言う。
何を考えたのか、すぐに分かる。

私「そこで、彼女には霊感を身に付けてもらう」
藤木「あぁ…そういえば、何か知らないけどそんな事が可能でしたっけね」

…藤木は壷のことは知らない。
まぁ、当たり前だ。コイツに話す馬鹿は居ない。

私「それで、君には今からやってもらいたいことがある」
藤木「…今から?」
私「そう。全てを終わらせるための計画だ。心して聞いてくれ」

そう言って私は、彼に話を始めた。


319 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 16:39:51 ID:t5dcqYvs0
3/10
私「まずは…今から、汐崎を私の別荘に移してもらう」
藤木「別荘に?」
私「あぁ。ここからだと2時間は掛かるが、まぁ、眠らせて連れて行けばいいだろう」
藤木「…了解です」
なぜ?という顔をしながら了解する藤木。
余計なことを言わなくなった点、少しは成長したようだ。

私「汐崎には、そこで死んでもらう」
藤木「お…。じゃあ、自分の出番ですね?」
心なしか、嬉しそうに言う藤木。仕方のない奴だ。

私「いや、汐崎は明日…夜になってから、こちらで始末する」
藤木「そうですか…って、明日は神尾がそこに行くのでは?」
私「あぁ、そうだな」
藤木「2人を会わせるので?」
…やはり、首を突っ込んできた。

私「いや、会うことはない。汐崎は地下に閉じ込めておくからな」
物置となっている地下室。彼はそこに放り込んでおくつもりだ。

私「汐崎は、神尾ではなく、別の人間に会うことになる」
藤木「…誰です?」

良い質問だ。私はほくそ笑み、それに答える。

私「桐谷隆二だよ」


320 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 16:43:33 ID:t5dcqYvs0
4/10
藤木「おぉ?あの男を捕まえたので?」
驚いて聞いてくる藤木。

私「いや。まだ泳がせている…というところだな」
藤木「…はぁ」
私「アレは用心深いからな。そう簡単には捕まえられん」
藤木「ふむ…」

私「だから、別荘に招待してやる。こちらの土俵に」
藤木「…どうやって?」
話の流れから、少し頭を使えば分かると思うのだが…相槌だけで、コイツは何も考えないな。

私「桐谷は今、神尾をマークしている」
藤木「神尾を…」
私「だから、簡単な話だ。その神尾を連れて行けば、自然と奴も釣れる」
藤木「あ、なるほど…」

そう、簡単な話だ。
桐谷は壷を狙っている。私が持っている、あの壷を。
あれは今厳重に保管しているため、奴が手を出せる機会は限られている。
その機会の1つが…私が壷を使うときだ。
奴は神尾を張って、彼女に壷を見せるときを狙ってくるだろう。

…ならば、こちらでその時を作ってやる。
来ると分かっている人間を捕まえることは、容易いことだ。


321 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 16:47:44 ID:t5dcqYvs0
5/10
藤木「そこで捕まえて、汐崎とご対面、って訳ですね」
汐崎「そう。そして、そうなってから汐崎を始末する」
藤木「そうなってから…あ!分かりましたよ」
流石にピンと来たようだ。

藤木「桐谷が汐崎を殺したようにみせるって訳ですね」
私「あぁ、そうだ」
藤木「なるほどなるほど…」

当然、その時には桐谷にも死んでもらう。
…見掛け上は、自殺として。

それで、1つの構図が出来上がる。
兄の死に疑いを持った弟が、兄の上司を”犯人”として、殺害する。
死人に口なし――汐崎が死ねば、彼を犯人に仕立て上げるのは簡単だ。
その後、仇討ちとはいえ、殺人を犯したその弟は、罪の意識に悩まされ…自殺。

ありふれた話だ。
こんなものは、簡単に作り上げることができる。


322 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 16:50:19 ID:Thq8k/id0
ご苦労様です。

323 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 16:51:47 ID:t5dcqYvs0
6/10
藤木「桐谷と汐崎はそうするとして…あの子はどうします?父親がそうやって死んだとなると…」

そうなれば当然、汐崎真奈美が問題になり、放っておけば厄介な事になるだろう。
…それは、「父親が監禁され、その後に不審な死を遂げた」という事についてではない。
厄介になる理由――それは、彼女が壷のことを知っているからだ。
高城と共に、桐谷から話を聞いてしまったからだ。

私は高城からの報告の後、すぐに桐谷を見つけ、マークしていた。
故に、桐谷が高城を訪ねたこと、その後、汐崎真奈美も加えて話をしていたことを知っている。
所詮奴らは、私の掌の上にあった訳だ。
全て見通されているとも知らずに、馬鹿な奴らだ…。

私「汐崎真奈美も排除する」
藤木「…やりますか」
私「勿論だ。明日の夕方、彼女を本部に連れてくる」
藤木「どうやって…って、簡単ですね。汐崎に会わせると言えば、来るでしょうねぇ」
私「あぁ」
その際、彼女が連絡を――高城沙織に確認の連絡をしないように、手を回しておく必要はある。

私「連れてきて、あの宿直室に放り込んでおく」
藤木「…便利ですねぇ、あの部屋。俺も今度使おうかなぁ」
私「…」
藤木「あ、すみません…」
軽口を叩くな、と睨むと、小さくなる藤木。

…残念だ。
コイツが、もう少し頭を使える奴なら、な。


324 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 16:58:12 ID:t5dcqYvs0
7/10
私「汐崎の娘を連れてきた後、高城もその部屋に連れて行く」
藤木「…やっぱり、本部長も?」
私「当然だろう」
藤木「惜しいなぁ…」
高城に執着していた藤木にとって、彼女が始末されるのは、やはり惜しいようだ。

藤木「なんか、こう…できないですかねぇ?」
私「…何?」
藤木「こっちで面倒見ますから、本部長は任せてくれませんか…?」
私「…」
やはり、呆れる愚か者だな。

私「…高城は、お前が扱える相手か?」
藤木「いや、まぁ…」
私「お前の頭で、何とかなる女か?結果は目に見えている」
藤木「そうかも知れませんが…力で捻じ伏せて、とか…」
ごねる藤木。

…残念だ。
コイツは、聞き分けも悪い…。


325 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 17:02:32 ID:t5dcqYvs0
8/10
私「藤木…」

私は椅子から身を乗り出し、藤木を見つめながら言う。

藤木「…はい?」
私「高城の正体を教えてやる」
藤木「へ?」
私「…高城だけじゃない、汐崎真奈美の正体も」
藤木「…」
何のことか?という顔をしながら、身を乗り出してくる藤木。
その藤木に、私は言う。

私「あの2人は、魔女だ」
藤木「…」
何を言い出すのか…と思っているだろうが、私は低い声で続ける。
これは、必要なことだから。

私「分かるか?奴らは、魔性の女だ。人間を――男を、取って喰う」
藤木「副会長…?」
只ならぬ雰囲気に、やや怯えた声を出す藤木。

軽いな。
コイツは簡単に、心に隙を見せる…。


326 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 17:05:48 ID:t5dcqYvs0
9/10
私「魔女はどうするべきだ?」
藤木をジッと見つめたまま、私は言う。

藤木「いや、何を仰って…」
私「魔女は、火炙りだ。…違うか?」
藤木「その…」
私「違うのか?」
藤木「…」
私「違うのか?藤木」
私は彼の目を――その奥までを見つめ、力を込めて聞く。

藤木「その…通りです…」
力なく答える藤木。
私「ならば、やるべきことは分かったな?」
藤木「…はい」
私「では、行け」
藤木「…はい!」
そう言って椅子から立ち上がる藤木。

藤木「失礼します!」
そして、意気揚々と部屋を出て行った。


327 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/10/22(金) 17:08:47 ID:t5dcqYvs0
10/10
私「フン…」

藤木が出て行った後、私もゆっくりと部屋を出て、外へと向かう。

残念だが、藤木は優秀な部下にはなれない。
…が、優秀な兵隊にはなれる。
今夜、ジックリと仕上げてやろう。
奴には、大仕事をして貰わなければならない。

本部から外に出たところで、私は一度振り返る。

随分と大きくなったものだ…。
建物を眺め、そんな事を考える。

路上で易者をしていた頃には、想像も出来なかったものを、私は手に入れた。
約20年の歳月をかけて、ここまで成長させたもの。
誰が何と言おうと、私のもの…。

それをどうしようと、全て私の勝手だ。
これは私だけのものであるべきだ。

――捨てることができて、初めて自分のものと言える。

私は、そう考えている…。




328 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 17:13:27 ID:Thq8k/id0
いつもありがとうございます。

329 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 19:08:11 ID:XhPjhEc+0
口裂け女「私、綺麗?…いや、そんな事は置いといて。ちょっとメリーさん私見ちゃったのよ〜」

メリーさん「あら、何を?」

口裂け女「貴女の旦那がさぁ…。ほらIN(ピー)Xで働いててうちの隣に住んでるおかっぱ頭の〜」

メリーさん「ああ、花子ちゃんね。あの子と私の旦那がどうかしたの?」

口裂け女「実はね。二人がホテル入るとこ見ちゃったのよ…。」



330 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 19:09:07 ID:XhPjhEc+0
メリーさん「………そう……教えてくれてありがと」
メリーさんは携帯を取り出し旦那へ電話をかけた

メリーさん「私、メリーさん。今、神奈川県横浜市中区××町×××にいるの」
電話を切り
旦那の所へと走り去って行った




口裂け女「今日は修羅場ね…」



331 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 19:28:30 ID:XhPjhEc+0
花子さん「ほら、早く卍解(ばんかい)した方がいいんじゃないの?死んじゃうわよ」

メリーさん「そう・・・。そんなに見たいのなら見せてあげるけど、後悔しないことね」

メリーさん「 卍  解 (ばんかい) ! ! ! 」

メリーさんが卍解(ばんかい)した時には花子さんの視界にはもういなかった

花子さん「・・・な・・・・何処に・・・消えた?!」

メリーさん「私、メリーさん。今貴女の後ろにいるの」



332 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 20:04:51 ID:XhPjhEc+0
花子さん「・・・なん・・・・・・・だと・・・?いつのまn」

ズバン!!
花子さんを圧倒的な力と移動スピードでブッた斬り決着がついた

メリーさん「私が卍解(ばんかい)した時点で貴女の負けは決まってたのよ」

  


メリーさん「っていう漫画面白そうじゃない?」
 
三本足のリカちゃん「いや、もうあるから」



333 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 20:29:19 ID:XhPjhEc+0
「お願い、娘と、娘と話をさせて!」
私は、その男に向かって電話越しに叫んだ。
私の可愛い娘は、誘拐されており、電話の相手は犯人なのだ。
「ああ……そうだな。その代わり、金はしっかりと出してもらうぜ」
下卑た笑いが止むと、聞こえてきたのは娘の声だ。
「ママ、怖い、助けて!」
娘を落ち着かせると、私は秘策を教える。
「ママの言う通りにするのよ?」



334 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 20:36:16 ID:Hz89C4KgO
>>333
ウゼエ

335 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 20:40:45 ID:XhPjhEc+0
娘が、犯人の後ろに立つ。
「もしもし、私、メリー」
電話を通じ、娘の視界が私にも見える。
娘と、声を重ねる。
電話。呪文。足りない力は私が補って、呪いは完成する。
「今、あなたの後ろにいるの」
そうして、娘は、【血】に目覚めた。


336 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 21:00:41 ID:MLu9ea8r0
メリーさんwww

337 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 21:03:03 ID:XhPjhEc+0
「アハハ、アハハハハハ!」
「ば、化け物ッ!」
恐怖に歪んだ男の目に最期に映ったのは、
髪をふり乱して血走った目をした娘の姿だった。



338 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 21:03:26 ID:pe4ERHhK0
>>334
メリーをNG指定でスッキリ。

339 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 21:04:41 ID:XhPjhEc+0
私は、私達は、【メリーさん】
人の心の闇から生まれ、成長し、人の中に潜むもの。
もしもあなたが綺麗な【メリー】という女性と結婚して
可愛い娘が生まれたら気を付けなさい。
その子もまた【メリー】と言うのなら、特に、ね。
彼女達は、私達の眷族なのだから。




340 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/22(金) 22:14:47 ID:mvxwPn920
一年の秋。
その頃俺は遅刻を罪と思っていなかった。
別に出席時数だけ取れていればいいので困ることは無かったが、一時期頻繁に遅刻をかましていた。
原因はネットにハマったことなのだが、俺はそれをちょっとかっこいいと思っていた。
あー全然寝てねーわー、だとか、ちょっと自慢げに言っていたような気がする。
我ながらとんでもなく馬鹿だと思うが、とにかく一ヶ月ほど殆ど毎日遅刻していたのだ。
大体一時間目をスルーして登校していたのだが、ある日ふと気付く。
同じ時間に登校している女の子がいたのだ。
いつも彼女は徒歩で、俺は自転車だったから、いつも追い抜いていた。
白くて、細くて、なんというか、病院の窓から葉が落ちるのを眺めていそうな、そんな女の子だった。
女の子というが、恐らく年上だった。
彼女は同級生にいなかったから、多分先輩なんだろう。
鮮明に覚えている。
押せば倒れそうな後ろ姿も、ポニーテールにしていた黒い髪も、すれ違う寸前見た白いうなじも。
追い抜いてから振り向いたことは無かったから、どんな顔をしていたのかはわからない。
ただ、なんとなく綺麗な顔をしているように思っていた。
ある日、俺はまた遅刻した。
いつものように自転車を走らせていると、あの人が逆側の歩道にいた。
いつもと違う。
俺は少しがっかりした。
今日は彼女の後姿を見ることが出来ない。
俺は気になって仕方なかった。
仕方なかったから、ついやってしまったのだ。
俺は彼女を通り過ぎて、すぐ振り向いた。
俺は彼女の顔が見たかった。
俺の想像の中にいる、綺麗な顔と一致しているか確かめたくて。
しかし、振り向いた先には、誰もいなかった。

341 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/22(金) 22:17:07 ID:mvxwPn920
「見たことありませんか。その人。一年じゃないみたいなんですけど」
放課後、俺は先輩に彼女の特徴を伝えた。
もしかしたら三年生かもしれないと思ったからだ。
「ああ、あるよ」
先輩は事も無げに答えた。
俺は多少拍子抜けした。
「あ、そうですか・・・・・・何年なんです?あの人」
先輩は驚いた顔をしている。
「え・・・・・・なにか」
「いや、お前も大概にっぶいなあと思ってな。わからなかったのか。そいつがいるのっていつもあそこじゃなかったか。立体交差の、次の交差点辺り」
その通りだった。
「知ってるんですか。じゃあ先輩も会ったことが?」
今度は呆れ顔だった。
「あのな。お前、いくら同じくらいの時間帯だって、毎日毎日全く同じ場所ですれ違うのはおかしいと思わんのか」
あ。
俺は馬鹿だ。
俺が彼女を見かけるポイントは、時間に関わらず同じ場所だった。
つまり、ということは、まさか、もしかして。
「・・・・・・えっと、そっち系ですか」
先輩はうんうんと頷いている。
全く考えてなかった。
俺にあんなにはっきり見える幽霊がいるなんて。
「いつだったかなあ、最初は。俺が一年の年にはもう居たと思う。それから、あれはずっとあそこにいるよ」
「でも、俺にそんなにはっきり見えるなんてことありますかね。先輩ならともかく」
先輩はにやりと笑う。
最近わかってきたのだが、この表情をした時、先輩は俺に想像もつかないような黒い事を言う。

342 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/22(金) 22:20:09 ID:mvxwPn920
「アメーバって知ってるだろ。それが物を侵食する・・・・・・食作用、って言うんだがな。まあ、連中の食事だ。その時、仮足と呼ばれる突起を出す。偽足とも言うが」
何の話だろうか。
俺は生物は好きじゃない。
理数系ではあるが、どちらかというと物理が得意なのだ。
「その突起で物を侵食するんだよ。飲み込むんだ。じわじわとな。あの女は、それだ」
「つまり、ルアーとか、そういう物だと考えていいんですか。あの人は」
「お、いい例えだ。先駆けだな。お前には見えないんだろうが、あいつの後ろにはわけのわからん物がいるぞ。黒くて、どろどろした、取り込まれた奴らの固まりがな」
彼女に興味を持ってしまうと、引き込まれるのだろうか。
より多くの人を引き込む為に、少しでも感覚の鋭い人には見えるようになっているのだろうか。
わからないことばかりだ。
「あいつらは仲間を探してるんだ。一人でも多く。あの交差点、結構事故多いだろ。つまり、そういうこと」
俺はなんだか嫌だった。
あの人がそんな事の為に存在していると思いたくない。
「でも、それなら俺に近い歩道で居た方がいいんじゃないですか。今日は逆側に移動してましたけど」
先輩は鼻で笑う。
「あいつらの考えてることなんてわからないよ。お前があれにどんな感情を持っているかは知らん。けど、俺は事実を言っただけだ。アドバイスは『関わるな』だよ」

343 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/22(金) 22:23:10 ID:mvxwPn920
帰り道、俺はあの交差点を通った。
彼女は見えない。
俺はもしかしたら、顔も知らない彼女に恋をしていたのかもしれない。
それは、人を取り込む為の能力が俺に影響していたのか、それとも俺自身の感情だったかはわからない。
横断歩道の向こう、今朝彼女が歩いていた歩道を眺める。
俺はその光景を目に焼き付けてそっと目を閉じる。
瞼の裏の残影には、こちらを向いて寂しそうに笑う彼女が映っていた。
「・・・・・・じゃあね」
俺は、横断歩道の向こうに手を振った。
瞼に残った彼女の顔は、やっぱり、とても綺麗だった。

向こう側の少女 終

344 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 22:26:05 ID:3cbu50mb0
ウニ臭はするが良作。
GJ

345 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 23:06:06 ID:5Lb1zqBcO
向日葵の時は否定的な意見を書いたけど、
今回のはイケるね。


346 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 23:12:54 ID:b4GkTo1l0
乙 

相反する視点から現象を見せられると、「人の」裏表を見ているようで面白味がある。
だからウニの話は面白かったんだな。コピーのおかげでよく分かった。

347 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/22(金) 23:52:32 ID:3mjIQd+Z0
いねお乙

348 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 00:16:16 ID:VAdP4cPp0
赤緑&稲男乙です!

349 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:27:55 ID:rZanC2L7O
コテ酉つけた。Aの話投下してるフロントマンだ。
 
それと、洒落怖投下分に出てくる「B」に関する話のネタがめちゃくちゃ少ないんで、
今回から「B」を俺につきまとう変なモノの仮称から、関連する話が多いもうAとは別の霊感持ちの人の仮称に変更する。
旧Bに関する話はもうしないと思う。基本的に見たら逃げるだから話せるようなネタが無い。
紛らわしいと思うけど、洒落怖から見てくれてる人は覚えといて。
後、これから投下する話、なんかめちゃくちゃ長くなった

350 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:29:31 ID:rZanC2L7O
定時制の学校に通う二十歳過ぎの高校生なんてものをやっていた時代、仕事が縁で仲良くなったのがBだった。
地元では有名な空手道場の娘で、当時大学生をしていた彼女は(BはAよりも年下だ)A程ではないが結構な霊感を持っており、
その体験談は中々興味深い。今回する話も、結構な変わり種だ。
 
 
 こっくりさん
 
 
働きながら学校に通っていた学生時代、部活に参加する時間が無かった俺は、週に二回程ジムに通って汗を流していた。
ジムと言っても会費を払って参加するような上等なものではなく、自治体の運営する一時間いくらのやつだ。
Bと仲良くなってからは彼女もジム通いを始めた。
一緒にジムに行き、終わったらスポーツドリンク片手に少々話すのが、いつのまにか俺と彼女の習慣になっていた。
(因みにAも誘ったが、ダルいと言って断られた)
この話を聞いたのも、ジム終わりの事だ。


351 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:31:10 ID:rZanC2L7O
「中学生の頃、幼馴染みに誘われて何度かこっくりさんをしました」
Bの幼馴染みはいわゆる『自称霊感少女』で、
「あなたには悪い霊が憑いている」
などとクラスメイトに言ってオカルトの知識を披露したり、時にはタロット占いや交霊術を行っていた。
『本当に見える』Bは、幼馴染みの行動には何も言わず、たまに誘われる交霊術の集まりにも黙って参加した。
その幼馴染みはBに本当は霊感なんて持っていないことを告げていたが、Bは自分が霊感を持っていることを、彼女に黙っていた。
「とてもじゃないが言えませんよ。……私じゃなくて幼馴染みに霊感が有れば良かったのにと思った事も有りました」
本当は霊感なんて無いのに、自分には霊感が有ると周囲に吹聴していた幼馴染みにそのことを言うのは、やっぱり躊躇われたのだろう。
言われるがままに交霊会に参加し、何も現れないことを知りながら怖がるフリをしていたBは、次第に罪悪感を抱くようになった。
そんな時にこっくりさんに誘われ、同時にあることを頼まれる。
「私が10円玉を動かすから、Bもそれを手伝って。ね、Bにしか頼めないの。お願い」
今までも交霊会で自作自演をしていた幼馴染みは、ついにはこっくりさんでも仕込みをすることにしたらしい。
Bは断り切れず、ついには仕込みに協力することを承諾した。


352 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:33:26 ID:rZanC2L7O
まずは間隔を開けて机を二つ並べ、どこからか持ってきた鏡を二つの机にかかる橋のように渡す。
そしてその上に五十音と『はい』、『いいえ』、赤い鳥居が書かれた半紙を乗せるという幼馴染みの考えたやり方で、そのこっくりさんは行われた。
人の居ない放課後の教室に集まった面子は、幼馴染みの霊感に一切の疑念を持たない幼馴染みの信者二人と幼馴染本人、そしてB。
「……こっくりさん、こっくりさん。おいでください」
鳥居の上に置いた十円玉の上に全員が指を乗せ、幼馴染みがこっくりさんに呼び掛ける。
「こっくりさん、こっくりさん……」
びく、と十円玉が動く。幼馴染みだ。Bは小さく驚いた声を上げ、信者の一人は凄い、と漏らす。
幼馴染みは集中して疲れたように小さく息を吐く。役者だ。
「こっくりさん、こっくりさん、いらっしゃいましたら返事をして下さい……」
十円玉が動き始めた。対面に向かい合った幼馴染みの動きに合わせ、Bも十円玉を操作する。
十円玉は打ち合わせ通り、『はい』の所へ。信者二人は息を飲んだ。Bも一緒に息を飲む。

353 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:35:46 ID:rZanC2L7O
自作自演のこっくりさんは続く。Bの幼馴染みは信者の二人に、
「こっくりさんに聞きたいことを言って」
と促す。信者二人は一回ずつ質問し、幼馴染みが十円玉を動かすことでその質問に答える。
安全。手順を間違えなければこっくりさんは知りたいことに答えてくれる。
信者の二人はこっくりさんという十円玉を通して答えるBの幼馴染みの言葉に喜び、楽しそうに笑う。
信者二人の質問が終わり、次はBがこっくりさんに質問することになった。
「……この中で一番早く死ぬのは誰ですか」
Bが言った瞬間、こっくりさんへの質問の結果について笑いながら話していた信者二人の動きが止まり、幼馴染みがBを睨む。
勿論、打ち合わせ通りだ。Bはこの後こっくりさんに憑かれたふりをし、それをBの幼馴染みが祓うという流れだ。
かく、と力が抜けたようにBは顔を俯かせた。息を飲むような音。Bはこっくりさんに憑かれたフリをして、
 
十円玉が動いた。
 
Bは驚いた顔で俯かせた顎を上げ幼馴染みを見る。幼馴染みもこちら見ていた。
Bと同じく驚いた顔で。

354 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:36:39 ID:rZanC2L7O
十円玉が動く。
 
『み』
『ん』
『な』
 
幼馴染みはBと十円玉に交互に視線を向ける。Bは左右に首を振る。
私じゃない、のジェスチャー。
十円玉は鏡の上に置かれた半紙の上を動き続ける。
 
『す』
『ぐ』
『し』
『ぬ』
 
悲鳴が上がり、椅子が倒れた。
Bは一人取り残される。
十円玉に、人差し指を置いたまま。

355 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:40:40 ID:rZanC2L7O
――――――――
 
……そこまで聞いて、息を飲んでいた俺にBは軽く笑いかけた。
「仕込みですよ」
「ぁ?」
間抜けな声が出てしまった、と思ったのを覚えている。
「だから、仕込みなんです。その時十円玉を動かしてたのは私です」
ふふふ、と笑ってBはスポーツドリンクを飲み干した。
「……役者だなあ。語るのも上手い」
「女は皆そうですよ。じゃなきゃ、女なんてやってられません」
俺もBの幼馴染みもその信者も、彼女の演技に見事騙されたことになる。
「それで、なんでまた」
「いい加減、幼馴染みにそういうことをやめて欲しかったから、ですね。けれど直接言うなんてことはできない。
 だからあんな事をしたんですよ。懲りてくれたら、ってね」
成程なあ、と俺は頷いた。
「男ばっかりの環境で育ちましたから、女友達なんて幼馴染み以外には居なかったんですよ。
 空手もやってましたし、小学生の頃は男女とさんざからかわれて今でもトラウマですしね。
 だから、幼稚園の頃から一緒にいてくれた幼馴染みが、尚更大切だったんです」
俺からするとBは良い意味で男らしいさっぱりとした性格をしているが、まるで男みたいだ、なんて感じることは全くない。
外見だって背は高いがファッションにも気を使っているし、化粧も上手い。
黒い口紅と黒いマニキュアと黒いペディキュアを塗りたくり、アホみたいに鋲を打ち込んだ黒い革ジャンを愛用しているゴスパン女、
Aに見習わせたいくらいの美人だ。
でもそれは、男女とさんざんからかわれ続けた反動なのかもしれないなと考えた。
「それで、幼馴染みは懲りてくれた?」
「そうですね……話を続けますね」
Bは話を続ける。
俺は幾分リラックスして、その話に耳を傾けた。

――――――――

356 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 01:40:41 ID:oEK7j9zj0
過供給でそろそろしんどくなって来た…
過疎よりいいことなんだよね

357 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 01:42:30 ID:CMckk4V50
いい子にして続きを待つ・・・。
コーヒーが美味しい月夜ですなぅ。

358 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:42:35 ID:rZanC2L7O
三人が飛び出し、一人きりになった教室でBは嘆息した。上手くいった。これで幼馴染みが懲りてくれると良いんだが。
そんなことを思いながら、もしかしたらこのことで幼馴染みの信者から怖がられるかもという考えが頭を過ぎる。
「はあ」
とBは深く嘆息したそうだ。これからの事を考えると憂鬱になる。視線は自然と下を向き、
 
見てしまった。
自分の指は、未だに十円玉から離れていない。
 
Bは愕然とした。
十円玉から指が離れていないことに気付かなかった。途端背筋が粟立つ。何か居る。誰かが居る。
指は動かない。いや、感覚がない。
それでも十円玉から指を離そうとした。やっぱり指は動かない。右肩から先が動かない。足も動いてはくれない。
感覚が無い。自分の体じゃない。十円玉も動かない。けれどBは十円玉から目が離せなかった。十円玉が、今にも動き出しそうで。
Bは思った。
まさか、本当に、
 
……こっくりさんに憑かれたのか?
 
「こっくりさん、」
言葉が漏れた。確認しないといけない。
「……こっくりさんですか?」
十円玉が動く。

359 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:46:12 ID:rZanC2L7O
動き始めた十円玉は答えを示す。示された回答は、十円玉が止まった場所は、
 
『いいえ』。
 
Bは混乱した。こっくりさんじゃない。なら、誰が。
 
「あっ」
 
そう声を上げたのを今でも忘れられないとBは言う。
居る。この場にはもう一人居る。目の前に居るじゃないか。
 
Bは、鏡の中の自分と目が合った。
 
十円玉を動かしているのはこいつだ。十円玉を動かしているのは自分だ。
 
Bは鏡に映る自分を威圧するように気合いの声を上げた。体からすとんと何かが落ちたような気がする。しかし右手は十円玉から離れない。
もう一度気合いの声を上げた。Bは左腕を振り上げ、鏡に向けて拳を叩き付けた。

360 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 01:48:18 ID:rZanC2L7O
――――――――
 
鏡が割れた音は聞こえなかったそうだ。砕け散った鏡から目を逸らし、椅子に座ったままのBは、気が抜けて暫く動けなかったという。
その内Bの気合いか教室から逃げ出した三人の叫び声か、どちらかを聞き付けた教師がやってきて、Bは酷く叱られたそうだ。
 
「凄いな」
Bの話を聞き終えた俺は始めにそう呟いた。
話の始めを聞いた時は、こっくりさんを呼ぶふりをしたらホントにこっくりさんが来てしまったんじゃないかと予想していたが、
こっくりさんに憑かれたふりをして信者を騙す予定だった幼馴染みを騙したら、いつのまにか自分が、
というのは予想外だったし、
自分が体験した、Aの言う所の『自己霊に憑かれる』というのにダブるような気がしたからだ。
「自分に憑かれるっていうのなら、俺も経験があるなあ。体が動かないって事は無かったけど」
「自分に憑かれる?」
「いや、分かんないけどな。自己霊だったか自分霊って言って、自分の生き霊が自分に憑くってことがあるみたいで。
 Bが今話したのも、それに近いのかと思たから」
「なるほど」
Bは自分に憑かれるという考えがなかったらしく、真剣な顔で頷いた。
「実はあの一件以来大きい鏡が苦手で。今でも大きい鏡を見る時は覚悟してましたが……自分の生き霊、ですか」
「覚悟?」
「鏡を割る覚悟ですよ、正拳突きで」
俺は正拳で鏡を割る胴着姿のBを想像し、ちょっと笑ってしまった。
Bもおどけるような笑みを浮かべ、綺麗な眉をくい、と上げてみせる。
「……それで、幼馴染みは懲りてくれた?」
「それは、」
 
――――――――

361 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 01:54:53 ID:CMckk4V50
紫煙くゆらす秋の夜

362 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 01:56:58 ID:VAdP4cPp0
詩人やね
満月か…


363 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 01:59:42 ID:CMckk4V50
結膜炎が痒くて眠れず、ケツ捲って明日の朝の病院診察時間まで
耐久2チャンだよ〜。 かぃぃのぉ〜。

我が顔に
 愛犬びびる
  ドラキュラか!

364 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 02:11:58 ID:rZanC2L7O
さるさん引っ掛かった


Bの幼馴染みは結局懲りたりはしなかったらしい。
Bは教師に何か言われても
「一人でやった」
と答えたそうだが、Bの幼馴染みは
「Bは実は霊感が強く、悪霊が憑いていて危険。あのこっくりさんもBが滅茶苦茶にした。Bには近付かない方が良い」
と吹聴して回ったそうだ。
「なかなか当たってるじゃないか」
とBはおかしくなったと言う。自分には確かに霊感があり、悪霊はついていないがあのこっくりさん滅茶苦茶にしたのも自分だ、と。
Bは何も言い返さずに幼馴染みと付き合うのを止めた。幼馴染みの信者から怖がられたり徹底的に無視されたりしたが、
「かえってそれが良かったかもしれないですね。他の人にまで無視されたりしないように、人当たり良くしようと頑張りましたから。
 それでもやっぱり、寂しいですが」
とのこと。さっぱりしてるなあと凄く感心すると同時、暴露してやりゃ良いのにと思った俺は、器が小さいのだろうか。

365 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/23(土) 02:13:00 ID:rZanC2L7O
――――――――
 
事の顛末を全て聞いた俺は、ふと一つ聞き忘れていることに気付いた。
「十円玉はどうした?」
「ああ、言ってませんでしたね」
Bは財布から十円玉を取り出した。所謂ギザ十のそれを俺に見せる。まさか。
「捨てなかったのか」
「ええ。こっくりさんでは使った十円玉はさっさと使うのがルールですが、あれはこっくりさんなんかじゃ有りませんし。
 逆に捨てたら祟られそうだと思って持ってましたが……さっきの話を聞いて手離さなくて良かったと思いましたよ」
俺は首を傾げる。
「すまん、さっきの話って」
「ほら、自己霊の話ですよ。この十円玉を手離すというのは、自分を手離すのに近い意味が有るのかなって今思ったんです」
そう言って彼女は財布にギザ十をしまった。その仕草はいかにも大事なものを扱うそれだった。
後日、彼女は地元で大きな神社からお守りを買ってきて、それに十円玉を入れた。
Bはきっと今も、あの時に使われた十円玉を大切に持っているのだろう。
仕事で十円玉をお客様に渡したりする時、俺はたまにそんな事を考える。

 
 こっくりさん、了。

 
我ながら長いなあ。読んだ人いたら乙

366 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 02:13:51 ID:CMckk4V50
乙!

薄情な幼馴染だねえ。      カンと推察能力は高かったのかなw

367 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 02:15:09 ID:CMckk4V50
<(_ _)> 先走ってしまうところだった。

368 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 02:36:01 ID:VAdP4cPp0
俺乙です!

369 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 02:43:51 ID:YLZe90fFO
俺くん乙!


370 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 04:40:20 ID:ZZY01G9TO
霊能力者が達観傾向にあるのは、この手のシリーズ物の共通事項なのか?

371 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 06:04:44 ID:Q9ZXrEQE0


所で少し前だけど、犬が生き埋めにされていたニュースがあったよね。
あれってウニが書いてた師匠シリーズ田舎に出てくる犬神とやらかな?

372 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 07:01:42 ID:Jpi9sy5BO
コテ酉付けたんですね、乙です。

霊能者は人と違う分、達観か諦観してないと生きていけない……んじゃないかなあ。
富山の犬生き埋めは、微妙に犬神の手順と違うあたりどうでしょう。

373 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 09:38:17 ID:pET59uRJ0
>>365
生身Bの話なの了解
Cでも良かった気がするけど意味があんだろうね
全部、実話ってのがいいんだよね

374 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 11:00:30 ID:ZOAZ3awf0
Cは俺氏やAの師匠じゃなかったか?

375 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/23(土) 21:58:27 ID:xP5TslBB0
三年の冬の話。
一年の頃は、先輩に憧れてついて回った。
二年の頃は、先輩が俺を遠ざけ始め、俺も無理に追いかけなくなった。
そして、三年。
先輩はあまり俺に関わらなくなった。
俺も何だかんだ独り立ちし始め、何かの相談の時くらいしか先輩に頼らなくなった。
それは、先輩の思い人に対する感情を自問した時からだったか、それとも先輩の引き連れる狂気に恐れをなした時からだったか。
今となってはわからない。あるいは、両方だったのかもしれない。
いや、両方だった。たぶん。
とにかく当時、先輩は常識と正気から遠く離れていたし、俺は先輩にどこか気まずい思いを感じていた。
そんな、ある日。
先輩に対する気まずさの、その原因であるヨーコさんが俺の家を訪ねてきた。
一応住所は教えておいたのだが、まさか本当に来ることがあると思っていなかったので、俺はかなり焦った。
母さんと弟が「あいつが女の子を家に呼ぶなんて」みたいなことを言って騒いでいる。
ばたばたと玄関に向かい、ドアを開ける。
「こんにちは」
「あ、ども。え、っと、とりあえず、上がります?散らかってますけど」
ヨーコさんは首を振る。
「いい、違う。ちょっと話を聞いて」
どうやら急ぎのようだ。
よく見ると、いつもの私服と感じが違う。
とりあえず着てきたような、ちぐはぐな感じだ。
襟元が着崩れて鎖骨が見えている。
どうやら、相当慌てたらしい。
「なんですか、話って」
ヨーコさんはそっと目を閉じて、覚悟を決めたように言った。
「あの人がいなくなる。夢で見たんです」

376 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/23(土) 22:00:35 ID:xP5TslBB0
俺は自転車をこぐ。
荷台にはヨーコさんが乗っている。
二人乗りは初めてのようで、腰を必死に掴んできた。
「夢で、って、あれですか、例の」
俺は後ろに話しかける。
「うん、多分そう。たまにあるんだけど」
ヨーコさんは、見える人だ。
幽霊が、とかに留まらず、人の視界や、過去や、未来が。
それはコントロール出来る物でないから、本当に未来の事か、それともただの夢なのかはヨーコさんの感覚でしかわからない。
こぎながら、腋を通して後ろを見てみる。
「足、後輪の軸の所に乗せてください。ちょっとがに股になっちゃいますけど、バランスいいですから。で、どういう夢なんですか」
ぶらぶらさせていた足を軸に乗せるのを確認して前に向き直る。
ヨーコさんは少し声を大きくして答える。
「私が、あの人に会いに行く夢。歩いて、あの人の部屋の前に行くんだけど、部屋の中には誰もいないんです」
はっきりしない。
ただの夢のようにも思えるが、ヨーコさんはただならぬ物を感じたようだ。
俺は脚に力を込める。
「・・・・・・揺れるんで、しっかり掴まっててください」
目前の信号は赤に変わろうとしている。
体重をかけて加速して、俺はぎりぎりで走り抜ける。
先輩が、いなくなる。
あの人は、やっぱり良くわからないから、俺達に何も言わず去っていくこともリアルに感じられた。
自分の意思で、もしくは、何かから逃げるように。
ぎゅ、ぎゅとペダルを回す。
いなくなるのはもう逃れられないとしても。
せめて、最後に一言でも。
なんだか泣きそうになって、歯を食いしばった。
コンビニの前を通り過ぎる。
歩行者が前から来る。
ギリギリのところをすれ違う。
先輩、先輩。
図書館の前を通り過ぎる。

377 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/23(土) 22:02:32 ID:xP5TslBB0
・・・・・・俺は、全力でブレーキを握った。
背中に体重を感じる。
ヨーコさんが予期せぬ反動に耐え切れず、前につんのめったのだった。
「ど、うしたんで、すか」
背中に声が伝わる。
「・・・・・・あれ、先輩のです」
図書館の駐輪場には、古いロードレーサーが停めてあった。
クロモリのフレームに、斜めに走る擦り傷が目印。
でかでかとスペースをとって、壁に立てかけてある。
誰かから譲り受けたという、先輩の自転車だ。
俺が自転車を降りると、ヨーコさんもよたつきながら降りる。
「お尻、痛・・・・・・」
風に飛ばされてぼさぼさの髪を手で直しながら図書館の入り口へ向う。
俺もその後についていった。
『開館』という看板が出ている。
入り口に手をかけて、ヨーコさんの動きが止まる。
いた。
一週間分の新聞がストックしてある、入り口すぐの休憩スペース。
新聞を机にばっさと広げて座っている。
あの顔色の悪い男は、間違いなく先輩だ。
ヨーコさんはその場でしゃがみこんでしまった。
「良かった・・・・・・」
俺は両開きの扉を開けて中に入る。
先輩が俺に気付いて手を上げた。
「よお、なんだ、息荒いな。どうかしたのか」
驚くほどいつも通りだ。人の気も知らないで。
俺は一発殴ってやろうかと思った。
「いえね、ヨーコさんが、先輩がいなくなる夢を見たって言うんで。今いっそいで飛んで来たんですよ。無駄足だったみたいですけど」

378 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/23(土) 22:05:38 ID:xP5TslBB0
そう、多分ヨーコさんは知らなかったのだ。
先輩は、冬が苦手だ。
夏はどんなに暑くても平気な顔をしているが、冬、ちょっと寒くなると暖かい所へ逃げる。
先輩のアパートにはエアコンがないから、公共施設・・・・・・特にこの図書館、暖房の効いた空間をよく利用するのだ。
ヨーコさんの見た夢は、『アパートを訪ねたら先輩がいなかった』というものだったらしい。
つまり、俺のところに寄らず、先輩の部屋を訪ねていたら、やっぱり先輩はいなかったんだろう。
なにせ、図書館に行っているのだから。
「おお、予知か。いや、やっぱり素晴らしい、ヨーコは。詳しく聞きたいな」
俺はなんだかどうでもよくなって、先輩の向かいのソファーにぼすっと沈んだ。
「あー、いいですよー。それより、入り口の所にヨーコさんいるんですよ。なんかへたっちゃってて。行ったほうがいいんじゃないですか」
先輩は入り口に視線をやり、ガラス戸の向こうのヨーコさんを確認すると立ち上がった。
「おいおい、地べたに座っちゃって・・・・・・スカートなのに。全くどうしたんだ」
入り口に向って歩く先輩を見ながら、俺は苦笑する。
そうだ、先輩が例えいなくなるとしても、俺にはきっと一言あるだろう。
なにせこの三年間、俺程先輩の近くにいた人間はいないのだから。
心配しすぎた。
ヨーコさんの予知夢だって、コントロール出来ないのならば外れることもあるのだ。
先輩がヨーコさんになにやら言い訳をしている。
ヨーコさんはまだへたったままだ。
こうやって見ると、やっぱり先輩はヨーコさんの事が好きなんだなあと思う。
それに、先輩がいなくなると思い込んだヨーコさんの取り乱し方。
やっぱり、あの二人がお似合いだ。
・・・・・・俺なんかの、入る隙間もなく。
先輩がヨーコさんを立たせ、俺の所に帰ってくる。

379 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/23(土) 22:07:15 ID:xP5TslBB0
「おい、お前が送ってきたんだろ。帰りもちゃんと送ってやれよ。ママチャリで」
へいへいと立ち上がり、また新聞を読もうとしている先輩を置いて図書館を出る。
扉に手をかけた時、先輩が俺に言った。
「あいつの予知は、外れないぞ。だからこそ、素晴らしい」
俺は鼻で笑って手を振った。
帰り道、ヨーコさんはなんだか申し訳なさそうだった。
騒がせてしまったことが少し恥ずかしいらしい。
なんだかおかしくなって、俺はくすくす笑った。
ヨーコさんも、ちょっと拗ねたようにして、でもやっぱり笑った。
ヨーコさんのマンンションに着く。
自転車を降り、髪を直し、服を正してから。
「またね」
と言って、ヨーコさんは微笑んだ。

数日後、俺はヨーコさんから、先輩が失踪した事を聞いた。

先輩とヨーコさんと俺と失踪 終

380 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 23:12:01 ID:KGYPgfkj0
>>374
そーだったっけ。既にCは登場してたんだ

381 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/23(土) 23:15:18 ID:1Q1HgmAmO
俺シリーズ良いね〜
長さを感じさせない内容だった!

382 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 06:37:50 ID:bUJ1oxcd0
稲男乙

383 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 11:20:56 ID:4ycDA5qZ0
メリーさんAがあらわれた!
メリーさんBがあらわれた!
メリーさんCがあらわれた!
メリーさんDがあらわれた!
メリーさんEがあらわれた!

俺は逃げだした!

「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」

しかし回り込まれたしまった!



384 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 11:23:52 ID:4ycDA5qZ0
 自宅への帰宅途中、俺の頭の中では奴に相談された話が混沌と渦巻いていた。
 帰り際にかっくらったビールは今まで生きてきた中で最もまずく、思わず吐き捨てたくなるほどだった。
 おまけにたった一口しか飲んでいないのに頭がくらくらして嫌な胸焼けまでする。
 頭を押さえて舌打ちをしながら緩慢な足取りで帰路を行く。



385 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 11:43:49 ID:4ycDA5qZ0
『…………』
 思わず口を開き──けれど言葉は出なかった。
 言われたことの意味が分からなくて……いや、もちろんどっちの単語も理解はできる。だがあまりに現実味がなくて。
 冗談にしてもマジにしてもすこぶる性質の悪い話だと思った。
『……ごめんな。信じらんないよな……』
「あ、いや……』


386 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 11:49:31 ID:4ycDA5qZ0
 特に失望したような様子もなく、きっと俺のリアクションが予想の範囲内だったのだろう、奴はすまなそうな顔をする。
 正直……まるで対応の仕方が分からなかった。
 現実的に考えて行方不明ならば事件か何かで完全に警察の仕事だ。



387 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 11:52:30 ID:4ycDA5qZ0
 本当にメリーさんという幽霊(人形?)に殺されたり消されたりしたのなら……それもそれで警察か霊能者の仕事だろう。
 何故近頃まったく会っていなかった俺にわざわざ連絡を取ってまでそんな話をしたのか、少しも奴の思考が読めなかった。

388 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 12:27:55 ID:4ycDA5qZ0
『え…っと……と、とりあえず話を簡単に整理してくれよ。悪い、俺も混乱しちまってさ……』
 奴は両手で持ったグラスに目を落としながら話し出す。
『妹…お前も知ってるだろ、あいつが一週間くらい前にいなくなった。部屋の状態から考えて、警察は事件の可能性が高いって言ってる』
『あ、一応警察には届けたんだな』


389 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 12:40:13 ID:4ycDA5qZ0
 メリーさんとか言い出すから、てっきり警察にも届けずに騒いでいるのかと思ってた。
 というか警察が事件の可能性が高いっていうくらいだから、こいつが勝手に怪談話を信じ込んでいるだけなのかもしれない。
 奴は一度じとりとした目を俺に向ける。思わず怯むと、目を逸らして奴はまた話し始めた。


390 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 12:44:26 ID:4ycDA5qZ0
『部屋には争った跡みたいなのがあったからな。メリーさんなんてオカルト話より、現実的な線で捜査を進めるのは当然だとは思う』
『……もしかして、警察にもメリーさんの話……したのか?』
『そりゃあな。あいつもいなくなる前には異常に怖がってたし、それに……』
 そこで一旦言葉を切ると、目を閉じてしばらく考えるような表情をした後、奴はまた口を開いた。


391 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 13:26:54 ID:PnpKkKfOO
赤緑は登場人物が延々と状況説明をしてるだけ。
漫画の説明キャラしか出て来ない。
「お前は転校して来たばっかりで知らないだろうが、この学校は…」
みたいな、それだけで成り立ってるそんな感じ。

392 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 13:42:33 ID:XnxSdlcyO
>>379
やり過ぎじゃないの?
二次創作よりたちが悪い

393 :1:自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 15:27:51 ID:W0BiH2uiO
懲りずに自演か

394 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 16:29:20 ID:4ycDA5qZ0
『何が手がかりになるか分かんないから話さないわけにはいかないだろ』
『まあ……そういうもんか』
『私はな……ストーカーか何かなんじゃないかと思ってるんだ』



395 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 19:58:38 ID:6bMnPPQ70
メリーさん・・・w

396 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 21:36:29 ID:qas1knto0
>>379
最初の方のしか読んでないけど、流石にこれはないわ

397 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 22:00:46 ID:XKtFUXmi0
>>379
ひでえパクりwwww
さすがに恥を知れと言わざるを得ないww

398 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 22:42:35 ID:bDfqTz8k0
>>396-397
俺は読みたいので、お前らは見なければいいからレス不要にしてくれ。
じゃなければ、あぼーんすりゃいいし。

399 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 22:50:47 ID:qas1knto0
>レス不要にしてくれ。
お前は何を言っているんだ

というか、俺は別に作品自体は嫌いじゃないぞ
尊敬するのはいいし、雰囲気を似せるのもいいが、パクリは駄目だろう。

400 :のりぴっぴ:2010/10/24(日) 22:53:07 ID:2eBsF7wLO
>>398
パクり だめ ぜったい!

401 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 23:10:03 ID:4ycDA5qZ0
ストーカー。オカルト話を信じ切っていると思っていた奴の口から漏れたその現実的で危険性の高い言葉に、俺は目を見開く。
『メリーさんってのが比喩か何かで、ストーカーのことを指してるんじゃないか……って、そう思って色々調べたんだよ』
『……だから俺が知ってるメリーさんのイメージみたいなのを聞いたのか』


402 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 23:13:50 ID:4ycDA5qZ0
『メリーさんの特徴的な印象が犯人に繋がってるかもしれないから……悪いとは思ったけど、お前なら真剣に聞いてくれると思って』
 そう言うと奴は突然立ち上がり、先ほどとは打って変わって声のトーンを上げ、
『悪かったなっ、久しぶりに会ったのに辛気臭い話しちまってさ。今度また飲み直そうぜ。ここは多めに払っとくから、せめて腹膨らませて帰ってくれな』
『あ、おい!』
 止める間もなく、奴は万札を置いて風のように消えて行ってしまった。放心した後、俺はグラスのビールを一気に煽り立ち上がった。



403 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 23:52:07 ID:/Y2YTpUYO
>マンンション
クソフイタwwwwww

……しかしなぁ「失踪」「予知」「夢」「図書館」はいくらなんでもアウト
最早パクリの域に達してるだろw
もしくは、師匠シリーズから言い回しと設定だけ借りたオナニー小説

404 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/24(日) 23:54:07 ID:G6P0Y6/1O
そんな今更…

405 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 00:43:21 ID:M/Oy0IlO0
一話目はウニ臭いけどおもしろい!って感想だった
今はウニのモロパクりじゃねーか!って感じ
いや、おもしろいのは変わらないから俺は良いけど
人によっては反感買うだろう

406 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 02:11:34 ID:R3VxSvNQ0
どっかで見たような絵柄だけどそこそこ面白いと思ってたマンガのトレパク騒動を見てしまった感じ

407 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 03:01:14 ID:D6WaK1a0P
それでも確か「実話」ベースなんだよね…?

408 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 04:51:49 ID:PfLRoEhY0
ナナシとか研究生の作者の話は面白かったな

409 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 06:51:20 ID:EkadK0q80
>>406
フェアリーテイルのことかーーー

410 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/25(月) 08:34:13 ID:FQiYgIdoO
演出はかなり過剰にしていますが、話に登場する人物は全て実在の人物を基にしていますし、話の筋自体も実際にあった話を下に敷いています。
まあ実際のところは「頭のおかしい先輩とやたら勘のいい電波ちゃんと馬鹿な俺」って感じだったのですが。
今回の話もかなりの部分が盛られているのですが、先輩の失踪とそれを言い当てたという部分は実話ですから、パクリと言われようと筋を変えるわけにもなあと思い大筋の変更無しで投下しました。

411 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 08:42:36 ID:R4oL3ubHO
ほら、わざわざ弁解しちゃう
実話だろうが創作だろうが面白けりゃ関係ないのによ
いちいち実話だってことを知らせなくてもいいのにね?w

そんなに自分語りしたくて堪らないのかな?パクリ野郎さんは?

412 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 09:32:24 ID:3cnp1oea0
いねおとこくん。

煽りは気にすることは無いよ。

煽りが入ると言うことは、面白いということだw

413 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 09:46:41 ID:z3TAS/vpO
最初は良かったのに相当レベルが落ちたよ

414 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 11:23:13 ID:aPFFQqxx0
嫌いになったのなら黙ってNGにでもしろよ。
好きで読んでる人間もいるんだから、煽りとかでエタられることになったら困る

415 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 12:56:53 ID:EkadK0q80
多分それ目的でやってんじゃないかな。
作者を追い出してスレを潰したい輩がいるようだしね。

416 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/25(月) 13:06:07 ID:nN00/r9EO
 写真T
 
ジムの終わり、見てもらいたいものがあるんですと言ってBが取り出したのは写真だった。
Bは大学の友人グループで心霊スポットに行った時に起きた、ちょっとした霊障を解決して以来、
霊感持ちだということが噂になり、時折相談を持ち掛けられるようになったそうだ。
写真の鑑定もその一つで、判断に悩むとこうして俺に写真を見せてくることが度々あった。
「最近の写真だそうです」
そう言ってBが見せたのは、大学生らしい青年がサッカーをやっている写真だった。
写真から受けたイメージは、『べったりと張り付く』。
被写体となった青年は、今正にボールを蹴ろうとしているような姿勢をとっている。
恐らくは写真に写っていないゴールに向け、シュートを打とうとする瞬間なのだろう。
シュートは決まったのか? 外れたのか? と考えさせるような写真で、写真の良し悪しが分からない俺にも、
「よく撮れてんなあ」
と思わせるようなものだった。
「そうですね、けれど惜しむらくは、」
「うん」
その時、俺とBの視線は恐らく同じところを見ていた。
「欠けていること」
写真の中の青年には、左足が無かった。
左耳から、かり、という音がした気がする。

417 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/25(月) 13:08:27 ID:nN00/r9EO
Bの話を総合する。
写真はサッカー部だかサッカーサークルだかに入っている男、つまりは被写体になっている男から受け取ったものだ。
よく遊ぶグループではないが、以前からよく声を掛けられていたため、内心またかと思いつつも、つい鑑定を引き受けたらしい。
こういった体の一部が透明になった写真は、なんらかの予兆であることが多いのだが、
今回の写真はどうもそういったものでは無いような気がしたために、こうして俺に相談してきたとのこと。
加えて、Bが写真を見せられた時に聞いた話が面白い。
「この写真、最初は普通だったそうです」
今にもボールを蹴ろうとする後ろに振り上げた足と、そして軸足とが最初はしっかりと写っていたそうだ。
それが今は無い。
「どうしてか分かります?」
「いや、駄目だ。ただ、何かあることだけは分かる。本人に何か変わったことはない? 左足が何かおかしいとか」
「……左足に何かがついている気はしましたが」
Bは悩むように顔を俯けた。しかし、感じたものが頭の中で纏まらないのだろう。
その様子を見て俺は言った。
「会ってみるか」
好奇心が刺激されるのだ。怖いもの知らずとか、怖いもの見たさとかではない。単純に、知りたいと思ってしまう。
怖い目には出来るだけ逢いたくないとか、取り憑かれたくないとか、それとは別の次元で知りたい経験したいと思ってしまう。
「そうなると……明日は暇ですか?」
Bは携帯を取り出し、メールを打ちながら言った。
「夜までは暇だな」
こうして、被写体の彼に実際に会う事が決定した。

418 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 13:08:35 ID:XNeFVBb90
自分でここまで読まれるほどの文才もないくせに
文句だけいう奴って最悪。
しかもあぼーんすら出来ないならくるなよ。



419 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/25(月) 13:10:14 ID:nN00/r9EO
翌日夕方、俺はBと一緒に被写体の彼の家に行くことになった。
被写体の彼は独り暮らしで、大学近くの小さなアパートの一室が彼の部屋だった。
呼び鈴を押すと、彼はすぐに出て来た。
「……こんちわっす。……この人が?」
軽く挨拶をして、彼はBに尋ねた。
何だか無愛想だなと思ったが、霊感があるという他人なんて胡散臭いものだよなあと考え、気にしないことにした。
Bの紹介なんだから、と思わなくも無かった。
「そう。入っても大丈夫?」
「じゃ、スイマセン。今日は宜しくお願いします」
小さく頭を下げられたので、いやいやと言って俺も軽く頭を下げた。
 
その時、今まで何回か見たことがあるものが彼の左足に見えた。
夜に働いている時に何度か見た事があるもの。
一瞬、困惑した。それは本来彼に憑くはずのものでは無かったから。
けれど、それが彼に憑いている事こそが、そのまま今回の核心を物語っていた。
ああ、そういうことか、と。
それを理解して、俺は胸が悪くなった。


420 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/25(月) 13:13:53 ID:nN00/r9EO
部屋に入り、とりあえず全員座ったところで、彼はおずおずとこちらを見た。
「それで、何か見えます?」
単刀直入に言うことに決めていた。部屋に入って五分も経たない内に、俺はもう帰りたくなっていた。
「死霊」
え、と被写体の彼が言うと同時に、Bもはっとして俺を見る
「形は」
「赤ん坊だな」
『それ』は今、座った彼の横に居た。俺はBに教えるようにそれを指差し、Bはそちらに目を向ける。
ややあってBの綺麗な眉が吊り上がる。
その反応から、彼女も俺と同じものを見て、同じことに思い至ったことが知れた。
「え、なんすか、なんすか!」
Bの反応を見て、被写体の彼も怖くなったのだろう。声を荒げる彼を見て、俺は白々しいと思った。
「何かって水子だよ。君さあ、子供堕ろさせただろ」
何度か見たことがある。仕事で水商売の人と接した時などにたまに見るそれが、彼の左足に憑いている。
被写体の彼は泡を食ったようにいや、と小さく呟く。
「病院でまっとうな方法で堕ろさせたのか、それともまともじゃない方法で堕ろさせたかは知らないけどさあ」
言いながら、十中八九後者だろうと俺は思っていた。
Bは後者には思い至らなかったようで、驚いたように俺を見た後、更に険を増した表情で被写体の彼を見る。
「母親はこの写真を撮った人だな?」
被写体の彼は怯えたように頷いた。
「その人、今どうしてる」
彼は言い訳じみた言葉をもごもごと言ったあと、小さく知りませんと答えた。
舌打ちをする。
「水子供養。それとその人に謝り倒せ。じゃないとヤバい」

421 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/25(月) 13:17:17 ID:nN00/r9EO
下手をしたら『その人』はもう死んでいるかもと考えたが、次の瞬間にはそれは無いと思い直した。
『その人』が死んでいたら、この程度で済む訳がない。
俺の言葉に被写体の彼はいや、でも……などと泣きそうな顔で言うだけだった。
「じゃあ知らねえよ」
吐き捨てて俺はBを促し立ち上がった。
もうこの場に居たく無い。彼の左足に憑いている崩れたそれを、視界に入れたく無い。
「無理です、勘弁して下さい」
被写体の彼が泣きそうな顔で言った。
「だから」
「無理ですよ! 何とかして下さいよ!」
俺が物を言う前にBがキレた。
殴りかかったと一瞬勘違いする程の剣幕で被写体の彼の胸ぐらを掴み上げ、無理矢理立ち上がらせる。
「ガキかお前は! 自分でやった事だろうが!」
耳が痛くなるくらいの大渇。Bは突き放すように被写体の彼の胸ぐらから手を外すと大股で部屋を出ていく。
被写体の彼は大声を挙げて泣き始める。俺は何かを言おうとしたが、
「なんで俺が」
という嗚咽混じりの言葉を聞いて、諦めた。彼に言う言葉は、何も無い。
もう立ち去ろうと踵を返した俺は、部屋を出る前にもう一度だけそれに目を遣る。
左耳から、かりかり、と二度音がした。

422 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/25(月) 13:20:21 ID:nN00/r9EO
数日後のジム上がりにBが小さな声であの事に触れた。触れたと言っても、一言だけだが。
それまでは俺達の間で、あの事に関する話は全く出なかった。
「すいませんでした」
あの話について、Bが言った言葉はこれが最後だった。
「気にすんな」
俺はそう言って、コーラを飲んだ。ビールが飲みたいな、と思った。
 
被写体の彼がどうなったかは、あれから数年経った今でも知らない。

423 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/25(月) 13:41:26 ID:nN00/r9EO
書き忘れてたw

 写真T、了。

 
短くまとめるつもりが結局この長さに……なぜだ

424 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 13:43:39 ID:oWLx7Vg/0
>>423
おつー
読ませるための描写その他が長さに直結?
まぁ短くまとめすぎるのも味気ないので個人的にはバランスよいかなと

425 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 13:47:05 ID:3cLcoEBh0
乙、今回も面白かったよ

俺さんの話は大抵当事者のその後の結末は分からないままなんだね
考えて見れば呪われたり取り憑かれたりした人物のその後を追っかけるなんて
気が滅入る事したくないもんなぁ


426 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 16:48:27 ID:PfLRoEhY0
>>423
おっつんです。
因果応報ってのもこういう形で表れると怖いね。

427 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 17:36:11 ID:jCwDCOS4O
>>423
もったいぶった言い回しを多用するから長くなるんじゃないか?

428 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 21:07:06 ID:TKAIK0Px0
>>423
>短くまとめるつもりが結局この長さに……なぜだ

ハードボイルド調で書いたらどうだ?
いわゆる、乾いた文体と言うやつ。

429 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 21:35:30 ID:6mJcdFWW0
今考えるとあいつ、かなり切羽詰ってる感じだったな……。
 そこまで特別に妹との仲が良かったわけじゃないと記憶してるが、やはり肉親がストーカー被害とかでいなくなれば落ち込むものか。
 メリーさん……。


430 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 21:36:32 ID:6mJcdFWW0
 都市伝説とあいつの妹の蒸発……一体どういう関係があるのだろうか。中途半端に聞かされただけだとどうにも歯がゆい。
 人形…電話…あなたの後ろに……
「!!」


431 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 21:37:51 ID:6mJcdFWW0
 背筋が急に薄ら寒くなり、慌てて後ろを振り返る。
 ……もちろん何もいるわけはない。街灯で等間隔に照らされた暗い夜道が続くだけだ。
 やはり大人になっても作り話だと理解していても、何か得体の知れない存在がいるかもしれないと思ってしまうのは人間の性なのか。
 バカバカしい。明日も仕事だ。早く帰って寝、
 ──急に携帯の着信音が鳴り響く。


432 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 21:39:07 ID:6mJcdFWW0
 タイミングがタイミングだけに心臓が口から飛び出しそうなほどに跳び上がり、激しい動悸に襲われながら犬のように息をする。
 震える手で携帯のディスプレイを見れば、なんてことはない、あいつからの電話だった。
 マジで死ぬかと思ったじゃねえか……。何か言い忘れたことでもあったのだろうか、とりあえず文句を言わなければと通話ボタンを押す。


433 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 21:56:05 ID:IEqqSRNK0
>>423
推敲に推敲を重ねるんじゃああああああああああああああああああああ!!!!

434 :1/4:2010/10/25(月) 22:06:27 ID:FPmbdacs0
皆さんの投稿を見ていると私も何か色々と書いてみたくなったので便乗して……。
初投稿ですがヨロシクお願いします。

『かまいたち』


私が以前住んでいた地元に仲の良かったお婆さんがいました。
田舎だったので近所同士の付き合いが深く、そのお婆さんの家も近所だったので、
よく私も犬の散歩の途中や、出掛けた帰りに彼女の家に立ち寄らせてもらい、
二人暮らしだという娘さん(50歳前後?)に厚かましくもお茶菓子等を出してもらっては
それをいただきながら色んな話を聞かせてもらいました。

そのお婆さんというのが怖いもの好きというか好奇心旺盛で、
白髪で細身ですが背筋はいつもしゃんと伸ばして、凛とした佇まいが印象的でした。
また性格もしっかりしていますが優しく、若々しい赤フレームのメガネが似合うお洒落さんでもありました。
(今思うとサマーウォーズのお婆さんがそっくりです)

ただ、
どういう理由か聞けないままですが、彼女には両腕が無く、
ビシリと着こなした和服もその袖だけは、いつも彼女の両肩からだらりとぶら下がっていました。
生まれつきでは無い、らしい、とだけ私の母が何故か知っていましたが……。

ちなみにさっきから過去形で書いてますが、まだ御存命(のハズ)です。引っ越してから全然連絡とっていないんです。

435 :2/4:2010/10/25(月) 22:07:14 ID:FPmbdacs0
さて本題なのですが、
そのお婆さんとは別にもう一人、よく顔を知ったご老人が近所にいました。
たぶんお婆さんと同い年くらいのおじいちゃんで、いつも玄関先で椅子に座って、ラジオを聞きながら日向ぼっこをしていました。

そのおじいちゃんというのが、歩いている姿を見かけるのがかなりレアで、
たまに見かけても杖を突いてプルプルしながら歩くので、見ていて不安で仕方ありませんでした。
足が悪いのだろうかと思い、ある日お婆さんに、それとなくそのおじいちゃんのことを聞いた時、
実は結構仲が良いらしいお婆さんはそのおじいちゃんの足について教えてくれました。

「あぁ、○○のおじいさんねぇ……」
と言ってお婆さんは少し迷うような表情を見せたあと、
「『かまいたち』って、知ってる?」
と、逆に私に質問を返して来ました。
このスレにいるような皆さんだと知らない人は少ないでしょう。知らない人もググればすぐわかるかと思います。
(念のために説明すると、屋外にいる時に何も無いのに突然身体の一部に切り傷が出来る現象で、
それがそういう名前の妖怪の仕業とも、そういう名前の風の仕業とも言われているのです。
地方によっては違うこともあるかもしれませんが、おおかたこのような感じで合っていると思います)

で、その『かまいたち』ですが……。
恐らくその構造はとても単純なもので、道に飛び出した植物の枝葉等に気付かぬ間にかすって切れてしまい、
それがしばらく歩いた後、何も無い場所でひりひりと痛みはじめ、そこで初めて傷に気が付くため、そんな噂ができた……。
と、きっとそういうものでしょう。

私はお婆さんの質問に頷いた後、でもあれって、と言って同じようなことをお婆さんに話したと思います。
しかしお婆さんは私の話をしっかり聞き終えて、それから言うのです。
「う〜ん。……いや、『かまいたち』は本当にいるのかも知れない」

436 :3/4:2010/10/25(月) 22:08:09 ID:FPmbdacs0
私は首をかしげましたが、お婆さんは続けました。
「あのおじいちゃんはねぇ、『かまいたちに』やられたんだよ」

曰く、昔そのおじいちゃんが道を歩いていた時、突然足に力が入らなくなったかと思うと、そのまま倒れてしまい、
見ると右足の膝下(すねの部分)の前半分が、まるで刃物に切られたように半月型に削り取られていたというのです。
おじいちゃんはその瞬間ようやく激痛に気付いたらしく、声にならない声で絶叫し、
自分の身体の下に広がる血だまりと、近くに転がる切り取られた半月のすねを見てただうろたえるしかなかったというのです。

私はその話を聞いて絶句しました。
今でもあのおじいちゃんの右すねの前半分は、まるで食べ終えたスイカの皮のように半月型に欠落しているというのです。
そういえば夏場でも長ズボンを履いてたような……、
そしてあの長ズボンの下の足を一度も見たことがないことも思い出します。

しかしそんなことが本当にあるのでしょうか。枝葉では説明が付かない『かまいたち』。
でもお婆さんは人を楽しませるのは好きですが、そのために嘘くような人ではなく、
まして他人に関することで嘘を交え、それを第三者に娯楽として提供するようなことはしない人です。
その時の私も、お婆さんが嘘を言っているようには思えませんでした。
そして同時に思ったのです。
「(はは〜ん、もしやお婆さんがそのおじいちゃんにからかわれているのでは?w)」

437 :4/4:2010/10/25(月) 22:09:03 ID:FPmbdacs0
お婆さんの語り口調からして、
彼女は実際に、少なくともそのおじいちゃんの現在の傷跡は見たことがあるような口ぶりに感じました。
なので、おじいちゃんが別の理由で出来た大けがを、自虐的にお婆さんをからかう材料に利用したのではないか……
と思ってお婆さんに尋ねます。
「おじいちゃんが昔何の仕事をしてたか知りませんが、もしかして機械か何かで誤ってしてしまった大けがを
後になって『かまいたち』ってことにしてお婆さんをからかった……ってことはありませんか?」
するとお婆さんは「や〜ね〜w」と笑いながら、
「あのおじいちゃんは人をからかうような人じゃないわよw」
と言うのです。そしてすぐに今度は、
「それにね」
という言葉。
あ、まさか……とその接続詞の続きを思わず先読みします。
そして先読みの通りでした。
「それにね、それが起きた時、私一緒にいたの。他にもたくさん一緒にいたの……」
私の背筋にゾクゾクと嫌な感覚が走りました。見てたのか、そうか……。
「皆見てるの。覚えてるの。あの日おじいちゃんのすねが、何もないのに突然切り取られた瞬間を……」
足に力が入らなくなってとか、うろたえるしかなかったとか、そういうおじいちゃん視点の話は、
後からお婆さんがおじいちゃんに聞いた、当時の感想らしいのです。
先に聞いた話がおじいちゃん視点だったから、私はてっきり全部お婆さんがおじいちゃんから聞いた話かと思っていたのです。

私は、今ではのんびりと暮らしているおじいちゃんの能天気な顔を思い出し、何とも言えない気持ちになりました。
そしてお婆さんはそんな私の様子を伺った後、
伏し目がちに畳の何処かを眺めながら、ゆっくり呟いたのでした。
「……『かまいたち』は本当にいるのかも知れない」

438 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:15:33 ID:6mJcdFWW0
「もしもし。どうし」
「私メリーさん」
 時間が一瞬止まった気がした。声が出ない。


439 :1/5:2010/10/25(月) 22:35:58 ID:FPmbdacs0
シリーズであることを主張するためにもう一話

『列車事故の夢』


これも同じお婆さんから聞いた話です。

ある日、お婆さんの家にお邪魔した時、何となくいつもよりご機嫌な感じがしました。
二人暮らしだという50歳前後の娘さんがお茶を入れてくれた時も、
お婆さんはお茶を入れている娘さんの方に歩いて言っては、娘さんと「いいからいいから」とか何とか話していたかと思うと。
いったいどうやって持っているのか、お茶を乗せたお盆を器用に持って、ニコニコしながら私のもとまで運んでくれたのです。
思わず手助けしようと立ち上がりかけましたが、その時も「いいからいいから」と言っていました。

その晴れやかな様子にいつのまにか私も気分が優れ、何となく柔らかい感じでお婆さんに言いました。
「お婆ちゃん、今日はなんだかご機嫌ですね! 何かいいことあったんですか?」
するとお婆さんは「ん〜?w」とまたニコニコしながら一度返事をし、それから言うのです。
「昨日の夜はねぇ、嫌な夢を見なかったのっ」
嫌な夢を見なかっただけでこんなご機嫌なんて、いつもどんな夢見てるんだ!? と思っていると、
お婆さんの方から、まだ話したこと無かったわねぇ、と言いながら、いつも見る奇妙な夢の話を教えてくれました。

440 :2/5:2010/10/25(月) 22:37:18 ID:FPmbdacs0
お婆さんは昔から、それはもう何十年も前から、ほぼ毎晩『列車事故の夢』を見るのだそう。
それも決まって死亡事故であり、夢の中で事故に遭う人が実在する知り合いの時もあれば、知らない人の時もあるというのです。
また何となく、いつも夢の中の自分は自分(そのお婆さん自身)ではないような気がするとも……。
そして夢の中の「私」(=お婆さん)はいつもその瞬間をハッキリと目撃するのです。

ある時は「私」が列車の先頭車両から前方を眺めていると、知り合いが線路上に立っていてそのまま轢かれてしまう夢。
またある時は「私」は列車の外におり、目の前で知らない誰かが木端微塵になる夢。

そのどれもがあまりにリアルであり、赤い血潮やぐちゃぐちゃの人体も、夢だと言うのにモロに描写されているというのです。
そしてそれを何十年もの間、ほぼ毎日見ている……。
……だからこういう、そんな夢を見なかった次の日は、いつも機嫌がいいの。
そんなの中々無いことだから。
お婆さんはそんな話を、とても穏やかに微笑みながら私に話すのです。
「せっかくご機嫌良かったのに、変な話を聞き出そうとしてスミマセン……」
畏まると、お婆さんは「むしろ聞いてくれる?」と言って私を見つめます。
私はまぁ何だかんだ言って話の内容自体には非常に興味を持ったので、お婆さん問いに了承し、続きを聞きました。

441 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:38:20 ID:6mJcdFWW0
「今、北江公園の前にいるの」
「……お……お、おお、おいおいおい……ははっ、げ、げ、幻滅だぞ。このタイミングでそんな冗談……」
「今、あなたの方に向かって全速力で走ってるの」
「言……い……、…………」


442 :3/5:2010/10/25(月) 22:38:29 ID:FPmbdacs0
それでね、と付け加えられた続き。

「私」は夢の中で何人もの事故死した人々を見てきました。
時には複数人が一度に轢かれて亡くなることもあったし、列車自体が脱線やらで、乗客のほうが犠牲になることもあったそうです。
そして「私」は必ず、それらを助けることが出来ないのです。
ホームに落ちた人に、現実の「私」には無い手を差し伸べたことも何度もあったそうですが、それでも列車の到達には間に合わず、
そういった人々も皆あっと言う間に、「私」の目前で肉塊に変わって行った……。
あまりに近くで見た時は、夢のはずがニオイまで感じることもあるというのです。

お婆さんの話を聞きながら、私は適当なタイミングでお茶に手を伸ばしては、
「いつもそんな夢を」とか「大変ですねぇ」とか、そんなような相槌を打っていたように思います。
しかしお婆さんの話がまた一区切りついた時の「つらいですよねぇ」という私の相槌に、
彼女は首を横に振ったのでした。
「列車事故で誰かが轢かれて亡くなっても、所詮は夢の中の出来事なのよ。私が本当につらいのは」

お婆さんの言うそれは『列車事故の夢』を見ない日と同じくらいに、あまり多く見ない、稀な夢。
だけどそれは、『列車事故の夢』の一種で、『列車事故の夢』の別パターン……。
お婆さんはその夢こそ本当につらく、本当に怖いのだそうです。

443 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:38:58 ID:6mJcdFWW0
もう、本当に言葉が出ない。さぁーっと体温が下がっていくのが分かる。手が汗でヌルヌルする。背中が冷や汗で気持ち悪い。
 そういえば……北江公園って……この近く。そう──さっき数分前に前を通ったばかりの……。
 待て、待て待て待て待て。さっきこいつなんて言った!?

 今、あなたの方に向かって全速力で走ってるの──。



444 :4/5:2010/10/25(月) 22:39:21 ID:FPmbdacs0
それはね、と付け加えられた続き。

それは、夢の中で「私」の目の前で列車事故が起き、そして誰かが轢かれそうになった時に、
轢かれそうになったその誰かが、間一髪で、助かってしまう夢……。

そんな夢を見た日には、お婆さんは気が気ではなくなってしまうのです。
何せ、夢の中で助かってしまうと、ほぼ例外なく、近く現実で列車による死亡事故が報道されるから……。

それが夢の中で助かった人と同一人物ということは無いし、事故の大小も夢と現実で対応しているわけでもない。
ただ夢の中で人が助かってしまうと、早ければ翌日にも現実で死亡事故が起きるというのです。
本当に「まさか」と自分でも思う程の確率で……。
そしてそれは日本国内における事故のみに当てはまり、また、人が死なない事故の前には助かる夢は見ない。あくまで死亡事故のみ。
私でも知っているような有名な列車事故を思い浮かべ、「じゃああの事故の前も?」「あの事故の前も?」と尋ねていくと、
ことごとくお婆さんはぐっと口を結んだまま真剣に頷くのです。

お婆さんはその日初めて見せた暗い表情で言いました。
「私の見ている『列車事故の夢』はきっと、現実で誰かが列車事故で亡くなってしまう身代わりなのかもしれないねぇ」
いつもは夢の中で誰かが代わりに死んでくれるから、現実では人が死なずに済む……とでもいうのでしょうか。
そしてそれは一種の予知夢と呼ばれるものとは、少し違う印象に私には受け止められました。
お婆さんが自分で言うように、もし『列車事故の夢』が現実の事故の代わりに起きているとしたら、
それは彼女が現実での犠牲者(になるはずだった人たち)を助けていることになるのでしょうが、私は「逆だ」と思ったのです。

お婆さんの夢の中で誰かが助かってしまったから、身代わりに現実で誰かが連れて行かれてしまう……、の、では? と。
自分のその考えに、寒気を感じて何となく身体を縮めます。

445 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:39:35 ID:6mJcdFWW0
ふと携帯を見ると着信が一見有った
確認をしてみると実に妙な事が書いてある。
『件名 私メリーさん』
『内容 このメールを見て振り向いたときアナタは―――』

『死ぬ』



446 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:40:09 ID:6mJcdFWW0
振り向いたら、死ぬ。実に奇妙な話だ。
私は横目で周囲の様子を確認した。
(……紫鏡には何も写ってはいない)
人面犬も変わった様子はない。鼻には特に異常を感じてはないようだ。


447 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:40:38 ID:6mJcdFWW0
(やはり、イタズラか……)
そう自嘲すると、私は連れのカシマさんに声をかけようと後ろを向いた。
振り向いた私の目に、とても奇妙な光景が見えた。
少女が笑っていた。それも、顔だけで。


448 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:41:26 ID:6mJcdFWW0
金髪の、年端もいかない少女の顔が虚空に浮かび、こちらを見て笑っていた。
いや、顔だけではなかった。
首から、肩、手や胴体がうっすらと浮かび上がってくる。


449 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:42:21 ID:6mJcdFWW0
(な、なんだコイツは? さっきは、確かに! 何もいなかった筈!)
私は反射的にカシマと人面犬を突き飛ばした。
「カシマ! 人面犬! あぶない!」



450 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:45:48 ID:6mJcdFWW0
ガォン!!!

「な、なんだ!クチサケ! どうした!?」
「……クチサケは、粉みじんになって死んだ」



451 :5/5 規制ウザッ:2010/10/25(月) 22:47:55 ID:Nd1B9xf2O
投稿しすぎと言われた続き


妙な雰囲気になってしまい私が黙っていると、お婆さんはまたいつの間にかニコニコとした表情に戻っていて、
「聞いてくれてありがとね」と言って私に優しく微笑みかけ、またどうやって持ったのか器用にお盆を持ち、
私の呑み終えた空の湯飲みを台所へと運んでくれました。


お婆さんの見る『列車事故の夢』が、現実に影響している可能性についてですが、
今となってはもちろん、そんなこと丸々信じているわけではありません。馬鹿げているとまでは言わなくとも。

しかし彼女の性格や口ぶりから、実際に起きた事故をネタに話を「作った」ような不謹慎な印象は感じられなかったので、
彼女がいつもそういう夢を見ていることや、助かる夢の後にだけ現実で事故が起こる話に関しては、
私は今でも信じています。偶然では?……とは思いますが。


そして今これを書いている時に、何となく、ふと考えたこと……。
いまでも彼女は、はたしてそんな『列車事故の夢』を見続けているのでしょうか。
今夜も彼女は、そんな恐ろしい夢を見るのでしょうか。
そして今日の人は、夢の中で、
死ぬのか。
助かるのか。
さて。

452 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:54:54 ID:6mJcdFWW0
カシマと人面犬の前に一人の少女が立っていた。
青白い顔をした、酷薄な笑みを浮かべた、ワンピースの少女。
その手には携帯電話が握られている。
そしてその足元には、足が転がっていた。


453 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 22:59:58 ID:u1L0BLEq0
>>451
シリスレデビューおめ!2本ともいい感じでした
両腕がないお婆ちゃん(でいいのか)全然暗くないんだね
また書いてね

454 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 23:10:35 ID:6mJcdFWW0
太ももから上が綺麗に無くなっている、綺麗な両脚。
カシマにはそれが誰の脚なのか理解したが、それを受け入れる事は瞬時には出来なかった。
「お、おいクチサケ! どこにいるんだ! クチサケ!」
カシマの空しい叫びが辺りに響く。


455 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 23:17:48 ID:IEqqSRNK0
>>451
乙!
変なの対策とかできてるけど、このスレの調子は分かってるのかな?
今後ともよろしく

456 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 23:18:25 ID:DQo4BaVlO
>>453 その気持ち悪い略初めて聞いた。何か他に略しようがないのかw

>>451 乙です

457 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 23:38:17 ID:u1L0BLEq0
>>456
すまぬ
普段「シリスレ」って心ん中で言ってるもんだから
普通に「シリーズスレ」ですな

458 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 23:44:37 ID:6mJcdFWW0
人面犬が情けない声で鳴いた。
少女は彼らに納得させるように、あるいは覚悟を決めさせるかのように、
ゆっくりと、地面に転がっている脚を掴んで、持ち上げた。
そして、口の端を歪めて微笑み、彼らに告げた。


459 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 23:45:58 ID:6mJcdFWW0
「もう一度言うわ。クチサケは粉みじんになって死んだ」
「な、なに!?」
少女が脚を携帯電話の液晶に近づけると、次の瞬間、脚が画面へと吸い込まれていった。


460 :便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/10/25(月) 23:51:00 ID:FPmbdacs0
てs

461 :便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/10/25(月) 23:52:42 ID:FPmbdacs0
おぉー、これがトリとかいうものですか!
読んで下さったみなさんありがとうございます。

>>453 また数分後か、数年後か、投稿したいと思います。
>>455 実は最近少し覗く程度でしか来ていなかったので、実は現在ここがどのような状況か知りません……。
>>456 個人的にはちょっと良いなと思ったのですが>シリスレ

462 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 23:53:04 ID:6mJcdFWW0
「私の携帯は、私自身も知らないけど亜空間に通じているの。クチサケはそこに放り込まれちゃった」
少女はそう言いながらもう片方の脚を掴むと、同じ様に液晶に押し付け、消し去る。
「思い上がりは消さなければいけない。私以上に知名度がある都市伝説の輩なんて―――だから消した」


463 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/25(月) 23:58:04 ID:1wphH8Ov0
数年後・・・せめて数週間後とかでw

464 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 01:28:06 ID:SREa8rIj0
>>461
面白かった。ありがとう。
変なのは無視でおけ。
またよろしく。



465 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 06:18:07 ID:v0DOZqn80
>>418
ヒント:叩いてる奴はこぞって単発ID

466 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 07:04:21 ID:PVzNj+liO
どーせ何回も書き込んだとしても「粘着乙」じゃないか!

と、まあ、冗談はどうでもいいとして…
どんどん職人さん増えて来てるね〜
秋だけに大豊作でござる

467 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 07:12:42 ID:v+vlz+wCO
このスレで1日に何回も書き込む方がアレじゃないか

468 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 12:08:32 ID:+PjPVhmGO
>>461
乙!
凄く読みやすくて面白かった

469 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/26(火) 18:47:43 ID:6aUnUOb+O
出勤前に投稿……
 
 写真U
 
 
Bの持って来た写真の被写体の家を30分も経たずに辞した俺は、どうにも腹が減っていた。
崩れた水子を見た後でまともに物が食べられるかは疑問だったが、しかし空腹には耐え難い。されど夜からは彼女と食事する予定がある。
はてさて食うや食わざるや。悩みながら歩いている内、いつもの行き着けの食堂の前まで来た。
「巡り合わせかねえ」
そう思った。被写体の彼宅からの帰り道にここがある。運命の女神が飯を食えと言っているのだろうか。
そんな風に俺が悩んでいると、後ろから声を掛けられた。
「お、今からメシ?」
振り向けば、黒い口紅に黒いネイルに黒い日傘に黒いゴスパン服という正気の沙汰とは思えない格好の女がいた。
日傘を持っていない方の手には珍しくバッグを持っていたが、目付き鋭いその顔は言わずもがな、友人Aに他ならない。
「奇遇だなあ。私も飯だよ」
「飯ってか餃子だろ」
「まな。んじゃとっとと入るか」
こうして俺はなし崩し的に食堂に入ることとなった。
俺はこれも巡り合わせなのだろうと考え、次いで今日はミニカツ丼と半ラーメンにすることに決めた。

470 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/26(火) 18:50:40 ID:6aUnUOb+O
ミニカツ丼と半ラーメンは腹の虫を宥める事に成功した。俺は満足の嘆息を吐くと共に、あんな物を見た後でも人は飯を食えるのだなと人の業について考えた。
一方のAは、開くとちょっとびっくりする位に大きい口にひょいひょいと餃子を放り込んでもぐもぐと食べ、数皿目のおかわりを注文する。
Aはその間にもビールを飲むが、俺は何となく手持ち無沙汰。
そこで俺はところでさあと前置きして、Bからもたらされた写真の話の顛末を話すことにした。
Aはふんふんと頷きなら餃子のおかわりを平らげ、最後にジョッキを開けて息を吐いた。
「大分わかるようになってきたな」
「お陰様でな」
Aのコメントはそれだけだった。それは即ち、俺の今回の働きと推測は概ね間違ってはいないということを意味していた。
オカルタ(Aの好んで使う単語。隠されたものの意であるらしい)への並々ならぬ見識を誇る彼女に認められたと思うと嬉しくはあるが、しかし何だか癪でもある。
敵わないとは知ってはいるが、しかし彼女は俺の年下でもある訳で、何とも微妙な気分である。
「しっかし、巡り合わせかねえ?」
Aは演技ったらしくふむと小さく唸り、相変わらずどこに焦点を置いているか分からない眼で俺を見た。
黒い口紅を塗った口許はニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべており、俺は憮然とすると同時に上等だいう気分になる。
「何がよ」
「いや、私もちょっと心霊写真を実家から持って来ててな。しかも、Bがお前に見せたのと同じ系統の。
 ああ、同じ系統っても桁は違う。怖いぞ? 見るか? 見たいよなあ?」
くふふ、などと笑い声を挙げながら、Bは黒いバッグの中に手を突っ込んでアルバムを取り出す。
俺はお前が見せたいんだろ? と言いたくなったがグッと堪え、Aの写真を待つことにした。
やがて彼女はこれだこれだと言って、しきりにニヤケた笑みを見せながら、俺に一枚の写真を手渡した。
「……ぁ?」
何だ、これは。


471 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/26(火) 18:52:45 ID:6aUnUOb+O
修学旅行か何かの集合写真だ。学生服を着た少年が楽しそうに笑ってこちらを見ている。
無邪気な笑みは本当に楽しげだ。集合写真なのだ、もしかしたら直前まで友達と何かの冗談でも飛ばしていたのかもしれない。
しかし、少年は一人だけだ。
集合写真特有のアングルとでも良いのだろうか。全員が横何列かに並んで、前を向くという状態。
俺にはこの写真の元々の状態が容易に想像できた。なぜなら、彼だけが切り取られたみたいに一人ぽつんと、本当にぽつんと立っていたから。
「なんだ、これ……」
「凄いだろ?」
凄まじい。映っているものよりも消えているものの方が多い心霊写真なんて、今まで見た事が無かった。
俺は写真を矯めつ眇めつする。一体彼らには何が起こったのだろうと考える。
集合写真に映っていない全ての人はその事故で死に、そして彼だけが事故から生き延びる。
もしくは、どこかは分からないがこの写真を撮った場所はいわゆる良くない場所で、写真に唯一映った彼だけが難を逃れたか。
そんな安易な想像を口にすると、
「違うんだなぁ」
案の定ニヤニヤ笑いで否定された。


472 :◆cLBpi8LhvQ :2010/10/26(火) 18:53:41 ID:6aUnUOb+O
「どちら側かが重要なんだ」
Aはそう言って両手の人差し指を交わし、×の字を作る。
「どちら側か。つまりは霊の側か人の側か。体が消えた写真という心霊写真としての一つの項目の中にも、二つの小項目がある訳だ。
 それが、霊か人か」
腹と腹を擦り合わせていたAの人差し指はぐにゃりと曲がり、フックのような形となって絡み合う。
「霊が映って見えなくなるのか、それとも人が消えて見えなくなるのか。どちらの視点になるかで変わる。
 お前、映ってない方に何かが起きたと考えたろ? ……違うんだなあ。何かが起きたのは映っているやつの方だ」
Aは俺の手からひらりと写真を奪い取った。
「これは霊がどうこうしたものじゃない。これは一人だけ写真に映った彼が示したヴィジョンだ。
 自分以外が存在しない。解釈は二通り。自分以外が自分の前から消えるか、それとも」
Aは黙って俺を見た。相変わらず焦点の合わない、ぼうっとしたような瞳。
「……どちらにしろ、意味するものは同じだ。一人になる。友達に会えなくなる」
それはつまり、写真に映った彼の死を意味している。Aは写真に視線を落とし、ややあってぽつりと言った。
「霊感が強かったんだろうな」
私たちみたいにさ。
俺は何も言えず、黙り込んだ。
 
 
 写真U、了。

473 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 19:49:33 ID:G4DDdAYg0
「私の携帯は、私自身も知らないけど亜空間に通じているの。クチサケはそこに放り込まれちゃった」
少女はそう言いながらもう片方の脚を掴むと、同じ様に液晶に押し付け、消し去る。
「思い上がりは消さなければいけない。私以上に知名度がある都市伝説の輩なんて―――だから消した」


474 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 19:51:19 ID:G4DDdAYg0
一歩、また一歩と、少女はカシマと人面犬の元へゆっくりと歩を進めていく。
「一人一人、確実に確実に、このメリーさんの携帯亜空間にばら撒いてやる」




475 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 19:53:38 ID:G4DDdAYg0
「私メリーさん。いま貴方の後ろにいるの」
 しかし、男は振り向こうという素振りを見せない。
「ふっ、残像だ」
 男の背中が霧の様にかき消える。迂闊だった。まさか補足に失敗するなんて。
「けど、俺のバックを一瞬でもとるなんてやるじゃないか」


476 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 19:55:40 ID:G4DDdAYg0
 今度は後ろから声がする。これではまるでさっきと立場が逆。ぎりと思わず唇を噛んだ。
「そう。でも……」
 私はメリーさん!! 例えこの男が私の死であっても最後まで諦めない。
「はっ」
「なかなかの速さだ。なかなかいいメリーさんだな」


477 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 19:57:54 ID:iuBlTKPCP
登場人物の発言内容とか容姿、服装、行動、その他諸々に全くリアリティが感じられないってのは
オカルト読み物として致命的だとオモ

478 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 20:14:30 ID:G4DDdAYg0
 男は軽口を叩きながらも私の動きを捉えていた様だった。
「性懲りもなくまたバックかい?」
「くっ」
 男の腕がぐいと伸びた様に感じる。私の腕と胸倉を掴み、ひょいと身体を反転させて投げ飛ばす。――背負い投げだ。
「げほげほ」


479 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 20:49:54 ID:z3tQPik2O
>>477
素人の創作だもの、少し位は大目に見てあげて…

480 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 21:48:25 ID:G4DDdAYg0
「失礼。まぁ、ストーカーもどきはやめろよ。次、悪さしたら――」
「祓う気……?」
 男はぽりぽりと頭をかきながらぼやく。
「俺だって好きでやってる訳じゃないさ。なんていうかその家柄ってゆーか」
「そう流石ね。寺生まれのT……」



481 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 22:09:01 ID:G4DDdAYg0
 バイクにまたがり、去って行く大きな背中。私はその背中に手をあてそっと寄り添いたい――。
 なんて、そんな願望が私の中でいっぱいになってゆくのを感じた。



482 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 22:20:18 ID:7Jrpp/wp0
>>472
難しくて意味が分からなかった・・・
何事もないといいけど

483 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 22:27:35 ID:G4DDdAYg0
「…・・・を、つく……な」
「あらら、なに?」
可愛らしくメリーは微笑む。
その表情に反して、カシマは叫んだ。


484 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/26(火) 22:33:21 ID:G4DDdAYg0
「クチサケが死んだなどと……嘘をつくなーーーーーっ!!!!」
激昂してメリーに近づき、両脚をひきちぎろうと腕を伸ばす。
「無駄無駄無駄無駄」
メリーは携帯を開くと、そこに自分の指を近づける。


485 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 00:11:41 ID:TPT2XmN40
液晶に指が触れるとそこから画面へと吸い込まれ、身体が消えていく
メリーの身体が消えると携帯が折りたたみ、たたまれた瞬間携帯も消えうせる。
カシマの双腕は虚空を掴んだだけだった。


486 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 00:12:31 ID:TPT2XmN40
「ちっくしょーーーーっっっ!!!」
腹立ち紛れに地面へ一撃をあたえると、人面犬に目をむける。
「人面犬! アタシの背後に回れ!アタシは前方を見る!」



487 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 00:16:18 ID:TPT2XmN40
(メリー!お前がどこにいるかは知らないが、これだけは言える!)
荒い息を吐きながら、カシマは全神経を周りに集中させる。
(次にお前がその姿を現したとき、アタシは……プッツンするだろうという事だぜ!)



488 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 01:25:24 ID:C8B65gun0
>>472
乙。

>>482
修学旅行か何かで撮ったと思われる集合写真、であった筈のもの。
クラスメイト全員が写っているはずの写真にただ一人の少年だけが不自然にポツンと立っている。
俺さんはてっきり消えてしまったクラスメイトたちに何かが起きたと思った。
がAさんは、その少年が自分の未来(自分だけが先に死ぬ)を予見したヴィジョンなのだと言った。
という話、だと思う。
周りが死んで独りぼっちになる、自分が死んで一人ぼっちになる、
少年自身からすれば独りぼっちになると言うことに違いはないが、
見方を変えれば違う原因が見えてくる、ってことだろう。
つまり、結論から言うなら一人だけ写真に写ってた少年が死んでしまったってことだ。

489 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 03:10:02 ID:X8oX3c6EO
>>472
中途半端な「俺は分かってるんだぞ」風の文体が直れば内容を伝えやすくなるのに

490 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 03:25:51 ID:y16xzq+E0
テクニックとしてのウニをやろうとしてるからうざい。
似せない方がはるかに面白いのに。
似せないと書けないものかね。

491 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 04:37:51 ID:BLkdMy6p0
書き手は俺らの為に書いてるんじゃなく
自分が書きたいものを書いてるだけだしなぁ。
要望なんぞ言ってもあまり意味ないと思う。

492 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 04:57:16 ID:Vr3DMKDN0
>>488
なるほど
「霊がどうこうしたものじゃない」=心霊写真じゃなくて
「霊感が強かった」彼の為さしめた、未来予知の写真だったってことか
そんでもって結末はもう出てたのか。。

493 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 09:11:21 ID:uKM4UM4XO
文句言われてまでネタ提供してくれるお人好し乙

494 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 14:48:00 ID:2VTsTf540
延々文句言いつつこのスレから離れられない奇特な人乙

495 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 19:04:40 ID:T5r84+xt0
いやあ、それほどでも(´-`)

496 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 23:47:47 ID:TPT2XmN40
メリーが姿を消してから、三秒、五秒と、カシマにとって長い時間が過ぎてゆき
十秒に達した時、カシマの肩先に何かが触れた。
(……埃?)
見上げると、空中高くにメリーが出現していた。


497 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/27(水) 23:50:21 ID:TPT2XmN40
その姿を視界に入れたとき、カシマは「プッツン」した。
「メリーーーーーーー!!!」
カシマの叫びを受け流し、メリーは薄ら笑いを浮かべ携帯を開いた。
車体が写っている待ち受け画像。


498 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 00:05:27 ID:TPT2XmN40
いや、待ち受け画像ではなかった。
携帯の画像から、車の一部分が外へと現われ始める。
「入る事が出来るのならば出す事も可能! それは私以外にも例外無し!」
カシマの頭上に、質量を持った巨大な物体が出現する。


499 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 00:23:51 ID:bmZ2zpdG0
「ロードローラーだっ!」
「オラオラオラオラ!!!」
カシマは両腕を振り回し、機械の部品を引きちぎっては投げ捨てる。
「もう遅い!脱出不可能よ!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
MERYYYYYY! ブッ潰れよーーーーっっ!!!」


500 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 00:29:17 ID:bmZ2zpdG0
ロードローラーがカシマの姿を覆い隠し、そして―――地面に着地した。
埃が巻き上がった後、静寂が辺りを支配した。
その静寂を打ち消すかのようにメリーは哄笑した。
そしてロードローラーから地面へと降り、死体を確認しようとする。
「都市伝説の輩は妖怪だから……死んだ振りをしてるかもしれないわ」


501 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 00:29:37 ID:bmZ2zpdG0
ロードローラーの真下へと顔をむけると、そこには確かに
血まみれのカシマの顔があった。
「アハハ、これで都市伝説ヒロインは私一人……以前、変わりなく!」




502 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 01:13:57 ID:4MWsaoH4O
携帯で見てもアボーンできないの?
教えて!誰か!

503 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 05:58:15 ID:9OzbixjQO
>>502
W2chとかの携帯専ブラ(?)入れるといいよ

504 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 07:19:13 ID:aNjoeuINO
>>503
ドコモFOMA専用なのな

505 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 10:31:40 ID:9OzbixjQO
>>504
他機種はよく知らなくての…
家電製品→携帯コンテンツ板で探せば色々あるかもねぇ

スレチなのでこれで失礼

506 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 11:26:08 ID:aZPUFK8Z0
『依然』だな。

それなりにウケが取れそうなアホっぽさがあるのに、ここでやってるのが勿体無いな。
創作やら同人系の板やスレに行けば良いのに。

507 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 12:37:01 ID:ArtjHNeT0
ここに落としたネタは二度と使えないと思った方がいいのにな。
本格的に創作やりたくなった時にきっと後悔するよ。
ネタと才能の浪費だよ。

508 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 15:56:17 ID:DST7DzSR0
誘導

政治@2ch掲示板
http://namidame.2ch.net/seiji/

政治思想@2ch掲示板
http://toki.2ch.net/sisou/

議員・選挙@2ch掲示板
http://kamome.2ch.net/giin/

実況せんかいゴルァ!@実況ch
http://hayabusa.2ch.net/endless/

オカルト板では類似スレの乱立、板違いの政治スレのスレ立て、実況スレは禁止されています。
速やかに相応しい板に移動願います。

509 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/28(木) 16:28:08 ID:KQVv5/u50
ロードローラの前で笑うメリーの肩を誰かが叩いた。
「え?」
振り向くメリーの片足に、灼熱の痛みが走る。
「あぐぁっ!」
その痛みに、たまらずメリーは倒れた。


510 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 05:08:50 ID:h6bf5s7z0
>>470
>ミニカツ丼と半ラーメンは腹の虫を宥める事に成功した

これ思い出した↓
http://mousouteki.blog53.fc2.com/blog-entry-4230.html

511 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 10:01:26 ID:jFjNeuk80
俺シリーズのAの容姿ってどんなん?
黒い口紅が似合う格好ってゴスロリしか思い浮かばんw

512 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 10:31:05 ID:v0oS9EbH0
NANAやった中島美嘉に脳内変換して読んでる。

513 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 10:35:39 ID:VBpq/ej7O
口調とファッションで土屋アンナ

514 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 10:43:07 ID:BthYT7Tr0
まちゃまちゃのイメージ持ってた

515 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 10:43:20 ID:2jD54X8L0
金髪ミディアムのベアトリーチェだと思ってる

516 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 12:33:05 ID:HXOd2mi00
>>512
同じく。Bは石原さとみ
旧Bはゲームのアサシンクリードのアサシン

517 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 14:29:05 ID:eeC6pA3P0
不必要な状況描写が多すぎるんだよな

518 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 15:32:16 ID:F5ga8r7I0
その痛みに、たまらずメリーは倒れた。
「あたしカシマさん。いま、あなたの後ろにいるの」
メリーの後ろには、カシマが立っていた。
そして、その手にはメリーの片足が握られている。


519 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 15:50:26 ID:F5ga8r7I0
メリーが振り向いた瞬間に、カシマが脚を引きちぎったのだった。
「う、嘘だ!」
メリーはロードローラの方へと目をむける。
そこには確かに、下敷きになったカシマの顔があった。


520 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 16:07:21 ID:F5ga8r7I0
「人面犬の顔をアタシに変えて身代わりにした……潰される寸前でな。
そしてやれやれ……間に合ったぜ」
興味なさそうに脚を投げ捨て、カシマはメリーを見下ろす。
「その携帯から今度はどうする気だ? また携帯を開いて逃げる気か?


521 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 16:19:55 ID:F5ga8r7I0
……やってみな、アンタが携帯を開いた時が合図だ。どっちが早いか―――
勝負といこうじゃないか」
悠然と両腕をのばし、カシマは構えた。
メリーはうずくまりながら舌打ちする。
(コ、コケにしやがって……ビッチ!)


522 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 16:27:59 ID:F5ga8r7I0
メリーは怒りと痛みで顔を歪ませたが、やがてその顔は笑みへと変わった。
(だが、ここにきて……やはり貴女は甘ちゃんだわ。
『あと味のよくないものを残す』とか『人生に悔いを残さない』だとか…
便所ネズミのクソにも匹敵する、そのくだらない物の考え方が命とりよ!


523 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 16:31:46 ID:F5ga8r7I0
このメリーにはそれはない…あるのはシンプルなたったひとつの思想だけ…
たったひとつ!『私メリーさん』!それだけよ…それだけが満足感よ!)
両手と片足でバランスを取り、メリーさんはフラフラと起き上がる。
(過程や……!方法なぞ………!)
呼吸を整え、カシマを見つめ返す。


524 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 16:39:20 ID:F5ga8r7I0
「どうでもよいのだァーーーーーーっ!」
メリーが叫び、次の瞬間、引きちぎられた脚から血が迸った。
迸る血が、カシマの視界を遮る。


525 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 16:42:57 ID:F5ga8r7I0
「どうだこの血の目潰しは! 勝った、死になさい!」
勝利を確信し。メリーは携帯を開こうとした。




526 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 16:49:01 ID:F5ga8r7I0
だが開こうとした手を、カシマに掴まれる。
そしてそのまま携帯ごと手首から引き千切られる。
「おせろっとーーーっっっ!!!」
訳のわからない悲鳴を上げてメリーはのけ反った。


527 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 17:44:21 ID:bH/bDMf/0
今週末こそウニさん降臨に期待

528 :宿坊1/5:2010/10/29(金) 18:55:28 ID:xzIYkIO30
初めまして。シリーズとしてまた書き込めるかわからないけど、
友人・知人の霊感持ちの話なのでこちらに書き込ませて頂きます。


「2日間宜しくお願いしまーす!」
元気な早朝の挨拶を受けて、始まった1泊2日の小旅行。
女性が3人も集まれば、騒がしいイメージがあるかもしれないけれど、このメンバーはちょっと変わっていた。
私以外の2人は霊感持ちで、中でも一番最年少の子は人のオーラやヒーリング、チャネリングなどを仕事にしているような子だった。
話は当然オカルト的な要素も含み、新幹線の中でぽつりぽつりと交わされる内容には、ちょっと不思議なものも含まれていた。
霊とは分野が違うけれど、その子曰く、「モノクロ印刷の文字が、文字によって色付きで見える人がいる」という話。
「あ」なら○色。「い」なら○色。といった具合。
そんなとりとめのない雑談をしながら、目的地へと向かった。
目的地は、国内某所。観光地のひとつとして知られている(場所の名前だけで特定されるようなところなので省略します)。
到着後、まずは昼食をとり、その後事前に予約していたお店で趣味の物を見て回ったり、体験教室を楽しんだ。
夕方になったので、本日宿泊する予定の宿坊(比較的安価な料金で宿泊できる、お寺などが運営している宿泊施設。
精進料理や座禅、読経などに参加できる所もある)へと向かった。

前置きしておくと私は幽霊やいわゆる物の怪の類いは全くといって良いほど視えない、何人かの霊能者さん曰く守護霊さまが
強いそうで、怪しいモノが近づけないらしいという話なのだが、その宿坊へ近くなるにつれて、周りの景色が暗くなっていく
印象を受けた(単に日が暮れたせいともいえない)。
何というか、質量を、重さのようなものを感じていた。
後になってわかったことだが、同行する2人もイヤな雰囲気を感じていたのだという。

529 :宿坊2/5:2010/10/29(金) 18:58:55 ID:xzIYkIO30
チェックインをして、部屋のキーを受け取り、3人でぎゅうぎゅうのエレベーターで宿泊予定の部屋に入った。
部屋の中は至って普通の和室。
でも。
そう、でも。
そういう感覚を感じたことがある人は分かると思うのだけれど、不思議なくらい落ち着かない。
他の2人も「視える」とはいわないが、妙な顔をしてキョロキョロしている。
この段階では「何となく」なので、みな気のせいと割り切って、予約してあるお店で夕食をとるため一旦部屋を後にした。
食事を終えて、部屋に戻った頃は20時を回っていただろうか。
部屋に戻る途中、宿坊にある写経をする小部屋を見学に行った時
(うっすらと般若心境を書いている写経紙を受付で販売してくれ、その用紙で心置きなく写経出来るようにとの配慮で
書道セットが置かれた小部屋があった)、小部屋の扉を開いた くだんのその子が「うっ」を小さく呻いた。
「ん〜? どしたのー?」と能天気な声で応答した連れも、覗き込んで「うわー、、、」と絶句。
私には普通の小部屋に見えるので「???」
しつこく説明を求めると、連れの方が言いたくなさそうに「色んなモノが充満してる、こんな部屋には入りたくない」とのこと。
そして、「心が落ち着くどころじゃない」と言い放つ。
扉を閉めたその子も不味いものを食べたように口をゆがめている。
そこでようやく、感覚的に感じていたことが気のせいなんかじゃあないということを、全員一致で理解した。
とはいえ、今更宿を探す訳にもいかず、私たちには最早オバケ屋敷に近くなったその部屋へ、しぶしぶと引き上げることになった。
部屋に戻り、電気をつけて、開口一番その子が「お塩ないかな。」
聞くと四隅に盛り塩をしたいらしい。
「このままじゃ安心して眠れない」という。

530 :宿坊3/5:2010/10/29(金) 19:03:14 ID:xzIYkIO30
たまたま連れがクリスタルチューナーを持っていたので、それを部屋の壁4面、床、天井に行う。
高い澄んだクリスタルの音に、ようやくホッと息をつく3人。
その子がモゴモゴ唱えながら何やら手を合わせて、部屋に結界を張ってくれた。
「とんでもないところを選んだねー」と連れが私を見る。
そう、この宿泊施設を選んだのは他ならぬ私だ。でも嫌な感じは来るまで全く感じなかった。
どうして守護霊さまセンサーが働かなかったのか?
私は霊の類いは視えないが、やばそうな人とか、本気で近づかない方が良い場所というのは「何となく」わかることが多い。
誰にでもあるような感覚だと思うが、そういう時は直感を信じるようになってきた(当然若気の至りの失敗談もある)。
ともあれ、その後はとくに神経を過敏にする必要もなく、小部屋から持ち帰った書道セットで写経をしたり、
恋バナに花を咲かせたりしながら、のんびりと過ごして就寝した。
ちなみに、小部屋へ一度書道セットを取りに行ったときが、また恐怖だった。
あの感覚をどう表現したら良いのだろう。
誰もが特に何かを「視た」という訳ではないのだが、闇が質量を持ったようなネットリとした感じ、チリチリと
うなじの毛が逆立つような、神経の感覚がゆったりと狂ってゆくような、悪酔いをしてしまうような、そんな感覚。
1人では絶対に居られない、と2人は口を揃えて言い捨て、早々にその階を後にした。

翌朝は、お寺の本堂で読経に参加できるということで、早めに起きて本堂へ向かった。
怖いという感覚も、直接何を視たという訳でもなく、朝もや煙る朝日の下では夢のようで、私は元気を取り戻していた。
朝が早いせいか、朝日が雲にさえぎられるためか、はたまた本堂の中の電気が弱いせいか、本堂は不思議なくらい薄暗い。
私たち以外にも何人かが訪れ、パイプ椅子に腰掛ける。やがて、この寺の住職という方が現れておもむろに読経が始まった。
お経を上げ始めてややも経つと、おかしな感じがしてきたので目をあげた。何だか先ほどよりも本堂の中が暗い。
暗いモヤのようなものが充満し、煙のようにゆっくりとたゆたうように移動している。
それはやがて私たちの後ろにまでやってきた。

531 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 19:05:28 ID:VFXCERMVO
>>528
メモ帳にまとめてから投下しろ。あとここ読んどけ
 
こわい話にありがちなこと
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1251157402/

532 :宿坊4/5:2010/10/29(金) 19:13:20 ID:xzIYkIO30
と、その時ふいに連れのお経を読む声のトーンが変わった。
微妙に住職の声のトーンを外れ、不協和音を奏で始めた。となりのその子は、蒼白な顔でつぶやくように唱えている。
呼吸が難しくなったような息苦しさを覚え、視界に霞がかかる。
苦しい。早くここを出たい。
頭にキーンと何かが突き抜けて行くような感覚。ネットリとした闇の感触は、昨日感じたモノと似ている。

ふいに理解が落ちてきた。
遅まきながら、ここはヤバイ。生きている人間がいるべき場所ではないと。
読経が終わり、住職が写経に書かれた氏名を読み上げお焚き上げをする旨を伝え終わるやいなや、
脱兎のごとく私たちは本堂を飛び出した。
「あー、とんでもないお寺だった!」と連れ。
「わざと住職と声のトーンを外したのよ。あれ以上集まられたらたまらない」なるほど、そういう理由で音を外してたのか。
音痴なのかと思いかけたことは頭の隅に追いやり、何となく納得していると、「早く戻ってお塩を借りよう」とその子。
宿に戻り、読経に参加していたはずの宿泊客が、葬式帰りのように入り口前で塩を所望する様子はどう映ったのか、表情に出ない女将さんから塩壺を受け取り、私達はそれぞれに頭から塩を振った。
すっかり身体が冷えた状態で宿の朝食を早めに済ませ、次の予定もあるからと逃げるようにその宿を後にした。
チェックアウトの時、女将さんに「また是非いらして下さいね」と柔らかく微笑まれて、こわばった笑顔の3人。
申し訳ないような気がしないでもなかったけれど、本当にもう二度とは行きたくない。
結局あれらは何だったのか。

533 :宿坊5/5:2010/10/29(金) 19:18:57 ID:xzIYkIO30
帰りの新幹線の中、尋ねた私に連れ曰く「とにかくすごい量の負のエネルギーの固まり。欲望とか、煩悩が凝り固まって怨霊化の一歩手前みたいな(このお寺は俗欲を満たすためにあるような、大きな朱塗りの鳥居のある神社のすぐ近くにあった)」。
と、それまで座席に身を埋め、目を閉じてイヤフォンで音楽を聴いていたその子が飛び跳ねるように身を起こし、
「今あのお寺の話をしなかった?」
私は驚きつつ、「うん、してた」と答えると、「もう止めて。考えないで」という。
不思議に思い、「どうして?」と聞くと、
その子はイヤフォンを耳に戻しながら、「話してたから来てるよ。あれが」

前置きに書かなかった事だけど、この旅行の前日から、私は声を奪われていた。
簡単にいうと、声枯れして、かすれた声を振り絞る感じだった。
警告だったのかなと今になって思う。生まれてこのかた声枯れしたのはこの前後だけだったから。

そして、この場所が選び呼び寄せたかった人間は誰だったのか、これも今となってはよくわかる。
だから、哀しい。
優れた霊感の持ち主は、どうして、現実世界との折り合いがこんなにも難しいのか。
その子と過ごした短い時間を思い、こんな肌寒い秋の夜長にはふと思う。

534 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/29(金) 21:39:55 ID:TIA3yJYi0
一年の頃。
葬列を見た。
誰かの棺を、何人もの喪服の人が運んでいる。
後ろでは親類らしきおばさんが涙を流している。
皆それぞれに沈痛な面持ちをしていた。
棺を積む霊柩車が止まっている。
俺はそっと親指を隠した。
列の中の一人、小さな男の子がこっちを見ていた。
五歳くらいの、見たことがある子だ。
お父さんが死んだのかな、と、なんとなく思った。
喪服は、日に照らされてとても暑そうに見えた。

「へぇ、どこで」
先輩はペン回しをしながら聞く。
興味があるのか無いのかわからない感じだ。
しかもペン回しは失敗している。
さっきから何度もペンを落としていた。
「あそこですよ。立体交差の所の、床屋の向かいです」
昨日、下校中に見た葬列のことを話してみた。
放課後の図書室は相変わらず利用者が少なく、いつもの眼鏡の図書委員が貸し出しカードの整理をしている。
「ふぅん」
ペン回しを続ける。
一度たりとも成功していない。
くるっ、がちゃん。
くるっ、がちゃん。
出来ないのならやらなければいいのに、と思っていると、先輩の動きが止まる。

535 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/29(金) 21:42:35 ID:TIA3yJYi0
「こういう話がある」
先輩はペンを置いて俺のほうを見る。
「葬列が歩いてくるんだ。遺影を先頭に、棺を囲んで。それを男女のペアが目撃するんだ。男の方には遺影が見えないが、女の方にははっきり見える」
俺は聞きながら、昨日の葬列を思い出していた。
遺影は、泣いていたおばさんが持っていたが、それに写っている人物までは見えなかった。
「女は言うんだ。今の遺影、私のだった。これは私のお葬式だったんだ。翌日、女は死ぬ。それから男はまた葬列を見る」
細部までは思い出せないが、男の子の視線だけははっきり覚えている。
どことなく退屈そうな、でも無表情な瞳が俺をじっと見ていた。
「その葬列の先頭は死んだ女だった。その女が遺影を持っていたんだ。その遺影には、男が写っていた」
ひとしきり語ると、先輩はまたペンを持ち、ペン回しの練習を再開した。
俺は必死に昨日の遺影を思い出そうとする。
通りすがりに見ただけだし、細部までは見ていなかった。
どうしても思い出せないでいると、先輩はくすくすと笑った。
「漫画の話だ。お前の見たのは、実際にあった葬式だろう。おかしな所は何も無い。何もな」
俺はほっと息をつく。
この人が言うと冗談に聞こえないから困る。
ありがちな怪談も、語る人間によっては恐ろしい事実に聞こえるのだ。
どうやら俺はからかわれただけらしい。
「必死に考えちゃいましたよ。遺影はあったんですけどちゃんと見て無かったんで。あんまり脅かさないでくださいよ」
先輩のくすくす笑いが止まり、唇の端をぐにっと持ち上げる笑顔になった。
細めた目の奥、瞳が深い色をしている。
嫌な予感がした。
この顔は、良くない。
「そうだなあ、見えなかったなら仕方ないな。そんな通りすがりに見ただけなのに、印象に残っていることは無いかな?俺に話している最中、他が全部あいまいなのにそこだけきっちり描写できた部分は?」

536 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/10/29(金) 21:46:17 ID:TIA3yJYi0
男の子の目が浮かぶ。
はっきりと、脳裏を埋めるように。
「まさか、印象に残っただけでしょう。ほんと、ずっと見てたんですよ、男の子が」
先輩はペンを回す。
くるっと回ったペンは、なにやら複雑に指の間を回り、手のひらに帰って来た。
どうやらとんだ高等テクを練習していたらしい。
「そこじゃない。お前は葬式を昨日の下校中に見たんだろう。なのに何て言ったか。暑そうだった。日に照らされて。昨日は、曇ってただろうが」
記憶を辿るまでもなく、確かに空は重い灰色に包まれていたのを覚えている。
だが、確かに見た。
葬式に参加している人達は、皆黒い喪服で、その喪服が日に照らされて酷く暑そうだったのを。
「一番最近、あそこであった葬式は今年の夏のことだ。確かにあったんだよ、葬式はな。ただ、お前が自転車で走っていたのは、いつだったんだろうな」
愕然としている俺を、にやつきながら見ている。
俺は、いつの葬式を見ていたのか。
俺と自転車は、どこを走ったのか。
「ああ、それとな」
先輩は思い出したように言う。
俺はもはや何かを言う元気が無かった。
「死んだのは、親父じゃない。その夏の葬式、送られたのはあそこの長男だ。お前は知らなかったみたいだが」
確か、えらく高齢になってから出産した子供がいて、その子の歳が五歳くらいだったはずだ。
昔、家の前の道路で遊んでいたのを見たように思う。
その朧な記憶は、どうやら間違いなく昨日の少年と合致しそうだった。
「いやあ、珍しい経験したなあ。時間を越えて、しかも死人に見つめられるとは。すごいなあお前」
笑う先輩を、図書委員がうるさいと叱った。

先輩と葬式 終

537 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 22:11:31 ID:zzbQIci90
>>533 表現とかも面白かった…。出来れば日付変わるまでの間にトリつけてほしいです。

538 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/29(金) 22:29:32 ID:VBpq/ej7O
>>533

539 :連レススマヌね;:2010/10/29(金) 22:31:34 ID:VBpq/ej7O
俺くんまだかな?


540 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 00:37:45 ID:ltuHpLTgO
投下した人がいるのにまたすぐに投下すんなよ……
せめて2、3レスはあけとくのがマナーだろ

541 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 02:20:03 ID:r2D8BF6a0
2時間以上も空いてるんだから問題ないだろ

542 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 02:36:35 ID:ltuHpLTgO
時間の問題じゃねーよw

543 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 02:42:35 ID:auiIT+lUO
つまり過疎化すると作品が投稿出来なくなるのか

544 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 02:49:45 ID:ltuHpLTgO
いやいやだからそういう意味じゃねーよw

545 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 02:50:56 ID:xGJuHG1j0
そんなマナー初めて聞いたわ
投下者の多いスレなんか大変だな

546 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 06:41:26 ID:rgMH1CnM0
>>540
むしろ馴れ合いやら罵倒が続くんなら、淡々と作品だけ投下される方が良いわ。
マイルール押し付けんなよ。

547 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 07:25:38 ID:U2FYsef60
>>540
でもそれなんか同意できてしまう

548 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 07:46:25 ID:6e6KersvO
前にも何人か投下間隔あけろって言われてたね
書き手の時間の都合もあるから続く時があっても仕方ないと思うけど

549 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 08:46:25 ID:YzxAofuj0
稲男が投稿してきたんで普通に嬉々として猛烈に読んだんだが

ルールとかあれか?誰かが感想文書き込まないと投稿ダメとかの類かね

550 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 08:48:06 ID:YzxAofuj0
宿坊は面白かった?

551 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 08:55:48 ID:TpxGsucc0
>>533
エンディングの

>そして、この場所が選び呼び寄せた〜

から

>現実世界との折り合いがこんなにも難しいのか。

までが意味が分からない
3人を呼べるほど強いんだから、これで済むわけないよね

552 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 10:50:49 ID:cKHDjAJoO
>>551
霊感持ちの身になにかあったと思わせるヒキってこと。
先生の次回作にご期待ください。
それくらい読み取れ。

553 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 11:57:55 ID:TpxGsucc0
>>552
なるほど

>それくらい読み取れ。

へい。。読み解くスキルが低くてさぁ。。

554 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 12:20:18 ID:v2IWgqauO
>>551
えっと、私も気になりつつよく解らなかったんだけど、
その『呼び出された誰か』はその後、強い霊感が仇となって、
何かの形で不審死を遂げた、とかじゃないのかなぁ?
いや、解んない。違ったらサーセンw

てかこの話読んでる途中で(写経の辺り)お風呂場に行ったら
ウゲエェェみたいな変な声が天井の辺りから聞こえたんだけど・・・怖い。

555 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 18:18:32 ID:BvbsmTjR0
>>536
稲男乙。
よかったよ。

556 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 20:27:28 ID:rvfPdtxC0
片足でバランスを支えきれずに、そのまま地面へとまた倒れる。
「ひるむ……!と、思うのか……これしきの……これしきの事でよォォォオオオ
あたしはよォ……この都市を……何事もなく…一人で脱出するぜ。


557 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 20:39:14 ID:rvfPdtxC0
それじゃあな……」
ゆっくりと近づくカシマに、メリーは哀願した。
私のそばに近寄らないでええーーーーーーーーーッ!」
「自分を知れ…そんなオイシイ話が……あると思うのか? おまえの様な人間に。」
冷たくカシマは言い放った。


558 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 20:47:22 ID:rvfPdtxC0
「なんてひどい野…」
「亜空間にはばら撒けないけど、消してやるよ。この世からな、
アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ―――」
カシマの手が触れる度に、メリーの身体が消え去っていく。


559 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 20:50:16 ID:rvfPdtxC0
両腕をつかい、次々と引き千切っているのだ。
細切れになっていくメリー。
すでに、悲鳴を上げる事さえ出来なかった。
「アリーヴェデルチ! 《さよならだ!》」


560 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 20:53:36 ID:rvfPdtxC0
カシマが腕を動かすのを止めると、そこにはもう誰もいなかった。
血だまりの中にひとつ、携帯電話があるだけだった。
深呼吸をしカシマは呟いく。


561 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 20:58:31 ID:rvfPdtxC0
「てめーの敗因は…たったひとつだぜ…メリー…
たったひとつの単純な答えだ…『カシマのマは悪魔の魔』」
カシマは目を瞑った。


562 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 21:08:24 ID:rvfPdtxC0
死んだ友人の為の黙祷なのか、それとも緊張の糸が解けて疲れたのか
それはわからなかったが、カシマはそのまま、ずっと立ちつくしていた。



563 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 21:25:51 ID:rvfPdtxC0
通学途中のテケテケに、一人の女性が声をかけてきた。
女性の割には大きく190以上はある。
自分とは違う長身に、テケテケは少し圧倒された。


564 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 23:16:01 ID:XL/qQ7m70
これでまた1.2レス空くまで投稿できなくなるのか

565 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 23:31:17 ID:xGJuHG1j0
変なルールだな

566 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 23:44:36 ID:dx8JHbZd0
すぐにメリーさんが来なかったからこんな事になるんだよ!
投下直後のワンクッション役どうしたのさ!

567 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 23:49:22 ID:xGJuHG1j0
あ、投下する前にそいつが直前の人に乙すればいいのか?

568 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 23:49:59 ID:rvfPdtxC0
「ひとつ尋ねたいんだけど、この町に『渡目』という姓の家を知らない?
この家をたずねてこの町にきたんだけど…」
「『渡目』? さあ〜、ちょっと知りません。町の人口が5万3千人もいますから」


569 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/30(土) 23:56:48 ID:rvfPdtxC0
女性の質問にテケテケは首を傾げた。
名前を言われただけではピンとこない。
「なるほど……それもそうね」
女性は懐から手帳を取り出し、ふたたび尋ねる。


570 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 00:04:55 ID:0Ln9NDCD0
「なら住所ではどうかしら? 『元興寺1の6』」
「ああ、その住所なら」
テケテケは向かいにあるバス停を指差した。
「元興寺ならあそこから3番のバスに乗れば行けます。

571 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 00:22:05 ID:0Ln9NDCD0
この時間タクシーはあまり来ませんよ」
「ありがとう」
そのままテケテケはバス停まで女性と一緒についていく。


572 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 00:43:28 ID:0Ln9NDCD0
バス停の噴水広場にさしかかると、数人の女性が目に入った。
一人の少女の周りを女学生が取り囲み、何やら口論をしているようだった。
「何しとんじゃッ!」


573 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 01:09:25 ID:9mUL9YV+0
>>567
なんかそれで良いような気がする
ただそれをルールにするのはなんか窮屈かもしれないけどね。「した方がいいと思ったら」ってぐらいが丁度いいかも

574 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 01:22:30 ID:+u73h2QK0
>>573
元々そういうルールがあったのならともかく新しくルール化する必要はないでしょ

575 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 02:24:22 ID:fGLnzMUTO
ルールは強制だけどマナーは人の良心だからな?な!

576 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 02:38:19 ID:9mUL9YV+0
>>574
だからルールにするのは窮屈と言ってるわけだが…
要はちょっとした気配り程度の認識で良いんじゃない?ってことを言いたかった

577 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 02:50:04 ID:+u73h2QK0
>>576
やりたい人は勝手にやればいい程度なら問題ないんだけど、いつの間にか暗黙のルールみたいになって
しないことを理由に叩く人が出てくるようになったら嫌だなと思ってね

578 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 03:48:40 ID:TbMykAAJO
わかった、メリーが来たら俺が何かレスしておこう

579 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 06:57:37 ID:ioiVyXYJ0
なんか、俺さん以外微妙過ぎ。
稲男さん好きだったけど、最近のは師匠シリーズと内容被りすぎてる。

580 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 07:32:56 ID:5o6LZT1UO
579
実話なんだからしょうがないんだってさ。

581 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 08:05:55 ID:ioiVyXYJ0
>>580
実話ねぇ…
実話なら仕方ないけどさ、なんか文章上手いし引き込まれるのに大体師匠シリーズであったなぁとか頭過るのがもったいなくてね。残念だ。

582 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 09:16:57 ID:9iORuRxR0
ここってさ、そもそも昔は単発スレ(しゃれ怖やいい話的な霊体験投稿スレ)で、何回か投稿してるうちにROM者に人気があったり一線超え始めた作者の移動先だったような気がするんだが、俺の勘違いか?

突然シリーズ物ですってココに初投稿される方が違和感があるんだが。

583 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 12:48:10 ID:0Ln9NDCD0
「何のつもりだきさまっ!」
怒鳴られる状況を理解しているのか、少女は茫洋とした顔で答えた。
右手で携帯を触っている。


584 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 13:10:24 ID:0Ln9NDCD0
「何ってその……この池のカメが冬眠からさめたみたいなんで写メでもとろうかな〜って
思ってたんです。カメってちょっと苦手なもんで、触るのもおそろしいもんで、その、
怖さ克服しようかなぁ〜と思って」
「……なこたぁ聞いてんじゃねーっ! 立てっ! ボケっ!」


585 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 13:11:01 ID:Nf5cTHPC0
>>582
一々揉める必要なんてどこにあんだよ
元からシリーズ化したいならここに投稿でいいんだよ

586 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 14:07:50 ID:0Ln9NDCD0
間延びした声に、女学生達はさらにイラついたようだった。
少女が立ち上がるとウェーブがかかった銀髪が、腰まで垂れ下がる。
よく手入れしてあるらしくさらさらと風になびく。


587 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 14:36:55 ID:0Ln9NDCD0
まるで人形がそのまま大きくなったかのような可愛らしさをみせる。
少女は女学生の胸までしか高さが無く、自然と見上げる格好になった。



588 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 14:49:47 ID:Tu99MBm80
>>582
洒落怖に何話か書いてる人をこっちに誘導するとファビョる粘着>>120がいるからねえ。
向こうでも暴れてたけど荒らしにすらスルーされてた。

589 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 14:51:21 ID:0Ln9NDCD0
「ほほ〜、ちんちくりんなやっちゃ」
「おいスッタコ、誰の許可もらってそんな格好をしてるの?
中坊のときはツッパってたんのかもしんねーが」
「うちに来たらわしらにアイサツがいるんじゃあっ!」


590 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 14:54:29 ID:0Ln9NDCD0
眼前に突き出されたカメをみて少女はたじろぐ。
「ちょ……、ちょっと、爬虫類ってやつは苦手で、こ、こわいです〜〜」
「うだら何ニヤついてんがぁーっ!」


591 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 14:59:07 ID:0Ln9NDCD0
女学生が少女の頬を張る。バス停に乾いた音がした。
「ゴメンナサイ、知りませんでした先輩!」
「知りませんでしたといって、最後にみかけたのが病院だったて奴ぁ
何人もいるぜ……てめーもこのカメのように…してやろうか、コラーッ!」


592 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 15:26:46 ID:0Ln9NDCD0
深々と頭をさげる少女に対して、女学生は持っていたカメを地面に叩きつける。
叩きつけられたカメは甲羅が割れ、苦しそうにもがいていた。
女学生は少女を睨みつけ、冷たく言い放つ。


593 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 16:47:38 ID:TbMykAAJO
次はまだかな

594 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 16:53:31 ID:0Ln9NDCD0
「ケッ! 心がけよくせーよー、今日のところはカンベンしてやる。
そのスク水とブルマも脱いで、置いておきな」
「それと銭もだな。献上してってもらおうか」


595 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 16:56:16 ID:0Ln9NDCD0
無茶な要求に少女は逆らわず、また頭をさげる。
「はい、すみませんでした!」
事の成り行きを見守っていたテケテケの肩が叩かれる。


596 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 17:06:40 ID:0Ln9NDCD0
横をむくと女性が、先に行こうと促している。
興味なさそうに首を横に振り、言った。
「自業自得って奴だ。目をつけられるのがいやなら、あんな格好するなって事。
逆にムカツクのは、カメをあんな風にされて怒らないあいつの方」
肩を押され、バス停のほうへと促されるテケテケの後ろから、会話が聞こえる。


597 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 18:19:06 ID:1TNpLsyUO
>>596
タヒねばいいと思うよホントに

598 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 21:02:05 ID:0Ln9NDCD0
「おい腰抜け!きさまの名前をきいとくか!」
「はい、一年B組 渡目……理沙です」
その言葉を聞いて、女性の足が止まった。


599 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 21:22:35 ID:0Ln9NDCD0
訝しげに後ろを振り向く。
「なにぃ……渡目 理沙……!」
名乗った理沙に、女学生は口々好き勝手な事をいう。


600 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 21:42:58 ID:9iORuRxR0
メリーあぼーんだらけw
通報しました

601 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 22:23:04 ID:0Ln9NDCD0
「渡目? 三途の渡しに目付けで、渡目?」
「理沙?」
「ケッ!これからテメーを理沙!メリーさんって呼んでやるぜ!」
「はあ…どうもありがとうございます」


602 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 22:28:41 ID:TBal4/T40
ラーメンとカツ丼の俺さんは、忙しいのかな

603 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 22:36:11 ID:0Ln9NDCD0
間延びした声で、少女はけだるそうに返事をした。
その声に女学生はイラついた声をあげる。
「コラ!さっさと脱がんかい!バスが来ちょったろが!チンタラしてっと
その型遅れの携帯も取り上げっど!」


604 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 22:50:44 ID:0Ln9NDCD0
その言葉を聞いて少女の手がピタリ、と止まった。
「おい……先輩、あんた今…アタシの携帯の事何て言った!」
先ほどとは違う、地獄の底から響くようなドスのある声。
その迫力に、女学生達はたじろいだ。


605 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 22:54:56 ID:0Ln9NDCD0
「……え?」
あんぐりと口をあげていた女学生の一人が、次の瞬間空を待った。
周りの人間も何が起こったのか理解出来なかった。
苦しそうに女学生がのた打ち回る。


606 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 23:00:02 ID:0Ln9NDCD0
(今…こいつ「携帯」を見せた…今たしかに…携帯に何らかの画像がみえた!)
テケテケの横で見ていた女性だけが、事の成り行きを理解していた。
肩をいからせて、少女は倒れている女学生に近づいていく。
「アタシの携帯にケチつけてムカつかせたヤツぁ何モンだろうーと許さねぇ!


607 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 23:08:12 ID:0Ln9NDCD0
この携帯がPCエンジンGTみてぇーだとォ?」
「え!そ…そんなことだれも言って…」
弁解しようとした女学生だったが、顔を少女に踏み潰され二の句を言う事が出来なかった。


608 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/10/31(日) 23:16:02 ID:0Ln9NDCD0
「確かに聞いたぞコラーーーーッ!」

メメタァッ!

「やれやれ……こいつが…こいつが探していた…じじいの身内だとは!」



609 :◆cLBpi8LhvQ :2010/11/01(月) 01:56:11 ID:C4cee32HO
間が空いたなあ……
 
 呪いの本
 
高一の冬頃の事だったと思う。
その日A宅に行くと、家の主はソファに体を横たえて本を読んでいた。
俺は人並み程度には本を読むが、Aは時折昔の作家の全集を開くくらいだ。何の本を読んでいるのか気になりタイトルを尋ねると、
「呪いの本」
なんて答えが返ってきた。
「読んだら死ぬってか?」
好奇心と呆れ混じりに聞くと、Aはニヤニヤと笑いながらこちらに顔を向ける。相変わらずどこに焦点を置いているか分からない目。
「死にはしない。けど、お前が読んだら寿命縮むんじゃない?」
そう言ってぱたりと本を閉じる。見ればその本は装丁こそ立派であるもののさして厚くもなく、表題すらも書かれていない。
Aがああ言った以上、もとよりまともな本では無いのだが、それがますます怪しくなってきた。
「読むか?」
とん、と軽い音を立て、俺の前、テーブルの上に本が置かれる。
「寿命削れってか?」
とは言ってみたものの、興味はあるし特段長生きしたい訳でもない。俺は本を手に取って意識を集中する。
……何も感じない。何のイメージも得られない。俺は拍子抜けしてAを見たが、彼女はニヤニヤと笑ったまま言葉を続けた。
「ああ。寿命削れるね。読めば。読む事が出来ればね」
俺には読めないと? 安い挑発だ。相変わらず何が言いたいのか分からないし。
そう思って、結局俺は本を開いた。

610 :◆cLBpi8LhvQ :2010/11/01(月) 01:57:22 ID:C4cee32HO
目が合った。
え、と思った。
本を開いた瞬間俺の視界に飛び込みそうして視界を埋め尽くしたのは眼。
あまりに突然で唐突だった。
開いた本のページは見れない。何が書いてあるか分からない。一対の眼が見せてくれない。
眼は俺の顔の間近にあり、俺の目はその眼だけを視界に映していた。
存在する霊なのか俺の感覚に引っ掛かったイメージなのか分からない。霊であるようにもイメージであるようにも見える。
だが、そこに気配は無い。存在するという現実感のない一対の眼は、イメージであるという実感の無い凪いだ瞳は、ただただ俺の目を見続ける。
なんだこれ。
ぱし、ぱし、と一対の眼は瞬きをする。背筋が粟立つ。
――そこに居る。
ヤバい、ヤバい、ヤバい。
さっきまでイメージであるか霊であるかも分からないような、現実感の無いその瞳が気配を持ち始めた。
絵のように平面的で希薄だった存在感が唐突に実体を得た。立体的な、確かにそこにあるという実感がある。
また瞬きを一つ。俺は目を離せない。一対の眼は徐々に現実感を増して行く。まるで現実を侵食していくように。
来るな、来るな、来るな、来るな。
けれど、目が離せない。目が奪われる。徐々に現実感を増していく、一対の眼に。
ヤバい、ヤバいと思ったところで――
 
ぱたん、と。
……音がした。
気付けば一対の眼は消え去り、俺の視界に映るのは閉じられた本と、本を閉じた自分の両手だった。
それを見て俺は俺が本を閉じたことを知った。

611 :◆cLBpi8LhvQ :2010/11/01(月) 01:59:37 ID:C4cee32HO
「読めなかったな」
Aは強張った俺の手から本をひょいと奪い去り、ニヤニヤと笑いながら言った。
「……なんだよ、あれ。今のが呪いか」
まるで現実になっていくような一対の眼に、寿命が縮んだような思いがした。
「いいや? 呪いじゃない。中身読んでないだろ?」
Aは何でも無いようにパラパラとページを捲り、背表紙に近い所を開く。
「ブックカース。この本を侵す者に災いあれ、ってな。本を盗んだりとかしたやつに災いが訪れるように願う呪いだ。
 ……こう書くんだなぁ」
Aは私も実際に見るのは初めてだ、と言って本に眼を落とす。
未だに手が強張り、緊張したままの俺はAの軽い口調に苛立ちを覚えた。
「じゃあさっきのはなんなんだよ」
「さあて。……ただ、中身は日記だよ」
「……日記?」
誤魔化されたと感じたが、言われて見ればその本は高そうな手帳をそのまま大きくしたような装丁をしている。
でも、なんで日記なんだ? そう思ったところで、Aが口を開いた。
「それも、ただの日記じゃない。夢日記だ」


612 :◆cLBpi8LhvQ :2010/11/01(月) 02:00:14 ID:C4cee32HO
「夢日記?」
「そう。しかもこの日記を書いたやつは、魔術の実践者だ。儀式魔術のな」
ペラペラとページを捲りながら、Aは笑みを深めて話を続ける。
「因みに日記の最後にはこう書いてある。退去に失敗した、ってね」
そこまで言って、Aは笑い声を漏らす。
「なあ、意味分かるか?」
俺は首を振った。
「じゃあ、これだけは言っておく。……夢日記なんて書くんじゃないぞ。
 夢の中の出来事を文章にして現実に持ち込むなんて、ろくな事になる訳が無い」
それだけ言って、Aまた本に熱中し始めた。
結局あの眼の正体はなんなんだと俺は聞いたが、Aは本から眼を離さずに、さあて、と言うだけだった。
彼女の目付きの悪い眼に何が映っているか、俺には解らなかった。


 呪いの本、了。

613 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 02:17:18 ID:nZsjvzPX0
↓はい、メリーさんよろw

614 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 04:26:39 ID:kPnKU1ul0
わたし、メリーさん。もう寝てるの

615 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 04:33:20 ID:kZtzgSAk0
>その日A宅に行くと、家の主はソファに体を横たえて本を読んでいた。

人の家を訪ねて勝手に部屋に入ったらその状態なのか、
呼び鈴鳴らしても玄関にも出てこないのか、
リアリティーが無さ過ぎ(=創作としての文章力なさすぎ)で最初から萎えてしまう。

616 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 04:54:39 ID:GgFF10EG0
>>612
乙です!眼を想像してびびってたら隣で彼氏がネッペして心臓止まるかと思った…

617 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 05:16:21 ID:Mon5d2ZEO
俺とAの人は急にパワーダウンしたな。
ここよりモバゲー行った方がいいんじゃないか

618 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 06:11:00 ID:KmTFDypwO
>>俺たんAたん稲男たん、そして女三人話の新参たん乙♪
誰が何と言おうと私は投下楽しみにしてるからぁ〜〜

批判たんとメリーたんは、いつも現れる
このスレッドの悪霊みたいな存在だから気にしないで!

これからも投下宜しくなの♪
勿論ウニたんと赤緑たんもね!('-^*)ニコ

619 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 06:51:22 ID:m+UKA/1SO
>>609
俺くん乙!
まとめにも4、5話のってたね
おめでとう!

620 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 07:07:33 ID:QRq3nrx90
>>615
え?学生時代とかそんな友人だらけだろ?

621 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 07:24:22 ID:8fPcP+kC0
>>614
支配人が「一種に寝てくれないか」と言ったリアルな話はおもろかったけど、
「とん、と軽い音をたてて」とか書くようになっちゃったんだねぇ

622 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/01(月) 08:14:59 ID:xFoVPBtMO
忍の人と枯野は近況plz....

623 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 19:32:27 ID:Na31bqMr0
「私メリーさん。今、バス停の前にいるの…」
「私メリーさん。今、玄関の前にいるの…」
「私メリーさん。今、部屋の前にいるの…」
「私メリーさん。今、モンゴルにいるの…」




624 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 19:38:38 ID:Na31bqMr0
「私、メリーさん。今あなたの家の……え、身に覚えがない?
  ちょ、ちょっと待ってください…………。あの、お名前は○○さん、ですよね?
    ち、違う!? すみません。間違えでした。どうもすみません……」ガチャリ

携帯に残る電話番号。それ以来毎日かけている。



625 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 20:26:05 ID:Na31bqMr0
「わたし、メリーさん。今、駅前にいるの」

「わたし、メリーさん。今、ラーメン屋の角にいるの」

「わたし、メリーさん。今、交番の前にいるの」

「わたし、メリーさん。今、交番にいるの」



626 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 20:30:28 ID:Mon5d2ZEO
メリーさん 了

627 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 20:38:36 ID:Na31bqMr0
「……わたし、メリーさん。今、交番にいるの」

「…………わたし、メリーさん。今、交番に、いるの……」

「…………わ、わたし、メリーさん。今、交番に、いるのぉ……」



628 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 20:47:57 ID:Na31bqMr0
「わ、わたし、メリーさん。今、こうば……ダメ、電話取っちゃダメぇ」
「夜中にすみません、○○交番です。お宅の娘さんを補導しておりますので、引き取りに来てもらいたいのですが……」



629 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 21:06:24 ID:Na31bqMr0
「私メリーさん、今あなたの家の前に居るの」
「……おふくろ、いい加減にしてくれよ」
携帯にかけてきた母親に向けて、俺は嘆息する。


630 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 21:29:38 ID:Na31bqMr0
ったく、こちとら容疑者の確保に忙しいってのにたまったもんじゃねえ。
俺は、『自称メリーさん殺人事件』と揶揄される事件を追う刑事だ。
「今はまだ職場だよ。悪いが今日は帰ってくれ」
「目里さん! ホシの奴の携帯が割れました!」


631 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 22:07:47 ID:Mon5d2ZEO
はい次

632 :本当にあった怖い名無し:2010/11/01(月) 22:10:52 ID:Na31bqMr0
部下の一人が慌てた様子で声をかける。
「ああ、分かったすぐいく! じゃ、そういうことだから」
ぽちっと電源を切ると、俺はホシの番号を打ち、発信ボタンを押す。
数回の呼び出し音の後、がちゃり、と音がした。


633 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 00:02:48 ID:NOestRqa0
「……もしもし?」
見知らぬ番号からかかってきた電話に、ホシと思しき男は怪訝そうな声を出す。
俺はにやり、とほくそえんだ。
急に家を訪ねてくるような迷惑なおふくろだが、一つありがたいもんを俺にくれている。


634 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 00:08:53 ID:NOestRqa0
「……私、メリー。今、あなたの後ろに居るの」
そう呟いた瞬間。俺は一人の男の後ろに立っていた。
唖然とした顔でこちらを振り向いた男の手に、手錠をかける。



635 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 00:16:33 ID:NOestRqa0
俺の名は『目理 伊三(めり いぞう)』
元祖『メリーさん』の【血】を受け継ぎ、彼女の最大の能力である瞬間移動を、
『相手の携帯電話に私メリーと名乗る』という条件下で発動することのできる妖怪刑事である。



636 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 02:36:52 ID:IDlqqvBRO
「私メリーさん。今あなたの家の前にいるの」
 
「私メリーさん。今あなたの…」
 
「私メリーさん。今…」
 
「私メリーさん…」
 
「私メリー…」
 
「わたし…」
 
「わた…」
 
「…」
 
あの事件から十数年の月日が流れた
もう鳴らない携帯電話を墓の前に
とん、と置くと私は歩き始めた
 
 
メリーさん 了

637 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 06:34:20 ID:Fe5QLdnhO
シリーズ物は初めから自分でまとめた方が良いような気もする。
ナナシシリーズも作者が結局自分で携帯サイト作ってまとめてたし

そうすれば別に興味ある人しか来ないし、叩かれることもないだろうし……
まぁ、そういうサイト二つほど知ってるけどコメントはほとんどないけどさ

638 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 09:47:00 ID:VdRnioJ20
>ナナシシリーズも作者が結局自分で携帯サイト作ってまとめてたし
kwsk
なんか補完されたりとかしてた?

639 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 10:19:09 ID:AMsggURE0
オマエらより水嶋ヒロのが上!
by ayaka

640 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 10:49:52 ID:Fe5QLdnhO
>なんか補完されたりとかしてた?

改編バージョンとか新しいものも乗ってた気がす

てか探したら残ってた↓
ttp://96.xmbs.jp/nakushimono74-6445-n3.php?guid=on&plist=0

641 :本当にあった怖い名無し:2010/11/02(火) 14:38:21 ID:BJxIcaveO
お前らなら水嶋ヒロのがまだ上

642 :本当にあった怖い名無し:2010/11/03(水) 01:32:36 ID:W+zTn/r30
俺が水嶋だ

643 :本当にあった怖い名無し:2010/11/03(水) 05:38:29 ID:84gm8IPH0
>>640

ありがと~

644 :本当にあった怖い名無し:2010/11/03(水) 20:58:19 ID:xEOVGX1ZO
>>640
やべぇ見てたら普通に感動した

645 :本当にあった怖い名無し:2010/11/03(水) 21:00:09 ID:YI7lQZtT0
>>640
宣伝乙

646 :本当にあった怖い名無し:2010/11/03(水) 21:15:19 ID:IG1YAs1s0
レスのコピペ転載にお悩みのスレ住人の皆様へ。

以下の規制議論板でのレス転載コピペ荒らし報告スレをご覧下さい。
いずれも最近報告スレが立てられ、以下の流れを経過した報告スレです。
 運営による芋掘り
 書き込みログの開示
 アクセス規制の発動

★101026 comic「レス転載|抽出転載」コピペ荒らし報告
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1288045384/

★101029 anime4vip samba 過去レス転載荒らし報告(再)
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1288314672/

★101030 occult「レス転載|抽出転載」コピペ荒らし報告
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1288422470/

継続的な過去レスの転載は2chに対する迷惑行為扱いになりますので、
上記報告スレのような形式を作って報告すれば、荒らしをアクセス禁止に
してくれますよ。

報告スレを作るか否かは住人の皆様次第ですけど。
来るか来ないか分からない削除人を待つよりはよっぽど効果的かと。


647 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/03(水) 21:51:42 ID:AtsuyNR5O
先輩が、女連れだった。
そりゃ、大学生にもなれば彼女の一人くらいいてもおかしくない。
ただ、先輩はヨーコさん一筋だから、他の女性と付き合うって事は考えられない。
と、勝手に思っていたわけだが、どうやらそれは思い違いだったらしく、先輩は俺の知らない女性と並んで歩いていたのだ。
それだけで彼女と断じるのもどうかと思うが、先輩はとにかく女性に人気がなく、全く近寄りもされなかったので、一緒に歩く程度でもかなりの仲に思えた。
俺は声を掛けようとしたが、二人の時間を邪魔するのもアレだなと思い直し、微笑んで見なかったことにした。
翌日、先輩を問い詰めてやろうと思いながら。

「いつだ」
翌日、いつものように図書館でその話をしたら、先輩は険しい表情で言った。
先輩をからかってやろうとしていた俺は、予想を裏切る真剣さに驚いた。

648 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/03(水) 21:52:58 ID:AtsuyNR5O
「昨日です。夕方、駅前のコンビニらへん歩いてましたよね?二人で」
先輩の眉間に深い皺がよる。
「女の特徴は」
「顔はわからなかったです。髪がこう、長かったんで。なんていうか、アレ、貞子みたいに」
手で顔の横に垂れた髪を表す。
女性は真っ黒な髪を背中の真ん中あたりまで伸ばしていた。
さらにうつむいていたので、俺の見た角度からでは顔が見えなかった。
先輩は溜め息を吐く。
「そうか。やっぱり」
どうやら彼女や何やの話では全く無かったらしい。
良く良く考えれば、いくらなんでもあの女性は異質すぎた。
それでもなんとなく納得出来たのは、あの先輩の知り合いならあり得るかと思ったからだった。
「なんなんです?」
先輩は肩をばきっと鳴らす。
今日は何やら疲れているようだ。
「そうだな、使い魔ってわかるか」
はい、と答える。
「コウモリだとか、カラスだとかのイメージありますけど、それが?」
「まずそこから説明しようか。日本だと使い魔ってのは、式神と呼ばれる。知ってるな?」
式神。
使鬼神とも言う。
特定の術式を介して、術者の手駒となる精霊などを使役する術。
そうか、言われてみればこれも使い魔の一種だ。

649 :本当にあった怖い名無し:2010/11/03(水) 21:53:34 ID:84gm8IPH0
しえん

650 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/03(水) 21:54:18 ID:AtsuyNR5O
「陰陽師なんかが使ってたってアレですよね」
「そうだ。付け加えるなら、犬神やくだ狐なんかもそうだな。自分の……術力とでも言おうか、エネルギーを分け与え、手駒を生み出し使役する。つまり、女はそれだ」
ん?
使い魔というと、知能を持たない低級な連中を思っていたが。
「人間霊でも式神に出来るんですか」
先輩は首を振る。
「まだ半分だ。というより、こっちの方が重要か。お前の見た女は、生き霊なんだよ」
「つまり?」
先輩は逆の肩を鳴らす。
「お前の見た女は実在する。そいつがとにかく俺の所に行きたいって願った結果、エネルギーが俺の所へ来たわけ。式神のように」
「じゃあ、知り合いなんですか」
先輩はまた首を振る。
「俺が行ってる病院で、二言三言話しただけ。あそこ精神科あるだろ。そこの患者」
俺はぞくりとした。
精神科にかかるような人間の、それも女の妄執は、想像出来ないほど恐ろしかった。
ただ二言三言話しただけで、自分の魂を割って先輩の所へ飛ばしてしまう程に。
「……やっぱり、害があるんですよね」
先輩は疲れた様子だった。
きっとその女は先輩の精神にも影響を及ぼしたりするのだろう。
先輩は神妙な面持ちで言った。

651 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/03(水) 21:55:52 ID:AtsuyNR5O
「いや、全く。見られてる気がしてちょっと寝不足なくらい」
「あ、そーすか」
予想外に軽い被害だったため、若干拍子抜けしてしまう。
「まあ害意がなけりゃそんなもんだ。それもそろそろ終わりっぽいし」
終わりっぽい?
「なんでです?」
先輩が笑う。
嫌な笑顔だ。
「お前、見えたんだろ」
「はい、確かに」
確かに、女は見た。
「それがどうかしましたか?」
「言ったろ、エネルギーだ。より強く存在するには、当然多くのエネルギーを使う。俺ならともかく、お前程度に見える程はっきり存在するってことは」
あ。
なるほど。
「もしE線切っても飛ばしてたら、最後にはそりゃ……なあ?」
はっはっはと笑って先輩は立ち上がる。
「逃げ戻る先が無くなれば、俺なりのやり方で追っ払える。まあ、もう少しの辛抱だ」
手をひらひらさせながら図書館を出る先輩の背中に、昨日の女が見えた気がした。
彼女の体は、今どうなっているだろう。
考えるのは、やめておいた。

先輩と生き霊 終

652 :本当にあった怖い名無し:2010/11/03(水) 21:57:30 ID:YI7lQZtT0
オトューン

653 :本当にあった怖い名無し:2010/11/03(水) 23:51:13 ID:IxHN/lVj0


654 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 00:16:16 ID:/XNyFBH2O
いなおとこ乙

655 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 00:19:15 ID:EJpMsx4j0
今日のは結構良かった。乙

656 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 19:44:31 ID:o6b6XmOu0
「私、リカちゃん。今あなたの後ろにいるの・・・」

テリーマン「俺もいるぜ」
キン肉マン「テリーマン」
ブロッケンJr「お前だけに、いいカッコさせるかよ」


657 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 19:46:32 ID:o6b6XmOu0
キン肉マン「ブロッケンJr・・・」
ロビンマスク「正義超人は、おまえだけじゃないんだぜ 」
ウォーズマン「コーホー」
キン肉マン「みんな・・・」

悪魔超人「こ、これが友情パワーか」



658 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 19:52:40 ID:o6b6XmOu0
「私メリーさん、今あなたのうしろにいるの」

「(クルリ)メリーさんが好きだ!」
「・・・はっ? い、いきなり何言いだすの?」


659 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 20:29:40 ID:v+9JuyoxO
>>658
純粋にこのスレ楽しんでるのゆ
いつもコイツうざ杉!
暫く来るの止めるよ

660 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 21:04:44 ID:MlM/LKw50
>>659
スルーしとけっての
スレ埋まったらまた立てればいいんだし

661 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 21:19:22 ID:o6b6XmOu0
思わずメリーさんににじり寄る・・・。
「メリーさん・・・」
「ちょっ! ち、近すぎ・・・!」


662 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 21:29:09 ID:o6b6XmOu0
恐る恐る両手をあげると・・・メリーさんも怖いのか同じように両手をあげる・・・。
ガッシ! その細い手首を捕まえて・・・
「なっ! は、放して!!」
「メリーさん!! お願いっ! 君を抱きたいんだ!!」


663 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 21:31:33 ID:o6b6XmOu0
「何言ってるのよ! なんであんたなんかに抱かれなきゃいけないのよっ!!」
「でも抱いちゃう!!」
今度は腕をメリーさんの背中にまわして・・・


664 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 21:32:50 ID:o6b6XmOu0
あっ、胸のふくらみが直に感じるよっ・・・。
身をよじれば余計に・・・。
「や! やめて! 警察を呼ぶわよ!これ、完全に痴漢じゃない!!・・・あっ そこヤダ!!
放してっ! 手を・・・いれないでよっ!」


665 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 21:41:43 ID:o6b6XmOu0
「じゃ、じゃあさ、何もしないからこのまま抱きつかさせていて・・・。
キミの肌の柔らかさを・・・心臓がトックントックンいってるのを聞いていたい・・・。
キミの唇から洩れる息遣いも・・・。」
・・・


666 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 21:53:56 ID:i6cA+ayv0
>>659
●持ってるから規制でも建てられるし安心してくれ

667 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 22:11:24 ID:o6b6XmOu0
「・・・ねぇ?」
「何?」
「あなた、・・・いつまであたしに抱きついているの?」
「あ、ごめんね? なんかこのままキミの中に入りたくなっちゃった。
・・・入れていい?」



668 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 22:31:30 ID:EC5IJ7T40
>>646
俺が規制議論板いってもいいけど
でも全板共通だか野次馬だかで吟味して貰った方がいいんじゃね?

669 :本当にあった怖い名無し:2010/11/04(木) 22:35:59 ID:o6b6XmOu0
======中略==============

・・・こうしてメリーさんの復讐の旅が始まったのである。


670 :本当にあった怖い名無し:2010/11/05(金) 03:06:32 ID:l7AkKE7gO
はい次

671 :本当にあった怖い名無し:2010/11/05(金) 11:12:15 ID:8UUizOeT0
>>647
女と歩いていることに先輩自身が気づいていないっぽいのに、
「俺ならともかく、お前程度に見える程はっきり存在するってことは」
ってのは微妙な気がするけど…

でも、面白かった。乙

672 :本当にあった怖い名無し:2010/11/06(土) 03:14:21 ID:UfCEj2QuO
>>640
怖い話だと思って読んでたら久しぶりに泣いたわww
ありがとう

673 :本当にあった怖い名無し:2010/11/06(土) 03:28:21 ID:MDUKx/C/O
>>671
その内、蚤の心臓がバクバク言い出したり、膝がガクガクなりそうだけどな
その前に師匠の彼女の予知夢とシンクロするのが先か

674 :本当にあった怖い名無し:2010/11/06(土) 17:58:13 ID:yHn05caFO
>>666
d!
メリーのせいでスレ死んでる

675 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 00:19:31 ID:BG60/eSDO
>>671
気が付いてるでしょ。
ただ、何時の話なのか確認しないと特定できないかな問い正しただけじゃね?


676 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/07(日) 01:35:46 ID:cxJgfVtTO
俺は奥手だ。
奥手な方だと思う。
多分、奥手なんじゃないかな。
まあ、少なくとも積極的に異性と関わろうとしない。
そんなわけで、いない歴は刻々と記録を伸ばしていた。
だが、別に気になる人がいなかったわけじゃない。
先輩のクラスに、その人はいた。
彼女は、失礼だがとりたてて美しい容姿ではない。
外観より実益を見るタイプなようで、過剰な装飾もしていなかった。
あるいは、それが良かったのかも知れない。
はっきり言えば地味な女性だったが、気が付けば、俺は彼女を見ていた。
ある日、偶然ドアの近くに彼女がいて、俺は話しかけることが出来た。
声も普通、徹底して地味な性質だった。
先輩の不在を確かめる会話の中、俺は気付いた。
俺は彼女の唇に心惹かれていたのだ。

「お前、アイツの事好きなのか」
俺は椅子から転げそうになった。
全くこの人は、見てないようで良く見てる。
色恋話には殊更厳しい図書委員が俺を睨む。
「なんのことですか」
平静を装ってみたが、自分でもはっきり失敗とわかる。
静かな図書室に、ボリューム調節を失敗した声が響いてしまった。
「まあ、どうだっていいんだ。そんなのは」
追求が無さそうでホッとした。

677 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/07(日) 01:37:35 ID:cxJgfVtTO
実際の所、良くわからない。
俺は彼女に惚れているのだろうか。
それにしては、違和感がある。
今まで、本気で女性を好きになった事が無かったから、感覚がわからないのかもしれない。
「唇が、綺麗なんですよ。絶対、悪口とか出てこなさそうな唇してるんす」
ぽつりと呟いてみる。
先輩は興味無さげに、辞書のページをめくっている。
しばらく無言でパラパラ眺めた後、俺の発言がようやく届いたのか、急に顔を上げた。
「思い出した。ラパシーニの娘だ」
知らない名前だ。
ラパシーニ、とは誰だろうか。
外国人?地名?
「いや、ラパチーニだったか。まあいい。ドクムスメだ」
ドクムスメという言葉が理解出来ず、一瞬固まってしまった。
「急になんですか」
先輩は一人ですっきりしている。
どうやら思い出せ無かった事が出てきてご満悦なようだ。
俺は全くわからなかったので、少しだけ不愉快だった。
「ああ、知らんのか。……昔、そういうタイトルの小説を読んだ。内容は、いずれ自分で読んで確認してくれ」
なるほど、小説のタイトルだったか。
この図書室には無いのだろうか。
「それがどうしたんです?」

678 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/07(日) 01:38:45 ID:cxJgfVtTO
先輩は笑った。
あの顔だ。
人の不幸を嘲笑う時のような、真っ黒な笑顔。
「だから、ドクムスメだよ。あいつに関する噂を聞いた事があってな。どっかで似たような話を読んだのがどうにも思い出せ無かったんだ」
「で、何が言いたいんですか」
苛々する。
俺をからかうのは良いが、あの人まで悪く言うつもりだろうか。
「小学生の頃、あいつが飼ってた犬が死んだらしい。それから、学校で飼ってた兎も。花壇の花も全部枯れたんだと」
その、ラパシーニだかラパチーニだかの娘の話を読んでいれば、ここでピンとくるのだろうか。
「ヒントはこれまで。図書館にあるはずだから、読んでみろよ。面白いぜ」
そういうと、先輩は荷物を持って立ち上がる。
「それから、あいつ、彼氏いるぞ」
言いたい事だけ言って、先輩は帰った。
後には、何一つ理解出来ないままの俺と図書委員が残された。

しばらくして、彼女は死んだ。
自殺だったらしい。
彼氏と言われていた人は、それは酷く落ち込んでいた。
俺は図書館でラパシーニの娘を読んだ。
先輩の言いたかった事はすぐにわかった。
俺の惹かれたあの唇は、言葉以外にも吐き出す物があったんだろう。

679 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/07(日) 01:40:53 ID:cxJgfVtTO
もしかしたら、彼女が何かを愛した時に、それは起こるのかも知れない。
最初は、飼い犬。
次に、可愛い兎。
それから、綺麗なお花。
……そして、素敵な彼。
彼女は恐らくそれを防いだのだ。
彼を殺す事を恐れて自らが犠牲になった。
俺が彼女を想う時、必ず浮かんだラベンダー色の靄。
あれはきっと、運命を狂わせる毒だったんだろう。
今にして思えば、彼女に惚れていたわけじゃないとはっきりわかる。
蛾が、電灯に近寄るように、ただあの唇に吸い寄せられていただけだ。
本を閉じ、表紙をなぞり、目を閉じる。
彼女の薄紫の人生を想って、少しだけ泣いた。

毒娘 終

680 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 01:51:46 ID:8kjkSGr60
>>671
稲男に見えるようになったのはいつからか、ってことを聞いたんだろ。
見る力が弱い人にも見えるくらいにまでなっても、その前から見えてる先輩には違いが分からないんだろうな。



681 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 11:44:19 ID:7mPFnhgt0
「もしもし。私、メリーさん。今テレビの前に居るの」

『はい、こちらフジテレビの笑っていいともテレフォンショッキングです。貞子さんに替わります』

『……もしもし?メリー?』



682 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 12:20:45 ID:Bx1Fq64D0
稲男乙

683 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 12:59:40 ID:7mPFnhgt0
「こんにちわ貞子ちゃん。今アルタの前に居るの」

『早いよ。今タモさんに替わるね』

『こんにちわ、メリーさん。明日、大丈夫ですか?』

「私メリーさん。今スタジオの前に……」



684 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 14:07:11 ID:EH8zAj8sO
>>679
それでオカルト要素はどこにあるの?

685 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 14:56:49 ID:1Yy8oDSRO
晒しといてなんだがナナシシリーズって結構人気あったんだな、知らなかった。

個人的な怪異体験集みたいなのは幾つか知ってるけど、一貫した背景やキャラが出て来るような
2chに投稿されてない個人まとめサイトは中々見つからんね。


686 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 15:00:51 ID:7mPFnhgt0
『ええ?もしかしてダメなんですか?』

「え、いや、あの……い、いいとも!」

『はぁい、じゃあ明日お願いしま〜す』

私、メリーさん。

今、テレビ界へと羽ばたこうとしているの。



687 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 15:07:48 ID:7mPFnhgt0

「私、メリーさん、今、あなたの部屋の前に居るの……」

「私、メリーさん、今あなたの後ろにうわなにするやめくぁwせdrftgyふじこlp



勝者:ゴルゴ13




688 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 15:36:12 ID:7mPFnhgt0
「なあ、あんた? 口裂け女って知ってるか?」
俺が今電話をしているのは、通称『カシマ事件』と呼ばれる事件の犯人だ。
「そう、マスクをして私綺麗? って尋ねてくるあの都市伝説だ。
 お前が騙ってるカシマさんと同じ類の化け物だな。


689 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 15:50:24 ID:7mPFnhgt0
 で、だ。その口裂け女ってのは、一説には狐憑きの一族の娘だった説があるんだ」
部下を誘拐した、と向こうから脅迫電話がかかってきたため、俺の能力は使えない。
だが、何の問題もない。


690 :本当にあった怖い名無し:2010/11/07(日) 20:47:22 ID:YHt9H5FM0
忍の人と、お姉さん、どうしてるかなぁ…

691 :本当にあった怖い名無し:2010/11/08(月) 00:32:42 ID:0bqxEGrs0
もう何ていうか、自演臭がきつ過ぎて気持ち悪いな…

692 :本当にあった怖い名無し:2010/11/08(月) 02:58:53 ID:cIlXw7310
そげですか

で、どれが自演?

693 :本当にあった怖い名無し:2010/11/08(月) 09:14:19 ID:VGmR/L7dP
ドゥーン!!  -=・=-  -=・=-

ようこそ、呪いのスレへ。
実は今君に呪いをかけたんだ。
このレスをみてしまうと君はもう一生、異性を拝めなくなる。そんな呪いだ。
もちろん童貞なら一生童貞のまま人生を終える。処女もしかり。
災難だと思って諦めてくれたまえ。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
だけど一つだけ呪いを解く方法があるんだ、それは・・・

「 男湯に女性を入れてる浴場名を報告スレ 」
でgoogle検索してこのスレに行って

「 >>1は40代で就職なんか無理だろ 」
ってコピペでいいから書き込むんだ。

では、健闘を祈るよ

694 :671:2010/11/08(月) 17:03:14 ID:tWzMo6G60
>>673
>>675
>>680

なるほど。それなら納得。
すっきりした。どうもありがとう。

695 :本当にあった怖い名無し:2010/11/09(火) 16:15:49 ID:dyym7yWwO
ナナシでガチ泣きしたよ・・・

696 :本当にあった怖い名無し:2010/11/09(火) 19:30:04 ID:rIo2diyn0
ていうかコンビニの恐怖体験雑誌に載ってる程度の情報を
キャラにご大層に喋らせてる時点で痛い

697 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 02:33:39 ID:T1oIH5oLO
とりつかれたかのように何でもかんでも自演、自演……

自演臭いのが実は自演じゃなかったりするっていう考えはできないのかご貧相な頭だな

まぁ>>696は良いこと言ってるが

698 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 02:39:01 ID:88rPnNFQ0
自演認定する奴って自分が普段から自演してるから、他の人もそう見えちゃうらしいよ!

って師匠が言ってた。

699 :自治スレでローカルルール他を議論中:2010/11/11(木) 02:50:03 ID:Ku3+p+pR0
あー、あるよな・・・w

700 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 03:32:16 ID:4vr4E2VV0
この流れは自演臭いな。
うん。

701 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 10:09:57 ID:Ks/c5lLUO
自演なんてどっちでもいい。
新しい話が読みたい

702 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 10:46:22 ID:QxNUb1hu0
スレが最近正常なんで自重してたが、
荒らしがまた湧き始めたし、そろそろ続き書いてもいいかの?
うちのはカオス状態の方が都合がいいし。

703 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 17:49:27 ID:rDc5Wf4LP
>>702
誰か知らんけど書けばいいじゃん

704 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 18:13:56 ID:88rPnNFQ0
>>702
荒らしってどれさ。メリーさんなら常駐してるよ。

705 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 18:16:49 ID:6YD3uQspP
誰だか知らんが構ってちゃんはお引き取り下さい

706 : ◆DJINKbmZw2 :2010/11/11(木) 20:00:03 ID:uRd0rgL+O
お久しぶりです。
近況といっても何の情報もないままです。
昔、忍と姉と付き合っていた男性に偽造した身分証やトバシ携帯を売っていた男性が懲役を終えていた事を知り、会う事が出来ましたが売った相手の個人情報等も押収されていたため手がかりはまるでありませんでした。

唐突ですが、酉の変更をします。今の酉は姉の名前だったので。

707 : ◆kclGkH8MuXPd :2010/11/11(木) 20:01:57 ID:uRd0rgL+O
今後はこちらに酉を変更します。


708 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 20:08:37 ID:9ZZL3JZQ0
日本語で(ry

709 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 20:12:40 ID:lASDUdI00
>>702
うぜえ・・・・いちいちお伺いたてんなカス

710 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 20:22:40 ID:4JoDlcRC0
知らねえよ誰だよww

711 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 20:35:47 ID:FQLFqbb90
忍って書いてあんじゃん
行方不明のお姉さん探してる人だよ

712 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 22:33:05 ID:s+7cJD/B0
忍さんのまだ続くんなら、ぜひとも書いてほしいのですが。

713 :本当にあった怖い名無し:2010/11/11(木) 23:49:51 ID:l5YRKZ+rO
>>706
忍の人の近況は気になってたのでしりたいです

714 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 01:06:14 ID:X5FP+XwfO
忍は気になるなぁ

715 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 10:59:37 ID:/bBvNt5/0
忍は最終回の衝撃がハンパなかったからこのまま終わってくれた方がいいかも
後日談とか追加してグダグダになるのはみたくないよ
姉さんが無事見つかって忍を半殺しにしましたって現実的な報告は欲しいけれどもね
決してアンチではないです

716 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 19:28:58 ID:MtsECXaM0
ああ、あいつか
実の姉が失踪してるのに、それをネタに嬉々としてラノベまがいの創作書いてた鬼畜だろ
人として終わってる


717 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 19:32:54 ID:kLPkbRHA0
師匠が失踪した

718 :1/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/12(金) 20:57:52 ID:iJpxplwB0
以前、両腕の無いお婆さんから聞いた話を書かせていただいた者です。
前回投下した後に色々と反応を下さった方々、本当にありがとうございます。
では今回も早速……。

『手拍子』


私が以前住んでいた地元は、住宅街あり、田んぼあり、森ありコンビニありの中途半端な田舎でした。
私の家は住宅街の方にあり、その住宅街地区では昼夜問わず、『手拍子』の音が町を徘徊していました。

 パチ、パチ、パチ、パチ、

という断続的なその音は、初めて聞いたのがいつだったかもわからないほど以前から聞こえていたもので、
いつの間にか聞こえるのが普通のことのようになっていて、私はそれを人か人ならざるものかなどで区別せず、
聞く度にただ漠然と「あぁ、いるなぁ」と、ぼんやり思うだけになっていました。
近所の人や友人も以前から聞いていて、その誰もが今までに正体を見たことが無く、
そしてその誰もが「あれって何だろうね」と首をかしげる、謎の『手拍子』。

自分が町を歩いていても、その『手拍子』の主とばったりと会うようなこともないのです。
犬の散歩をしていると、家々を挟んだ一本隣の通りを通り過ぎる音が聞こえてきたり……、
夜に部屋で、涼むために窓を開けていると、宵闇の向こうから何処からともなく彷徨うように聞こえてきたり……。

救急車などのサイレンが聞こえるけど何処を走っているかわからない。という経験はある方も多いと思います。
それが『手拍子』の音になったような感覚。だけどサイレンなんかより、多分もっと近くを徘徊する音。
きっと知らない間に、何度か私の家の前だって通り過ぎていたのかもしれません。

719 :2/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/12(金) 21:02:21 ID:iJpxplwB0
さて、いつしかこの町で当たり前になっていた『手拍子』に、一度だけおびやかされた経験があります。

田んぼ地区との境目あたりにあるスーパーで買い物をした帰り道のこと。
夏で、夕方なのに日もまだ落ちていない、まだまだ明るい住宅街の中。西の方へと私がのんびり歩いていると……。

 パチ、パチ、パチ、パチ、

あぁ、またかぁ……。
どうやら一つ南の通りを、私とは反対の東の方向に、すれ違うように進んでいる様子。
その頃の私の中では、彼もしくは彼女は人間であると仮定されており(それもこの日まででしたが)、
まぁキチ●イなら仕方ない ←本当の意味で。と思っていつもどおり聞き流そうかと思った時、
ほんの、ほんの思い付きで、
「そういえば、返事するとどうなるんだろう……?」
という考えが頭を過ぎったのです。
相変わらず『手拍子』の音は、絶え間なく断続的に鳴り、今まさに丁度私とすれ違うような位置関係にいるようです。

私は怖いもの見たさというか好奇心を抑えきれず、期待と不安を胸に、持っていた買い物袋を手首に掛け直しました。
そして空になった両手を自分の胸の前に構えます。一つ南から聞こえる、あの音……。

 パチ、パチ、パチ、パチ、

それに答えるかのように、いえ、からかうように、私は自らの両手を打ち鳴らしました。

 パチンッ、パチンッ


720 :3/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/12(金) 21:09:20 ID:iJpxplwB0

 ……

音が、止んだ……?
と思った途端、

 パチパチパチパチパチパチパチパチ!

一時停止した『手拍子』はすぐさま速さを増して再度鳴り響き、今までの自らの進行方向へと再び進み始めたのです。
そして速くなったのは音だけでなく、その進行速度も。
『手拍子』は一つ南の通りを、あっという間に東に走り去って行きました。そして、十字路を、左折して来る気配。
「あ、こっちに回り込んで来る……?」
思わず振り返ると、音はものすごい勢いで北上し、ここから見えるあの交差点から今にも姿を現そうと……。
その瞬間私は前を向き直り、そのまま家の方へと猛ダッシュしました。直後、背後のあの交差点を何かが曲がって来る気配。
2つの角をコの時型に回り込み、奴は既に私と同じ通りにいる。振り向いたら、たぶんいる。
振り向けない。やめておけば良かった。
『手拍子』の正体はきっと私のすぐ背後にまで迫って来ているのです。そしてそれは人間でないのでは。足音が、しない。
足音はしないのに、手を叩く音だけが大きくなってきている。距離が縮まってきている……。
あぁやばい!

 パチパチパチパチパチパチパチパチ!!

本当にやばい! 追い付かれる!
やめておけば良かった!
その瞬間、

 バシンッ!!

張り裂けるような凄まじい音と、背中に激痛。そして突然の静寂……。

721 :4/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/12(金) 21:14:57 ID:iJpxplwB0

 ……

痛みに噎せながら振り向いても、ただの明るい住宅街。近くに誰もいません。遠くにはちらほらと人影は見えますが……。
あまりの日常の風景に、さっきまでの異常事態がすべて白昼夢だったかのような感覚に囚われてしまいました。
しかし実際に背中はヒリヒリと痛い。ジンジンと痛い。そしてアイロンを当てられたように、熱いのです。

家に帰った私は、鏡で背中を確認しようなんて思いませんでした。
背中に手形でもついていたら嫌だったのもありますが、その頃私は鏡を見ない生活をし続けており、
その規則をここで崩したくなかったのです。
私は買い物の荷物をダイニングのテーブルの上に放り、すぐさまある家へと向かいました。
近所に住む、仲の良いお婆さんの家です。

チャイムを鳴らすと女性の声で応答がありました。お婆さんと二人暮らしだという娘さんの声です。
50歳前後の落ち着いた声に自分の下の名前で応答し、家の中へと入れてもらいました。


「あ〜、あの拍手みたいな音ねぇ」
しどろもどろな私の体験談を聞きながらも、落ち着いた様子でそう返すお婆さん。
「拍手できるなんて羨ましいわぁw」
そんな自虐ネタを言われても困ります。
「でもね、あぁいうのは無視無視。もし人間じゃなかったら嫌だから、探らないのが吉」
「確実に人間じゃないですよ〜」
「叩いた後すぐ隠れたのかも知れないじゃない? 何にせよ決めつけるとろくなことがないから……」
決めつけるとろくなことがない。という言葉にはお婆さんのある意思が込められていました。
私がその話を聞くのはもっと後のことなのですが、それより今はこの背中の痛み。どうしたら良いか、尋ねます。
「放っておけば治ると思うけど」
「え〜、でも……」

722 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 21:25:27 ID:i2t0DmhY0
C

723 :5/5 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/12(金) 21:29:30 ID:iJpxplwB0
「不安なんだねぇw まぁ人間の仕業じゃないと思うなら……、ちょっと○○! 来てくれないかねぇ〜!」
娘さんの名前を呼んでいます。返事とともに、すぐに娘さんがタオルで手を拭きながら奥から出てきました。
お婆さんは娘さんを自分のすぐ近くへと呼び寄せ、何か耳打ちをしているようでした。
それが終わると、娘さんが私の方へと近づいてきます。そして畳に座る私の後ろに立ちました。
お婆さんは椅子に腰かけたまま、「少しだけ我慢してね」と、微笑みながらも少し申し訳なさそうな顔をしました。
私の後ろでは娘さんが「ゴメンね、ちょいと失礼〜」と言いながら私の服の背中側をたくし上げました。
続けて「あぁ……」という声。
あぁって……。
「え? 何ですか? やっぱり、どうかなってるんですか?」
「ちょっとコレ外すね」
「あ、はい……」
「……それじゃあ、えい!!」

 バシンッ!!

張り裂けるような凄まじい音と、背中に激痛。
「い、イッタぁ!!!!」
私は思いっきり仰け反った後、すぐさま今度は前のめりに崩れ、畳の上に頭をゴンッと打ちつけました。
それにも「痛っ」と呟いて、それからようやく上体を起こし、涙目でお婆さんの顔を眺めます。
お婆さんはとても優しい顔をしており、私は背中にとてつもない痛みを背負いながらも、何故か安堵してしまいました。
娘さんは一仕事終えたように「これでよし!」と言いながら、一回だけ私の背中を優しく撫でて、
とっとと切り上げるようにまた奥へと戻って行きました。
お婆さんはそんな娘さんの後ろ姿に「ありがとねぇ」と言った後、今度は私の目をまっすぐ見つめました。

「幽霊にやられた痛みなんて、人間の痛みで上書きしちゃえばいいのよ」

724 :便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/12(金) 21:34:41 ID:iJpxplwB0
ありがとうございました(途中のご支援もありがとうございます)


3/5での訂正……  × コの時型 → ○ コの字型

失礼いたしました。

725 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 22:04:25 ID:MtsECXaM0
なんでここに投稿する奴って長文ばかりなんだろ
上の話なんて半分で済むだろ。大した内容でもないのにだらだら伸ばしすぎ
読むこっちの事も考えてくれ

726 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 22:09:11 ID:i2t0DmhY0
読まないって選択肢もあるんだぜ

727 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 22:11:40 ID:a5KPPwXv0
>>724
便乗者さん、おひさです
後半、あのお婆ちゃんが登場して、なんかホッとしました
娘さんが背中に見たもの、一体何を外したのかが気になる

728 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 22:19:24 ID:+YNSVBaSO
一番やっちゃいけないのが「読まずに批判」
 
冗談抜きで無駄な描写が多すぎる
もっと短く纏めてから投下してくれ

729 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 23:19:50 ID:ZnS7JK3MO
このスレで簡潔な文章書いても歓迎されてないじゃん。
無理して冗長にしてる感じもしないではない。

730 :便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/12(金) 23:42:11 ID:iJpxplwB0
>>725 それでも読んでくださってとても嬉しいです。ご意見に関してもこの場だけでなく、今後も役立てていきたいです。
>>727 前回も反応くださった方でしょうか、今回もありがとうございました。
>>728 一ヶ月前とかの文章を見て自分でも長いと気づくことが多々あります; 肝に銘じておきます。

文章を長くするのも、短くまとめるのも、とても難しい事なのだと実感いたしました。
皆さま本当にありがとうございます!

731 :本当にあった怖い名無し:2010/11/12(金) 23:48:45 ID:a5KPPwXv0
>>730
前回、シリスレでびゅーに遭遇しました
腕がないのに明るくて不思議なお婆さんがいーんだよね
娘さんもそっちの人だったとわ

732 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/13(土) 02:32:40 ID:emextffq0
先輩は、何かを思案する日を設けているようだ。
不定期なのだが、一日中思案顔をしている日がある。
一度、何か悩みでも?と尋ねてみたことがあったが、
「お前には関係ないよ」
の一言でばっさり切られてしまった。
恐らく本当に関係ないことなので、深く追求することも無かったのだが。

その日も、先輩は考え事をしていた。
悪友ハナヤマから仕入れた話を持ち込もうと、アパートに行ってみたのだが、一応迎え入れてはくれた先輩は俺を無視して思案を続けているのだった。
どうやら今日は話を聞いてもらえそうもないと思って、携帯を取り出してメールをチェックする。
相変わらずどうでもいい物ばっかりだ。
一応、適当に返信しようとぽちぽちしていると、先輩が俺を見ているのに気付いた。
「肩凝ってるんだな」
どうやら、無意識に肩を回していたのを見られたらしい。
「ああ、最近酷いんですよ。パソコンやってるからだと思うんですけどね」
「右肩だろ」
その通りだった。
ここ一週間ほど、右肩が重くて仕方ない。
まあ俺は右利きだから、それで良く使っているせいなんだろうと思っていた。
「当たりです。何でそう思ったんですか?」
先輩はまさに心ここにあらずという面持ちだった。
しかし、会話は成立している。
「子鬼が乗っかってるぞ。お前の右肩、首筋に近い辺りに」
こおに。
なんだか可愛らしい響きだ。
しかし、幽霊妖怪の類には大分親しんだはずの俺も、鬼というのは初めてだった。

733 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/13(土) 02:33:22 ID:emextffq0
「それ、大丈夫なんですか」
「大丈夫なわけないよ。子鬼って言っても、小さい鬼の小鬼じゃない。子供の鬼の子鬼だ。子供は成長するよな。すごい速さで」
いつもならもっともったいぶって、俺の恐怖心をあおる言い方をするが、今日は淡々としている。
それが逆に怖かった。
事実として、右肩にいるという子鬼が成長すると害を成すというのだから。
「ちょ、と待ってくださいよ。それどうしたらいいんですか。大体鬼ってなんなんですか」
先輩は少し迷惑そうな顔をした。
もしかしたら、そんなことも知らないのか馬鹿め、という顔だったかも知れない。
「鬼は鬼だ。説明が必要か?」
小馬鹿にしたように言われ、多少悔しかったが背に腹は変えられない。
「すんません。お願いします」
先輩はそこでようやくしっかり俺の顔を見た。
どうやらしつこい後輩を処理してから悩むことを続けることにしたようだ。
「鬼、っていうのは、つまり人の思念だ。鬼は……怨嗟の怨、おんという字から来ている」
頭の中に字が入ってくる。
怨嗟。怨。怨み。
そういった思念が、おん、つまり鬼になる、らしい。
「でも、怨まれるような覚えは全く無いですよ。自慢じゃないですが当たり障り無く生きてますから」
覚えの無い怨みで体に不調が出るのではあまりに理不尽な気がする。
「もうひとつある。おんって読む字を知らんか。恩義の恩だ。恩返しの恩」
なんでだ、と思う。
怨はともかく恩なら害になる理由がわからない。
「恩があるならなんで俺を呪ったりするんです。おかしいじゃないですか」
先輩は顎を擦る。
いつもは剃っているらしい無精髭がぞりぞりと擦られるのが見えた。

734 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/13(土) 02:34:56 ID:emextffq0
「そうだな、たとえばお前がピアノの発表会に出たとする。だが出演前に、お前の事が嫌いな奴が楽屋にやってきて、『お前にいい演奏なんぞ出来るものか』と言って罵った。どうだ?」
想像してみる。
「嫌ですね。すごく。もしかしたら演奏に影響するかもしれないです。本当にミスしちゃうかも」
「そうだろうな。じゃあ今度はお前のファンだ。『いい演奏期待してます!』って応援される。どうだ?」
想像してみる。
「うれしいんじゃないでしょうか。応援されると、やっぱり」
「普通はそうだな。じゃあそのファンが毎回毎回来て、毎回毎回応援してくれたらどうだ?百回でも千回でもだ」
想像してみる。
…………。
「ちょっと嫌ですね、プレッシャーっていうか。落ちつか無そうです」
言った後、あ、と思う。
「まあ、そういうことだ。過ぎた好意は、時に悪意より厄介になる。ちなみにその子鬼、元凶と決着つけない限り居なくならないだろうな。まあ、頑張って探せよ」
怨まれる覚えは無い、が、好かれる覚えは何の因果かあったりする。
いつか、先輩に執着するあまり、自身の魂を削って生き霊を作り出した女を思い出した。
「先輩、これってあの時の、生き霊のケースに似てませんか」
先輩は意外そうな顔をした。
「お前にしちゃ頭が回るな。もちろんその子鬼も、素になってる人間のエネルギーで動いてる。長い間放っておいたらまず共倒れだろうな」
ああ、やっぱりそうだ。
最近、様子がおかしかった人がいる。
そしてその人は、俺に好意を寄せてくれている。
放っておくわけには、やっぱりいかないだろう。
先輩にも怒られてしまいそうだし。
「……素の人ときっちり話をすればいいんですね?」
俺は覚悟を決めた。
話し合う必要がある。徹底的に。
「さあ、どうだろうな。話し合った結果、その鬼が本物の災厄になる可能性だってある。お前の立ち回り次第だ。どうしても駄目だったら、無理やりひっぺがしてやるけど」
「それは、スマートじゃないでしょう?」
先輩は愉快そうに笑った。
「そう言うだろうな。俺なら問答無用だが、お前は違う。無理やり剥がした場合、勿論鬼の親には影響がある。そうならないように頑張れよ」

735 :稲男 ◆W8nV3n4fZ. :2010/11/13(土) 02:35:52 ID:emextffq0
全く人間というのは面倒なものだ。
好きでも嫌いでも、結局相手に面倒をかけてしまう。
どうしてこうなってしまうのかはわからないが、不思議とそれが面白く思えた。
どうにも胸の奥がわくわくして、顔が緩んでしまった。
この人も、人全体も、どこまでも興味深く、面白い。
先輩は楽しそうな俺が気に入らないらしく、少し不機嫌そうだった。

「ところで、だ」
急に笑顔になった先輩が言う。
すっかり馴染みの、いつもの悪意のある笑顔だ。
緩んだ頬がきゅっと引きつる。
「おん、っていう漢字、他にも思いつかないか?ほら、すごく馴染み深い言葉があるだろう。言ってみろ」
俺は少し考える。
一番身近な、おん、おん……。
音?
「おと、でしょうか」
「正解」
先輩は自分の口に人差し指を当てる。
「言霊ってのがあるだろう。音には力があると信じられていて、信じられていたから音には実際力が宿った。言った事は現実に影響を及ぼすんだ。口からも、どんな形かわからないが鬼、『おん』が産まれる」
さて、と、一旦区切って続ける。
「それを踏まえた上で、お前、今日俺に相談があるって言ってたよな。どんな懸念でも言ってみろ」
先輩の最高の笑顔を見ながら、俺は口を硬く結んで首を横に振った。

子鬼 終

736 :本当にあった怖い名無し:2010/11/13(土) 05:21:55 ID:qFBUMD2TO
やっぱりベースは師匠シリーズなんだな

737 :本当にあった怖い名無し:2010/11/13(土) 09:49:55 ID:FwtXrdsIO
>>718
恐いし婆さんに和むしで面白かった


738 :本当にあった怖い名無し:2010/11/13(土) 12:13:29 ID:MJblfKqT0
最近、ラーメンとカツ丼の俺君来ないね

739 :本当にあった怖い名無し:2010/11/13(土) 16:01:50 ID:Cl6tlJqMO
Bに捕まったんだよ
元々のBに

740 :本当にあった怖い名無し:2010/11/13(土) 16:34:11 ID:qFBUMD2TO
面白くないとか自分で言わないで元Bとの話を投下して欲しいな

741 :1/1 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/13(土) 21:35:44 ID:+NvOjuSi0
『フクロウ』


私が以前住んでいた地元は、住宅街エリアあり、田んぼエリアありの、中途半端な田舎でした。
その両方の境目あたりに割と新しいスーパーがあり、向かいの田んぼエリアとの間に大通りもあるせいか訪れる人も多く、
便利なので、我が家も買い物と言えば常々そこでした。

私がいつものように母親にお使いを頼まれ、そのスーパーを訪れた、ある日曜日のこと。
休日で賑わいを見せる、照明と音楽で飾られた明るい店内。
食材を買うため、籠を持って目当ての物を探しながら歩いていると、陳列棚に人の首が並んでいました。

うぇ
と思って咄嗟に顔を背けても、視界の隅にはまだその首がチラチラと映ります。そして反対の視界の隅には別の首の影。
ギリギリ横目でそれを見ると、今度はいくつもの首が、コーナー案内表示に紛れて天井からぶらさがっていました。
血がポタポタと落ちる気配に床を見ます。血は広がっていません。
他の人は気付いない様子で、気味が悪くなった私はとっとと買い物を済ませてその場を後にしました。


別の日に、私の良き相談相手でもある仲の良いお婆さんの家にお邪魔しました。
怖いもの好きな好奇心あふれる人で、両腕が無いにもかかわらず、それを気にもしていないようにいつも明るい人です。
「首ねぇ……。あのスーパーが出来る前に、あそこに大きな木があったのを知ってる?」
知っています。確かあれが切られて何年も経ってから、あのスーパーが建ったのです。
小さい頃からお墓参りの行き帰りに毎回あの前を車で通っていて、その不気味な佇まいにいつも目を逸らしていました。
「スーパーの前って大通りでしょ。大昔からあそこは大きな通りで、人もいっぱい通っていたんだって。
それで昔はね、貴方が見たそういうのを、そんな人のよく見る場所に晒したそうな。台に乗せたり、木に掛けたり……」
特にあの場所では、その木が丁度良かったのか基本的に木に掛けて晒すことの方が多かったと言われているそうです。
「梟首(きょうしゅ)っていうんだって。『フクロウ』に似てるかねぇ……、似てないよねぇ……」
また一つ勉強になった、とは思いませんでした。

742 :本当にあった怖い名無し:2010/11/13(土) 22:38:04 ID:F6zq22NI0
うに信者ってなんでこんな気持ち悪いの

743 :本当にあった怖い名無し:2010/11/13(土) 23:15:18 ID:KT6vgWlI0
Bが増えている

744 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 10:41:47 ID:pO6kiWWJ0
>>741
便乗者さんも見えちゃう人だったんですね

しかし、、フクロウには似てないと思うけど
ミネルヴァの梟とか、ギリシャの知恵と戦争の女神アテナとか
フクロウのポジションは結構高いんだけどねぇ
フクロウの子供飼ってみたい



745 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 11:28:51 ID:wgqDFVtM0
「……お前、覚えてるか? さっきそいつと交わした会話を」
『そのキレイな顔を、ズタズタにしてやるぜ、ひゃはははははは!』
「キレイ? わ、私、キレイ?』
『ああキレイだな、ズタズタにしてやりてえ!』


746 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 11:30:29 ID:wgqDFVtM0
まさか、と電話口で呟く声がした。
「これでも……キレイかああああああああああ!!」
電話の向こうで、獣のような声が響いたのを確認して、俺は電話を切った。



747 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 15:29:30 ID:wgqDFVtM0
数分後。部下の携帯にかけなおし、監禁場所へ向かう。廃工場のようだ。
「あ、目里さん! とりあえず、半殺しにしておきましたよ!」
「弧月……だから、3割り殺しにしろって言ってるだろ?」


748 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 15:41:13 ID:wgqDFVtM0
狐耳をぴょこぴょこと動かしながらえへへーと笑う部下の女刑事の頭を軽く叩く。
ホシを確保しようとした瞬間。がらり、と音がする。
「なっ……!」
ガラガラと音を立てて、倒れ伏す犯人の上にガレキが崩れ落ちる。


749 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 16:35:31 ID:wgqDFVtM0
「……困るんだよ。私の名を騙る奴が、性犯罪に手を出すと」
いつの間にか、そこには一人の老人が立っていた。
掘りの深い顔立ちは、おそらく奴がハーフであることを示している。
「……てめえ、カシマ!」


750 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 16:54:36 ID:wgqDFVtM0
老人は、ガレキの下から男の腕を拾い上げる。
「リカ。これをいつものところに」
「はいお父様」


751 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 17:12:42 ID:wgqDFVtM0
パチンと指を鳴らすと、奴の隣に金髪の女が現れた。その腹には異形の足が蠢いている。
「では、さらばだ。警視庁第零科の諸君」
男が手品のように消えてしまうのを、俺は唇を噛んで見送った。



752 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 17:14:23 ID:wgqDFVtM0
俺の名は目理 伊三。妖怪刑事である。
そして俺の部下の弧月 咲(こつき さき)。弧月とはすなわち『狐憑』。
彼女は、初代口裂け女の娘の、俺と同じ妖怪刑事だ。
先程の奴らは『カシマ』と『リカ』の親子。


753 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 17:16:17 ID:wgqDFVtM0
米兵に犯され、両手足を奪われたカシマの母の復讐と称して殺人を犯す妖怪である。
俺はタバコをくゆらせながら、やっぱ妖怪の血なんて厄介事しかよばねえと思う限りである。
ああ、おふくろの作った肉じゃがが食いたい。




754 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 18:41:33 ID:z89uXdInO
目理 伊三 了

755 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 21:36:54 ID:wgqDFVtM0
メリーが来た次の日、俺は学校を休んだ。
サボったわけじゃない。体力的に無理だったからだ。


756 :ねむん:2010/11/14(日) 22:30:52 ID:6KT8qMuK0
師匠シリーズスレに書き込めない..

757 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 22:33:34 ID:wgqDFVtM0
昨日の夜はメリーが家に来て、近くのコンビニで夕飯買ってあげたりしたら十二時を回っていたり、
そのあと寝ようとしてメリー用に布団を出してあげたら俺に抱きついて「一緒の布団がいい…」って言ってきて、
そのあと一緒に寝るのはいいとして執拗に俺に抱きついてきて結局ものすごい勢いで俺の心臓が脈を打って、
結局一睡もできなかった。しかもかなり寿命が縮まった気がする。


758 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 22:38:58 ID:wgqDFVtM0
「陸久、大丈夫?」
昨日すやすや眠っていたメリーが俺の顔を見て言った。
「ごめん…今日は休む…」
「うん…昨日はごめんね?」
「大丈夫…気にしてないから」


759 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 23:01:08 ID:wgqDFVtM0
そういうなり俺はベッドに突っ伏した。
ああ、布団が気持ちいい…。
五分も経たずに俺は眠った。



760 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 23:29:51 ID:wgqDFVtM0
「ふぁぁぁあ…ゲッ!?」
起きたらもう五時を回っていた。
(早く夕飯の支度とかしなきゃ…)
ガバっと起き上がってベッドに両手を置く。


761 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 23:31:46 ID:wgqDFVtM0
……やわらかい感触があった。
(…まさか…)
恐る恐る手を置いたところを見る。
そこにはやはりメリーが寝ていた。ネグリジェで。


762 :本当にあった怖い名無し:2010/11/14(日) 23:33:37 ID:wgqDFVtM0
しかも俺の手はメリーの胸の上に、ちょうどわしづかみしているような形で置いてあった。
「ん〜…あ、陸久起きたんだ。おはよ〜」
などとのんきに言うメリー。俺の額からは汗がダラダラ流れてくる。
「うわあ!?」


763 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 04:35:03 ID:NkRP7VNJ0
メリーさんw

764 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 17:27:56 ID:MoYymnm7O
ウニさん風味じゃない作品がなかなか出ないよね。
喪中さんとかに書いて貰えると俺得なんだけど。
ウニさんの師匠シリーズから外れた短編とか熱望してます。


765 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 20:09:38 ID:tf55GkgSO
ていうかシリーズ物の大半がオカルト大好きな俺と
霊感があり霊に詳しい先輩の組み合わせなのがな
それ以外の設定の話を書いて欲しい

766 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 20:43:54 ID:Z2bwN1jA0
俺としては師匠シリーズ序盤みたいなのが読みたい
今の師匠も悪くないんだが、短い中に一捻りも二捻りもいれるセンスは異常

767 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 20:55:12 ID:N93Se3XC0
バッとメリーの胸から手を取る。
俺の顔がまた熱い。
「ん?どうしたの?陸久、顔赤いよ?」
「どうしたって…胸、触られたんだよ?」


768 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 20:58:08 ID:N93Se3XC0
「うん。それがどうしたの〜?」
「その…恥ずかしいとか、ないの?」
「ないよ〜?」
どうやら気にしてないらしい。元人形だったからか?
「いや、気にしてないならいいんだ。それよりお腹すいてない?」


769 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 21:15:36 ID:N93Se3XC0
「うん。朝から食べてないからすごいお腹すいた」
やっぱり。
「なんか食べたいもの、ある?」
メリーは「んー」と言いながら少し考えた後、
「陸久の手料理が食べたい」
と言った。


770 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 21:26:20 ID:N93Se3XC0
「……は?」
「だから陸久が作ったものなら何でもいいよ?」
(俺何も作れないんだけど…)
などとは言わない。言ってはいけない。言ったら男が廃る。
「簡単なものでいいの?」
「うん、いいよ」


771 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 21:37:25 ID:N93Se3XC0
早速俺はカセットコンロを取り出して料理を始めた。
材料はさっきコンビニで買ってきたベーコンと卵とバター(総額およそ千円)。
「メリー、たくさん食べたい?」
「ん〜、少なめでいいよ」
(じゃメリーは卵三つで俺四つかな…)


772 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 21:48:42 ID:N93Se3XC0
取り出したボウルに卵を三つ割って溶く。
卵を溶き終わった後はベーコンを四列ほど切ってフライパンに放り込む。
ジュゥゥといい音を立てながらベーコンが焼けていく。
その中にバターを放り込んで一気に揚げる。


773 :本当にあった怖い名無し:2010/11/15(月) 21:53:48 ID:N93Se3XC0
ベーコンがカリカリに焼けたところでさっき解いた卵を一気にフライパンに流し込む。
卵の焼けるいい香りが部屋を満たす。
俺のそばからメリーがひょこっと顔を出してフライパンを覗く。



774 :本当にあった怖い名無し:2010/11/16(火) 21:33:48 ID:ms+UiJmx0
>ていうかシリーズ物の大半がオカルト大好きな俺と霊感があり霊に詳しい先輩の組み合わせなのがな

恐らく第三者を事実上の主人公にした方が反感を買い難いからじゃね?
それも身内じゃない方がつっこまれた時に色々便利なのと
さらに先輩とかある程度の上下関係が見え隠れする方が持ち上げやすいんだろ

小汚い先輩だろうが、美人の妹だろうが、普通の同僚だろうが
一貫したキャラを主軸に回るんだったら同じような結果になると思う。

オカルト好きな俺をストーリーテラーに置いてそれ以外のキャラクターを固定しない
設定で話しを書いても同じような結果になる気もするが

775 :本当にあった怖い名無し:2010/11/16(火) 22:23:57 ID:Xc0kbvDG0
>>756
どうやら落ちてたらしい。新スレ立ってたぞ

776 :本当にあった怖い名無し:2010/11/16(火) 23:24:39 ID:Gm2IYWQ40
>>774
師匠と弟子ものじゃない人も何人かいたけど、ここでは師匠ものが圧倒的に支持される
そう言うスレだなと最近は思っているし別に自分はどっちでもいい

でもまあ帰って来て欲しい人はいるけどね、師匠ものじゃない人で

777 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 01:08:40 ID:2bFU1MSC0
過疎りすぎて落ちたのか。
ここはメリーが定期的に荒らしてるから安泰ですね。
スレ潰すつもりが保守とは皮肉なものよの。

778 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 08:38:05 ID:K9XyfCytO
バリエーション尽きないなぁってメリーは毎回目ぇ通してるけどねぇ
普通に長文にまとめて投稿してほしいかな

779 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/17(水) 08:59:30 ID:OXPrs4CH0
[計画の進行(前)]

1/8
その日――

午後16時過ぎ、汐崎家に一台の車が着く。
訪問者は、往来会の女性2人。
高城沙織からの命令で、汐崎真奈美を連れに来たとのことだった。
2人は真奈美に、急いで来て欲しいと言い、すぐに来れば父親に会える、と言った。

真奈美は、高城本人に確認しようかと考えたが…止めてしまった。

往来会本部に行くのなら、高城に会えることは分かっていること、その2人の女性からは、藤木に比べ、危険な気配を感じなかったことがその理由だった。

2人の女性は――暗い目をした2人の女性は、真奈美を速やかに本部へと連れ去った。

桐谷に言われるまで、高城でさえ気付けなかったその怪しい目に、汐崎真奈美が気付くはずもなかった。


780 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/17(水) 09:01:04 ID:OXPrs4CH0
2/8
――午後17時。神尾宅。

大学での講義を終え、真っ直ぐ自宅に帰った私は、この時間までラット君と見つめ合っていた。

往来会の副会長さんとの待ち合わせは、18時。
場所は、私の家の最寄り駅だ。

どう考えたって…普通に考えれば、怪しい。それに、危険。
うら若き乙女が、1人でどこに行こうというのやら。

…でも、行かないとな。
私は、行かないといけない。
理由は分からないけど、ただ、そんな風に思う。

私「キミは、どう思う?」
私は”彼”を抱えあげて、聞いてみる。
優理ちゃんがくれた、クマのヌイグルミ。
ちょっと不思議な、ヌイグルミ…。

私には分からないけど、古乃羽や雨月君には、この子はどう見えているのだろう。
ひょっとしたら、この子を通じて優理ちゃんと会話ができたり…?
…なんて事を、考えてしまう。


781 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/17(水) 09:03:50 ID:OXPrs4CH0
3/8
私を助けてくれるという、この子。
確かに、一緒に寝たり、抱きかかえていたりすると、気持ちが落ち着く。

できれば…この子も連れて行きたい。
不安な気持ちがあるから、一緒に居て欲しい。

でもそんなの、どう見てもおかしいよね。
優理ちゃんくらいの年恰好の女の子ならまだしも、私なんかが、どこに行くにもクマのヌイグルミを抱きかかえていたら…ちょっと変だ。

それに、今から行くところ――会う人のことを考えると、逆に危ない気がする。
普通のヌイグルミじゃないってことは、すぐにバレてしまいそうだ。

私「だから、キミはお留守番ね」
私はそう言ってラット君を棚に置き、頭を撫でてあげる。
そして、その代わりに翡翠のキーホルダーをポケットに入れる。
古乃羽の話では、これ自体にはお守りとしての効果はあまり無いってことだけど…私にとっては、大切なもの。

そうして出掛ける準備を済ませた私は、部屋を出る。

…ただその前に、私はラット君にお願いをしておいた。
私に何かあったら、古乃羽に「ごめんね」って伝えて欲しい、と。


782 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/17(水) 09:07:07 ID:OXPrs4CH0
4/8
――午後18時前。往来会本部、本部長室。

三島「…それでは、お疲れさまでした」
私「お疲れさま」
1日の事務報告を終え、いそいそと部屋を出て行く三島課長。
今日は、これから用事があるらしい。
きっと彼のことだから…奥さんとの用事だろうな。

三島課長は、知る人ぞ知る愛妻家だ。
奥さんは落ち着いた感じの綺麗な人で、何回か会ったことがある。

その度に、あんな風になれたら良いな、なんて思う。
揺ぎ無い信頼関係があって、深い所でしっかりと繋がっている2人。
彼らは結婚して30年近くになるらしいけど、羨ましい限りだ。
私の描く、理想の夫婦像に近い。

…そういえば。

今日は、汐崎さんの姿を見なかった。
最近は、ちょっと顔を合わせることを避けていた感があるけど、居るのと居ないのとでは大きな違いだ。

ちょっと様子を見に行こうかな…

そう思い、私は例の宿直室に向かった。


783 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/17(水) 09:23:13 ID:OXPrs4CH0
5/8
「清掃中」の札が掛かっている会議室の前を横切り、宿直室への長い廊下を歩く。

…歩きながら、どんな顔をして会うべきかを考える。
やっぱり上司モードで会うべき?それとも…?

素の自分で彼に会ってしまうと、どうなるだろう。
真奈美ちゃんとの仲が深まるにつれて、私の中での彼への想いも強くなっていた。
私が突然甘えるような事をしたら…きっと驚かれるか、引かれるのは目に見えている。
だから、そういうのは止めた方が良い。…今は、まだ。
こんな事態だし、少なくとも、この場所でそんな態度は見せたくない。

でも、少しくらいは――

そんな事を思いながら、宿直室のドアの前に立つ。
そしてノックをする…が、返事は無い。
また考え事をしているのかな?と思いながら、私はドアを開けて中に入る――

――と同時に、首の後ろに強烈な衝撃を受け、私はその場に崩れ落ちる。

…薄れていく意識の中、私の目には、部屋の中で倒れている真奈美ちゃんの姿が映った…。


784 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/17(水) 09:28:00 ID:OXPrs4CH0
6/8
――午後18時。某駅前。

神尾美加が夏目川と会い、彼の車に乗り込んでいく。
人通りの多い場所と時間故に、彼女も安心しているのだろう。

その様子を、俺は少し遠くから見守っていた。
そして奴の車が出た後、ワンテンポ遅らせてから、俺も車を発進させる。

…計画通りだ。
神尾はこのまま、壷のある場所まで連れて行かれるのだろう。
一応、相手の車を見失わないように注意はするが、目的地は奴の別荘だと分かっている。
そこまでは調査済みだ。

後はタイミングを見計らって、上手く壷を手に出来れば良い。
手に持ちさえすれば、それが壊れてしまうことを恐れる奴は…部下も含めて奴らは、こちらに手出しは出来ないだろう。

気を付けるべきことは…例えば、ダミーの存在か?
でも、それも大丈夫だ。
俺は既に、夢の中でアレを見ている。
あの禍々しいものを見間違えることは無い。

問題はない。全て、問題はない。
兄貴の無念を晴らし、桐谷家の呪いを消せるのも後少しだ。
そう思いながら、俺は2,3台前の車を睨み付ける。

…このとき既に、自分自身が見張られていたことに、気付くことはできなかった。


785 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/17(水) 09:29:38 ID:OXPrs4CH0
7/8
――午後19時。夏目川の別荘、地下室。

目を覚まして辺りを見渡しても、ここがどこだか分からなかった。
宿直室で急激な眠気に襲われ…気が付けばスーツ姿のまま、この冷たい床で横になっていた。

小さな電球が1つだけの、薄暗い部屋。
出入り口らしい扉を開けようとはしてみたが、ビクともしなかった。
大声を出しながら叩いてみても、何の反応もなし。

どうやら…どこか、辺鄙な場所に閉じ込められたようだ。
そう思うと共に、軽い絶望感を感じる。

軽い…

…軽い?
とんでもない。
これは、どうしようもない事態だ。
自分の今の状況からして、これは明らかに――

…いや、考えたくない。
気が滅入ってしまうのを飛び越して、おかしくなってしまいそうだ。

真奈美…真奈美の事を考えよう。
あの子は、今どうしているだろう?


786 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/17(水) 09:32:50 ID:OXPrs4CH0
8/8
腕時計を見ると、時刻は19時過ぎだった。

真奈美は夕食を食べただろうか。
今はきっと、たった1人での夕食だろう…可哀想に。
母親が亡くなってから、あの子に寂しい思いはさせたくなかったのに…。

真奈美のためにも新しい母親を、なんて考えたこともあったが、私はどうもダメだった。
女性相手には奥手で、しかも子持ち。こんな私のところに、誰が――
…と思ったところで、何故か本部長の姿が頭に浮かぶ。

そういえば、彼女には最後まで酷い態度を取ってしまった。
誰かに苛立ちをぶつけたくて、最低なことをしそうになって…それ以来、どうも顔を合わせるのを避けてしまった。
真奈美を守ってくれる、とまで言ってくれたのに。

本部長がそれを本気で言ってくれた事は、分かっていた。
彼女はそんな嘘をつく人じゃない。
だから、真奈美をお願いしますと、それだけでも言いたかったのに…。

後悔ばかりしながら、私は冷たい床に座り込む。

…2人の無事を祈ろう。真奈美と、本部長…高城沙織の。
そして、勝手なことだが――情けないくらい、本当に勝手なことだが――信じよう。
彼女が、真奈美を守ってくれることを…。




787 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 10:09:53 ID:9FattDyRO
メリーさんは随分と新しい手口で攻めてきたな

788 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 10:18:34 ID:SeZVdDtfP
赤緑乙

789 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 13:59:06 ID:AOADQXQSO
あかみどり毎度☆

790 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 15:52:12 ID:tnOUZxo30
>>778
たまに以前見たのと同じのが投稿されてるからバリエーション尽きつつあるんじゃない?
どちらにせよ、せめてまとめて書いて欲しいというのは同感。

791 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 16:56:46 ID:i52ElKlJO
赤緑久しぶり、超々乙!
あとは枯野待ち

792 : ◆7QPLwJZR/Ypf :2010/11/17(水) 18:30:06 ID:RCMQAUqL0
第2幕の始まりでございます。ほとんど望まれてなさそうなのに、続いてすまんな。
前後その他に興味を持った方は、"Aと師匠とおかん"でググってくださいな。

自己責任で読んで下さい。警告したので始めます。

"歌"

歌が聞こえることがある。
どこかの国の古典的なポップスの、印象的なサビだけを取り出したような感じで
いつも同じフレーズで、同じ歌声だ。
歌われている言語は、現代日本語で無いことだけは確かだが、
どこの国の言葉なのかは分からない。

町の中の様々な場所から流れてきて
マンホールの中や、ビルとビルの隙間などから漏れてくる。
時には街頭テレビやスピーカーからや、
母親に手を引かれた通りすがりの女の子が鼻歌で歌っていることもある。
家族や友達にもそれとなく話したが、誰も分からないようだし、
もしかして幻聴だったとしたらかなりヤバイが
毎日忙しいし、今のところ不快感を感じたりとかの害は無いので放っておいた。

今日は予備校が午前中に終わったあと、
夕方に車の教習があり、今はそこから近くの自宅まで歩いて帰る途中だ。
そろそろ日も沈みそうだし、
女の夜道の独り歩きは危ないので、すこし足早に進んでいる。
その最中も町の様々な場所からずっと歌が聞こえ続けていた。
いつもと同じように性別のよく分からないが、とても透明な声で
悲しんでいるような、喜んでいるような旋律だ。
「不思議だなあ」と思いながら、その旋律を初めてハミングしてみる。
ああ、とても懐かしくて、温かい、どうしてだろう。

793 : ◆7QPLwJZR/Ypf :2010/11/17(水) 18:30:53 ID:RCMQAUqL0
そんなことを考えていると不意に
キャッキャッと数人の小さな男の子達が目の前に走ってきた。
この子達も家路を辿っているんだろうか。
はやく帰らないと危ないよ。なんて思いながら
そのまま彼らとすれ違う、すると
一番最後尾に居た帽子を目深に被った子だけが立ち止まり、振り返って声をかけてきた。
「ねぇ、お姉ちゃん、憑き護なんだってね」
驚いて私も振り返る。耳慣れない言葉だが「ツキゴ」というのは私のことだろうか。
「これから大変だよ。でも頑張ってね。負けないで」
男の子は帽子を取ると、丸坊主の頭でニコッと笑い、
素早く私に一礼してから、
数メートル先を行く他の子達に「まてよぉ!」と叫びながら、
追いつこうと走っていった。

私は少し頭がボーっとしたまま、立ち止まっていた。
あれ…「ツキゴ」という言葉、どこかで聞き覚えがあるような…
目の前を飛んでいく数羽のカラスがあのフレーズを歌っている。
いつもと同じ、とても綺麗な歌声で。
それらに合わせるように町のあらゆる所から、ハーモニーを奏でるように、
様々な音程と多様な歌声で、
一斉に同じフレーズが流れ出した。
私は硬いアスファルトの上、歌の柔らかい波の中に飲み込まれていく
それは懐かしく温かい感触の中に、どこか哀しい響きのある合唱だった。
まるで、いままで無くなった沢山の大切な何かを懐かしむように、
そして、これから亡くなっていく沢山のかけがえの無い何かを悼むように。

静かな大合唱の中、私は呆然として立ち尽くし
その背後では、夕陽がゆっくりと沈んでいく。
町は、暗闇に包まれていった。

了。

794 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 18:48:29 ID:EhoneLhH0
ウニさん待ち

795 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 19:05:23 ID:9FattDyRO
やっぱり無駄な描写が多いな
ラノベ風らしいから仕方がないか

796 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 20:15:10 ID:jeO1Isb10
「うわあ、すごくおいしそう!」
「うちの母さんがよく作ってくれたんだよ。中学の間習ったんだ」
焼けてきた卵を箸で端に寄せ、一気にひっくり返す。
またジュゥゥと卵の焼ける音が少しした後、俺は卵焼きを皿に置いた。


797 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 21:39:00 ID:jeO1Isb10
「よし、あとはご飯をっと」
先週買い溜めたパパッとライス(こしひかり100%)をレンジに突っ込みチンしてスペアの茶碗に突っ込んでメリーに渡した。
「さ、召し上がれ」


798 :本当にあった怖い名無し:2010/11/17(水) 23:42:01 ID:3ABXtIn80
完全にラベノじゃね・・・?

799 :本当にあった怖い名無し:2010/11/18(木) 00:17:02 ID:EIUNH18p0
らべの・・・・?

800 :本当にあった怖い名無し:2010/11/18(木) 03:38:22 ID:x/s697sbO
めりぃうぜぇよまじうぜぇ書いてるヤツ死ねよ死ねよ死ねよ!
もしくは死ぬ程痛い目に遭えよ!遭えよ遭えよ!
でなければ、書くのいい加減やめろよ!!

801 :本当にあった怖い名無し:2010/11/18(木) 05:14:20 ID:nEkJreJK0
いいか、やつはそー言うレスを待っているんだ・・・

802 :本当にあった怖い名無し:2010/11/18(木) 10:48:28 ID:x/s697sbO
ごめん。

803 :本当にあった怖い名無し:2010/11/18(木) 14:11:09 ID:3VW2N3Dc0
不思議とメリーの存在を受け容れている自分に気付いた
間違っても歓迎はしないが、他の駄作がサラサラ流れていくのには爽快感すら感じる

まあ頑張れやw

804 :本当にあった怖い名無し:2010/11/18(木) 14:18:27 ID:Y5D9NIfJ0
>>803
何が読みたくてこのスレにいんの?

805 :本当にあった怖い名無し:2010/11/18(木) 20:04:52 ID:n+1/3jniP
俺は師匠シリーズとメリーさんシリーズが読みたくてこのスレを覗いてるけど。

806 :本当にあった怖い名無し:2010/11/18(木) 23:46:50 ID:qiq91EEZ0
ID変わりまくりんぐなんやなw

807 :本当にあった怖い名無し:2010/11/19(金) 01:56:06 ID:CuMYTvZ5O
1日5レスもないのに同じIDがいた方が不気味でしょう?

808 :本当にあった怖い名無し:2010/11/19(金) 02:12:27 ID:m/8BFvaK0
>>804
師匠シリーズとお婆さんシリーズだけど?


809 :本当にあった怖い名無し:2010/11/20(土) 00:31:10 ID:Fv0CD2ARO
過疎化怖い

810 :本当にあった怖い名無し:2010/11/20(土) 00:48:28 ID:NQCcjFmp0
オカ板では細々やってるスレはけっこうあるよ

811 :本当にあった怖い名無し:2010/11/20(土) 07:24:34 ID:qk487UrN0
ウニさ〜ん!
仕事終わって寝る前の唯一の楽しみがなくて、つまらないよ〜。
待ってますよ。

812 :本当にあった怖い名無し:2010/11/20(土) 11:10:56 ID:VqPR/47B0
つまらないのはそんな楽しみしかないお前の人生だろ

813 :本当にあった怖い名無し:2010/11/20(土) 13:56:35 ID:PlumDgAQ0
目からウロコがっ
寝る前の楽しみは、これから寝るってことと
一杯のシナモンふりかけココア。うまー
寝坊しても大丈夫なように明日の準備もして
明日の予定を考えながらのひととき
休み前ならサイコー

814 :本当にあった怖い名無し:2010/11/20(土) 21:51:12 ID:VqPR/47B0
予定もねーくせにww

815 :本当にあった怖い名無し:2010/11/20(土) 21:58:14 ID:bcJD6PMk0
>>814のレスのほうが負け犬臭く見えるな

816 ::2010/11/20(土) 22:31:05 ID:uuPuNAPu0
813だけど、明日の予定を考えるってのは
仕事内容、昼飯、晩飯なに食うかな…とかね。しょぼっ
休み前は違うけど
オカスレは通勤時と寝る前にチェック

817 :本当にあった怖い名無し:2010/11/21(日) 07:39:21 ID:m/2Uqh6P0
>>815
禿同。卑屈すぎ。

818 :本当にあった怖い名無し:2010/11/21(日) 11:29:13 ID:jHLTMg3Z0
一年中夏休みの人なんだろ
察してやれよ

819 :本当にあった怖い名無し:2010/11/21(日) 22:38:33 ID:jEVRLSmQ0
>>604
携帯バカにされてキレるか(笑)
すげーオモロイド

820 :本当にあった怖い名無し:2010/11/23(火) 00:18:37 ID:ZjqRWK3O0
俺君は?便乗者さんは?もー書いてくんないのか

821 :本当にあった怖い名無し:2010/11/23(火) 21:51:12 ID:kuqOOdkM0
>>815-818

過剰反応ワロス

822 :本当にあった怖い名無し:2010/11/23(火) 22:17:22 ID:D3a0d/3w0
これはネタ?マジ?

823 :本当にあった怖い名無し:2010/11/23(火) 23:50:09 ID:EqGx+Dsh0
んで、忍はどーなった?

824 :1/4 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/25(木) 18:25:59 ID:VRYjfjyZ0
『この街』


私が以前住んでいた田舎は中途半端な田舎でしたが、町は豊かで人々も仲が良く、私も近所のお婆さんと仲良くさせてもらってました。
これはそのお婆さんが、ある人から聞いた話です。

その人は30代後半あたりの男で、私が生まれるよりもずっと前にこの町に引っ越して来たそうです。
お婆さんと男は世間話をしたりといった近所付き合いをする仲になりましたが、
ある日、彼は自分が引っ越してくる前の地元で起きた“ある出来事”をお婆さんに話しました。


男がまだ地元に住んでいた頃、彼には妻がいました。しかし妻は赤ん坊(娘)を産む際に命を落としてしまったそうです。
妻の葬儀の後、お坊さんが男にこっそり話掛けてきたかと思うと、
「奥さん亡くなった直後に言うのも何だが、ちょっと言っておかなければならないことがある」
と前置きし、とんでもないことを話し始めました。
「貴方の奥さんが亡くなったのはその娘さんのせいだ。娘さんは、言いにくいが、非常にまずいものをもって産まれて来た。
何のせいかはわからんが、言うなれば貴方の娘さんは地獄をそのまま人間にしたようなものだ。
娘さんが悪いわけでもない、貴方や奥さんが悪いわけでもない、ただ原因もわからないが、端から娘さんは厄そのものとしてこの世に存在している。
きっと娘さん自身、今後の人生で友情にも愛にも恵まれず、死後成仏することもない。それだけでなく、彼女の親族……つまり貴方や、貴方の親族でもあるが、
普通の人よりは長生きできんし、その子孫までにもそれは残るよ。そして貴方も彼らも死後成仏できんだろう」

男は息を呑んでお坊さんの話を聞きました。そしてお坊さんは最後に男に対して深く頭を下げて言ったそうです。
「こんな時にこんな話をして本当に申し訳ない。ただ知っておいてほしかった。覚悟をしておいてほしかった。
何せ娘さんが産まれたことで貴方たち一族が背負うことになったこの災い、私にはもう、どうすることも出来ないので」

825 :2/4 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/25(木) 18:28:35 ID:VRYjfjyZ0
それから年月が経ち、娘が3歳になった頃。男は娘を小さな託児所に預け、時には土日も仕事へ向かうような忙しい日々を送っていました。
娘は、言葉も教えていた割に口数が少なく、表情も乏しく、託児所でも一人ぼっちで、話しかけられても無反応な子になっていたそうです。
男はそんな娘の様子を見る度に、あの日お坊さんに言われたことを思い出していました。
そして彼自身、霊感と呼ばれるものなど持ち合わせていないにも関わらず、娘そのものに言い知れぬ違和感というか、妙な空気を常に感じ取っていました。
それは後で考えると「負」、つまり「マイナス」という言葉がしっくりきたそう。


そんなある日のこと、男の住むその町をある出来事が襲いました。
映画化もされた、有名な大水害です。

それは男が託児所に娘を預けたまま職場にいる時に起きました。
男はもともと危機意識の薄い性格であり、さらに当時その町の人々の間では水害と土地との関係等の知識が一般的でなく、
多くの人が事を甘く見ていました。男もこれぐらいの暴風雨なら大丈夫だろうと、託児所を信用し切っていたそうです。

男がそもそも自分自身が職場から出られない状況であると気付いたのは、職場の建物が停電し、同僚が外の様子を見ようと玄関まで向かってからでした。
同僚に呼ばれて皆で玄関へ向かうと、玄関がまるで浴槽のように水を波打たせていたそうです。
雨戸で塞がれた窓から外の様子など知ることもなく、暴風雨がここまで町を水没させていることに皆気付いていなかったのです。
しかしそれでも、この水没がまだマシな方だったなんて、彼らは知る由もありませんでした。
男が後に知る、自分の家や託児所のある南西地区の状況は、こんな生易しい水没などではなかったのです。

渦巻きのような巨大な天気とともに暴風雨が過ぎ去り、汚い湖だけが残された町の中。
男はその湖に足止めされ職場に束縛されている中でも、状況の知れない南西地区での災害程度もここと同じぐらいの状況だろうと高をくくっており、
停電状態で情報も入らなかったこともあって、その時すでに数千もの命が失われいていることなど夢にも思っていなかったのです。

826 :3/4 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/25(木) 18:31:23 ID:VRYjfjyZ0
ようやく帰途についた男が事の重大さを知った時、すでに全てが遅く、ただ目の前には悪夢が広がっていました。

託児所の建物が無い。家が無い。知っている人の多くも亡くなり、何より娘は、行方不明になっていました。
後悔だなんて言葉では物足りない程の感情が押し寄せていると、男の名前を呼びながら知り合いが話しかけてきたそうです。
「おい、お前の娘が何処にいるかわかったぞ!」
知り合いは泥まみれの崩れた町の中を先導し、男をどんどんと引っ張って歩きました。
男は無我夢中でそれに着いて歩き、知り合いが「こっちだ」「こっちだ」と右へ左へと曲がるのに従って行きます。
そしてかなりの距離を歩き、来たこともないような地区へと辿り着きました。
こちらの方は大した被害を受けておらず、水没の痕跡すら見当たらなかったそうです。2人は役場のような建物に辿り着きました。
ここも託児所をやっている、とのこと。

建物に入った男は、職員らしきおばさんに「娘がここにいると聞いて来た」と告げました。
「あ〜はいはい。今座敷の方で一人で遊んでます。すみませんねぇ、私たちもバタバタしてて、あの子に構ってやれずに……」
「いえいえ、元々一人で遊ぶのが好きな奴でして、預かって下さっているだけで十分ありがたいです」
「そうですか、なら良かった。あ、こちらの部屋です」
おばさんが部屋の扉を開けると、広い座敷が広がっていました。畳の上には散らかったおもちゃ。
その中心に娘は、
いない……?

困惑するおばさん。外に出たらわかるはずだから、外には出ていない、はず、だけど……と、おばさんは大慌てで建物内を探しに行きました。
男はわけもわからず、とりあえず娘がいたというおもちゃの散らかった場所へ近づくと、おもちゃに囲まれて、何とも言えないものがありました。
なんと呼べばいいか分からないもの。今までの人生で知らないもの。
強いて言えば、「花瓶」「壺」「水差し」「器」……そういった系統のものに見えたそうです。材質も色もそれらとは違った印象はあったそうですが……。

827 :4/4 便乗者 ◆iWdAqLU3ds :2010/11/25(木) 18:34:20 ID:VRYjfjyZ0
ただその時、男はその物体を見ながら無性に悲しくなり、気付かぬ間に涙がボロボロと零れていました。そして同時に背後から、いや部屋全体から、
男か女か覚えてないが、とにかく声が聞こえたそう。
「すぐにわかったね。それがお前の娘だよ。お前の娘の、成仏魂だよ。泣かないで、良い方向に考えなさい。
娘は成仏したんだ、するはずなかったのにしたんだよ。この好機を逃し、もし別の形で死んでいれば、成仏していなかった。
そういった意味では、お前の娘はこの上ない絶好の機会に恵まれたと言える、おめでとうと言ってあげなさい」
「……おめでとう」
その瞬間、今度はわらべ歌か童謡のような唄が部屋に響き渡ったそうです。
大勢の小さな子どもたちの声で、聞いたことが無い、知らない童謡。ただ歌詞の中に、娘の名前が数回出て来たのを覚えているらしいです。
そしてその唄が終わり、ふと気付くと、さっきまでおもちゃに囲まれてそこにあった物体がいつの間にか無くなっていました。
職員のおばさんが戻って来て、慌てふためきながら何かを言ってましたが、男は「もういいんです」と言って、おばさんの言葉を遮りました。
その瞬間、男はふと気付きます。
「連れの者がいたはずですが知りませんか?」
おばさんは気味悪そうに男の顔を見ながら、そんな人は知らないと言います。
ここまで案内してくれた人。娘が何処にいるかわかった、と、ここまで男を連れて来てくれた知り合い。
ふと男は、その人に関する記憶が曖昧なことに気付きます。その知り合いが誰だったかを思い出せないことに気付くのです。
あの人が誰だったか名前がわからないのではなく、誰が案内してくれたのかが記憶の中で定まらない。顔も、髪型も、背丈も服装も、思い出せないのです。
あれは誰だ? どうして知り合いだと思った? もしかして初めから誰もいなかったのではないか。
来たこともないこの場所へと男が来ることが出来たというなら、案内があったことは確かだと言うのに……。


以上で私がお婆さんから聞いた話は終わりです。
ただ私がお婆さんからこの話を聞いたのは偶然で、昔お婆さんが男からこの話を聞いたのもきっと偶然で、
私が後に引っ越すことになるのも、その引っ越し先も偶然でしょう。
これは男の地元……私が今暮らしている『この街』であった出来事です。

828 :本当にあった怖い名無し:2010/11/25(木) 20:31:01 ID:4l6zCU3dO
どっかで読んだことのある話だな

829 :本当にあった怖い名無し:2010/11/25(木) 22:39:39 ID:/910kBVA0
便乗者さん、おひさ&おつです!
途中どうなることかと思ったけど、
残酷なバッドエンディングでなくてよかった

830 :本当にあった怖い名無し:2010/11/26(金) 19:51:48 ID:INQ2vij40
メリーが来た次の日、俺は学校を休んだ。
サボったわけじゃない。体力的に無理だったからだ。
昨日の夜はメリーが家に来て、近くのコンビニで夕飯買ってあげたりしたら十二時を回っていたり、
そのあと寝ようとしてメリー用に布団を出してあげたら俺に抱きついて「一緒の布団がいい…」って言ってきて、
そのあと一緒に寝るのはいいとして執拗に俺に抱きついてきて結局ものすごい勢いで俺の心臓が脈を打って、
結局一睡もできなかった。しかもかなり寿命が縮まった気がする。


831 :本当にあった怖い名無し:2010/11/27(土) 03:20:26 ID:AyzsHdnY0
便乗者さん乙〜
日本には昔から悪い物は水に流すっていう風習があるけど、
大水害並みに大きな水流だったからこそ、その子の厄も全部持ってってくれたのかもね。
バッドエンドではないけど切ない話だなぁ。

832 :本当にあった怖い名無し:2010/11/27(土) 11:26:10 ID:HUbjyJfGO
便乗者さん乙!
久々にスレ覗いて良かった!

833 :本当にあった怖い名無し:2010/11/27(土) 21:40:15 ID:zQkweVge0
「陸久、大丈夫?」
昨日すやすや眠っていたメリーが俺の顔を見て言った。
「ごめん…今日は休む…」
「うん…昨日はごめんね?」
「大丈夫…気にしてないから」
そういうなり俺はベッドに突っ伏した。
ああ、布団が気持ちいい…。
五分も経たずに俺は眠った。



834 :本当にあった怖い名無し:2010/11/27(土) 21:42:55 ID:zQkweVge0
「ふぁぁぁあ…ゲッ!?」
起きたらもう五時を回っていた。
(早く夕飯の支度とかしなきゃ…)
ガバっと起き上がってベッドに両手を置く。
……やわらかい感触があった。


835 :本当にあった怖い名無し:2010/11/27(土) 21:57:49 ID:zQkweVge0
(…まさか…)
恐る恐る手を置いたところを見る。
そこにはやはりメリーが寝ていた。ネグリジェで。
しかも俺の手はメリーの胸の上に、ちょうどわしづかみしているような形で置いてあった。
「ん〜…あ、陸久起きたんだ。おはよ〜」
などとのんきに言うメリー。俺の額からは汗がダラダラ流れてくる。


836 :本当にあった怖い名無し:2010/11/27(土) 23:54:52 ID:zQkweVge0
「うわあ!?」
バッとメリーの胸から手を取る。
俺の顔がまた熱い。
「ん?どうしたの?陸久、顔赤いよ?」
「どうしたって…胸、触られたんだよ?」
「うん。それがどうしたの〜?」
「その…恥ずかしいとか、ないの?」


837 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 00:29:01 ID:N4OnGP5T0
「ないよ〜?」
どうやら気にしてないらしい。元人形だったからか?
「いや、気にしてないならいいんだ。それよりお腹すいてない?」
「うん。朝から食べてないからすごいお腹すいた」
やっぱり。


838 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 00:35:17 ID:N4OnGP5T0
「なんか食べたいもの、ある?」
メリーは「んー」と言いながら少し考えた後、
「陸久の手料理が食べたい」
と言った。
「……は?」
「だから陸久が作ったものなら何でもいいよ?」


839 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 00:48:48 ID:N4OnGP5T0
(俺何も作れないんだけど…)
などとは言わない。言ってはいけない。言ったら男が廃る。
「簡単なものでいいの?」
「うん、いいよ」


840 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 00:52:19 ID:N4OnGP5T0
早速俺はカセットコンロを取り出して料理を始めた。
材料はさっきコンビニで買ってきたベーコンと卵とバター(総額およそ千円)。
「メリー、たくさん食べたい?」
「ん〜、少なめでいいよ」
(じゃメリーは卵三つで俺四つかな…)


841 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 00:58:45 ID:N4OnGP5T0
取り出したボウルに卵を三つ割って溶く。
卵を溶き終わった後はベーコンを四列ほど切ってフライパンに放り込む。
ジュゥゥといい音を立てながらベーコンが焼けていく。
その中にバターを放り込んで一気に揚げる。

842 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 00:59:03 ID:N4OnGP5T0
ベーコンがカリカリに焼けたところでさっき解いた卵を一気にフライパンに流し込む。
卵の焼けるいい香りが部屋を満たす。
俺のそばからメリーがひょこっと顔を出してフライパンを覗く。



843 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 19:32:46 ID:+sQ056CJP
ついこないだ同じの書いたとこじゃん
もうちょっと考えてよ

844 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 23:25:51 ID:NbHK5E9dO
卵食い過ぎw
メリーはピザだったんだ

845 :本当にあった怖い名無し:2010/11/28(日) 23:53:51 ID:uNgilDMQ0
また洒落怖本スレにここの糞厨房ラノベシリーズを投下しようとしてるカスがいるようだが止めろよ
お前らはこの隔離スレから出てくんじゃねえ
猿は油断するとすぐにルールを破るから困る
黙ってここで俺キャラ無双と腐女子ホモホモ妄想SS垂れ流してろ


846 :本当にあった怖い名無し:2010/11/29(月) 00:00:31 ID:I15o6/Pd0
ほもほも(^^ω)

847 :本当にあった怖い名無し:2010/11/29(月) 01:23:52 ID:nIDziysbO
ここもシリーズものとは名ばかりのコピペ改変スレに成り下がったか

848 :本当にあった怖い名無し:2010/11/29(月) 02:03:06 ID:aKsGmuVw0
洒落怖スレも粘着しか残ってないし

849 :本当にあった怖い名無し:2010/11/29(月) 20:41:35 ID:08+abRSTO
俺君待ち(´エ`)


850 :本当にあった怖い名無し:2010/11/29(月) 22:17:44 ID:qa29I1vv0
いっそスレタイに「創作」って入れた方がスッキリするんじゃない?
最初から誰も本当の話としてなんて読んでないし
創作SSとして認識してるでしょ
なら最初からそう断りを入れた方が敷居が下がろうってもんだ
別に洒落怖のテンプレを引き継ぐ義理なんてないし
区別化にもなる
あ、「敷居が下がる」なんて書くと条件反射で反対する子がいるかな?
「投稿しやすくなる」と言い換えよう
作品のレベルなんて最初から最底辺縁の下の力持ちだから「質の低下」なんて心配する必要も無い


851 :本当にあった怖い名無し:2010/11/29(月) 22:19:13 ID:nIDziysbO
つまり次からはメリーさんスレだということか

852 :本当にあった怖い名無し:2010/11/29(月) 22:53:50 ID:H1LBYOug0
それだと完全に板違いでしょ。
実話とも創作ともとれる、あいまいな立ち位置だからこそ作られるものを期待してるのではないか。だからオカルト板。
少なくとも俺はスッキリしたいんじゃなくて、そのあいまいさを楽しんでるのよ。
まあ、明確な区別化も悪くはないし、どうしても書きたいなら「創作」の隣に「実話」とも入れたら良いんじゃない?

853 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 02:39:58 ID:5m1IV11l0
実際過去には実話だったり、実話を脚色したり整理してる人もいたかもしれないし、
少なくとも正面切って創作だと言ってる人の方が少なくないか?
そもそもが怪談には曖昧さがつきものだし、
そう言うところが好きでもあるので創作って謳うのは何か違う気がする。
まあ創作怪談のスレがあってもいいとは思うけど、
ここをそれに充てるのは乱暴かな。
実話ベースやあくまで実話の体で書きたい人が困るだろうし。

てか、創作って銘打ったら却って敷居上がってるよね。
実話でもないのに散々練ってこれかいとでも言わせたいのかな。
玉石混淆殆ど石のスレで。
自分は好きだけどね、こういうの。


854 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 13:50:34 ID:Rt0BHmV10
[計画の進行(後)]

1/11
――誰かに呼ばれたような気がして、私は目を覚ます。

えっと、ここは…宿直室?
…あぁ、そうだ。私はここに来て、誰かに――

首の後ろが、少し痛い。
人間て、あんな風に気を失うものなのね…
私はそんな事を思いながら、すぐには起き上がらず、横になった状態で辺りを確認する。
…と、すぐ横に真奈美ちゃんが倒れているのに気付く。

私「真奈美ちゃん…」
ゆっくりと上体を起こし、彼女の様子を見る。

…息はしている。それも規則正しく。
顔色が悪いことも無く、外傷も無さそう。これは――

声「寝ているだけだぜ」

部屋の入口の方から、聞き覚えのある声が聞こえる。
…最低。

私「どういうつもり?…藤木」
私は首の後ろを押さえながらゆっくりと立ち上がり、声がした方を見る。
そこには、ニヤけた顔の藤木が立っていた。


855 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 13:52:28 ID:Rt0BHmV10
2/11
私「真奈美ちゃんに何をしたの?汐崎さんはどこ?」

私はできるだけの虚勢を張り、藤木を問い詰める。
ここで気後れしてはいけない。
どうやらこれは…最悪の状況のようだ。

藤木「お嬢さんには、グッスリと寝てもらっているだけさ。きっと、引っ叩いても明日の朝までは起きないだろうなぁ…」
私「…」

明日の朝、と言われて時間が気になった私は、部屋の時計を見る。
…19時過ぎ。気を失っていたのは30分くらいか。

私「…汐崎さんは?」
なぜ真奈美ちゃんにそんな事をしたのか。なぜ彼女がここに居るのか。
それはきっと…嫌だけど、想像が付く。
それより分からないのは、汐崎さんの行方だ。

藤木「さぁねぇ、どこに行ったのかねぇ〜?」
首を左右に振りながら、おどける様に藤木が答える。
その様子には、何か…不快さを通り越した、異常を感じる。


856 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 13:55:26 ID:Rt0BHmV10
3/11
私「…知らないのね。なら、良いわ」

…もちろん、良くない。
でも今ここでコイツ相手に、僅かでも弱いところは見せたくない。

私「それで、あなたはここで何をしているの?」
情けないことに、少しだけ足が震えてしまう。
なぜなら、この男からいつも以上に危険なものを感じるからだ。
私はそれを隠すように声を張り、藤木に質問をする。

藤木「何って…何だと思います?」
そう言いながら、土足のまま藤木が部屋に上がってくる。
…その手には、霧吹きのようなものが握られている。

私「聞いているのは私よ。…答えなさい」
近寄ってくる藤木に対して、逃げ出したい気持ちを抑えながら、私は言う。
私のすぐ足元には、真奈美ちゃんが倒れている。
彼女を見捨てて、一人だけ逃げるわけにはいかない…。

藤木「本当は、これですぐに眠らせても良かったんですけどねぇ…」
私の目の前まで来た藤木は、そう言いながら手に持っている霧吹きを軽く振る。
言い分からして、中身はどうやら…睡眠剤のようだ。
もしそうなら、今ここで使わせちゃいけない。絶対に…。


857 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 13:58:12 ID:Rt0BHmV10
4/11
藤木「ちょっと伝言がありましてね。副会長からの」

副会長…ね。
何を言われるのか、何となく想像は付く。どうせ――

藤木「もっと素直な女に生まれ変われ、ってさ」

…そんなことだろうと思った。
本当の私を知っている訳でもないくせに…。

藤木「というわけでぇ、これでお休みになって――」
私「…藤木、それで良いの?」
霧吹きをこちらに向けた藤木に対し、私はその目をジッと見つめながら言う。
こんなこと、コイツにはしたくないけど…。

私「あなたは良いの?私を…殺してしまいたいの?」
藤木「ん…?」
私「私が嫌い?」
藤木「…」

藤木は私の目を見つめながら、その手を下ろす。

こんなことは、イヤ。
汐崎さん以外に、こんなことしたくない。
…でも、今は真奈美ちゃんが居る。
自分だけならまだしも、私は彼女を守らないといけない――


858 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 14:00:08 ID:Rt0BHmV10
5/11
私「好意を持ってくれているって、思っていたのに」
藤木「…」
私「こんなこと、するなんて…」
藤木「ま…」

私は誘惑するように、藤木の目をジッと見つめる。
彼を上手く取り込んで、この場を逃れる。今は、それしかない。

――しかし、そこに誤算があった。

藤木「ま…魔女…」
私「…?」
藤木「魔女…だ…!」

不意に藤木の目から光が失われ、そこに闇が生まれる。
その目をジッと見ていた私は、逆に取り込まれそうになり、慌てて視線を逸らす――
――が、そのせいで、彼が再び手を上げ、私に霧吹きを吹きかけたことに気付くのが遅れてしまった。

甘く痺れるような香りが鼻と口から体内に広がり、意識が混濁する。
私は立っていられなくなり、その場によろよろと崩れ落ちる。


859 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 14:06:46 ID:Rt0BHmV10
6/11
藤木「魔女!魔女だ!誘惑された!取って喰われるぞ!」

倒れた私のすぐ傍で、藤木が叫んでいる。

何てこと――

藤木「火炙りだ!魔女は…火炙りだ!」

…壊れている。
藤木は既に、壊されている…!

藤木「眠らせて火炙りです!生きたままぁ、火炙りですよぉ!」
意識を失いつつある私の鼻と口に、今度は布が押し付けられる。
先ほどより強烈な…甘さなど欠片も無い、吸い込めば身体が痺れるだけの、危険な香りを感じる。

吸い込んじゃいけない――

徐々に消えゆく意識の中、ただそれだけを思い…私は息を止める。
どのくらいの間そうしていられるか分からないけど、それが私にできる、精一杯の抵抗だった。

…しかし意識は薄れ…やがて私は、そのまま意識を失った…。


860 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 14:08:42 ID:Rt0BHmV10
7/11
――
神尾美加を乗せた車は、山道を登っていった。

ここからは一本道で、この先には、夏目川の別荘がある。
俺は奴の車が十分離れた後、道の脇に車を止め、そこで降りる。

ここからは、徒歩だ。
この辺りの道は、既に調べてある。
ここを歩いて登って――

――突然、道の前後から車が現れ、こちらに迫ってくる。
そして、車を降りたばかりの俺の目の前で急ブレーキ。俺は前後を挟まれる。
こちらも咄嗟に山道に逃げ込もうとするが、そこから数人のスーツを着た人間が現れ…
更に振り返った先、俺の車の逆側からも、数人が現れる。

ほんの僅かな間の出来事だった。

俺は、完全に行動を読まれていた。
車を止める場所すら読まれ、こちらが車を降りるタイミングを狙われた。

こんな簡単に、か…。
ただの老人を相手にしているつもりはなかったが、俺が甘かったか?

畜生…!


861 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 14:10:24 ID:Rt0BHmV10
8/11
「――分かった。よくやった」

別荘に着き、車を降りたところで部下から連絡が入り、桐谷隆二を捕らえたことを知る。

私「では引き続き…分かっているな?」
私は命令を確認し、携帯を切る。

簡単なものだ…。
もはや、何の障害も無い。

共に車を降り、辺りの様子を窺っている神尾美加を見ながら、そんな事を思う。

私「すみません、仕事のことで…。さぁ、ここです。行きましょう」
神尾「あ、はい」
私は神尾を伴い、別荘に入る。

…終わったな。

この別荘は、よくあるログハウス的なものではなく、純和風の一軒家に近い造りになっている。
私がここで隠居生活を送るために、建てたものだ。

その何よりの特徴として…この中では、携帯の電波を遮断している。
後々は不便になるので解除するつもりだが、今はそうしている。


862 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 14:13:46 ID:Rt0BHmV10
9/11
神尾美加をここに連れてくるにあたって、私が最も気にしていたことは、例の”耳”の事だった。

しかし、ここ数日神尾をマークしていたが、それらしい人物との接触は見られなかった。
霊感持ちの子――鮎川古乃羽という名前だった――とは、よく一緒に居たようだが、報告では彼女は耳の人物ではない、とのことだった。

こちらを探っていたのだから、当然接触はあるだろうと思っていたが…結局、そんな素振りは無いまま、今日を迎えた。
勿論、知らない間に会っていた可能性はある。普通に考えて、電話で連絡を取っていた可能性は、十分にあるだろう。

…しかし、それなら良いのだ。
電話という媒体を通してのみ、という話なら、何の問題も無い。
中に入ってしまえば、神尾は完全に孤立する。

しかも、部下にはここに来る道を見張らせている。
往来会の人間であろうと、誰一人、決して通さないようにと言って…。


863 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 14:16:39 ID:Rt0BHmV10
10/11
――
20時を少し過ぎた頃…

冷たい床に胡坐をかき、真奈美と高城沙織の事を考えていると、突然扉が開かれる。
私はアッと思い立ち上がるが、扉はすぐ閉じられてしまう。
1人の男を、私の目の前に放り込んでから…。

私「…大丈夫ですか?」
私は再び座り込み、放り込まれた男に声を掛ける。
すると――

私「…桐谷隆二?」
写真でしか見たことのなかった顔が、そこにあった。

桐谷「イタタ…。えぇ、そうです…はじめまして」
桐谷は腰を押さえながら私の目の前に座り、挨拶をしてくる。

桐谷「汐崎祐一さんですね。いやぁ、こんなとこで会うとは…生前は兄がお世話になりました」
ペコリと頭を下げる桐谷。
それに対し私は…どう対応して良いか、迷ってしまう。


864 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/11/30(火) 14:21:03 ID:Rt0BHmV10
11/11
私は桐谷隆二に対して、恨み言を言ってやりたい気持ちがあった。
真奈美を巻き込んだことについて、殴り倒してやりたい気持ちがあった。

しかし、最近の1人での時間を利用して、冷静にこの一連の事件について考えてみた私は、1つの事を確信した。

――桐谷隆二には、確固とした目的がある。

兄の事件を解決する…それ以外の、何かが。
それは手段を選んでいられないような、切迫したものに違いない。
そしてそれは、往来会にとって、不利益になることだ。
私はそれについて、彼と話をしてみたいと思っていた。

私は早速、彼に自分の考えをぶつけてみる。
…すると、彼は答えを返してくれた。
高城沙織と、何と真奈美にも話したという話を、私に教えてくれた。

それにより、私はようやく…ここにきてようやく、往来会の秘密を知った。

…と同時に、この状況がいかに絶望的であるかを、改めて思い知ったのだった…。





865 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 14:40:46 ID:h9zVdpXu0
赤緑△

866 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 17:22:41 ID:6/i5fz8Q0

このスレの話を「もしかしたら実話かも」なんて思う奴いないと思う
いたらよっぽどの池沼か小学生だ
洒落怖本スレがギリギリのラインだ
別に創作だってオカルトはオカルトだ


867 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 17:26:56 ID:llD12R+4O
>>854
まるでモバゲー小説だな

868 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 19:45:30 ID:p5eCP7w2P
>>866
俺もそう思う。
まあ怖い話って全部創作なんだけど、
ちょっとバカな人に実話かもって思わせられるのはそれなりにすごいことなんだろなあ

869 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 19:46:44 ID:6bs4NHKA0
>>866
書かれている話の中の、1%くらいは事実が混ざってるんじゃないかな(混ざってて欲しいな)くらいの気持ちで読んでるよw

でも、最初から創作って書かれたら読む気が失せるから、明記する必要はないし、しなくて良いと思う。
要は、実話だろうが創作だろうが、恐かろうが恐くなかろうが、楽しめればいいんだよ。
洒落怖本スレだって最近のはなぁ……。

870 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 19:55:00 ID:b8Ti6V530
実話ベースである程度の脚色をした・・・とは思わんのか

871 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 20:17:20 ID:p5eCP7w2P
そりゃあまあ、例えば登場人物5人のうちの一人ぐらいは、
モデルの言動が似てる人が居るのかもしれんかもねとは思うけどさ。
それってまあ日本っていう実在する国が舞台になってるっていうのと変わらんし。

872 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 22:26:03 ID:zOmeiYXB0
こんな雰囲気じゃ新規投稿は望めないな
>>1の掲示板になら煽りも少ないだろうから今迷ってるやつはそこにでも投稿してくれー

873 :本当にあった怖い名無し:2010/11/30(火) 22:35:05 ID:e88JNan80
赤緑凸

874 :本当にあった怖い名無し:2010/12/01(水) 15:53:58 ID:cteMzf+V0
>>870
実話があるのにラノベ風に脚色するんですか
無理やり過ぎる・・・・


875 :本当にあった怖い名無し:2010/12/01(水) 17:31:47 ID:OBfOzfnK0
読み物として昇華した結果・・・とは思わんのか

876 :本当にあった怖い名無し:2010/12/01(水) 18:50:07 ID:7MuJJ3YO0
>>875
昇華してラノベ・・・

877 :本当にあった怖い名無し:2010/12/01(水) 20:29:09 ID:FK5hytGMO
現実を昇華させると不出来な創作になるのか

878 :本当にあった怖い名無し:2010/12/01(水) 20:33:07 ID:fljFAjUT0
お前ら黙って読めないのかよ

879 :本当にあった怖い名無し:2010/12/01(水) 21:03:35 ID:PDHb39U90
お行儀が悪いですぅ

880 :本当にあった怖い名無し:2010/12/01(水) 21:33:30 ID:7MuJJ3YO0
翠星石に言われちゃ反省するしかない
すまんかった


881 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 02:09:30 ID:gX1Lm8KXO
タラちゃんかも知れん

882 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 03:49:32 ID:tbcm8zaa0
>>879-881 私としたことがこんなので……

883 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 16:37:59 ID:vXItw5E60
               -───-
.              /   ____  ̄`
           /   / ___   \   \
          《  / / : : : : : : : : : :\ \ } 》
.             》/ / / :/ : : : : : : : : : \ ∨《
.            /// : :/ :/ : : : /:/ |: : : : : ∨^:|
           l∨ : : l :/: : :// / :八 : : : l: l : :|
           | :| : : :|/ :/ //:/ :/  ヽ: : | ハ: :|
           | :| : : :|≧x、/イ//,.ィ≦ハ ノ : l: :|
           } :|八 :代uzノ    弋uzノ仏イノ: :|
.           ′:} 仆⊂⊃     ⊂⊃イ 八 : :|   お行儀が悪いですぅ
.        /: : / 八 >  〜〜〜 .イ}{ : : : |
.        /: : 〈 // ̄》 》≫=≪《 《V ∧: : :
.        / : : : : {   》《_》《_》《 〈 /  、: :丶
       /: : : : : : }   《_/八_》      }: : : :\
     /: : : : : : :/    ∨{><}{    {: : : : : : :\
    / : : : : : : /人,___人}><}人__人\ : : : : : :ヽ
   《 : : : : : : // { ̄/∨`¨¨¨´∨\ ̄} \\ : : : : : \
  《 : : : : :/ 《(   } {_人    人_} {  )》 \ : : : : :》
   》: : :/   》)  人人_))   ((_人ノ (《    \: : :《
  《 :/    《(    \        /    )》      \ 》
   `\\    ≫x、    \__/   ,x≪     //


884 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 20:17:00 ID:0lqJx+aT0
最古参、赤緑最新作へのレス

865 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/30(火) 14:40:46 ID:h9zVdpXu0
赤緑△

867 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/30(火) 17:26:56 ID:llD12R+4O
>>854
まるでモバゲー小説だな


873 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/11/30(火) 22:35:05 ID:e88JNan80
赤緑凸


ついに「乙」さえ言われなくなったなwwwww
もうやめちまえww


885 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 20:22:49 ID:0lqJx+aT0
>>870
え?という事はお前は実話と思ってたのか?


886 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 20:36:16 ID:MtjdSDbj0
じ、実は、、、

887 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 20:45:26 ID:vXItw5E60
作者が100%脚色なしの実話って断言してくれればいいんだよ
そうだ、作者一人一人お白州に引き出して
「その方たち、この話が全て事実である事、相違ないな」
「だから何度もそう言ってるでしょうお代官様〜、そんな町名無しの言う事を真に受けちゃいけやせん」
「待って下さい!そいつらの書いてる話は全部嘘話です!証拠なら遊び人の金さんが」
「おいおいおい、言いがかりはよしてくれよ!じゃあその金さんとやらを呼んでもらおうか!」
「そうだそうだ!金公出せ金公!!」
「やかましゃあ悪党ども!」
と公正な裁きを下そう。方針は「疑わしきは抹殺」な方向で


888 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 21:20:46 ID:q/ccrPRZ0
実話だの作り話だのを言い出したらキリがないだろうが
自分の中で「これは実話だ」と思えば実話になるし「創作だ」と思ったならそれは創作。
一々主張すんな


889 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 22:07:55 ID:4Pcdf+0BO
パクリじゃない話であれば創作だろうと何だろうと構わない

890 :本当にあった怖い名無し:2010/12/02(木) 22:26:22 ID:jMQYZnwH0
蒙昧ながら新作楽しみにしているのです

891 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 05:35:05 ID:tabIvpIl0
俺が面白いと思えたら何でもいいんだよ
パクリだろうが創作だろうが
はよ次

892 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 09:34:58 ID:yDIC479x0
ラノベ作家に影響されてる文体は萎える
例えばああこいつ奈須や京極夏彦辺りに影響受けてるなーとか解って失笑が止まらない
そして・・・や―――を多用して受けを狙うのは勘弁してくれ
一応オカ板なんだし笑いを取りたいならお笑い系の板でね
なんとかカッコイイ文章にしたいのは解るけど全部どっかで読み覚えのある文体
いつ元ネタ作家のキャラが出てくるか別の意味でドキドキするもん

893 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 11:59:18 ID:/zaQiQX90
>>887
一目見てメリーコピペかと思ってNG入れるとこだったわ。

894 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 19:34:24 ID:NI9Wi3FZ0
>>892
お前昔の小説とか読めないだろ
今の常識からすると驚くほど誰それの影響ってのを隠しもしない作品が多い

895 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 19:41:47 ID:tNdBbZ4r0
>>894
――――そうだったのか。

「・・・・すまん」

俺は戦闘の構えを解いた

896 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 20:15:58 ID:5R/lTsnO0
ラノベ文体が嫌いならそれらしい表現が出てくる作品を読まなきゃいいだけの話
そういうのが好きな奴も中には居るだろ

投下待機

897 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 20:38:28 ID:It7K5pPZ0
>>887
ウニも忍もウニをパクった奴も実話だと断言してるじゃんw
創作丸出しなのに意地でも実話です、と言うから馬鹿にされてるんだよ

>>888
なんだよ主張するなって?ここはお前の掲示板か?何様だよ

898 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 21:00:12 ID:/zaQiQX90
ウニも創作なんだからいいだろ別に
それなりに楽しめればいいんだよ

899 :本当にあった怖い名無し:2010/12/03(金) 22:28:49 ID:X+HmrXcfO
>>894
それでも昔の小説は読めるものが多かった
今は文体だけならいざ知らず、ストーリーと設定ももろパクリしておきながら
「自分が体験した実話です(キリッ」
が多すぎる

900 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 04:04:22 ID:Xhbrdd7W0
そんじゃあストーリーと設定モロパクりしてる実例を軽く20ほど頼むわ

901 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 05:04:35 ID:RlX0x+Ki0
よそでやれ

902 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 11:08:23 ID:GJE4XyBu0
楽しければいいと思う。
>>899のストーリーと設定ももろパクリしておきながら
「自分が体験した実話です(キリッ」
ってのは、怖い話の投稿サイト読んでるとよくあるね。
>>900の言っている実例もってこいというと持ってこれないけど、
怖い話の投稿サイト読んでればあるよ。
少し話しがずれるが、俺は、
「自分が体験した実話」
でも、終わりが中途半端というか、
結末がちゃんと書かれていないものはバッタだと思ってるよ。
例えば、
そこには、ぐちゃぐちゃの顔の女がいた。
とかで終わってるもの。いて、見つけたから、どうしたんだって話。
人間の心理として、実際に体験した話だったら、本当に最後まで書くだろ。
特別な事情でもない限り。

903 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 13:44:14 ID:RVu55vFO0
「これは本当にあった話です」
とか前置きがあると逆にああ100%作り話なんだと思う
そして登場人物がAさんBさんだと更に鉄板になる
結末が上にあるように衝撃的シーンで止まってると更に「小学生の作った話か・・」
と頭を掻く

904 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 17:38:44 ID:GJE4XyBu0
>>903
わかるわ。
けど、結構多いんだよね。そういうの。

905 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 18:44:59 ID:XARkwsVR0
実話だろうが創作だろうが読めればいいんだよ
書いてくれる人が居なくなったら、このスレ終わりだぞ

906 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 19:26:02 ID:V0Vll4AZ0
もう疲れたのかな

907 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 20:57:43 ID:x96J+sOTP
実話だとおもって読んでる池沼いるの?
って話なので、べつに創作だからダメだって話は誰もしてないとおも

908 :本当にあった怖い名無し:2010/12/04(土) 22:17:13 ID:RVu55vFO0
元々洒落怖スレで師匠の劣悪な模倣作品が乱立した末に隔離されたスレだから
本人たちが満足して活動を止めれば別にスレの存続に拘る必要も無い
スレの発生自体はしかみたいな理由でだったんだし
スレが消えていけない理由なんて何ひとつないんだよ
そして逆もしかり

消えたくなければ必死に盛り上げなさい投下しなさい
祟り目ってのは常に弱り目に付け込んでくるもんだ


909 :本当にあった怖い名無し:2010/12/05(日) 16:40:40 ID:sNqT2l140
http://sukima.vip2ch.com/up/sukima001747.jpg

910 :本当にあった怖い名無し:2010/12/05(日) 18:03:02 ID:y43BvYEM0
>>907
では、実話ならダメですか?
あなたのような言い分だと、ここに投稿された作品はすべて創作でなければならないということになりませんか?
オカルトな実話を認められないのなら、他板に行かれた方がよろしいと思われますよ
逆に創作嫌いの方もいらっしゃるようですが、このスレのオカルトものを扱う性質上創作臭くなるのは仕方ありませんし、
そもそも、まったく新しい自分の文体を作り出すのはプロでも難しいことです。
似たような文体が並んでいることこそ、現実らしいと思いませんか?

911 :本当にあった怖い名無し:2010/12/05(日) 18:33:27 ID:/Exjazcu0
なるほど、これがオカルトか

912 :本当にあった怖い名無し:2010/12/05(日) 20:17:10 ID:ioEOESiJO
だからといって師匠シリーズを模倣した駄文垂れ流されても困るけどな
叩かれたくないならチラ裏にだけ書いて投下しなけりゃいい

913 :本当にあった怖い名無し:2010/12/05(日) 20:38:31 ID:Z5y0R9vS0
そういうこと言うから・・・

914 :本当にあった怖い名無し:2010/12/05(日) 21:20:52 ID:Uh1RAt3b0
>現実らしいと思いませんか?
何が何でも現実と言い張るつもりで・・・・
しかもラノベ風味の似たような文が並んでるから現実的?
意味不明を通り越してカオスさえ感じるオカ板らしいレスですね


915 :本当にあった怖い名無し:2010/12/05(日) 22:24:24 ID:SgeHBxRP0
オカ板らしいなら何の問題も無いな

916 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 00:10:58 ID:QSUzO++D0
いや待てここは新ジャンル
「新現実ラノベ派」
の発足を宣言してみよう
中2でラノベでどうしようもなく怪しい日本語だけど現実だったら現実ですっって文学の新境地
文章界のキュビズムとしてアイツも絶賛!


917 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 02:52:58 ID:2Hay8pJ10
面白ければもう何でも良いよ……。

918 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 08:34:42 ID:mJd8s4nvO
その一言に尽きるね

919 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 09:42:45 ID:kHcGIPQF0
実話と思えば実話
創作と思えば創作
他人がとやかく言うのは無粋

920 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 10:32:16 ID:KqtajGxL0
古本でも漁ってろ

921 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 23:12:18 ID:c5fH6Qk+0
はい

922 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 23:16:18 ID:DBPVXhnS0
酒飲みトップくんのシリーズ第一弾

酒美味い、やばいくらい美味い
酒の味は解らないというか酔えればなんだっていい
舌じゃなくて霊魂が酒を美味いと感じる
日本酒を一升も飲むと様々な霊魂が見える
小さい霊魂が俺に手を振っている
しかし俺はその邪霊を叩き潰した
そしたら奴らは報復として俺をアル中とかいう病気にした

923 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 23:23:53 ID:DBPVXhnS0
ていうかシリーズ物というか女性人気を考えるとちょっとワル入ってる?みたいな?
そんな感じがモテるつまりそのチョイワルスペースに俺のアル中属性がパイルダーオンして
腐女子のドドメ色のムラサキインブ、もとい紫式部(漫画加瀬あつしのカメレオンをパクりました)を濡れ濡れ確定
そこにちょっとEPの隅に男二人褌一丁ヤニ吸い腕組み互いにガンくれ
ノンケの美少年を風呂に「来いよ!来いよ!」と引き込み現れ出でたるは全裸にオイル塗れの筋肉坊主
オッスオッスと男の友情熱い血潮に精液散らし801穴こそ我が故郷
そろそろ幽霊出さないと、しかし出るのは男の熱い迸り


924 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 23:38:27 ID:DBPVXhnS0
男の王将、月夜に照らし眺めれば、これは風流マラ見酒
キャラ同士のカップリングに花が咲き、尻にも咲きたるアナルローズ
殴り合いだぜ掘り合いだ、手を組みマラ組み、鋼鉄粉砕(マラリオン・ハンマー!)
チョイマラ親父ネコかタチかを一晩熱弁
下痢便アナルにクソミソセックス
今宵もオカルト曼珠沙華

925 :本当にあった怖い名無し:2010/12/06(月) 23:46:56 ID:DBPVXhnS0
ていうかシリーズスレ用にわざわざ某SSスレで中堅の下くらいにいる俺がですよ
ありがたく構想を練ってやったんですが気が付けばやっぱり怪異をスーパーヒーローが
エレガントに解決というハナクソ以下の展開になってるんですね
ワタクシこと高貴な高貴な文芸紳士でさえそうなんですから
ここの小学生レベルの(ロリコンなので小学生女児は大好きです、私とセックスしませんか)
作家(核爆)の皆さんでは厨2秒展開になるのは無理からぬ事ですね
結論として投下してる人に4年生くらいの可愛い女子小学生いませんか?


926 :本当にあった怖い名無し:2010/12/07(火) 01:25:34 ID:it3LYLTf0
変なのきた

927 :本当にあった怖い名無し:2010/12/07(火) 02:39:01 ID:ajz3Vwww0
>>926 荒らしはスルー

928 :本当にあった怖い名無し:2010/12/07(火) 02:42:45 ID:Z78uEuVn0
これこそオカルトな実話だ

929 :本当にあった怖い名無し:2010/12/07(火) 15:36:01 ID:mbdYm9l80
しかもここのラノベSSより100巧みな文章なので2重の意味で吹いてしまう
なんだよ真ん中あたりのホモっぽい文の無駄なリズム感はw


930 :本当にあった怖い名無し:2010/12/07(火) 23:56:27 ID:I7lUqxeg0
才能の無駄遣いww
内容はともかく、読み物という点ではウニに迫る勢いだww

931 :本当にあった怖い名無し:2010/12/08(水) 04:19:34 ID:JGun49oU0
>>922-925
俺はお前が大好きだ
まあスレ違いだけどもな

932 :本当にあった怖い名無し:2010/12/08(水) 06:20:33 ID:CIEIJMwz0
斬新なシリーズモノトップくん
リアルオカルト?

933 :本当にあった怖い名無し:2010/12/08(水) 20:48:57 ID:PBVqqb6B0
ま、まさかこの調子で、スレ15は終わってしまうのか?
「俺」君に、便乗者さん、かも〜〜〜ん

934 :では:2010/12/09(木) 20:40:52 ID:7TY0o5pb0
来週

935 :本当にあった怖い名無し:2010/12/09(木) 22:18:55 ID:KnFtmnvI0
ここって新規シリーズの投稿も歓迎してる?
どうもそんな風には見えないが

936 :本当にあった怖い名無し:2010/12/09(木) 22:32:51 ID:rQ/6stJk0
一部が粘着して追い出そうとするけど気にしなくてよろし。

937 :本当にあった怖い名無し:2010/12/09(木) 23:03:05 ID:xrBWwruF0
小学生レベルのラノベ枠は埋まってるから新規投稿するならそれ以外の分野でお願いしたい


938 :本当にあった怖い名無し:2010/12/10(金) 00:12:20 ID:m+K1BcJ00
・――――、・・・を多用
・会話文が異様に多い
・会話文の最初に人物名が付く
・空白を多用

大昔のラノベの特徴
該当者がいるなw

939 :本当にあった怖い名無し:2010/12/10(金) 00:42:32 ID:9yBHLGMA0
>>938
それラノベって言うよりTRPGリプレイじゃ?
どっちにしろ大昔の遺物だが。

940 :本当にあった怖い名無し:2010/12/10(金) 05:14:32 ID:YpU0acUGO
回りくどい描写もNGな

941 :本当にあった怖い名無し:2010/12/10(金) 18:43:04 ID:fx+r31Nm0
ゲームしてたら寝ちゃってて、ガ ッ ってでかい物音でハッと起きたのね
時計見たら深夜3時近く
いつもは明け方まで寝ないでゲームしてんだけど、その日は夕飯に
バーガーキングをしこたま食べたせいか、うつらうつらしちゃってた

アパートは六畳と三畳位の台所に風呂
洗濯機はベランダに置いてある

しばらくぼやっとしてたら、また ガ ッ て音がした
風呂場から聞こえたような気がするけど、俺の座ってる位置から見えない
なんか立つのも億劫で、頭もまだぼやっとするし、動かないでじっとしてた
風呂は入ってないから、消し忘れもないし

めんどいなあと思いつつ、パソの画面見たらゲームじゃなくて
動画が流れてた

あれ?こんなの見てたっけ?
ヘッドホンからは音は



こんなんだよね>まわりくどい

942 :本当にあった怖い名無し:2010/12/11(土) 03:57:50 ID:fkcHRwU40
なんという投稿し難い流れ

943 :本当にあった怖い名無し:2010/12/11(土) 11:58:55 ID:U2jYMZIR0
そーか?

944 :本当にあった怖い名無し:2010/12/11(土) 13:31:03 ID:hChiS7JD0
「もう950近いから今投下してもレスがあまり貰えない」
とかみみっちい事考えてんだろどうせ?
そんなレス乞食な考えが50親父の頭髪くらい透けてんだヨ

とっとと作品を投下しようぜ、紳士の皆さんが15スレ目のトリとして
隠し芸大会のハナ肇みたいに盛大に歓迎してやんからよ
一番うまいカsu・・歌手は最後に出てくるもんだろ?

945 :本当にあった怖い名無し:2010/12/11(土) 14:46:09 ID:vwxjcPTM0
うるせー

946 :本当にあった怖い名無し:2010/12/11(土) 19:55:32 ID:DQFdH9KM0
てか、投下した後、みんなの感想読んでないっぽいけど?

947 :本当にあった怖い名無し:2010/12/11(土) 20:02:51 ID:AXBK2BPY0
褐色の恋人

948 :本当にあった怖い名無し:2010/12/11(土) 20:33:27 ID:fkcHRwU40
リアルで霊感持ちの知人が居るんだけど文章力無くて書けないもどかしさ

949 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 04:03:14 ID:ZR1dOoZI0
大人しくスレチな俺の話を聞け
俺の借りてるアパートは新しく六畳×2・台所・脱衣所・風呂・便所と
十分なスペックでありえないほど安い。秒差で勝ち取った物件だ。
火事で人が台所で死んだいわく付きだがな
そこで白昼夢、そう白昼夢を見たかもしれん
俺は台所に立っている。臭い、吐きそうな臭い
ふと見ると大きな鍋に小動物らしき物がぐつぐつ煮られていた
臭い、何だこれは!とにかく火を消して換気扇回して窓全開にして、しかし体が動かない
狼狽しながらまた鍋を見てしまう、オエッ
グロい、キモい、それにここ俺の台所じゃねえぞ
出たい、何で体が動かないんだ!必死でもがいていると男が入ってきた


950 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 04:55:37 ID:ZR1dOoZI0
そいつは一瞬目を剥いて驚いたが俺だって死ぬほどびびったさ
おまえ何やってんだよ!火止めろよ!くそっ聞いてねえ
鍋をかき回し始めた、吐きそうだ。アホか狂ってんのか
もうたまらん死ね死ね、おまえ死ね、即座に死ねよ
そう思っていると今度はテーブルに上りはじめた
テーブルに何か書いてある、漢文か?最初のほうだけだが
あとは死ぬ死ぬとズラリと書いてあるがしかしそんなのどうでもよかった
天井裏からロープがぶら下がってる。首吊り、典型的な首吊りだ
何か変だな、首吊る高さじゃない気がする
男は懸垂するように天井に腕を引っ掛けやはり吊った
うごっぐっかっがが・・気味悪い声をあげて少し痙攣してどうやら果てたらしい
現実離れしていてボンヤリしている

951 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 05:15:20 ID:ZR1dOoZI0
テーブルすれすれだった。つま先立ちすれば届いたんじゃないか?
現に今足がテーブルに届いてる
パシャッと音がした、鍋からだった。確かに鍋からテンの様な動物が飛び出した
あちこちバタついて窓から出て行った。生きてたのか
振り向いたら既に俺の台所だった
俺はいつから正常じゃ無くなったんだろう

952 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 06:24:56 ID:z5ZhnG4E0
見事なまでのスレチ

953 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 12:21:18 ID:vJlGkgUp0
>>922

954 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 12:23:01 ID:vJlGkgUp0
>>922
第2弾マダー?

955 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 13:45:54 ID:7Bxh4Pin0
誰か次スレ頼む
俺は駄目だった

956 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 21:26:43 ID:MxCY7Qmk0
お前が駄目なら
俺たち雑魚じゃたとえ100人乗っても大丈夫!やっぱりイナバだ!

957 :本当にあった怖い名無し:2010/12/12(日) 21:46:34 ID:6rStywKJ0
立てたよ

【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ16【友人・知人】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1292157929/

958 :本当にあった怖い名無し:2010/12/13(月) 21:56:25 ID:dPIaL0gd0
otu

959 :本当にあった怖い名無し:2010/12/14(火) 16:28:55 ID:HM1rB8Db0
梅が寺作家諸氏に送るメッセージでも書いてこうぜ!
何を言われようと我が道を貫け!
以上!

960 :本当にあった怖い名無し:2010/12/14(火) 18:17:07 ID:9Q+eycwf0
梅が寺

いい機会だからロムメンもショートショートでも披露してみては?
作家陳?は、たまにはスレのぞいてほしいなw

961 :本当にあった怖い名無し:2010/12/14(火) 18:56:16 ID:Qro2dW5g0
残り40スレ、恥を晒してみるのもありかw
しかし単なるSSではシリーズ物にならんしな
シリーズ物になりえるベースは必要だな

962 :本当にあった怖い名無し:2010/12/14(火) 20:01:03 ID:VdH0ASPk0
梅がてらスレチな話を大人しく聞くんだ
それは良くある話で、自分だけ見えてしまった道があった
舗装されてはいないけど新しい道発見!とか嬉しくなって休日に友達と
その場所に行くが道なんて無い。でも名残のように背の低い木々が道路のように
連なっている
そんな時考える。あの時道を通っていたらどうなっていたのだろう

963 :本当にあった怖い名無し:2010/12/14(火) 21:38:05 ID:usfcQcE40
>>962
行方不明

964 :本当にあった怖い名無し:2010/12/14(火) 23:46:55 ID:L1KxnCQHO
いくえさんどこに行ってしまったん?

965 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 11:20:55 ID:gCn4I4IZ0
>>960
ショートショートって難しいのよ?

966 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 13:22:36 ID:QtIreSIVO
>>962
トトロみたいw
>>962だけ呼びたかったんだな

967 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 14:49:24 ID:ehJLVed30
[炎]

1/13
再び目を覚ましたとき、既に異常は始まっていた。

目を覚ました――と言っても、意識はまだ混濁しており、強烈な眠気と身体のダルさが、私を支配していた。

目の前がクラクラして、視点も定まらない。
眠気を覚ましたくて頭を強く振ってみると、逆効果だったか、吐き気に襲われてしまう。

…それでも私は、何とか上体を起こす。
今、隣に倒れている真奈美ちゃんのために。

この子を守らないといけない。
それが、私の約束――。

でも、立ち上がろうにも足に力が入らない。
手の甲を強くつねってみると、その痛みに少し気が戻るけど…すぐにまた、自分がどこかに行きそうになる。

もっと何か…強い刺激を…

そう思い、グニャグニャに歪む部屋の中を見渡す。

…そして、部屋の隅にソレを見つける。
それは、汐崎さんがあの時持っていた、ペーパーナイフだった。


968 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 14:51:28 ID:ehJLVed30
2/13
私は身体を引きずるようにして、ナイフの元に向かう。
そして――途中、何度か意識を失った気もするけど――何とかそこに辿り着き、それを右手で握り締める。

きっと、1度だけ。
中途半端になると、2度目からは本能的に力を抜いてしまうだろう。
良い?一撃で、意識を覚醒させるのよ?
自分にそう言い聞かせ、ナイフの切っ先を左手の甲に当て…一気に体重を掛ける。

――ドスリ、と鈍い音。

横になったままの体勢だったけれど、体重を乗せて突き刺したナイフは、左の手のひらを貫通し、下の畳に達した。
そこから更に、歯を食いしばり、ナイフを引き抜く。

私「…っ!!」
声にならない嗚咽が漏れる。
かつて無い、強烈な痛み。出血。目の前がチカチカする。

…でも、成功だ。
意識は戻った…とりあえず、だけど。
後は何とかして、急いでここから逃げなきゃいけない。さもないと――

私は左手にハンカチを巻いてから立ち上がり、まだフラフラする足取りで部屋から出て、確認する。
目が覚めると同時に気付いた、その異常。その音。その…熱気。

――辺りは、火の海だった。


969 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 14:55:07 ID:ehJLVed30
3/13
なんてことを…。
ここまでする必要なんて、あるの?
普通に殺せばいいじゃない。桐谷達夫みたいに。

それとも、何?
私が魔女だって言うの?魔女だから、火炙り?
本気で…副会長は、本気でそんな事を?
それにしたって――

…と、考えていても仕方ない。
今は逃げないと、本当に焼かれてしまう。
携帯で助けを…と思ったが、私は今持っていないし、真奈美ちゃんのものであろう携帯は、真っ二つにされて部屋の床に転がっている。
それにそもそも…ここは電波が通じない可能性もある。
あの副会長なら、そこまでするだろう。

私はヨロヨロと真奈美ちゃんのところに戻り、彼女の様子を見る。
…眠ったままだ。
藤木の言う通り、叩いても朝まで目を覚まさない?
きっと、そうだろう。

あの布――私の顔に当てられた、あの布の香り。
明らかに、危険なものだった。まともに吸い込んでいたら、そのまま死んでいたのでは、とすら思う。
もし真奈美ちゃんがあれを嗅いでいるのなら…、彼女は昏睡状態とも言えるだろう。
もしそうなら、起きても直ぐに歩ける状態ではないだろうし、実際には、何をしようとも決して起きないだろう。


970 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 14:57:36 ID:ehJLVed30
4/13
とにかく、今は外に…。
私はそう思い、真奈美ちゃんを背中に背負う。

…この子が体重の軽い子で良かった。
ダイエットとか、頑張っているのかな?
無事に外に出られたら聞いてみよう、なんてことを思う。

廊下に出ると、強烈な熱気に襲われる。
頭がまだクラクラする上に、この熱気はキツイ。

…でも、だから何?
ここで倒れている?
煙を吸って、意識を完全に失うのを待つ?
そうやって、焼け死ぬのを待つ?

冗談じゃない――

私はおぼつかない足取りで、長い廊下を歩き始める。
燃えているのは主に壁際で、廊下の中央は比較的、まだ安全だ。
意識が少し定まらないまま真奈美ちゃんを背負っているので、足元には気を付けないと。
この状態で倒れたりしたら…もう、起き上がれないかもしれない。

…そういえば、火災報知機が鳴っていない。
それに、消防用のスプリンクラーも作動していない。
まぁ…当たり前かな。それくらいの準備は、しているわよね…。
私はそんなことを思いながら、少しずつ歩みを進める。


971 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 14:59:41 ID:ehJLVed30
5/13
きっと今に、消防隊が駆けつける筈。
残念だったわね、副会長。
あなたの目論見通りになんて、いかないわ。

長い廊下を、真奈美ちゃんを背負いながら少しずつ進む。
気が抜けて倒れそうになったら、左手をギュッと握り締める。
そうすれば手の中で痛みが弾けて、良い気付けになる。

大丈夫…。絶対に、大丈夫。助かるからね…。

息苦しくてちゃんと声が出せないけど、小声で真奈美ちゃんにそう伝える。
この子の背中に火が移っていたりしないかが不安だったので、時折体勢を変えて様子を確認しながら、私はゆっくりと歩いていく。

まったく…長い廊下…。
この状態で、外に出るまで…私の体力は持つ?

…平気。
この子を背負っている限り、いくらでも力が出そう。
廊下を歩くだけよ。
一歩ずつ歩いていくだけ…。

そう思った時、私の耳に救いの音が聞こえてくる。


972 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 15:01:38 ID:ehJLVed30
6/13
――サイレンだ。

聞き慣れた、消防車のサイレン。
誰かが通報してくれたみたいだ。

少しホッとする…けど、必ずしも安心はできない。

恐らく、外に居る誰か――きっと副会長の部下が、こう言うだろう。
「中に人は居ません」と。
だから、外からの助けは望めない。
そう考えるべきだ。

…でも、平気。
きっとこちらから、外まで出られる。

意識を完全に失わずに済んだのが、本当に幸いだった。
意思の力の勝利よ。
真奈美ちゃんを…汐崎さんを、2人を想う力の勝利。
副会長に、思い知らせてやる…。

私は更に、足元に気を付けながら歩みを進める。
そして、もうすぐ曲がり角に――

――というところで、顔を上げた私は愕然とする。

そこには炎を上げる、あるはずの無い”壁”がそびえ立っていた。


973 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 15:04:31 ID:ehJLVed30
7/13
何で…?

行き止まり?
そんな訳がない。
宿直室への廊下は、これ一本。間違えようが無い。

まさか、幻覚…?
そう思った私は、熱気の中、何とか目を凝らして見てみる。

…それで分かった。
私は、全身の力が抜けるのを感じる。

机だ。
会議室の長い机。
それが、廊下を塞ぐように横向きに…しかも何列にも、何段にも積み重ねて置いてある。

そんな…

万が一?
それとも、ここまで逃げてくることを見越して?
私に、絶望感…敗北感を味わわせるため?
あの副会長ならやりかねない。
私を憎んでいた、あの副会長なら。

何てこと…

私は、その場に立ち尽くしてしまう。


974 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 15:07:17 ID:ehJLVed30
8/13
私には、何列にも並べられ、積み重ねられた会議室の机を動かす力なんて、無い。
しかも、燃え盛っているその机を。
そんなの、男の人が何人も居ないと無理だろう。

では、完全に燃え尽きて、自然と崩れ落ちるまで待つ?

…ダメだ。
そんな時間、ここに居たら…確実に死んでしまう。

こちらは、既に意識が朦朧としている。
手の痛みも麻痺してきてしまった。

煙を吸い込むまでも無く、気を失って…炎に包まれて終わり。

外にはきっと、大勢の野次馬と消防の人達が居るだろうけど…助けを呼ぶような大きな声なんて、出せそうにも無い。
息苦しくて喉が痛くて、小さな声すら出すのが辛い。
そもそも…この炎の中、どれくらいの声を出せば外まで聞こえるの?


975 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 15:10:02 ID:ehJLVed30
9/13
私はその場に座り、背中から真奈美ちゃんを降ろして横たえる。
そして上体を抱き上げ、彼女の頭を胸に抱く。
…辺りに立ち込めてきた煙を、吸ってしまわないように。

ここで、諦めちゃいけない…。
彼女を抱きかかえながら、そう思う。

…でも、私達を取り囲む炎が、絶望感を煽り立てる。
一体…この状態から、どうすれば良いの?
何か考えないといけないけど、頭が上手く働かない…。

徐々に気も遠くなってくる…
背中が…体中が、熱い。

あ…真奈美ちゃんは、平気…?

私は彼女の体を、足の先まで確認する。
火が移ってきたら、消してあげないといけない。
最後まで…意識を失うまで、できることはやらないと…。


976 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 15:17:46 ID:BjOqUrip0
支援

977 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 15:38:01 ID:ehJLVed30
10/13
私の夢は、もう叶わないかな…

真奈美ちゃんを見守りながら、そんな事を思ってしまう。
段々と弱気になってきて、心が折れそうになる…けど、なんとか繋ぎとめる。
私が諦めたら、この子が可哀想だ。

真奈美ちゃん…

彼女を強く抱きしめる。

ごめんね、真奈美ちゃん…
ごめんなさい…祐一さん…
私――…

涙が溢れてくる。
それはきっと、煙のせいじゃない。
彼に、自分の気持ちを伝えられなかったのが、残念だった。
このまま、何もできずに終わってしまうのが、悔しかった。

小さな子供のように、声をあげて泣きたくなる。
でも、それをグッと堪えて、私は祈る。

誰か、この子を助けてあげて。

私に約束を守らせて。

神様…神様…

お願い――


978 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 15:41:07 ID:ehJLVed30
11/13
――

「――では、少々お待ちください」

神尾美加を奥の座敷に通し、壷の説明――勿論、危険性を省いての説明をした私は、彼女をそこに待たせて部屋を出る。

そして自分の書斎に行き、金庫から壷の入った箱を取り出す。
…と、そこで部下からの報告が入る。

往来会本部が炎上した、と。

私は満足気に頷き、壷を持って神尾の待つ部屋へと向かう。

これで良い。
これで、全て終わる。

…往来会は、私のものだ。
そしてその私は、既に隠居を考える歳になっている。

私が退いた後、往来会はどうなるか?
…そんなことは目に見えていて、高城沙織が実権を握ることになるだろう。

それは――絶対に、許されない。


979 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 15:43:53 ID:ehJLVed30
12/13
私にとって最大の失敗は、私の後を継ぐ人間を育てられなかったことだった。

組織の中にはこれといった人材が居らず、汐崎真奈美に目をつけていたものの、彼女はやはり若すぎた。
ここにきてやっと、神尾美加という逸材に巡り合えたが…

それではやはり、遅すぎたのだ。

今から神尾を育て、彼女を高城のレベルまで引き上げるには、数年掛かるだろう。
その間、高城が何をするか…私の往来会に何をするか、そんなものは見ていられない。

ならば、どうするか?

…簡単だ。
往来会を、潰してしまえば良い。
邪魔者と共に。

私は神尾を育て、新しい組織を作れば良い。

それが私の計画の、最終目標だ。


980 :赤緑 ◆kJAS6iN932 :2010/12/15(水) 15:45:38 ID:ehJLVed30
13/13
私は神尾の待つ部屋に入り、彼女の前に壷の入った箱を置く。
…ここは、慎重に行わなければならない。

私「この中に、先ほどお話した物が入っています」
神尾「…はい」
神妙な面持ちで返事をする神尾。
流石に緊張しているようだ。

…それもそうだろう。
彼女にとって、念願が叶うときが来たのだから。
しかしこれは、良い感じだ。
必ず上手くいく…。
私はそう確信し、箱の蓋に手を掛ける。

私「では、これから――」
声「――失礼します」

…と、そこで誰かが部屋に入ってくる。

誰だ…?

と思い、そちらを見る。
…するとそこには、事務の三島が立っていた。



981 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 18:16:05 ID:MQ98NVl00
>・話を投下する際はなるべくまとめてから投下しましょう
悪いがスレの方針的に全部話を書き終わってから投下してくれんか
その程度の分量も一気に書けない年齢なのかもしらんが
なんで話を半端に区切って小分けに投下するのか意味が解らない
そのレベルで物書きを気取って「連載」してるつもりなら鼻で笑うしかないが


982 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 18:42:34 ID:D2kCGi5U0
>>981
赤緑に言ってるのか?
だとしたら鼻で笑われるのはお前になるぞ

983 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 18:56:06 ID:U0UcmzXg0
>>981
何言ってんだコイツw 笑わせんなw
         ∧_∧
     o/⌒(. ;´∀`)つ
     と_)__つノ  ☆ バンバン

984 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 19:17:55 ID:BjOqUrip0
赤緑氏乙でした

985 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 19:22:39 ID:jEY9NTnhP
赤緑イイヨー乙乙でした

986 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 19:23:00 ID:fZex6crH0
GJ!

987 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 19:47:45 ID:GbmpHBVS0
流石赤緑
余裕の安定感である

988 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 20:53:58 ID:FT9RFZcJO
流石、ラノベもどきのモバゲー小説は一味違いますな

989 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 21:32:16 ID:B7foNrzY0
スレももーすぐ終わり、新スレもあるのに投下するとは
一度も読んだことないけど、さすがクリスマスカラーなだけあって、クリプレですねw


990 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 22:14:28 ID:MQ98NVl00
ワラタ
ここまでレベルの低いスレだったのかw
もしかしてこのスレって小学生専用?
確かにそれなら場違いなのは俺だわw
すまんかった


991 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 23:30:59 ID:YfQKtg/O0
あんま気張るなよ
誰も褒めちゃくれねーぞ

992 :本当にあった怖い名無し:2010/12/15(水) 23:59:05 ID:CfrTR9Yh0
赤緑乙津!

>>990
お前このスレ初めてか?
力抜けよ。

993 :本当にあった怖い名無し:2010/12/16(木) 01:13:26 ID:jN/KQ+UW0
うめ
あの人新スレにも出なくなったな

994 :本当にあった怖い名無し:2010/12/16(木) 01:43:55 ID:kRmRg+At0
スレ進んでる!もしやあの人の投下が⁈

と思ったら、やっぱりコイツかよw

995 :本当にあった怖い名無し:2010/12/16(木) 02:55:14 ID:ITyqpwS20
>>990
たぶん君は何か勘違いしている

996 :本当にあった怖い名無し:2010/12/16(木) 04:06:55 ID:afAj8j2M0
つーか、もう来なくていいんでね?

997 :本当にあった怖い名無し:2010/12/16(木) 04:40:00 ID:m7cZC6qE0
おわるぞーー

998 :本当にあった怖い名無し:2010/12/16(木) 05:07:42 ID:jN/KQ+UW0
うし

999 :本当にあった怖い名無し:2010/12/16(木) 08:15:40 ID:fBoZOqYp0


1000 :本当にあった怖い名無し:2010/12/16(木) 08:16:34 ID:fBoZOqYp0


1001 :1001:Over 1000 Thread
                      γ
                      (
                      _ノ

                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
千本目の蝋燭が消えますた・・・
新しい蝋燭を立ててくださいです・・・

436 KB
★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.02 2018/11/22 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)